思いっきり徒然

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• 文化を担う資格なし！

  角川が「NPO」と「ボランティア」を商標登録していたんだって。何の意図があってやったんだろう。他社にその二つの言葉を使わせないつもりだろうか。完全に一般名詞じゃん。そんなことをやる会社が出版という重要な文化事業に携わっているとは、驚き、桃の木だ。似非出版社の面目躍如かな。今後角川の本は買わないようにしましょうね。出版社はまだ不買運動の対象にできるからいいよね。電波を勝手に垂れ流しておいて、法外な金を取るところは、どんな不祥事を起こしても不買運動はできないよね。受信料支払い拒否。やっぱ、これしかないでしょう。ところで、今回の不祥事を当事者はもちろん、他のマスコミも根堀葉堀は取り上げませんね。やっぱりマスコミも仲間内には甘いようですなあ。

  2004.09.16

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• 刺しつ、刺されつの一家

  いやあ、和歌山の橋本には凄い一家があったんだねえ。２３歳の兄は弟を刺して服役中。そして１９歳の弟は兄のことで５４歳の父親を刺し殺して家に放火。これまでどんな生活だったのかねえ。いつ誰が誰を刺すのか、日々スリル満点の生活だったのかも。父親はナイフの使い方だけは懇切丁寧に教えたんだろうね。そして、二人の息子はその教えを守り、ナイフの究極の使い方を実践してとりあえずは娑婆を去った。でも、兄は３年もしないうちに、弟も１０年もすれば出てくるだろうよ。７０歳代まで生きるとして、二人でこれから２０人は刺せるぜ。これもお父さんのおかげです。感謝、感謝。まてよ、考えてみると年齢構成がわが家に似ているぞ。私としても身内に刺されないように気をつけよう。もちろん、ベッドにはサバイバルナイフを忍ばして寝なくちゃね。

  2004.09.15

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• ジャーナリズムの真髄

  今朝のY新聞に行方不明の幼い兄弟を探す栃木県警のヘリの写真が載っていた。ヘリから身を乗り出して探す乗員の姿がバッチリ写っていた。それを上からの角度で鮮明にとらえているから、新聞社のヘリは県警のヘリのすぐ上を飛んでいたようだ。迫力ある写真は一面に載せる価値があったのだろう。でもさあ、近くをウロウロされたんじゃあ捜索の邪魔だし、そもそも、写真を撮っている暇があったらお前たちも探せよ。と思うのだけど、マスコミには通用しないんだよねえ。何しろ、自分の目の前で人が殺されていても、助けることよりシャッターを押すことを考えるヤツ等だからねえ。昼のニュースでは弟の遺体が見つかったと言っていた。あまりにも無責任な父親を持ったことが悲劇だったというべきか。

  2004.09.14

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• 子供が見えない？

  そんな番組をＮＨＫでやっていた。印象的だったのは「女の子は母親の作品」と言っていた女性の言葉。「私は私」と娘は反発して良い子から悪の道に。この親子の不幸は、娘が良い子を演じられたこと。わが家の息子達などは、演じることさえできずに、はなから親に見離されて伸び伸び。がっくりするほど偏差値の低い学校へ進学したけど、自分でちゃっかり就職先を探してきたよ。何に口を出して、何をほったらかしにするか。そこが難しい親業でした。

  2004.09.05

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• 危険を察知したら先制攻撃しかないか

  １０００人以上の人質をとっていたらしい。ロシアの部隊が突入して犠牲者は３００人を超え、その半数以は子供だとか。狭いところに重なるように閉じ込めて、水も食料も与えず、トイレにも行かせなかったそうだ。限界は誰の目にも明らかだ。全員が殺される前に一人でも救出する方途を採るのは当然だろう。それにしれも、逃げ出す子供たちを後ろから撃っていたそうだから、人殺しを楽しんでいたとしか言いようがない。校舎の工事のときに作業員にまぎれて武器を運び込んでいたとか。ここまで周到に用意された大量殺戮に当局は無力だったのだろうか。学校、劇場など人の集まるところは厳重な警備を敷くしかないか。こんな現実を目の前にすると、ブッシュの先制攻撃主義は、充分な正当性が認められることになりそうだ。ところで、わが国の警備当局はどんな方策があるのだろうか。そういえば、アルカイダのメンバーが中古車販売業を営んでいたなあ。

  2004.09.04

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• オリックスの監督は？

  近鉄とオリックスの合併の話でも書こうと思っていたら、オリックスの監督の名前が思い出せない。誰だったけ？ええと、誰だったかなあ。思い出すのを諦めたときにふと思い当たった。伊原だー。ガキの頃から西鉄ファンだったから彼が入団した頃を知っているんだよ。芝浦工大の出身でねえ。学士時代にプレーイングマネージャーをやっていたはずだよ。選手としては大した実績はないけど、コーチが長かった。西武の黄金時代にずっとコーチだったなあ。オリックスは阪急電鉄、ダイエーは南海電鉄、西武は西日本鉄道だったんだよねえ。これに近鉄だからパリーグの４球団は鉄道会社で残りは東映と大映で映画会社。映画会社とっくに斜陽でさようなら。鉄道もどんどん見切りをつけて今や近鉄だけに。よくもまあこんなに長く持っていたものだ。球団を経営したい会社があるんだから、譲渡すればいいじゃん。余裕のある会社が一時あずかります、ということでいいんだよ。私の提案。プロ野球は一リーグ制でいいと思う。そのかわり一部、二部、三部と階層を作って、入れ替え制をやったらいい。最下位をかけた試合はいつも超満員だろう。一部になればどのチームでも巨人戦を手に入れられるし、弱い球団はどんどん奈落の底へ落ちればいい。巨人が二部に落ちたら、二部リーグが盛り上がったりして。一定の要件を満たせば新規参入は自由にすればいい。そして、どんな小さな都市にもプロ野球球団があるようにすればいい。仙台ササカマーズに長崎ザボーンズ。日本中が二部だ三部だと････いいと思うけどなあ。

  2004.09.03

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• マニュアルでもあんの？

  今日はちょいと寝坊して電車一本遅れてしまった。電車一本と言っても、中長距離の電車なので２０分はあった。いつもの地下駅で下りてのいつものエスカレーター。何か違うぞ！？おお、下っている！上りの階段は乗客（降りた後も乗客？）でいっぱい。下りのエスカレーターには人っ子一人乗っていない。これって何なの？一定の時間を過ぎたらエスカレーターの運転方向を変えるの？そんなマニュアルでもあんのかよ。あっても馬鹿正直にやるかあ？マクドナルドでのお話。客　：「ハンバーグ５０個ください。」店員：「こちらで召し上がりますか？お持ち帰りになりますか？」マニュアルだよねえ。

  2004.09.02

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• 復活しました

  転勤、出向と激動の一ヶ月でした。オリンピック、印象に残ったのは何？柔道？レスリング？マラソン？どれもこれも女性かな。うん私も、マラソンの野口みずきちゃんは、感動でした。ラドクリフさんは可哀想でしたね。オリンピックはその日に誰が一番強いかを決める大会で、過去の記録の品評会ではないということかな。その意味でも、私の一番は８００ｍ自由形の柴田亜衣。一馬身（？）も離されてからの逆転だからね。レースの前後のあっけらかんとした表情もいいし、表彰式が終わった後の涙もいい。アヌシュ丸ちゃんがメダルを返さないんだって？。金属の塊自体に価値はないんだけどねえ。さて、ネットで中古本を注文しました。お祭りも終わって、読書の秋といきましょうか。

