思いっきり徒然

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• －４０－　初日は六本木、2日目は銀座

  再婚についてのやり取りは一二度で終わりました。今の時点で深く考えてもしょうがないということにして。その後の話は、相変わらずたわいのないものでした。メールの送受信の時間が同じだったりすると、同時にパソコンに向かっていたことをお互いが喜ぶといった調子です。そんなんだったらチャットすればいい？皆さんはチャットされるんですか？私はチャットはあんまり好きじゃないんです。相手が待っていると思うとせわしないし。終わるタイミングがこれまた難しい。こっちから終わらせるのは悪いようだし、相手がいきなり「それじゃあまた」というのも何だか悔しいし。というわけで、好きな人とはチャットしないのが賢明だと思うのですが。さて、だんだん５回目のイベントの日が近づいてきたので、企画の話で盛り上がるようになりました。なんたって今回は２日連続ですから。初日は会うのは夜です。六本木あたりで食事でもします。2日目はお昼に会って、彼女のリクエストで銀座の相田みつを美術館に行くことになりました。

  2003.07.22

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• －３９－　心にもないことを言うとき

  メールでたわいもないことを話している中で、まち子さんの再婚の話になりました。　「ある日突然再婚することになりました」ってメールが来るのかな。　「その前にＴさんより素敵な人が出来ましたってメールするよ」　「私より素敵なヤツは五万といるからなあ、　　やっぱりそういうメールは読みたくないなあ」　「黙ってサヨナラするほうがいいのかなあ」　「そういうチャンスがあったときは、　　私のことはさておいて、自分のことだけを考えて決めるんだよ」こんなこと言わなくてもまち子さんはそうするだろうけど、一番望まないことを本心とは裏腹に言わなければならない。楽しいことが常に正々堂々とは限らないんですよね。いやいや、むしろ隠れてするようなことが楽しいのがこの世の中かも。

  2003.07.21

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• －３８－　すぐに次回のイベントの話しに

  切なさに目を向けないためと言うわけではないでしょうが、４回目のイベントが終わったばかりなのに、すぐに次のイベントの話になりました。　 「来月は子どもが宿泊（２泊３日）に行っている時ですね。　 １年に１度の貴重な貴重な時間です。　 ９月２７～２９日です。　 ２７日の夜もＯＫですよ。２８日は有休をとる予定です。　 ご予定はいかがでしょう。」もちろん二日とも私がいただくことにしました。夜に会うのは初めてです。自由な身ならその夜はずっと一緒に過ごすのでしょうがそうも行きません。それでも二日連続とは嬉しい限りです。相変わらずメールではたわいもないことを話していました。私が社長になったらまち子を秘書にするのにと言うと、社長と秘書はどこに行くのも一緒です、もちろんプライベートも、という調子です。そんなことを話したり、実家に帰省したりしながらも、その年の夏はまち子さん一色で過ぎていきました。

  2003.07.20

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• －３７－　映画ははずれだったけど

  駅に向かって歩くときにはいつもと変わらぬ二人でした。清楚で口数の少ないまち子さんとポツリポツリと話す私です。でも、つないだ手は離さずに歩きました。駅で別れてから急に空が曇ってきて、帰宅する頃には雷雨になっていました。まち子さんは大丈夫だったかなと心配しました。後で受信ボックスを開くともうメールが届いていました。雷雨は間一髪免れたようです。　 「今日はありがとう。 　 映画ははずれだったけど会えて本当に良かった。 　 一緒にいれる時間はすぐにたってしまうのね。」言いたいことは他にもあるだろうに。そのことに触れない自分のずるさを思えば思うほど、まち子さんの可愛さが際だってしまう夜になりました。しかし、その夜も彼女を抱いた感覚だけと一緒に寝ました。

  2003.07.19

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• －３６－　いつもと全く違うまち子さん　

  シーツの中で奉仕してくれるまち子さんを感じながら、彼女が言いたいことはわかるような気がしました。しかし、それに応えることができないこともそのとおりでした。「ありがとう、ありがとう」と言いながら、「もういいんだ、ごめん」という言葉を飲み込んで彼女を引っ張り出しました。乱れた髪をなでて、顔を抱えて唇を合わせました。そして彼女の股間をさわることもなく彼女の中に入っていきました。「ううっ」といううめきを発した後こちらの動きにあわせて彼女の声が大きくなりました。今までになかったことです。お互いがその感覚だけに浸っていきました。背中にちょっと痛みを感じました。彼女が爪を立てていました。こんなことも初めてでした。やがて完全にオスとメスになって終わりました。お互いの顔を見ないまま腕の中に彼女を抱えました。天井を見つめたまま時間だけが流れていきました。

  2003.07.18

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• －３５－　思いがけない行動に

  私はバスタオルを腰に巻いただけでした。座っているまち子さんのところへ行き、立ち上がらせると抱きしめました。そしてその手をとってベッドに入りました。部屋はツインなのですが、使うベッドは当然一つだけです。情熱的だった初めてのキスを思い出しながら唇を重ねました。寝間着の前をはだけて胸をもみしだきます。手だけでは足らないので唇も動員しました。帯を解いた後に股間に手を伸ばそうとしたそのときでした。まち子さんはむっくりと起き上がるとシーツの中にもぐっていきました。どうしたんだと思っていると、私を掴んでいました。その次の瞬間私を咥えていたのでした。

  2003.07.17

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• －３４－　ホテルのデイユース

  ホテルの最上階にある和食レストランに入りました。ごくごく普通のランチを注文。ビールを一本だけ注文しました。まち子さんはほとんどお酒は飲みません。普通だったらたった今見た映画の話しでもするのでしょうが、映画館を出たところでその会話は終わっていました。それでも出てきた料理の話しなどして、会話が途切れることはことはありませんでした。食べ終わって何階か下の部屋に入りました。ツインの部屋でした。この種のホテルの部屋はバスルームで遊ぶには適さないので、順番にシャワーを浴びることにしました。まずまち子さん。非常に所在ないのでテレビをつけて見ていました。次に私がシャワーを浴びて出てくると、カーテンがしっかり閉められ、小さな灯りだけがついていました。目を凝らすとまち子さんは寝間着でソファーに座っていました。

