パンツを繕う男
パンツを繕って履いてるのは、はんら家の長男、コーちゃん。穴が開いたのに、自分で繕って履いている。軍隊の時に支給されたパンツだ。除隊してもう5年も経つので、充分、履いたんだし、穴開いたんだから捨てたらいいのに、「まだ繕えば履ける」と、履き続けている。なんで?前にこっそり1枚捨てたら「パンツが1枚足りない!」と大騒ぎになったので、こっそりも捨てられない。ちなみに、コーちゃんはパンツを20枚くらい持っててタンスがパンパンだ。穴が開いたのを繕ってまで履く必要はみじんもないのに、よくわからない。(今、ちょっと数えてきた。タンスに入ってるのが18枚、物干しに干してあるのが1枚、今日、履いていったのが1枚、計、きっかり20枚)20枚のうち1枚が無くなって騒ぐなんて管理能力がしっかりしてるの?!?はんらはおパンツが1枚無くなっても「あれ?そういえばあのおパンツ、最近見ないなぁ~?」で終わっちゃう。コーちゃんの父、ノギさんも変だ。10年か15年くらい前に会社から支給された会社のロゴ入りの長袖Tシャツ、もう袖のところがボロボロなのに、捨てないで毎日、家で着ている。なんでも、肌触りがサイコーなんだそう。もちろん、ノギさんも服はいっぱい持っている。そしてこっそり捨てようにも、これまた毎日着ているので、捨てられず。。。何回か「袖口がもうボロボロだから捨てない?」と打診したけど、「この服は、すごくいい綿なんだ」と言って、却下された。会社から支給された団体用Tシャツ(多分、安物)だから、同じメーカーの同じようなものを買おうとしても買えない。はんらはどんなにお気に入りの服でも、穴が開いたりすり切れた時点で、アッサリさよならするけどな。