  2004.09.01

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• できるかどうかやってみよう、のび太君！

  選手会は球団合併に反対なんだそうだ。そりゃあそうだろう。プロ野球選手が少なくなって、年俸の下がるもんね。このままだとストなんかやるらしいが意味無いよ。ファンの野球離れに拍車がかかるだけだよ。そこで提案なんだけど、選手はプロ野球機構を飛び出して、自分たちで新しいリーグを作ったらどうだろう。実力のある選手を集めて何チームか作って、新リーグを立ち上げるんだ。そもそも、ナンデヤクルトなの？ナンデ日本ハムなの？企業の宣伝媒体としてではなく、本来の興行主体として企業してみましょう。スポンサーと観客を集めて、自分たちで年俸を稼くのです。それくらいの覚悟もなくて、ストだなんてちゃんちゃらおかしいぜ、古田君。ガラガラの球場で野球やって、何億も頂戴していたのは君達なんだから。さらに言えば、年俸吊り上げだけに一生懸命で球界の改革・発展のために何も言わず、何もしてこなかったのも君達じゃあないのかな。

  2004.07.11

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• 備中高松城

  出張の帰りに備中高松城に寄って来ました。行政区的には岡山市になるんですね。もっと山奥のほうかと思っていました。さて、この備中高松城は、秀吉の水攻めに遭った城として有名です。堰を作り、川をせき止めて人造湖の中に城を孤立させた話ですね。テレビで見たのですが、湖にポツンと城が浮かんでいる映像が印象に残ってます。さて、現状ですが、城跡には石垣も土塁もありません。小さな公園になっていて、周りの土地より１メートルくらい高いだけです。蓮の池からは２メートルくらいの高さだから、当時もまわりの湖沼からはそのくらいの土地だったのでしょう。秀吉は高さ７メートルの堤防を造ったそうだけど、３，４メートルあれば充分だったと思います。そのくらい水を溜めれば城内は水浸しになったはずです。当時の城らしく、天守閣は当然なく、沼に守られた館という感じでしょうか。どうも城というとすぐに天守閣ですからね。それでも、本丸、二の丸、三の丸とあり、周りに支城もあったそうだから、なかなかの規模だったのでしょう。秀吉が力攻めを諦めたくらいですから、難攻不落でもあったはずです。当時でも名城と言われていたそうです。思うに、湖や沼に囲まれて攻めづらい城だったのでしょう。しかし、そこを逆手に取られて水攻めにされちゃったわけです。３キロにわたる堤防を１２日で築き、川の水が入っていくようにしました。時あたかも梅雨。降り続いた雨で見る見る水かさが増していったのです。空梅雨だったらどうしたんでしょうね。雨請い？何年か前の豪雨の時に洪水となった現地の様子が資料館の写真パネルにありました。もともと、堤防がなくても洪水になるところだったんですね。その時の城主が清水宗治。家臣の命と引き換えに、自分は自刃する。小船に乗って城から出て、秀吉の目前で切腹する図は、一つの見せ場です。ここで詠んだ辞世がこれまた有名で、石碑にも彫ってありました。「浮世をば今こそ渡れ　武士（もののふ）の名を高松の苔に残して」享年４７歳。わたしより若いじゃん。長生きに感謝、感謝。彼の生き方と辞世に敬意を表してわたしも一首、「高松に名と歌伝えて４００年　城や堤はとうに失せるも」

  2004.07.10

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• 絶妙のタイミング

  曽我ひとみさんとその家族との再会がインドネシアと決まった。日付がなんと７月９日。おっとどっこい、１１日は参議院の選挙じゃないか。テレビニュースで彼等の笑顔が流れ、翌日の新聞には再会を祝う記事が並ぶだろう。そして、首相、つまり自由民主党総裁の笑顔のインタビューが流れる。そして、そのイメージを持ったまま人々は投票へ行く。人道上のことだから、日付を繰り下げろなんてどの野党も言えない。いったい北側とどんな取引があったんでしょう。まさか、党利党略のために、国益が損なわれているなんてことはないよね。

  2004.07.06

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• 貧乏人は貧乏人らしく

  球団の代表者会議をやっていた。分厚いじゅうたんの上に鮮やかなクロスのかかったテーブルに偉そうな人たちが集まっていました。おいおい、ちょっと待てよ。てめえらの大部分は大赤字の企業(球団)の代表じゃあねえのかよ。だったらそれらしく、近所の公会堂なんかで折りたたみ式の骨組みむき出しのテーブルでやるんじゃないの。それが世間の常識なんです。いやいや、そうじゃあなかった。昔から大企業の社長の道楽が球団を持つことでした。球団商売や利益なんか二の次三の次。観客席がガラガラでも、オーナー席にふんぞって喜んでいる人たちが球界そのものだったんですねえ。サッカーのＪリーグが革新的なシステムを擁して台頭してきても何の改革のしませんでした。一番お金持ちのあの老舗球団でさえも、球界のためには何にもしてこなかったんですね。球界全体が発展するシステムを導入しないでチームの合併や一リーグ制をやったににしても付け焼刃そのもの。スリーダイヤの車屋サンと同じ運命のようですなあ。

  2004.07.05

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• どんなに幸福であっても

  ＮＨＫで「名探偵ポアロとマープル」が始まりました。アニメですけどね。今回の宝石盗難事件は実写で見たことがあります。原作にはないメイベルという女の子が登場します。この時間帯のアニメには必須のアイテムということでしょうか。この番組の冒頭に彼女の声でこんなナレーションが流れます。「どんなに幸福であっても自分で選んだものでなければ意味が無い」と。素晴らしいメッセージですね。次の時間の「新撰組」なんかよりよほどためになるかも。良い子たちには勇気を、悪い親たちには教訓を与えそうです。謎解きを楽しみながら、メイベルを応援するのも一興でしょう。うちには女の子が居ないことだし。

  2004.07.04

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• 日本人も捨てたモンじゃない

  次男が落とした財布が警察に届けられて戻ってきた。中味もちゃんとあったそうだ。大都会にもまともな人がいるんだねえ。日本人もまだまだ捨てたモンじゃないね。少しばっかり未来が信じられるような気がするよ。もっとも、わが家のカーポートに置いていた次男の自転車が盗まれたのは数年前だったなあ。いい人も居れば悪い人も居るってところだな。いいことにはたくさん喜び、悪いことには普通にガッカリすることにしようぜ。

