住宅年金
韓国人の高齢者貧困率が世界でトップだとも聞く。反面、裕福な人が裕福なのはどこの国も同じ。韓国は急激に物価が上がったので年金上昇率が物価上昇率についていけない。20年30年前と比べて物価が10倍になったのに年金額を10倍にはできないのだ。そんなことをしたら、国民年金は破綻するでしょう。今の韓国で多くの人が受け取れる年金額は、100~150万ウォン(11万5千円~17万2千円)くらい。今の60代以上は結婚・妊娠したら女性は職場を辞めなければならない時代だったので妻が年金をもらえるケースはほとんど無い。だから、夫婦で、11万5千円~17万2千円くらい受け取れるということだ。その金額で、日本より物価の高い韓国では暮らせない。例外は、公務員。公務員年金は国民年金とは制度も出所も違うので、金額も全く違う。例えば、日本語教室のキムさん。去年は毎月年金を430万ウォンもらってる(←クリック)と自慢してたけど、物価が急上昇したから、今年は470万ウォン(53万9千円)くらいに増額してもらえるんだそうだ。そしてやはり韓国で強いのは不動産。不動産を持っていると、その不動産で「住宅年金」「土地年金」というものがもらえる。不動産価格と年齢で計算して、不動産価格分の年金がもらえる制度だ。死ぬまでもらえ、本人が死んでも配偶者が同じ金額をもらえる。2人共死んだら、その不動産は国のものとなる。2人が早く死んでしまって不動産価格分の年金を全部受け取る前に死んでしまったら残金は子供たちがもらえる。住宅年金をもらった不動産は国のものとなるので、子供たちが遺産相続することはできない。不動産を子供たちに残したいなら、この制度を利用しなければいい。利用しなければ不動産はそのまま配偶者や子供たちに相続できる。(譲渡税はかかる。)不動産価格が下がらない韓国ならではの制度だと思う。例えば、日本語教室のユーさん。ユーさんは30年くらい前に、天安市内の千坪くらいの農地を1億4千万ウォンくらいで購入。今はその土地が値上がりして、8億ウォン(9千170万円)くらいになっているようだ。その農地で「土地年金」を申請したそうだ。その額、なんと、毎月300万ウォン(34万4千円)。ご主人の年金が毎月160万ウォンなので、夫婦で毎月、460万ウォン(52万7千円)入って来るそうだ。「お金を使っても使っても次の月にはまた入金されるのよ」と、ユーさん。ミニさんのお姉さんも住宅年金だけで毎月200万ウォン(22万9千円)、それ以外に年金も入って来るので余裕の老後生活らしい。ちなみに、住宅年金額は住宅価格に寄るので、はんらマンションや緑の村マンションのような古くて小さい、シケたマンションでは小さな金額しかもらえない。それでも、数十万ウォン(数万円)にはなるので、生活の足しにはなるだろうと思う。