一輪の花 ~Epilogue~(BLEACH・浮竹十四郎)
浮竹の臥せる雨乾堂を訪なう者があった。白き孤高の影は、傷心の浮竹の枕元に座した。「愛する者を失った哀しみ、私にも良くわかる」浮竹は目を閉じていた。やつれた面差しを、その者は深いまなざしで見下ろした。「時が経てば、その哀しみが癒えるなどと、私は言わぬ」明り取りの障子から射す光が、美しい横顔を照らしていた。「残された我等は、その面影を胸に生きるしか出来ぬのだ」その者は立ち上がった。「無理に忘れずとも、良いのだ・・」首に巻かれた薄布を翻し、その者は出て行った。浮竹の目は閉ざされたままであった。その目から、一筋の涙が、耳の方へ流れて落ちた。(終)第一話 第二話 第三話 第四話 第五話 第六話 第七話第八話・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・掲載された小説はこちらのHPでまとめてご覧になれます・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・