  2004.07.01

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• イラク派遣に賛成は零点？

  エアイチ県の高校で「自衛隊のイラク派遣」に賛成と書いたら０点だったそうだ。さすがに高校の先生ともなると立派に自分の世界観で生徒を導いていらっしゃる。教職員組合の方針など無視しておられるところが偉い。アメリカ本国でもイラク戦争は失敗だったという人が半数を超えたそうです。そりゃあそうでしょう。あれだけの人間を投入して、あれだけの弾薬をほぼ無差別に使っても、何の成果も上がっていないのですから。フセイン政権は打倒したものの、テロはとどまるところを知らず、イラクの国土は日に日に荒れ果てています。そんなイラクの復興支援に立ち上がったのがわが自衛隊です。アメリカ軍と自衛隊とはイラクに存在する意味がまったく違います。ですから、多国籍軍に自衛隊が加わることなど言語道断としかいいようがありません。頭の悪いイラク人達が自衛隊とアメリカ軍とは同じだと考えても無理はありません。テロリストには自衛隊への攻撃の正当性を与えてしまいます。どうしても多国籍軍に加わりたいのなら、アメリカ軍抜きで多国籍軍を作りましょう。この秋にはブッシュ政権も終焉を迎えます。そんなときにブッシュの軍隊に加わることなど、百害あって一利なしなのです。そこんとこ、よ～く考えようね、小泉さん。

  2004.06.26

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• 対等以上のお付き合い

  １３歳と５歳ってどういう関係なんでしょう。中学生と幼児。普通なら接点がないような年齢だけど、どうやら二人は対等に付き合っていたようである。いや、殺人までやろうとするのだから、対等以上と言えるだろう。殺されてしまうような憎まれ口を叩く５歳もなかなかだが、幼児を５階の踊り場から突き落としてしまう１３歳も凄い。いったい二人はどんなお付き合いをしていたのでしょうか。それにしても、人生には取り返しのつかないことがあって、それはやってはいけないことだと、１３歳の親は教えなかったのかねえ。リセットができるのはコンピューターゲームだけなんだよ。１３歳は一人っ子かな。兄弟姉妹のない少年少女が犯罪を犯す確率は兄弟姉妹のある子供にくらべて１３倍にもなるんだって。世の大人のみなさん、あれこれ悩むより子供をたくさん作ったほうが世のため自分の子のためですぞ。

  2004.06.24

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• だから言ったのに

  人の忠告を聞かないからこういうことになるんだよ。海や川には近づくなと言ったでしょう。こんな状況で海に行って死んだのは、イラクに行くよりもっと自己責任！同情の余地は微塵もありやせん。それにしても、強風域に入ったというのに超静かです。雨も降らなければ、梢（こずえ）もそよぎません。やっぱりここは山や島に守られた天然の要害ですなあ。大悪人も出なければ、大善人も出ない。小悪人や小偽善者の町のようです。それはそうと、明朝はしっかり暴風域に入るらしい。会社休もうっと。そうそう、小悪人。明日もまたきっと、高波や増水した河川を見に行って、死んじまう馬鹿者もいるんだろうなあ。南無阿弥陀仏。

  2004.06.20

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• アボンリーへの道

  「アボンリーへの道」の再放送も今夜で終わったようですね。第一回目を見たので時々見ていました。６年もやっていると、子どもたちも大きくなってビックリ。そうそう、日本でも「北の国から」って子どもの成長リアルタイムドラマをやっていましたね。セーラもフリシティも美しい娘に成長していました。こんなことができるのは、テレビドラマくらいなものです。「大草原の小さな家」も同じようなコンテンツでした。さて、終回の二つ前の「ガスの消息」で病院の中が映っていました。壁に振り子時計がかかっていました。文字盤の数字がローマ数字でした。あれと同じ柱時計がうちにあったんですよ。じいちゃんが踏み台に上がってゼンマイを巻いていました。１時間ごとにボーンボーンって鳴って、のんびりした時代でした。今どきの時計は鳴らないねえ。ガス・パイクの目は結婚式には見えるようになると期待してみていたのだけど、そうまでハッピーにはしてくれませんでしたね。デッカイ台風が近づいているとか。死者、行方不明者になるのはあなたかも知れません。海や川に近づくのは止めましょう。

  2004.06.19

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• 偏差値４０以下お断り

  偏差値４５以下の高校出身者は、入店は認めますが物品を販売することはお断りします。偏差値４０以下の高校の出身者は、入店をお断りします。ドンキホーテははは、セルバンテスもビックリねえ。

  2004.06.17

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• 何のために参加するの？

  自衛隊を多国籍軍に参加させようとしているんだって？何のために？何のいいことがあるの？自衛隊を多国籍軍に参加させて何をさせようというのか。人道支援？だったら単独でもいくらでもできるじゃん。戦闘行為を目的とする任務には参加しない？戦闘行為を目的としない多国籍軍があるわけないじゃん。憲法上できるかどうかを議論する前に、そもそも何の必要があって自衛隊を多国籍軍に参加させるのか！この明確な説明がないまま、突き進むのは許せない。戦争するのはいいよ、自衛官が亡くなるもよしとしよう。しかし、何のための戦争なのか、何のために自衛官が死ぬのかだけは、はっきり説明して欲しい。今のイラクで命を落とすのは犬死だ。勝手にイラクに居る人はともかく、命令でイラクに行っている人は、即刻帰国させるべきだ。君たち！明日にでも帰って来い！

  2004.06.14

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• 燃やされた折鶴

  広島市のある公園に平和を祈念したモニュメントにあった折鶴一万羽が燃やされました。去年の夏には平和公園の折鶴１０万羽がＫ大学の学生に放火されて灰になりました。罰当たりとはこういう人間を言うのでしょう。アルカイダに宅急便で送りつければいいと思うのは私だけだな、たぶん。今回の事件の犯人もブルドーザーに轢かれて後悔すればいいのだと思います。そいつらのことは罰が当たるのに任せればいいとして、問題はその後の人々の対応なんです。折鶴を燃えない素材にしたり、丈夫なガラスケースの中に入れたりする場合があまりすが、それはちょっと違うかなと思います。本当に大切なのは作られた多くの折鶴ではなく、折った人の心なんですよね。何百万羽燃やされようと、平和を願う人の祈りの心は決して消失はしません。物はいずれは形を変えるし、朽ちてなくなります。１万羽燃えたら２万羽作ればいいのです。平和を願う心こそが力になるのです。ただ、祈るだけでは平和は来ません。守るということは、戦うということなのですから。その闘いのベクトルがどっちにむいているかでまったく違う思想、行動になるんですけどね。

  2004.06.06

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• 子どもの頃には暴力や虐殺が必要なのです

  同級生を刺し殺した女児の親が言っていましたね。その子は「問題なく育っていた」と。これって変ですよね。問題のない子なんているんでしょうか。私は子供の頃、どぶ川の蛙をデコピンで気絶させ、何匹も水面に浮かび上がらせました。子猫をマットの間に入れて、衰弱死させました。裏庭にある池の小さな鯉をすべて救い上げて、全部の頭をちぎって殺しました。どうです、暴力、虐殺のオンパレードです。このくらいしっかり問題を起こしておけば、人が殺せる年になって、殺人という発送はしなくて済むのです。問題のないお子さんをお持ちのあなた！すでに子育てに失敗しているかも。

  2004.06.05

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• 核武装のすすめ

  フランスはどうしてあんなにアメリカに堂々と楯突けるのでしょう。それはね、自分で自分の身を守るすべを持っているからなんです。じゃあドイツはどうなんでしょう。自国にアメリカ軍の駐留を許しているくせに堂々と自説を主張しているのは何故でしょう。それはね、近くに自国を脅かす脅威がないからなんです。ソ連は崩壊し、東ドイツは消滅しましたから。さて、日本はどうでしょう。自分で自国を守る術はありません。近くには核兵器付きの弾道弾を持った狂信的な国があるのです。アメリカの核の傘の下に入るしか方法はないではないですか。日本は無実の若者たちを人質のようにイラクに送るしか生き残る道はないのです。イラク派兵に反対なら核武装を強力に主張しましょう。沖縄の基地問題だってあっという間に解決するのです。核武装に反対するのならイラクでもアフガニスタンでもアメリカの命ずるところどこにでも無実の若者を派遣しましょう。ほかに日本と私たちの安全が説明できる方策があるのなら話は別ですけどね。