  2003.07.16

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• －３３－　行き当たりバッタリで大失敗です

  第四回イベントの前の週、まち子さんは父親の田舎へ遊びに行きました。そしてイベント前日にはお嬢さんの合宿地に迎に行ったりでした。私は内心、彼女が疲れていなければいいなと心配していました。しかし、当日まち子さんは元気な様子で来てくれました。まずは出だし好調ですが、その後がいけませんでした。有楽町でちょうどその時間に始まる映画を見ることにしました。洋画でしたけど、この映画は大失敗でした。同じようなお話がこれでもかと繰り返しているようで、サスペンスも感動もありませんでした。無駄な時間だけが過ぎて行きました。何故こんな駄作が東京のど真ん中で上映されているのでしょうか。どうにか終わって、映画館を出たときの会話は、「つまんなかったね」「ホントね」不機嫌な二人が炎天下の銀座を歩いていきます。

  2003.07.15

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• －３２－　たまには不満、不安のお言葉も

  メールですぐに次回のイベントの話しになりました。翌月の7月はダメで期待は8月になりました。スケジュールを合わせて７日が第四回のイベントになりました。とりあえず有楽町で映画を見ることになりました。「映画のほかにご注文は？」「まち子さんのフルコース」「キャンセルはできませんよ」こんなたわいのないメール交換が続きました。そんな中にも「誰かさんは妻子持ちだし」とか「これって世間じゃいけないことだし」などということが書かれることがありました。深刻な文面ではないものの、本心を吐露した言葉だと思います。たぶん、まち子さんが独身になったことはある種の不安定要因になったでしょう。それでも、メールの最後には「手放されたくないまち子より」などと書かれたりしました。もっとも、これは手放したくないと私の言葉に対する反射的な応答でしたけど。

  2003.07.14

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• －３１－　独身になっても

  ダメと言いながらまち子さんは逃げようとはしません。そうだ今日はお客さんが来始めた日で安全日なんだ。絶対じゃあないけどローマ教会お勧めのオギノ式。１９４２年に産婦人科医の荻野久作博士によって発表された避妊法です。しかし、もともと荻野先生は子作りのための方法として研究していたんですよ。皆さん、しっかり利用して少子化に歯止めをかけましょう。まち子さんが逃げないことをいいことにより深く侵入しました。でも二人とも立ったままというのはいかにも不安定です。快感に身を任せるというわけにはいきません。バスルームでのお遊びはほどほどにしてベッドに入りました。今度も部屋の明かりは限界まで落とされてしまいましたが、しっかりと独身となったまち子さんを味わいました。何か変わったかって？いえいえ、独身になっても何も変わったところはありません。まち子さんはまち子さんのままでした。

  2003.07.13

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• －３０－　広いバスルームで

  電車を途中で降りてホテルへ向かいました。まち子さんは毎月のお客さんがちょうど来たところでした。躊躇して嫌がりましたが、強引に連れて行きました。バスルームが大きな部屋でした。一緒に入ってシャワーを浴びました。明るいところで彼女の全てを見るのは初めてでした。すらりと伸びた足がとても綺麗でした。石鹸を塗ってあげて抱きしめました。これって気持ちいいですよね。明るいのでイヤだイヤだと言っていた彼女でしたが、敏感なところに触れる頃には目を閉じてされるままになっていました。突然彼女は「あっ」と小さな声を出しました。間違って（？）侵入してしまいました。「ダメでしょ」「ごめんごめん」

  2003.07.12

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• －２９－　観覧車がてっぺんにきたら

  そこでは大きな観覧車が目に付きます。とりあえず乗ってみました。ところが乗ったところで写真を撮っている。降りるときに売りつけようという魂胆だ。これは立派な証拠写真になるじゃないですか。カメラのほうは向かないようにしましたけどね。というわけでお忍びの方は気をつけましょう。観覧車がてっぺんまで来るとまち子さんを膝の上に乗っけて抱っこしました。かなり恥ずかしそうでしたが、拒むことはありませんでした。頂上にいる時間は短く、あっという間に終わりましたけどね。次に屋内版のジェットコースターのようなものがありました。「乗りますか？」と聞くと意外にも「ええ、乗りたい」との返事でした。実はまち子さんはこういうスリルのある乗り物が好きなのでした。そのミニジェットコースターに乗っても平気な顔をしていました。目は確かに輝いていたなあ。おとなしくて楚々とした彼女の意外な一面を見た思いです。これだから人間は面白い。空の色が変わる街で食事をしました。

  2003.07.11

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• －２８－次のイベントは一ヵ月後

  三回目のイベントの場所はお台場になりました。まち子さんはまだ行ったことがないそうです。私は一度だけ行ったことがありましたが、実状はゆりかもめに乗って見ただけのようなものです。とりあえず本やネットで調べることだけはしました。若者に人気のスポットらしいです。５月も終わりになる頃にその日取りが決まりました。６月末の月曜日です。平日の休みはこの日しか取れないそうです。学校に寄って何かの手続をするとかで、待ち合わせの時間は１０時半頃。場所は東京駅ということになりました。まだ一月近くあります。指折り数える日がまたやって来ました。折しも梅雨の真っ最中。雨の降らないことを祈るのみでした。もちろん、雨が降ろうと槍が降ろうと決行しますけどね。

