劇団四季「オペラ座の怪人」
ついに観てきました。劇団四季「オペラ座の怪人」。「劇団四季のオペラ座の怪人は凄いらしい」というコピーが山手線のあちこちの駅に踊っているけれど、本当にすごかった。冒頭、暗がりに沈むオークションの場面でシャンデリアが姿をあらわす瞬間から、もう心だけ別世界にさらわれている。(自分のための覚書。昨日にひきつづき、オペラグラスを忘れた。悔しい!)次々とステージに現れる壮麗でダイナミックな舞台装置、手品のような仕掛け、きらびやかな衣装、すばらしい音楽とダンスの数々。お芝居を観る、というより、ディズニーランドにいるような感覚。2階席前方だったので、オケピの中がちらっと覗けたのも、うれしい偶然。ミュージカル版「オペラ座の怪人」の魅力は、なんと言っても音楽。あの有名なテーマソングはもちろんだけれど、どの曲も主役級の存在感と美しさ。ぞくぞくする。どんなすばらしい機械を通じて何度「名演」と呼ばれる音楽を聴いても、たった一度、目の前で生身の人間が演奏する音楽に耳を傾けることに勝る体験はない。それは舞台についても同じ。だからライブ通い、劇場通いはやめられない。この間、お姉さまに連れていっていただいた宝塚の「ファントム」は怪人の内面にスポットライトを当てるアーサー・コピット版だったけれど、四季の「怪人」はアンドリュー・ロイド・ウェバー版。怪人はグロテスクで残忍、クリスティーヌもより冷淡に描かれていて、ミステリーの要素が強い。これだけ多様なストーリーや解釈をさそい、世界中で再演が繰り返されているのは、ガストン・ルルーの原作が魅力的だからなんだろうなあ。いつか、また、別の国でも観てみたい。