  2004.06.04

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• ＮＨＫの人権蹂躙

  ＮＨＫのおひるのニュースを見てビックリ。佐世保市の小学生殺人事件で、加害者の言い分が報道されていました。被害者が加害者の身体的な悪口をホームページに書いたので止めるように言ったら、また同じことを書かれたので殺そうと思った。これって裏づけがあるんでしょうか。被害者はもうこの世に居ないのです。被害者は反論することができないのです。多くの国民はＮＨＫの報道は客観性が高いと思っています。ワイドショー的な無責任な報道は厳に慎むべきです。被害者のご両親はいたたまれないことでしょう。死者の人権にも最大限の配慮をすべきです。てなことをＮＨＫに書き送ったのですが、小泉さんも言うように、マスコミは言うことを聞きませんからねえ。

  2004.06.03

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• 殺人の行動様式と文化

  小学校６年生の女児が同級生を刺し殺した。おそらく報道の世界では、動機は？心の闇は？人間関係は？と様々な視点から議論されるだろうけどそういうことだろうか？結論は「命の大切さを教えたい」？？？そんなこと幼稚園児でも知っているぜ。わざわざ六年生に言うことじゃあないよ。人間だからさ、相手をギャフンと言わそうと思うときってあるよね。そんなときに、どんな行動をとるかなんだよ、問題は。友達に悪口を言いふらす人も居るでしょう。ほうきを持って待ち構える人もあるでしょう。それなら、めったなことで人が死んだりはしません。ところが、いきなりカッターナイフを持ち出して殺してしまった。何故、どうして、六年生の女児がこんな行動をとるのか。こんな思考回路を持ってしまったのは何が原因なのか。誰が何時、教えたのか。誰から学んだのか。その女児を育んだ我々の文化とはいったい何なのか。命の大切さなんか教えたって、しょうがないですよ。文部大臣！教育委員会!校長先生！学校の先生！

  2004.06.02

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• あとがきにかえて

  残虐なのはナチスドイツだけではなく、フランス革命時のフランス人も負けず劣らず残虐なものだったことが分かります。テロリスト然り、イラクのアメリカ軍然り。他の生き物を殺して食っていた過去の野生や本性がそうさせるのでしょうか。やはり、人間には信仰が必要なようです。さて、マリー・アントワネットですが、フランス史上もっとも有名な女性であることは間違いありません。様々に議論されていますが、結論としては、感傷的でやや軽薄なひとりの女性に過ぎないという言い方もできるでしょう。そして、激動の時代にあって、歴史的な運命を引き受けるだけの器量は持ち合わせていなかったことも確かでしょう。彼女はマリア・アントニアのままで一生を終えることがいちばん幸福なことだったと思います。しかし、彼女は物心もつかないうちに過酷な運命に放り出さてしまいました。その中で彼女は、常に自分自身であり続け、彼女なりに短い人生を闘いぬいてこの世を去りました。そのことが、徹底した貴族趣味や悲劇的な最期とあいまって、我々の興味をひきつけるのではないでしょうか。

  2004.05.21

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• 元王妃の最期

  判決の翌日１７９３年１０月１６日、無数の群集がひしめくなかで、マリー・アントワネットは断頭台へ向かう荷馬車に乗りました。元王妃を乗せた荷馬車は、ゆっくりと進みました。彼女の白い髪はバッサリと切り落とされ、帽子からはみ出していました。顔は青ざめ、目は充血していましたが、背筋はピンと伸びていました。処刑場に到着して断頭台を目にしたときに、彼女は一瞬怯えたような表情をしましたが、次の瞬間には颯爽と荷馬車から降りました。そして、挑戦的な態度で断頭台の急な階段を登り、頭をさっと振って帽子を落とすと、ギロチンの刃の下に首を置きました。１２時１５分、刃が落ちると、死刑執行人は血まみれの頸をつかみあげました。それを見た群集は「共和国ばんざい！」と口々に叫びました。死刑執行人たちは王妃の遺体をマドレーヌ墓地へと運び、身体の部分を草の上に放り投げ、脚の間に頭を置き、そのまま一日以上も放置されたといいます。

  2004.05.20

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• 義妹への最後の手紙

  厳しい寒さにもかかわらず、裁判所の外では大勢の群集が判決を待ちわびていました。審議が終了したと言う合図が出ると法廷は深い沈黙に閉ざされました。「マリー・アントワネット、これから陪審団の答申を言い渡す」と裁判長が告げると、検事が「被告人は死刑に処せられる」と叫びました。その判決をマリー・アントワネットは身じろぎもせずに聞き、呆然としたまま法廷を横切って退出しようとしました。民衆がつめかけている傍聴席の前に来ると、ふたたび昂然と頭をもたげましたが、廊下に出るとよろめき、「もうなにも見えなくて、歩くことができません」と言って憲兵の手を借りたといいます。独房に戻るとすぐにエリザベート内親王にあてて、最後の手紙を書きました。「妹よ、あなたに、最後の手紙を書きます。私は判決を受けたところです。しかし恥ずべき死刑の判決ではありません。死刑は犯罪者にとってのみ恥ずべきものなのですから。あなたの兄上に会いに行くようにとの判決をくだされたのです」

  2004.05.19

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• 悪意に満ちた裁判

  マリー・アントワネットが知らないうちに、裁判は単なる逃亡計画に逃亡計画に対する審議ではなく、革命全般に対する彼女の姿勢を糾弾するためのものとなっていました。１７９３年１０月１２日午前６時、革命裁判所の裁判長は、検事と書記の前にマリー・アントワネットを出廷させます。この非公開で行われた尋問の席で、マリー・アントワネットを「敵との共謀」と「国家の安全に対する陰謀」の罪で裁判にかけることが決定しました。１０月１５日午前８時、かつてフランスに君臨した王妃マリー・アントワネットは、青ざめながらも威厳に満ちた様子で裁判所の大法廷に姿を現しました。喪服姿に喪章をつけた白い帽子をかぶった彼女は、検事と裁判官たちが居並ぶテーブルの前に用意された椅子に腰をかけました。「オーストリア女」が犯した罪状が読み上げられたあと、４１人の人間が虚偽で固められた証言を行いました。それらの証言に対して、王妃ははっきりと反論しました。裁判長は彼女を有罪とする決定的な証拠を引き出すことができず、王妃の弁護士たちは、熱心に彼女の立場を擁護しました。そして裁判長の長い演説が終わると、陪審員たちが退出して「審議」を行うことになりました。マリー・アントワネットは、国外追放の刑に処せられることを期待していました。しかし、実際にはこの裁判の判決は初めから決まっていたのでした。陪審員たちはそのことをカムフラージュするために、討議するふりをして１時間あまりを過ごしたのでした。