  2003.07.10

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• －２７－　父親不在

  母子家庭の実状などよく知らないのですが慰めのつもりで、「父親の役まではやらなくてもいいのでは」とメールで送りましたら、まち子さんから、「そうですね、元々父親は居ないようなものですから」と返信がきました。ほんの少しばかり離婚に至った原因を垣間見た気もしました。ところで新聞記事に、あるDV加害者の男性は、母子家庭で育ったから父親としての振る舞いを知らないと出ていましたが、こんなことが全てに当てはまるのでしょうか。片親だからどうだこうだということが該当するのは、星座占いが当たるくらいの確率だと思ういます。片親でも両親そろっている人と変わらない、いや、もっと立派な人をたくさん知っています。両親そろっていてしょうもないない犯罪を犯すガキの多いこと。さてさて、まち子さんの家も徐々に片づいてきて、三回目のイベントのことが話題になるようになりました。

  2003.07.09

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• －２６－　母親、父親、姉妹の三役

  まち子さんから、連休中に引越しが終わったとのメールが来ました。まだまだダンボールの山だそうですが。「これから娘と二人の生活が始まります」現実に立ち向かうけなげな覚悟がうかがえました。そんな中、週に一度電話するのが恒例になりました。もともと私は電話が苦手で用件だけで電話を切ってしまうタイプですが、しかし、好きな人の超えは聞きたいもので、時間を決めて電話するようになりました。本当に短い電話ですぐに「それじゃあまた」となってしまいます。それでも話せたこと、声が聞けたことに満足していました。まち子さんも、話に内容がないことなどを責めたりはしませんでした。そんなある日、こんなメールが来ました。　「昨夜と今夜 二夜連続で娘とケンカの最中です。　　まったくかわいくないんです。　　女同士はどうもいけません。　　感情がもろに出て・・。　　母親・父親・姉妹の役も疲れますよ。」

  2003.07.08

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• －２５－　離婚成立

  音信不通になって１１日目にメールが来ました。事情はわかっていたものの、やはりメールが来るまでは不安でした。「役所への届けは済ませました。　　まだまだ手続き上いろいろあって大変ですが、　　頑張るしかないので応援して下さいね。」と可愛いメールで一安心でした。“応援”と言われても何もできないのですが、実はメールが一時中断する前に、「応援団長がここに居ることを忘れないで」と書いていたのでした。メール上の言葉だけのことなんですが、それでもまち子さんにとって少しは力になったようです。今住んでいるところもゴールデンウィーク中に引っ越すそうです。もともとご両親の近くに住んでおられたようで、今度の引越しも同じ市内だそうです。現在は荷造りに追われているとのことでした。引越しが終わって落ち着くまでは三回目のイベントのお話はできそうもありません。人生の一大事件の真っ最中ですから仕方ないですね。

  2003.07.07

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• －２４－　しばらく音信不通に

  まったくメールが来ませんでした。半年前にメールが始まってから１０日もメールが来ないことなんて一度もなかったのですが。おそらく毎晩深刻な話し合いがもたれているのでしょう。お嬢さんの親権のこと、養育費のこと、財産分与のことなどなど。私はまだ経験ないのですが、離婚というのは結婚の何倍もエネルギーを必要とするそうですね。もしあなたにその経験がおありならお話を伺いたいものです。それにこんな話もどこかで読みました。一度離婚した人は必ずまた離婚すると。つまり離婚する人はエネルギーが人一倍なのだから、そのエネルギーが次の離婚をも可能とするのだと。芸能人ならともかく、一般の人にはこんなことはないと思うのですが、身近な例があったら知らせてください。あの清楚なまち子さんが、そんなところに身を置いているのに、何もできない自分が歯がゆい気はしましたが、もちろん何かできる立場でもありません。

  2003.07.06

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• －２３－突然のバツイチ

  当日お礼のメールを送りましたがまち子さんからのメールは翌日になりました。「思わぬハプニングにびっくりしました。　　おみやげありがとう。　　一つずつ味わって食べています。　　あの日言いませんでしたが、　　私バツイチになることになりました。　　話し合いなどでメール出せないかも知れませんが、　　出せるときには必ず出しますので待っていてください。」それまで離婚のことは何一つ聞いていませんでしたから、びっくりしました。正直、あんないい人とどうして？という感じです。ま、いろいろあるのでしょう。その後も離婚の原因を話すことはありませんでした。

  2003.07.04

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• －２２－　控えめだけど確かな反応

  服のボタンをはずそうとすると、まち子さんは部屋を暗くしてくれといいました。これはいろいろあるようですね。体を見られるのがイヤ、あるいは体を見られるのがイヤ、さらには局部を見られるのがイヤ、はたまた、相手を顔を見るのがイヤまで。まち子さんはどれだかわかりません、全部当てはまるのかも知れませんが。ほとんど見えないくらいに暗くして、脱がせてベッドに入り肌を合わせました。まち子さんの反応は控えめでしたが、確実な反応が返ってきました。それに彼女は長い攻撃に耐えることのできる体質でした。特に変わったことはしませんでしたが、お互いがお互いを充分に味わったと思います。ホテルを出て車に乗ると元の楚々とした奥さんに戻っていました。電車の中でも何もなかったようにたわいもない話が続きました。

  2003.07.03

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• －２１－ファーストキス

  この種のホテルにしては広い部屋でした。部屋に入るとまち子さんはドアの所に立ったままです。手をとってソファーまで連れてきました。肩に手を回し髪をなでて引き寄せました。依然としてまち子さんは楚々としたたたずまいです。自然に唇を重ねたのですが、次の瞬間驚きました。信じられないくらいに彼女のキスは情熱的だったのです。押さえていた何かが溢れ出す感じです。唇を重ね、互いの舌を絡ませました。そのままきつく抱きしめると彼女の息づかいが荒くなるのがわかりました。長い抱擁が続きました。

