音にこころを。
バイオリンのレッスンへ行く電車の中です。最近は、降ってくるコトバを書きとめる時間が全然足りなくて、電車の中で、携帯で文章を書いています。あの、部活の合間に携帯で小説を書いて新人賞を穫った「りはめ」の高校生の男の子みたいだ。「携帯でブンガクがやれるか」なんて思ってたけど、書けない自分への言い訳、負け惜しみだったな。そば屋の箸ぶくろに書こうが、収容所の壁に刻もうが、女の子の背中に入れ墨で彫ろうが、携帯のメールで送ろうが、文学は文学だ。会社の帰りみちではだるくて、帰ったら昼寝してからレッスンに行くつもりだったのだけれど。スタバのカフェミストをテイクアウトして、部屋で飲みながらバイオリンのお話を書きはじめたらすっごく乗ってきて、昼寝どころか夕飯も食べず、バイオリン弾く時間ももったいなくて夢中で書いた。どきどき。筆が迷ったら、すっと考えるのをやめる。耳を澄ませる。そうすると、ふわって降りてくる。手に文章が!そうだそうだ。こうやって書くんだった文章って。楽しいなぁ!こんなに楽しいんだから、人の目なんて構わずひたすら書けばいいのだ。好きなように。好きなように?ちがうか。神さまの言う通りに。人がなんと言うか知らないが、小説の泉にストローを差して吸い上げてみたらそう書いてあるんだから仕方ない。わたしはただ導管に徹するのみだ。しかし導管と言えども大切でパワーのいるお仕事なので、コンディションを整える必要はある。美術館。映画館。コンサートホール。ライブハウス。芝居小屋。劇場。森。海。ヨーガ教室。バイオリン教室。このみの雑貨屋さん。本屋さん。たばこの煙のない喫茶店。オーガニックレストラン。それらの場所に足をはこび、あるいはさまざまな本を浴びるように読んで、流れをよくする努力が大切だ。そしてバイオリン。先週に引き続き重音地獄です。音が2つ、3つ重なると、ドレミを初めて教わる小学生のように音がとれないが、きびしくしごかれるのも、また愉し。この、音に集中する時間はすごく大切。来るまではいつもおそろしく面倒だが、レッスン受けるとああ!来てよかったって思う。上手になるのなんて少しずつでいいから、楽しく楽しく弾くのだ。音に心をひらいて。