  2004.05.18

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• 軟禁から収監、そして裁判へ

  さらに連合軍は快進撃を続け、フランス国内の暴動も激しさを増していきました。議会は革命の敵を一掃しようと考え、その標的として王妃を選んだのでした。１７９３年８月２日午後２時、マリー・アントワネットは重罪犯を収容する牢獄コンシェルジュリーに移されました。独房に入れられた彼女には毎日多くの見知らぬ面会者がありました。この有名な「オーストリア女」を一目見たい者は誰でも、守衛に料金を払えばその希望がかなえられたからでした。そんな面会者の中に、脱獄計画が記されたメッセージを添えたカーネーションを王妃に捧げるものが居ました。しかし、この計画は結局表沙汰となり、この「カーネーション事件」をうけて、革命裁判所の検事フーキエ・タンヴィルが、マリー・アントワネットの裁判の予審を開始したのでした。二人の議員が彼女を尋問しました。革命初期からの王妃の言動について質問を彼女に浴びせたのです。このときも彼女は自分は妻として、つねに夫である国王の意向にしたがっただけだと答えました。一方国民議会には王妃の処刑を求める要望書が次々と提出されました。そしてついに１０月５日、彼女は起訴され、裁判のために大勢の証人が急いで集められたのでした。嘘で塗り固まれた裁判が始まりました。

  2004.05.17

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• 息子と引き離される

  ルイ１６世の処刑後、マリー・アントワネットはすっかり衰弱してしまいました。まだ３７歳だったにもかかわらず、まるで老女のようだったといいます。すでに母であるマリア・テレジアは１７８０年に、兄のヨーゼフ２世も１７９０年に死去しており、その他の親族は誰一人として彼女に救いの手を差し伸べようとはしませんでした。その頃フランスの領土は、連合軍に脅かされていました。そうした状況の中、王党派の将軍がルイ１６世の息子を強奪し、ルイ１７世と名乗らせ、国王の地位につけようとしているといううわさが流れます。そこで１７９３年７月３日、マリー・アントワネットは息子と引き離されることになり、母親として最大の苦しみを味わうことになったのです。その夜の１０時頃、王妃の部屋に何人もの役人が乱入して、マリー・アントワネットから息子を引き離すという命令書を読み上げました。それを聞くと、王妃は怒りをあらわにして立ち上がり、息子を手放せない理由を次々と並べ立てました。しかし役人たちが言うことをきいてくれる筈もなく、王太子のベッドに近づきました。すでに目を覚ましていた王太子は、甲高い声を上げて泣いていました。王妃は息子をしっかりと抱きとめていましたが、結局彼等の命令に従いざるを得ませんでした。彼女は王太子を抱き起し、服を着せ、泣きながらキスをしたあと、役人たちの手に息子をゆだねたのでした。王妃はこれ以降喪服を着たまま口もきかず、部屋の中を亡霊のようにさまよう日々を送ることになりました。唯一の慰めは、庭園を散歩する息子の姿を壁の割れ目からのぞくことだけでした。

  2004.05.16

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• ルイ１６世の処刑

  新しく召集された議会である国民公会では、何度となく討論が行われた末に、国王を裁判にかけることが決定されました。そして、調査委員会が発足し、裁判の準備が進められていたまさにそのときに、チュイルリー宮殿のルイ１６世の住居から、決定的な証拠となる「鉄の戸棚」が発見されたのです。これは国王自らが作った秘密の隠し場所で、中には革命当初から彼が「二重の役割」を演じていたことや、亡命者と連絡をとりあっていたこと、外国と交渉していたことなどを証明するさまざまな文書が残されていたのです。もはや国王の有罪は決まったも同然でした。１２月１１日、パリ市長が突然タンプル塔を訪れ、ルイ１６世を裁判所へ引き立てていきました。マリー・アントワネットは不安の中、夫を待ちましたが、その晩以降国王は家族のもとへは帰ってきませんでした。裁判が終わるまで家族との面会は禁じられたからです。罪状は「国民の自由と国家全体の安全に対する陰謀」というものでした。１７９３年１月２０日の晩、彼女はついに国王に会う許可を得ます。ルイ１６世は訪ねてきた家族に死刑判決を受けたことを自分自身の口から告げたのでした。王妃は悲痛な叫び声を上げて夫にとりすがりました。彼等は２時間の間別れを惜しんだと言われています。翌朝、ルイ１６世は司祭に、自分の髪と指輪を王妃にあたえるように頼み、「別れるのがつらいと伝えて欲しい」と言い残して断頭台に向かいました。１０時２２分、太鼓の連打と大砲の音で、マリー・アントワネットは夫が処刑されたことを知ったのでした。

  2004.05.13

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• タンプル塔に幽閉

  １７９２年８月１０日、議会は王政を維持することは不可能と判断して、ついに王権を停止しました。そして、新しい憲法を制定するための議会召集の決議を行いました。さらに、８月１３日、議会はルイ１６世とその家族をタンプル塔に投獄することを決定しました。タンプル塔では極めて厳重に監視されていたにも関わらず、ルイ１６世とマリー・アントワネットは、外界の出来事を詳しく知ることができました。召使は自分が耳にしたことをすべて国王に教え、王党派に雇われた新聞の売り子たちが、塀の向こう側でニュースを叫んでいたからです。国王と王妃は相変わらず、連合軍によって解放されることを願っており、フランス軍が各地で敗北したという知らせを聞いては喜んでいました。また、フランスの各地で王党派が蜂起したという話も伝わってきました。フランス軍が敗北を重ねるにつれ、民衆たちは怒りの矛先を貴族に向けるようになりました。彼等貴族たちが、外国勢力と裏で結託しているに違いないと。理性を失った民衆は、王党派とみなされた貴族や新憲法への宣誓を拒否した司祭たちが８月１０日以降幽閉されていた牢獄を次々と襲ったのです。９月２日から６日にかけて、収監者を次々に引きずり出しては、恐るべき殺戮を繰り広げたのです。王妃の古い友人のランバル公爵夫人もその犠牲者の一人でした。血で汚れた長いブロンドの髪を風に靡かせた公爵夫人の首は、槍に突き刺されて王妃の住むタンプル塔の窓に掲げられたのでした。

  2004.05.12

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• 王朝の終焉

  フランス軍の戦況は次第に悪化し、ついに議会は「祖国の危機を宣言します。フランスは連合軍を追い払い、王政を打倒するために、国中から兵士をパリに招集しました。一方連合軍の総司令官であるブラウンシュバイク公爵は、フランスの民衆に国王に従うように要求し、もしチュイルリー宮殿が襲撃されるようなことがあれば、パリを全滅させると宣言したのです。国王夫妻を救おうと出されたこの宣言は、フランス民衆の怒りを爆発させました。１７９２年８月９日の午後、チュイルリー宮殿を攻撃するという計画が立てられました。夜の１１時に民衆を終結させるための早鐘がなり始め、そして夜が明けるやいなや、民衆と兵隊は次々と市庁舎に集結し、その多くがチュイルリー宮殿に進撃を開始したのでした。宮殿を守るのは９００人のスイス近衛兵だけでした。ルイ１６世は悩んだ末に、「では、行くとしよう」と言って、家族とともに議会へ非難することを決心しました。予想外の事態に驚いた議員たちは、国王一家を議長席の後ろにある小さな控え室に押し込めました。議員たちはすぐに国王一家の処遇を決めずに、チュイルリー宮殿で繰り広げられていた戦闘の結果を待ちました。国王は、スイス近衛兵に発砲中止命令を出しました。怒りを感じながら命令どおり武器を捨てたスイス近衛兵たちは暴徒に虐殺されていきました。こうして、国王と王妃の目の前で、フランス王政は終焉を迎えたのでした。マリー・アントワネットはいつまでも泣き続けましたが、国王はまったく動じる様子を見せなかったといいます。夜になって、国王一家は修道院の一室に移されたのでした。