  2003.07.02

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• －２０－　ハンドインハンド

  “hand in hand”は「手に手をとって」英語と日本語の表現の発想が似ていますね。さて、海ほたるには船のデッキのようなところがあります。そこで二人は初めて手をつないで歩きました。細くてやわらかい手でした。波打ち際まで降りていけるところもあります。ずらりとレストランが並んでいる階もあります。遠くを走る船を見ながら食事をしました。しかしながらそれほど長居するようなところではありません。再び車上の人となってもと来た道を帰りました。戻っても同じ料金を取られるシステムには首をかしげました。そのせいではないでしょうがこの道路は大赤字のようですね。まち子さんはバッグからガムを出して渡してくれました。「ありがとう。ホテル行ってもいいですか？」「いやです。ダメですよ」きっぱりとした口調でした。「そうですね」と言いながら車はホテルのゲートをくぐっていました。

  2003.07.01

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• －１９－　今後の二人を決める二度目のデート

  カウントダウンしていたその日がとうとうやってきました。まだ桜の花が残っている頃でした。待ち合わせは中央線沿線駅の改札口です。まち子さんは市役所に寄ってから来るとかで待ち合わせは１０時半目途。まち子さんは黒っぽいセーターとズボンで現れました。まだ彼女は“海ほたる”に行ったことがないとのことで、早速総武線の快速に乗り換えて出発しました。途中の駅で降りて車を調達し、ドライブとなりました。アクアラインは木更津から海ほたるまでの海上部分が、海の上を飛んでいるような感じでとっても好きです。通行料金が高いので車の数も少なくぶっ飛ばせます。しかし、距離が短くあっという間に海ほたるに着いてしまいます。そうそう、夜羽田に着く飛行機からきれいに見えますよ。駐車場に車を置いて海ほたるに上がって行きました。男女の出会いは二回目が勝負です。二回目に何事もなかったり、あるいは何の兆しもなければ、ずっともそんなものだと思っていたほうがいいでしょう。その日の東京湾は雲が低く、強い風が吹いていました。

  2003.06.30

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• －１８－　一粒で４度おいしい

  一粒で二度おいしい。こんなキャッチフレーズお菓子があったけど、好ましいメールフレンドとのメール交換もこんなものじゃあないでしょうか。まずメールが来てうれしい、次に読んでうれしい、さらに何を書こうかと考えて楽しい、そして書くのも楽しい。なんと一粒で４度もおいしいではないですか。まさにこれがメールフレンドのあり方なのでしょう。こんなことをメールに書いたら、まち子さんからの返信には、「ありがとう！ 私も同じ気持ちです。 友達からのメールは後回しにして、 まずＪさんからのメールを読んでお返事を、です。」まさに蜜月ですね。しかし皆さんも経験があるかも知れませんが、蜜月は長くは続かないものです。何を書こうかと考えるようになったときが終わりの初めかも知れませんよ。私たちのメール交換は始まってもう５ヶ月くらい経っていましたが、幸いなことにまだまだ蜜月は続いていました。これには何ヶ月かに一度のいわゆるイベントの存在が大きかったと思います。イベントを楽しみにあれやこれや話していればいいわけですから。もちろん毎回のイベントが成功することも条件なんですけどね。さて、その二度目のイベントが日一日と近づいてきました。

  2003.06.29

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• －１７－　次のイベントまで　もういくつ寝ると

  すぐにまち子さんから返事が来ました。「やっぱり楽しい時間はあっという間に過ぎました。 次の機会はいつになるかわかりませんが、またよろしくお願いします。」こちらの思い入れの割には淡々とした内容ですが、それでも一応は次につながりました。これが一番大事な事なんですけどね。当時二人の間では会うことを“イベント”と呼んでいました。普通はオフ会とか言っていますよね。（洒落たつもりでしょうけど、オフ会って何だか軽薄な感じ）まち子さんに月一回ある平日のお休みは、来月はお嬢さんの学校の行事があるそうです。したがって次回のイベントは早くて再来月になります。出会いというのは二回目が一番大事と信じている私です。それまでの長い期間をメールと電話で過ごします。大きなイベントの前ですから、きっとあっという間でしょう。

  2003.06.28

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• －１６－　チョコ頂いたからには強気でいきます　

  帰宅して早速お礼のメールを書きました。遠いところ来てくださって感謝していること、まち子さんが綺麗な人でうれしかったこと、チョコレートが美味しかったこと、そして、小さな手紙に感激したことなどです。これだけでは満足できなかったのか、はたまた、プレゼントを頂いて変に自信をつけちゃったのか、最後にわれながら唐突なことを書いてしまいました。「それにしても、お昼だけとはもどかしいですね。 夜なら、せめて腕だけでも組んで歩けるのに。残念！」みなさん、これどう思います。何勘違いしてるの？って言われそうですね。きっと生チョコに酔ってしまったんでしょう。変に強気になってしまった私の自信は、次のまち子さんからのメールで判決を下されるはずなのですが。

  2003.06.27

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• まち子さんは人妻でした　ー１５－　別れ際にいただきました

  「ちょっと早いんですけど」と言ってまち子さんは小さな包みを差し出しました。「近くの店で買ってきました。おいしいんですよ」やっとわかりました、チョコレートだったんですね。まだバレンタインデーには一週間もあるのですぐにはピンと来ませんでした。職場に帰って包みを開けるとちっちゃなブルーの封筒が入っていました。そして中には二つ折りにした手紙が入っていました。「いつもありがとうございます。　これからもよろしくお願いします！！」これって、会ってすぐじゃあなくて、帰り際にいただいたってことは重要ですよね。ということは、来月のお休みは本当に予定が入っていたんだ！横書きの文字は丁寧で可愛い手書きでした。最後の“！！”が印象的です。入っていたチョコは生チョコレートでした。ご推薦のとおりピカイチのお味でした。甘いものはいけるのかですって？はい、私は両方いけちゃうんですよ。

  2003.06.26

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• まち子さんは人妻でした　－１４－　言下に断られてショック

