窓を磨く
よく晴れた大晦日。夫と息子は車を洗いに出かけました。私はラジオを聴きながら、家じゅうのカーテンを外して洗い、新聞紙で窓を磨き、お布団を干し終わったところ。窓がきれいになると、外の景色がくっきり見える。曇りのなくなった窓から、素敵なことがたくさん入ってくるといいな。掃除のコツは、余計なことを考えず、今、この場所をきれいにすることが人生最大のミッションであると心から信じて、一心不乱に磨くことだと思う。過去や未来に気持ちが飛んでいるときに比べて、仕上がりの気持ちよさが全然違う。ああ、掃除だけじゃないな。最近の私、料理をするときも、散歩をしているときも、本を読んでいるときでさえ、過ぎ去った時間や「これが終わったら次は何をするか」に気をとられて、地に足が着いていなかった。新しい年は、「今、この瞬間」にしっかり根を下ろして過ごしたい。 *今年一年、本当にいろいろなことがあった。ご縁をいただいて、大好きな文章を書く仕事ができるようになった。まさか、南の島で年を越すことになるなんて、去年の大晦日には思いもよらなかったな。息子はすくすくと成長し、いつの間にか「だっこ、だっこ」と言わなくなった。この間、「お母さん、ぼく、どうして生まれてきたと思う?」と聞くので「どうして?」と聞き返したら、「お母さんが大好きだから生まれてきたんだよ」と言われて、本当に驚いた。「子育て」というけれど、子どもに支えられ育てられているのは、本当は私の方なんだろうな。家族と過ごす時間を自分の土台に置いて、空に向かって枝を広げ葉を繁らせていこう。2015年が、皆さまにとって、実り多い豊かな時間になりますように。