  2004.05.11

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• オーストリアに宣戦布告

  革命派と国王夫妻は、思惑はともかく、開戦については意見が一致し、１７９２年４月２０日、フランスはオーストリアに宣戦を布告します。マリー・アントワネットはフランス軍の配備や計画を次々とフェルセンやメルシーに知らせました。おそらく彼女は自分が国民を裏切っているなどとは微塵も考えなかったことでしょう。彼女はただひたすら、母国オーストリアの軍隊によって窮地から救われたいと願っていただけでした。マリー・アントワネットは何年も前から「諸悪の根源」とみなされ、民衆にとっては「血に飢えた怪物」のようなイメージでとらえられていたのでした。一方、ルイ１６世は、新憲法に宣誓しない聖職者を国外追放にする議案と、全国から２万人の国民衛兵をパリに集めて駐屯させる議案に対して拒否権を発動しました。６月２０日、この相次ぐ拒否権の発動に怒った民衆が、槍やピッケルで武装して議会に押し寄せ、その後、国王の住むチュイルリー宮殿を襲ったのでした。王妃は子どもたちやエリザベート内親王とともに、震えながら国王の寝室に逃げ込みました。宮殿のドアがすさまじい勢いで叩き壊され、一瞬のうちに宮殿は群集によって占拠されました。暴徒が立ち去ったのは、夜の１０時になってからのことでした。彼女はこの日のことをフェルセンにこう書き送っています。「私はまだ生きています。しかし、それは奇跡なのです。２０日は、恐ろしい日でした。人々が最も恨みを抱いているのは、もはや私ではなく、私の夫が生きているということなのです。彼等はもうそのことを隠そうとはしてはいません」

  2004.05.10

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• 演じ続ける二重の役割

  マリー・アントワネットは、立憲王政を目指す穏健派の議員たちと手を結ぶことを決心します。彼女はヴァレンヌからの帰還を迎えたバルナーヴという若い議員を魅了して、かつてのミラボーのように、議会との仲介者として利用することにしました。バルナーヴもミラボーと同様に、国王夫妻が憲法を承認し、反革命勢力と手を切るように説得しました。また、王妃に対しては、立憲王政の原則を承認したという手紙を兄のヨーゼフ２世に書き送ることを要求しました。王妃は嫌々ながらもバルナーヴの言葉に従いましたが、それと同時に自分が芝居を打っていることも兄への手紙に書き添えています。１７９１年９月１３日、三権分立と立憲王政を基本とする「９１年憲法」が国王の宣言によって成立し、国王夫妻は憲法制定を祝う壮大な祝賀会を開いたのでした。しかし、その後もずっと国王夫妻は粘り強く「二重の役割」を演じ続けたのでした。この頃はまだ事態の行方がどうなるかは誰にも分かりませんでした。国外では亡命者たちが激しく革命勢力を非難し、国内でも貴族たちが反乱を煽っていたからです。それに対して革命派は反革命勢力を壊滅させるために、彼等を支援する諸外国に宣戦布告しようとしていました。戦争になれば、誰もがいやおうなく、革命派であるか反革命派であるかの立場を明らかにしないといけないからです。一方、国王夫妻もまた、別の思惑で開戦を望んでいました。外国軍隊の武力により、革命勢力を一掃できると考えていたからです。この頃マリー・アントワネットはオーストリア大使のメルシーに、「今こそ、オーストリアや諸外国の君主が立ち上がるときです」と書き送っています。

  2004.05.09

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• シャン・ド・マルスの虐殺

  旧体制を支持する顔と立憲王政を支持する顔を持つ国王に議会は無実という結論を下しましたが、民衆はみなルイ１６世が二重の役割を演じていることを疑いませんでした。まだ少数派だった急進派の議員たちは、国王の地位をあくまで守ろうとする穏健派議員の行動に激怒し、１７９１年７月１７日、ルイ１６世を廃位させるための嘆願書に署名する集会を練兵場で開きました。ここで王党派の市民がリンチに遭い殺されるという事件が起き、事態を重く見た議会はただちに戒厳令を出しました。ラ・ファイエット将軍率いる国民衛兵が出動し、行列を作っていた民衆の中に乱入したのです。その後の経緯は不明ですが、とにかく国民衛兵の発砲により、何十人もの民衆が銃殺されてしまいました。これがシャン・ド・マルスの虐殺と呼ばれる事件です。パリ市長バイイは、反逆者が治安を乱す恐れがあったと言って、この事件を正当化しようとしました。穏健派だったラ・ファイエット将軍やバイイ市長が人気を失い、革命をめぐる闘争はますます暴力的で憎悪に満ちたものになっていきました。

  2004.05.08

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• フェルセンへの手紙

  国王一家は囚人とみなされ、チュイルリー宮殿は文字通りの牢獄と化しました。宮殿は国民衛兵と改称した市民軍が野営するなど、厳しい警備体制が敷かれていました。しかし、マリー・アントワネットは監視の目をかいくぐるためにさまざまな策を弄して、侍女を通じてフェルセンや兄のヨーゼフ２世と手紙のやりとりをすることに成功しています。「ご安心ください。私たちは生きています」とフェルセンに短く書き送ったその翌日、さらに次のような手紙を出しています。「私はまだ生きています。でも、あなたを苦しませていると思うと、悲しくなります。・・・・どんな理由があっても、こちらにもどってきてはなりません。私たちをここから脱出させたのがあなただということを、誰もが知っています。ご心配なさらないでください。私の身には、何も起らないでしょうから。議会は私たちを寛大に扱ってくれるようです。・・・・あなたにお手紙を書くことも、もうはやかなわないでしょう」自らが切迫した状況にあることの自覚は充分にあるようです。それにしても、王権の保全を目指して暗躍する王妃とは違った、可愛い女性がそこには居るような気がするのですが、どうでしょうか。

  2004.05.07

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• 国王一家、パリへ帰還

  ヴァレンヌからの長く屈辱的な道のりを経て、ようやくパリにたどり着いた国王一家は民衆の重苦しい沈黙に迎えられます。しかし、とりあえずは何事もなく、一行はチュイルリー宮殿に到着したのでした。このような事件を引き起こした国王とその家族を、国民議会の議員たちはどのように扱ったら良いか分かりませんでした。立憲王政を基本とする憲法がまとまりかけている直前に、国王が亡命を企てることなどあってはならないことだったからです。一方、裏表のある国王の態度に怒り狂った民衆は、ルイ１６世の退位を要求していました。そんななかで、軽率にもルイ１６世はパリを脱出する前に、自分が革命を最初から否定していたことを宣言文として書き残していたことが発覚します。それまでまだ何とか存在していた民衆のルイ１６世への信望は完全に失われてしまいました。結局、国民議会は最終的な決断をくだすまえに、王権を一時的に停止することを決めたのです。そして国王は亡命したのではなく「誘拐」されたのだということにして、調査委員会を発足させました。ルイ１６世はぬけぬけと嘘をつき、マリー・アントワネットもまた、夫に従っただけだと主張しました。今の我々の目で見ると、悪あがきにしか見えません。民衆はだまされず、王政という制度そのものを疑問視するようになり、共和制への移行が公然とささやかれるようになりました。