  「ごめんなさい、来月は予定があるんです」この言葉を聞いたときの思いは良く覚えていますし、座っていた席や周りの情景まで心に浮かんできます。「絶望とは愚か者の結論である」って誰かが言いましたよね。そうです、止まなかった雨はないし、明けなかった夜もないのですが、それでも人生においては絶望のどん底に突き落とされることがあります。この時がまさにそうでした。メールではうまくいっていた二人だったのに、実物の私が気に入らなかったのでしょうか。食事で話が盛り上がらなかったのがまずかったのしょうか。確かに私は油紙に火のついたようにペラペラとは喋りませんけどね。でもまち子さんとは相性がいいと思っていたのに。様々な考えが頭の中をぐるぐると行き来しましたが、そのとき時間もかなり超過していました。時計を見ながら、「それじゃあボチボチこのへんで」と立ち上がりました。まち子さんもうなずいて立ち上がりながら、バッグの中から何か取り出していました。

  2003.06.25

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• －１３－　淡々と進んで終わる食事

  少し歩いてレストランに入りました。レストランと言っても和食で、お姉さんが絣の着物を着ているようなところです。評判の定食とビールを一本注文しました。まち子さんはほとんど飲みませんでしたけど。「いつも楽しいメールいただいてありがとうございます」「いえ、こちらこそ」あらためでこんなやりとりもあったと思います。それほど盛り上がるということもなく、淡々と食事は進みました。このまま終わってはあまりにも淡々といているし、時間もあったので、「お茶でも飲みましょうか」と誘うと、「はい」という返事。最近は少なくなった喫茶店へ行きました。コーヒーを飲み終わる頃一番大事なことを切り出しました。「あのお、来月も会っていただけますか」

  2003.06.24

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• まち子さんは人妻でした　－１２－　並んで歩くとぴったり

  私はテニスのラケットを三本持っています。古い順にダンロップ、プリンス、ウィルソンです。仮住まいのこちらにはダンロップとプリンス。自宅にはウィルソンを置いています。こちらではずっとダンロップを使っていたのですが、今日突然プリンスが手に合うような気がしてプリンスを使いました。事実プリンスでビッグサーブがバンバン決まりました。しばらくはプリンスを使うことになるでしょう。ところが、自宅に帰ったときにはウィルソンしかありません。何の疑問も迷いもなくウィルソンを使うだけです。男と女にもこんなことがあるかどうかは、ご自分の体験でお考えください。さて、私とまち子さんは、寄り添って和食のレストランへと歩きました。お互いの身長が高過ぎず、低過ぎず、ぴったりと思ったのは、多分身勝手な思い込みでしょうが、そういう肯定的な思い込みもときには必要なのかも知れませんね。

  2003.06.23

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• まち子さんは人妻でした　－１１－　お初にお目にかかります

  １２時に待ち合わせの本屋まで行くには５分前には席を立たないといけません。１１時５５分にそそくさと上着を着て出発しました。交差点の角にあるその本屋はビルの二階までを占めていました。一階をぐるりと回りましたがそれらしい人はいませんでした。念のため二階にも上がってみましたがやはり見当たりません。一階に下りて雑誌を手にとって開いていると携帯電話がなりました。当時はまだiモードはなく大きさも今の二倍以上ありました。それでもこういうときには絶大な威力を発揮しますね。電話はもちろんまち子さんからでした。「今どこですか？」「本屋の前です」「じゃあすぐに出ますから」急いで外に出るとコートを着た女性が立っていました。見た瞬間にまち子さんだと確信しました。「まち子さんですね」「はい」「はじめましてＴです」まち子さんは目元の涼しい、あごの丸い人でした。笑うときれいな歯が並びます。化粧は押さえめで、髪は肩までのストレートでした。

  2003.06.22

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• まち子さんは人妻でした　－１０－　初対面を前にしてのイメージ

  みなさんは初対面のときは期待で胸が膨らむほうですか？それとも、不安で胸がいっぱいになるほうですか？私はどちらかというと前者のほうです。でも、どんな人だろうという思うことはあっても、自分でイメージを膨らませるということはありません。少ない経験からも、先入観を持たないほうがいいようです。イメージと言えば、あるサイトでこんなメッセージを見つけました。「身長１７５以上、体重７５以上、会社員、 車はBMW、　　 外見に自信のある人、携帯メールできる人、既婚、 　　　　３２歳以上、 スーツの似合う人、　　 　　　　 　　お互い会ってからお付き合いするか決めましょう 」なかなか確固たるイメージをお持ちのようですね。気になるのはこんなメッセージを書き込んだご本人。既婚、３７歳、、身長１６０、体重秘密、なのだそうです。秘密というあたりが何だか怖い感じがしますけど。私ですか？彼女のご要望にほとんどお応えできるのですが、ただ一つ車だけダメでした。ちなみに私の今の愛車はスズキ自動車製なのです。さて、まち子さんとの待ち合わせは私の職場の近くの本屋にしました。本屋だと早く着いても時間がつぶせるし、いかにも待ち合わせという姿をさらさずにすみますからね。約束の時間はお昼の１２時ちょうど。２月の初めの頃でした。

  2003.06.21

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• まち子さんは人妻でした　－９－　やっと決まったデートの日

  まち子さんは昼間フルタイムで働いています。それに家庭がありますから夜お会いするのは難しい状況でした。しかし、詳しい事情はわかりませんが、月に一回平日にお休みがあるそうなんです。その日の昼間ならＯＫだというこになりました。私のほうは昼間に職場を抜け出すことくらい可能ですから。では今月の休みはというと残念なことにすでに終わっていました。年明け早々がつがつするのもどうかなと思ったのが間違いで、もっと早くに日程交渉をすれば良かったと後悔したものです。まち子さんのほうから一言いってくれればいいのにとも思いましたが、自分からそんなことを言い出せる人ではありません。というようなことで、初デートは２０日以上も後の2月の初めとなりました。もういくつ寝ると････

