いちご模様の帽子
幼稚園のとき、母が編んでくれた毛糸の帽子です。妹とわたしが家を出るのを機に、10年に1度というくらい大がかりな掃除をしていた母が、押入れの奥から発見しました。わたしはゆり組だったので、内側には、「○○幼稚園 ゆり組 ○○○○(わたしの本名)」というゆりの絵のついた名札がアップリケで縫い付けてあって、それがなんとも言えずかわいい!幼稚園の庭に、園長先生がつくった大きな雪山でそり遊びをしても落ちないように、この銀色のボタンをあごの下でしっかり留めて、雪道をてくてく通っていたのでした。ボタンを外したままかぶれば、いまも十分かわいくかぶれることがわかったので(垂らしたボタンの部分が「神はサイコロを振らない」で武田真治がかぶってた帽子みたいで、何だか今ふうでさえあるのです)、さっそく新居に連れてゆくことにしました。冬が楽しみ。母は編物がすごく得意で、手袋やマフラーや帽子だけじゃなく、キティちゃんを編み込んだカーディガンやしま模様のワンピース、なわ編みのベスト、パンダの編みぐるみ、うさぎの指人形なんかを、くるくるっと編んでは、幼いわたしと妹にプレゼントしてくれたのでした。いま考えてみると、すごい贅沢なことだ!もし、いつかわたしに娘が生まれたら、わたしは彼女のためにどんな思い出をつくってあげられるかな?としばし空想にふけったのでした。