  2004.05.06

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• ヴァレンヌ事件

  マリー・アントワネットは、革命が進行するにつれて、だんだんと恐怖感を感じるようになりました。彼女は毎日のように国王に、革命に全力で立ち向かうべきだとくりかえしていました。それも思うようにいかないので、残された道はパリから脱出することしかないと考えていましたが、その考えにフェルセンだけでなく、プルトゥイユまでが賛同したのです。プルトゥイユの計画は、オーストリア軍の支援が得られる土地に国王が軍隊とともに身を落ち着け、そこで権力奪回に向けた作戦を練るというものでした。そもそも外国の軍隊の支援を受けての権力奪回などあり得ない話なのですが、皆が恐怖にかられていたのでしょうか。こうした計画に反対していたミラボーが１７９１年４月２日に二人の娼婦を相手にして死去すると、国王夫妻の気持ちは一気に亡命へと傾いていったのでした。国民議会が作成する、国王の意向に反した憲法も、すでに成立直前でした。それを苦々しく眺めるだけのルイ１６世は、ついに亡命計画を立てる許可を王妃に与えてしまいます。そして、マリー・アントワネットはフェルセンの英雄的な努力だけを頼りに、フランス北東部にあるモンメディへの逃亡計画を練り上げました。こうして、１７９１年６月２０日の夜、国王と王妃、二人の子供たち、国王の妹エリザベート内親王の一行はチュイルリー宮殿を脱出したのでした。しかし、誰が見ても国王一家だとわかるその一行は、翌日の夕方、目的地まであとわずかというヴァレンヌの町で、囚われの身となってしまうのでした。

  2004.04.28

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• 間違った選択を続ける国王夫妻

  孤立したルイ１６世とマリー・アントワネットは、そうした状況を打開するため、１７９０年２月に密かにミラボーと手を組みました。ミラボーは国王夫妻に忠誠を誓い、莫大な報酬と引き換えに、新しく制定される憲法を国王に有利なものにすることを約束するのでした。そして直接の接触をさけ、数々の報告書を提出することで、国王夫妻に迫っている危険や、彼等がとるべき最善の方法についての助言を行いました。このまま、ミラボーの助言どおりに行動していたら、フランスもイギリスのように立憲王政になったかも知れません。しかし、国王と王妃はスイスに亡命していたかつての宮内大臣プルトゥイユや、フェルセンのほうを信用してしまいました。ルイ１６世はプルトゥイユに外国との交渉を全面的に委任しまったのです。一方、フェルセンは、国王夫妻のもっとも身近な助言者となりました。彼は王妃にいつでも面会する許可を得ており、フェルセンが自由に王妃のもとに行けるように、ラ・ファイエット将軍は、宮殿の門の一つに警備兵を配置しないようにしていました。フェルセンは国王夫妻が自由になるためにはパリを離れるしかないと考え、王妃もまたその考えに賛同したのでした。ミラボーは、国王一家がパリから脱出することには反対していませんでした。しかし、フェルセンの計画とは違って、その脱出はフランス軍を頼りに白昼堂々と行うべきで、外国の軍隊をあてに逃亡すべきではないと考えていたのでした。ごくごく常識的な考えといえます。こうしていれば、不幸は避けられたかも知れなかったのですが。

  2004.04.27

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• 孤立する国王夫妻

  議会は憲法制定の準備を進めていましたが、その中で決定的な影響力を持っていたのが国王にも重要な権限を与える立憲王政を支持していたミラボー伯爵でした。彼はルイ１６世に革命を受け入れさせた上で、国王と手を結ぼうと考えていました。王妃に国王を動かす力があることを知っていた彼は、まずマリー・アントワネットに謁見しようとしましたが、王妃はミラボーが貴族でありながら平民に味方した裏切り者だとして嫌っていました。子供の時に天然痘を患ったミラボーは顔中にあばたがあり、外見的にも王妃は嫌悪感を持っていたようです。しかしながら、国王夫妻に事態を乗り切る名案があるわけではなく、強力な助言者を必要としていることも事実でした。窮地に立ったルイ１６世は、ヨーロッパ諸国の君主たちに手紙を書き、自分の苦しい立場を訴え続けました。彼はフランスに君臨するために、「穏健的な革命」リーダーを装う一方で、あらゆる方法で革命に抵抗するという不可能な役割を演じようとしていたのでした。王妃もそのような夫の方針を積極的に支援しました。彼女は兄であるオーストリアのヨーゼフ２世とスペイン国王に、夫の権威を回復するたねに力を貸して欲しいと頼みました。しかし、スペイン国王からははっきりした返事をもらえませんでしたし、兄からは、今は忍耐すべきだと説き、議会の多数派に賛成することを勧めただけでした。

  2004.04.26

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• チュイルリー宮殿へ移される

  １７８９年１０月６日午後１時頃、ルイ１６世とその家族を乗せた馬車は、狂乱した民衆に取り囲まれながら、パリを目指して出発しました。そしてパリに到着した国王一家は、市庁舎のバルコニーで長々と民衆のまえにさらされた後、夜１０時半にようやくチュイルリー宮殿に入ることを許されたのでした。新しく国王一家の住まいとなったチュイルリー宮殿は、ルイ１４世以来、１５０年もの間放置されていたため、住居として使うには大幅に手を入れる必要がありました。ヴェルサイユ宮殿から家具が運ばれ、国王と王妃は子供たちとともに、このチュイルリー宮殿で生活することになりました。国王夫妻は舞踏会や音楽界などを自粛し、みずから捕虜のように振舞いました。ルイ１６世は一切外出せず、マリー・アントワネットもめったに人前に姿を見せませんでした。国王の権威は地に落ちてしまったのです。

  2004.04.25

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• パリへ！パリへ！

  １０月５日、プチ・トリアンの庭園を散策していた王妃のもとに、パリの民衆が武器を持ってヴェルサイユへ向かっているという知らせがもたらされます。宮殿は大混乱に陥りましたが、ルイ１６世は的確な判断をくだすことができませんでした。彼がようやくヴェルサイユを離れる決断をしたときには、すでに群集は国王の馬車に襲い掛かり、馬具をはずし、馬を連れ去っていました。国王一家は囚われの身同然になりましたが、真夜中に国民衛兵の司令官ラ・ファイエット将軍が到着し、国王夫妻は安心してそれぞれの寝室に引き上げることができました。しかし、夜が明けると、突然暴徒たちが宮殿内に侵入し、王妃の住居を目指して殺到したのです。近衛兵の叫び声で目覚めたマリー・アントワネットは、自分の寝室と夫の寝室をつなぐ秘密の廊下を通って何とか逃げることに成功しました。王妃のベッドはずたずたに切り裂かれていたそうです。民衆の興奮を鎮めるために、ルイ１６世がバルコニーに出ました。「王妃をバルコニーに出せ」という声が上がります。マリー・アントワネットは生きた心地もしませんでしたが、バルコニーへ出て、両腕を胸の前で組み合わせたまま、ゆっくりと頭を下げました。冷静で威厳に満ちた王妃の姿は、人々の繊維を奪ってしまいました。直前まで王妃を殺すと叫んでいた彼等の騒ぎは収まり、その代わりに「パリへ！パリへ！」という声が沸き起こりました。