  2003.06.20

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• まち子さんは人妻でした　－８－　日時を決めるやり取りが始まりました

  明けましておめでとうございます。もう何回この言葉を言ったことでしょうか。やっぱり元旦に年賀状が来るのはうれしいですね。これは小学生だろうとオジサンだろうと変わらないようです。ＰＣメールだと特に旧年中に登録したメールじゃなくて、実際に元旦に書かれたメールなら感激もひとしおです。その年は、まち子さんから元旦にうれしいメールが届きました。「とうとう今年になりましたね。約束は必ず守りましょう」とメールを送りました。そして日時を決めるやり取りが始まったのですが、織姫と彦星ほどではないにしても、なかなかうまくいかないことが判明しました。

  2003.06.19

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• まち子さんは人妻でした　－７－　うれしい返事が返ってきました

  まち子さんからメールが返ってきました。「もちろん、覚えていますよ」何ヶ月かの間このことには触れなかったのに、うれしい限りです。この質問・回答の意味は記憶があるかどうかよりも、その気があるかどうかというところにあるのですから。記憶については、女性の皆さんの記憶がいいのにはいつも驚かされます。こっちがすっかり忘れている小さな発言を覚えていて、いついつこう言ったじゃないと突っ込まれた経験のおありの方も多いでしょう。母など私が「東京は人の住むところじゃあない」と言ったのをずっと覚えていて、私が定年になったら故郷に帰るものだと信じているようです。故郷は中途半端な地方都市で、都会の魅力にも欠けるし、田舎の自然があるわけでもないといった所です。正直なところ、将来どこに住むかは決めていないのが現状です。さて、早速まち子さんにメールを出しました。「年が明けたらお会いする日などを決めましょう」ということでその年はちょっとウキウキのお正月となりました。

  2003.06.18

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• まち子さんは人妻でした　－６－　約束、覚えていますか？

  皆さんのメル友さんは元気ですか？どのくらい続いていますか？メール交換が始まって二三ヶ月すると話題に困ったりしませんか？人間の持っているポケットなんか限度がありますよね。ポケットの中身を小出しにしていくとしてもいずれネタが尽きてしまいます。映画のように次から次へと事件なんか起りませんからね。やがて相手からメールが来なくなっていつの間にか終わってしまう。こんなこと経験ありませんか。こんなときは開き直りが大切です。メール交換が続くということはマンネリズムに負けないということではないでしょうか。相手からメールが来るということが大切なのです。そのことをお互いが喜びとすればメールは続くと思うのですが。結局終わるものは終わる、続くものは続くということでしょう。もし、１年以上続いているメル友がいたら大切にしましょう。二度と現れないメールフレンドのはずですよ。そんな感じでまち子さんとのメールが続きました。「年が明けたらお会いしましょう」の約束なんかなかったように。クリスマスが近づいたある日、メールに書いてみました。「約束、覚えていますか？」

  2003.06.17

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• まち子さんは人妻でした　－５－　鬼が笑う？三ヶ月後の約束

  最近は不倫をうたい文句にしたサイトもあるようですね。初めからオスとメスの関係で出会うことになるのでしょうか。これで理想の相手をゲットしたという方がおられるのでしょうか。なんだかミスター男根とミズ女陰のような印象なんですが。だいたい人間とは勝手なもので自分のことは棚に上げて、相手には多くを望むというのが一般的ではないでしょうか。なかなか双方満足の相手に出会うというのは困難に思えるのですが、「そんなことはない」という方は御一報ください。さて、私がまち子さんにした提案とは御想像のとおりデートの約束でした。それも鬼が笑うというか、三ヶ月も後の翌年のことでした。「よろしければ、年が明けたらお会いしましょう」との提案に対して、「ちょっと不安ですけど、お会いしましょう」との返事が返ってきました。何故来年なのかって？それは西暦の話をしていて、ちょっときりのいい数字だったから、そんな提案になったのだと記憶しています。言っておきますが、この手てはしばらくは使えませんよ。私と同じようにやろうと思えば、あと９９７年も待たなければいけませんから。

  2003.06.16

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• まち子さんは人妻でした　－４－　大切なメールフレンド

  このページを見にこられた方は異性のメルトモがいるという方もおられるでしょう。どんなイメージを持っておられますか？もう会われた方なら会う前のことを思い出してください。悪いイメージを持っておられる方は少ないのではないでしょうか。お手紙の字は活字体で綺麗ですし、漢字なんか知らなくても勝手に変換してくれる状況にある人々です。そもそも人間のほうもいい印象を持たせようと一生懸命になっているわけですから。で、会われた方はどうでしたか？期待したほどじゃあなかった？そうでしょう、そうでしょう。振るいつきたくなるような美人やアイドルのような可愛い子は、身の回りにもほとんど見かけられないわけでして。それがネットになると急に人口密度が増えるはずがないですからね。まち子さんのことは始めはどんなイメージを持っていたのか思い出せません。想像力が貧弱なせいか確たるイメージは無かったように思います。でも、初めからいい印象を抱いていたのはそのとおりです。これはまち子さんも同様だったようです。ただ、メールの内容はたわいもない日々の出来事などで、男と女の話などは皆無でした。あるときメールに、「大切なメールフレンドですから」と書きましたら「私も大切に思っています」と返信に書いてありました。そこで勇気を得た私は会うことの提案をしてみました。

  2003.06.15

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• まち子さんは人妻でした　－３－　夫婦はいろいろですから

