弥生時代にちょっと寄り道
駅で買い物した帰り道、ちょっと散歩がてら近くの公園を通ってみました。以前から来ようと思いながらついつい先延ばしして10年も経ってしまった遺跡公園です。ここにはニュータウンを開発するときに調査発掘された弥生時代の集落と墓地のセット遺跡が保存されています。大塚集落と歳勝土(さいかちど)遺跡と呼ばれるもので、100人近い人達が暮らしていたそうです。今は当時のままに復元され、自由に中に入れます。夕方で雨が降りそうな天候だったので公園には誰もいなくて、一人たそがれ迫るひととき、この竪穴式住居の中にしゃがみこんで悠久の古代に想いを馳せました。遺跡の発掘の途中では崩された堀や多くの家の焼け跡などが出てきて激しい戦いがあったことが推測されてます。集落の周りにぎっしりとめぐらした無数の高い杭と深い溝がその頃の社会状況を表しています。日本は縄文時代は比較的穏やかでしたが、弥生時代以降、江戸時代初期までは絶えず争いがあったようです。おそらく農業の発達がその収穫をめぐる争いを増大させたからでしょう。各地の遺跡から様々な農具と同時に武器が発掘されているのがそれを物語っています。のどかな土地で、祖先を祭り、立派な集落や田畑を作った弥生の人々が一番恐れたのは人間だったなんて、ちょっと残念な気持ちです。