  2004.04.24

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• ヴェルサイユ行進

  宮廷は恐怖に凍りつきました。パリの民衆たちはすでに、バスチーユの司令官と、要塞の警備にあたっていた兵士たち、そして市長などを虐殺していたのです。しかし、国王は効果的な手段をつくすことができませんでした。秋になっても食糧事情は好転しませんでした。飢饉に対する社会不安が広がっていたのです。「ヴェルサイユの王様にパンをもらいに行こうじゃないの」という声があがります。ついに１０月４日、女たちを先頭にしたパリの民衆たちがパンを求めてヴェルサイユへの行進を開始したのです。その行列の後には、槍、鎌、鉄砲などで武装したパリの民衆たちが続きました。彼等は王政を罵倒し、王妃を「オーストリア女」と呼び捨て、殺してやると叫びながら行進したのです。人々は王妃が国王に悪影響を及ぼしていると考え、大きな不満をいだいていたのでした。もう誰にも止められない流れが国王夫妻を襲っていたのです。

  2004.04.23

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• 革命のはじまり

  ルイ１６世とマリー・アントワネットは、表向きは国民議会の決議を認めるふりをしながら、一方で民衆を弾圧する作戦に出ます。議会を解散させるために、パリの周囲に三万の兵士からなる軍隊を呼び寄せたのでした。軍隊に包囲されたパリは緊迫の度を高め、国民議会の議員たちは軍隊撤退を国王に要求しましたが、ルイ１６世はそれを拒みます。結局、武力攻撃を恐れた国民議会は、７月９日に名称を憲法制定国民議会と変更しました。７月１１日、作戦が成功したと判断したルイ１６世は、財務総監のネッケルを罷免してしまいました。マリー・アントワネットもまた、これですべてが終わったと考えたていたようです。作家であり政治家でもあるシャトーブリアンは、そのとき王妃が「人生に満足した様子」で鏡の間を歩いていたと記しています。しかし、終わったというのは幻想に過ぎませんでした。７月１４日、ネッケルの罷免に怒ったパリの民衆が反乱を起こし、圧制の象徴とされていたバスティーユ牢獄を襲撃したのです。このとき、「暴動か」と訊ねたルイ１６世に、側近が「いいえ、陛下、革命です」と答えたという話が伝わっています。そうです、世に言うフランス革命が始まったのです。

  2004.04.22

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• 三部会の招集

  １７８７年の凶作にはじまった社会不安はますます拡大していました。事態を打開するために、マリー・アントワネットは、今度は民衆に絶大な人気のある銀行家ネッケルを財務総監として招くように国王を説得するのでした。財務総監となったネッケルは、税制を議論するために、全国三部会を招集することを国王に迫りました。全国三部会は聖職者・貴族・第三身分（平民）の各代表によって構成される身分制議会で、長い間休止状態にありました。ルイ１６世はしぶしぶ全国三部会を召集しましたが、知識人たちは全国三部会の招集によって国民議会が誕生し、憲法の制定が進むことを期待していたのでした。立憲君主制への移行させようというものです。１７８９年６月１７日に議決方式をめぐって争いが起こり、その結果、第三身分の議員たちはテニスコートに集まって、みずから国民議会と名乗り、憲法が制定されるまでは解散しないこと誓ったのでした。「テニスコートの誓い」として知られる出来事です。この事態に、国王と王妃は激しい衝撃を受けました。彼等にとっては、第三身分の議員たちが法的に権力を持つことなど、まったく認められない話だったからです。

  2004.04.21

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• 王妃が統治している

  もともとマリー・アントワネットは政治には興味がありませんでした。自分の友人や敵対者の利益が関係しているときだけ、口をはさむといった状況でした。ところが１７８７年になると、不本意ながらも夫を補佐する必要に迫られることになります。国王のよき助言者だった人々が相次いで亡くなり、深刻な財政危機にくわえて、天候異変による凶作が社会不安をもたらしていました。すっかり気力を失っていたルイ１６世を見て、王妃は改革派の高位聖職者であるロメニー・ド・ブリエンヌを財務総監にするように国王に勧めました。新しく財務総監になったブリエンヌは、あろうことか王妃を閣議のメンバーに加えたのです。それを知った民衆は、軽蔑と嫌悪をこめて「王妃が統治している」と叫び始めました。マリー・アントワネットはそうした批判に真っ向から立ち向かおうと考えました。しかし、政治的な素養がまったくない上に、フランスの現実をほとんど把握していなかったために、彼女は自分の直感だけをたよりにしなければなりませんでした。既成の秩序が壊れることを心底恐れていた王妃は、王権を弱めることだけは決して許さないということだけが政治的な信条だったのです。

  2004.04.20

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• フェルセンの悲劇的な最後

  今後触れる機会もないでしょうから、ここでその後のフェルセンについても書いておきましょう。話は先のことになるのですが、マリー・アントワネットの死がヨーロッパ中に知れ渡ってたきに、各国の宮廷は一応喪に服したのですが、彼女の悲劇的な死が動揺をもたらすことはありませんでした。本当に嘆き悲しんだのは祖国スウェーデンに帰っていたフェルセン伯爵ただ一人だったでしょう。そののちフェルセンは多くの女性と関係を持ちましたが、彼女のことを忘れることはありませんでした。彼は色男のイメージがあるかも知れませんが、軍人としてもひとかどの人物だったようで、祖国スウェーデン王国の大元帥にまでのぼりつめるのです。しかし、１８１０年６月２０日、彼はスウェーデン王太子の葬儀に参列したとき、首都ストックホルムで民衆によって虐殺されてしまいます。人々は彼が王太子を毒殺したと疑ったからでした。フェルセンの死から数ヶ月して、裁判所は彼の無罪を宣言し、盛大な葬儀が行われたのでした。マリー・アントワネットと出会って、幸せだったか否かは他人がとやかく言うことではない、ということにしておきましょうか。

  2004.04.19

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• はたして二人の関係は

  フェルセンは王妃の寵愛に深入りしてしまうことを避けて、１７８０年、アメリカの独立戦争を援助するフランス軍に志願して海を渡ってしまいます。ところが、３年後にフランスへ戻ると、フェルセンは自分が結婚する意志のないことをスウェーデンの父に伝え、妹には、「たとえ不自然であっても、私はけっして結婚しないだろう。私がその人のものになりたいと思っているただひとりの人、私を本当に愛してくれるただひとりの人、しかし、私はその人のものになることができないのだから」と心情を打ち明けています。３年という年月を経てフェルセンは、マリー・アントワネットなしには生きていけないことを悟ったのでした。二人が恋愛関係にあったのは間違いないでしょうが、誰もが期待するような官能的な場面があったかというとどうでしょうか。ここはご自分の好きなように考えらるのが良さそうです。フェルセン伯爵はマリー・アントワネットの亡命計画になどに関わったのち、祖国に戻って栄達の道を歩みますが、生涯マリー・アントワネットの思い出を忘れることはありませんでした。

  2004.04.18

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