  夫婦の数が１００あれば１００種類の夫婦があるわけで、こうでなければならないというものはないと思います。我が家のように永く夫婦をやっているともう完璧な身内ですから、どうも昔のように男と女というわけにはいきません。共同経営者でいいのではと割り切っています。稀には何年たっても恋人同士のような方もいらっしゃいますけど。さて、何かの拍子にまち子さんのご主人のことを聞いたことがありました。そのときのまち子さんのメールには、「夫？何それ？そんな人いた？という感じです。」と書いてありました。お互いが空気のような存在だということでしょうか、それとも夫として無視しているということでしょうか。あるいはもっと悪い関係なのでしょうか。そのときは深く追求するのははしたないような気がして、そのまま放っておきました。このことは後になって判明することになるんですけどね。

  2003.06.14

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• まち子さんは人妻でした　－２－　すぐ来る返事、なかなか来ない返事

  メルトモにもいろいろあって、メールを出すとすぐに返事が返って来る人と、なかなか返事が返ってこない人といますが、まち子さんはどちらかというと後者のほうでした。私はだいたいメールをもらった翌日くらには出すようにしていますが、彼女からのメールは多くて週に二回、普通は週に一回くらいでした。ただ、長続きするかどうかはメールの回数とは別の問題のようです。毎日のようにやり取りしてすぐに終わる人もいますし、たまにしか来なくても長く続く人もいます。相性とお互いのニースが問題なのでしょうか。まちこさんとはメール交換が長く続きました。彼女のメールは奥さんらしく抑制の効いたものでした。言葉遣いも丁寧で、日常の出来事がつづってありました。保育園で働いていること、小学４年生の娘が居ること。親とはかなり近いところに住んでいることなどがわかりました。そんな中でただ一つ、おやっと思ったことがありました。

  2003.06.13

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• まち子さんは人妻でした　－１－　返って来たのは一通のメール

  あれはまだ私がウインドウズ９５を使っていた頃のことでした。会費を払うとメルトモを探している女性からのメッセージを掲載したＨＰのアドレスを教えてくれるサイトがありました。有料のためか男性会員も少なかったのでしょうか、女性にメールを出すと一割くらい返事が返ってきました。今から思うと当時はまだネット生活も牧歌的だったと思います。今は無料のサイトもたくさんありますが、返事が返って来る確率は１％くらいではないでしょうか？私の統計では限りなくゼロに近いのですがどうでしょう。もしいいサイトがあったら教えていただきたいものです。さて、その時も私に合いそうな何人かにメールを出してみました。唯一返って来たのはまち子さんからでした。掲示板には、都内、３２歳、既婚とありました。「気楽にお話しましょう」ということでメールが始まりました。秋がふかまりゆく10月はじめのことでした。

  2003.06.12

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• ゆっこのこと　－２０－　突然のメール　・・・最終段・・・

  ゆっこを駅で見送ってから４年の歳月が流れた。最近は思い出そうとしなければ思い出すこともなくなっていた。来るメールと言えば何かのコマーシャルばかりになっていた。どこでどうアドレスを入手するのか。きっとネット上をふらふらしているときに捕まえられたのだろう。それでも一応毎日メールチェックだけはしていた。そしてある日思いがけず“ｙｕｋｋｏ＠・・・・・”のアドレスでメールが来た。あれっ、ゆっこだ。短いメールだった。「お元気ですか。わたし離婚しました。」読ん後いろんな思いが脳裏をかすめた。何で別れたのだろう。子供は出来たのだろうか。今もあの施設に勤めているのだろうか。そして、豊かな胸は今も健在なのだろうか。とりあえず近況をメールで伝えて返信を待っているところである。　～完～

  2003.06.11

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• ゆっこのこと　－１９－　とうとう音信不通に

  駅まで一緒に行って、在来線への乗換え口で別れた。「じゃあまた」と言うとゆっこは小さく手を振った。後姿を見送ったが、一度だけちらりと振り返った。こっちが急いで手を振ったときにはもう向こうを向いていた。彼女が階段に消えるまで後姿を見ていた。私は一つため息をつくと新幹線のホームに向かった。故郷に着くまで今までの出来事が頭をめぐった。何も考えずに記録映画を見ているように。故郷の実家に着いて早速メールを送ったが返信はなかった。自宅に帰ってもう一度メールを送ってみたが何も返ってこなかった。生々しい記憶は少しずつうすれ、夢の中の出来事のようになっていった。そのまま月日だけがむなしく流れた。

  2003.06.10

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• ゆっこのこと　－１８－　あたし結婚するの

  やがてゆっこはむっくりと起きて一人でバスルームに行きシャワーを浴びはじめた。私も後を追った。ゆっこは事務的に体を洗うとさっさと出て行ってしまった。私がバスルームを出るともう彼女は着替えを始めていた。手出しのできない雰囲気が漂っていた。二人とも身支度を終えるとテーブルについた。彼女はテーブルの真ん中を見つめるながら言った。「あたし来月結婚するの」「あのオジサンと？」彼女は黙って細かくうなずいた。やはりという思いとともに今までのことが頭をめぐった。「そうか」と言った後の言葉が出てこなかった。二人はホテルを出ると駅までの道を黙って歩いた。ただ腕だけは初めて会ったときのようにしっかりと組んでいた。

  2003.06.09

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• ゆっこのこと　－１７－　豹変

  十分に潤っていることを確認すると、ゆっこの中に入っていって二人は一つになった。温かいものがあふれ出し私を包んだ。この頃から急にゆっこの態度が変わってきた。私が動き出すと恥じらいもなく声を上げた。上になると憑かれたように自分で腰を動かした。まるで私などそこに居ないようであった。女性には一度絶頂を迎えるともういいというタイプと、何度も絶頂を続けられるタイプとあるような気がするが、彼女は後者であった。二人はいろんなやり方で快感をむさぼった。最後に精気を全て吸い取られて果ててしまった。離れると天井を向いて丸太のように転がってしまった。

  2003.06.08

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• ゆっこのこと　－１６－　かたちばかりの抵抗は無視して

  ゆっこの胸をそっと揉んだ。ゴムまりのように弾力があった。大きな胸の人は結構いるが弾力がある胸となるとそうはない。今度はその弾力を確かめるようにあらっぽく揉みしだいた。彼女は揉まれる自分の胸を見ていたが、さしたる反応はなかった。しかし、どう掴んでもはみ出る乳房は私の視覚を大いに刺激した。乳首を口に含んで舌で弄び、赤ん坊のようにしゃぶった。彼女の息づかいが少し荒くなったようである。ゴムまりを掴んだまま口づけをし舌をからませた。彼女も舌で挨拶を返してくれた。そしてそのまま下半身にそっと手を伸ばした。「だめっ」と言って私の手を掴んだ。しかし、強い力での抵抗ではなかった。かまわずに手を伸ばし、股間の泉に触れた。「濡れているね」と言ったときに「ああっ」と初めて彼女は声を漏らして首を振った。

  2003.06.07

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• ゆっこのこと　－１５－　豊かな胸に初めて触れる

  ワンピースの背中のボタンをはずそうとするとゆっこは初めて体をよけた。「シャワー浴びよ」外は快晴で気温が高いし、部屋はまだ冷房の効果が行き渡らずに、二人とも汗ばんでいた。「そうだね、一緒に行こう」彼女は首を横に振って「先に行って」一人でバスルームに入った。汗を流すだけだから時間はそんなにかからない。バスタオルを腰に巻いて出てくると、ゆっこはまっすぐ椅子に座っていた。「行ってきな」バスルームに消えていくゆっこを目で追った後ベッドルームに行き横になった。念入りに洗っているのかシャワーの音が長く続いた。やがてバスタオルにくるまったゆっこが姿を現した。立っているのでそこまで迎えに行ってベッドに連れてきた。ゆっこを横にするとバスタオルをほどいて胸に手をやった。弾力のある豊かな胸に初めて触れた瞬間だった。

  2003.06.06

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• ゆっこのこと　－１４－　抱きしめると彼女の胸が私の胸を押し返した

  最上階にカフェテラスがあるKホテルは大通りを南に下ったところだが、そちらには向かわずに大通りを横切ってまっすぐに進んだ。ゆっこは何も言わずに一緒に歩いた。私は数年前にこの地で勤務しており、そこは通勤経路だった。車の通らない小さな路地に入るときに腕をほどいて手を握った。そこにはKホテルとは別のホテルがあった。玄関で靴を脱いで上がるというちょっと変わったホテルだ。従業員が出てきて案内してくれる。通された部屋は1DKのような感じの部屋だった。通常この手のホテルにはソファーが置いてあるが、そこはテーブルに椅子というまさにダイニングルームのようだった。テーブルにバッグを置くと立ったままゆっこの後ろに両手を回して抱きしめた。ワンピースに隠れている彼女の胸が私の胸を押し返した。「・・・やっぱり大きい、Eカップ・・・」と脳裏をかすめる。押し返してくる圧力に負けないようにしっかりと彼女を抱いた。力をゆるめ彼女の顔を見て、そして唇を合わせた。

  2003.06.05

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• ゆっこのこと　－１３－　私の腕を力いっぱいつかむから

  Ａ駅の新幹線と在来線との乗り換え口で会うことにした。急いでホームの階段を下りて乗換口に向かうともうゆっこは来ていた。前回のＧパンに運動靴という出立ちとは打って変わって、白い花柄のワンピースにサンダルという装いだった。足首は細くて華奢なのには驚いた。駅ビルの中のレストランで食事をすることになった。和食の何とか御膳というランチを注文した。ビールを二本頼んで二人で飲んだ。食事の終わる頃に訊いた。「さて、どこに行こうか？」「どこでも」と語尾を上げてゆっこは言った。「じゃあちょっと街をブラブラしてＫホテルのてっぺんでお茶でも飲もうか」彼女は黙ってうなずいた。駅ビルを出てJRのガード下の横断歩道を渡るときに、腕を差し出すと彼女は両手で腕に絡まってきた。そして驚くほど強い力で私の腕をつかんでいた。黒髪が甘く匂った。私は決意せざるを得なかった。

  2003.06.04

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• ゆっこのこと　－12ー　連休に近くを通るから会わない？　

  連休に帰省するのが恒例でゆっこのいる近くを通るので、途中下車するから会わないかとメールした。いつもは数日で返事が来るが、今回は１０日くらい音沙汰なかった。やっと来たメールには「じゃあ、A市で会いましょう」とあった。彼女が電車に乗って新幹線の止まるA市まで出てくれるそうだ。３、４時間は二人で過ごすことができそうだ。しかし、今度は昼間だし天気も良さそうだから傘もないし、前回起こったようなことは期待できそうもない。せめて例の“オジサン”とのことでも聞いておくかな、と思った。機微に触れるような話しはやっぱりメールじゃあできないものだ。キーボードでは、不安やとまどいを表せないのは我々の世代の限界だろう。とにかく再会を喜び、楽しい時間を過ごそうと思ったのだが。

  2003.06.03

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• ゆっこのこと　－１１－　何も言わないゆっこ

  帰ってきてさっそくゆっこにメールを書いた。「ありがとう」という言葉が最初に出てきた。しかし、ゆっこから返ってきたメールにはあの時のことは一言も書いていなかった。次回からは私もそのことについて言及することはなかった。したがって、「何故？」は何故のまま想い出だけが残った。それでもメールは途絶えることはなかった。メールには淡々とした彼女の日常などが綴ってあった。先輩女性職員に手を焼いているとか、職場に小学生が社会見学に来て大変だったとか。たまにオジサンと彼女が呼ぶ彼氏のことが書いてあった。「オジサンと美術館巡りをしました。　オジサンは何だか眠そうでした。」付き合って５年になるというから彼女が高校生のときからだ。それなりの強い絆があるのだろう。半年が瞬く間に過ぎた。

  2003.05.30

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