[鎌倉殿の１３人]の記事一覧

色が染み付くには時がかかるもの。

鎌倉殿の１３人政子「ずっと気になってたんだけど、あなたのその髪留め、赤過ぎない？」実衣「そう？いつもと変わらないけど……」実は　実衣は　全成　から　あなたは赤いものを身につけると運が向いてくるといわれていたのだ。ちっとも運が向いてこないけど、あれは嘘だったの？色が染み付くには時がかかるもの。ひと月もすれば色がなじみます。全成「それにあなたは赤がよく似合う」まんざらでもなさそうに、実衣は赤い髪留めに手を伸ばす。＊【成果を上げる色の選び方】購買が何を判断軸になされているのか？なんと84,7％もの人がものを買うときに色を第一の理由としています。そして62〜90％の人は色のみに基づいており、その時間もわずか90秒間で購買を判断しています。このことから、色彩がいかに人の購買に大きな影響を与えているのかが分かります。赤色が、人に行動を起こさせるようなカラーです。赤色の特性が人の行動を導き、成果をあげることができます。＊＊おそらく全成のアドバイスは「四柱推命のラッキーカラー」からであろう。

2022年03月14日

切ないですね。想像以上につらかったです　『やっと僕は救われた』

伊東祐親は、伊東館に留まり頼朝を迎撃することを決意する。一方、次郎に対して「頼朝に決して八重を渡してはならん」と八重の殺害を指示する。だが、刀を抜いて忍び寄るが「俺にはできません。俺にはあなたを殺せない」と号泣し、「お逃げください！　正面からだと、舅殿に見つかる。裏からどうぞ。急いで！」八重は「来て」と次郎も一緒に逃げようと誘う。そこに、善児が忍び寄り、次郎を刺し殺してしまう新垣「（次郎は）とても八重に対してずっと優しかった人で、それがあんなにも目の前で一瞬にして亡くなってしまうというのは、すごくつらかった」「最後に微笑みかけてくれるんですけど『もっと優しくすればよかった』みたいな気持ちもありましたね、八重として。切ないですね。想像以上につらかったです、目の当たりにすると。本を読むよりも」芹沢「最後に八重さんに手をつないでいただいて嬉しかったですし、八重さんに幸せになってほしいなと思いました」「『やっと認めてくれた』とちょっと思ったんですけどね。『やっと僕は救われた』と思いました」💛世の中のお父さんのなかには、自分に対し理不尽な態度をとりつづける妻やその他もろもろの事象において、己を次郎に重ね合わせているやもしれないな。されどなお、連れ合いが「健康で元気で幸せであるように祈る」以外に「救われる」道はない、と次郎はさししめす。

2022年03月10日

時政のポンコツぶりがヒートアップ

どうも三谷さんは、時政（坂東彌十郎）の「愛すべきポンコツ」ぶりを極端化してきているようだ。頼朝（大泉洋）がシビアになればなるほど、時政のポンコツがピートアップする。大泉頼朝は、まじめに冷酷になり、コミカルをゆるさなくなる分、彌十郎時政は画面いっぱいポンコツを発揮する。しっかり者の三浦義澄（佐藤Ｂ作）から「四郎、頼むから、もう少し、ちゃんとしてくれ。もう前とは違うのだ。わしらの肩には、大勢の坂東武者の命が懸かっておる。己が何をすべきか、よく考えろ！しっかりしてくれ、四郎時政。この世で一番みすぼらしいのは何か知っているか。しょげている、じじいだ」時政は親友の直言に深く反省し、自分の頬を思い切り殴ってくれと懇願する。「いいのだな。恨みっこなしだぞ」と義澄が思い切り頬を張ると、時政は「やりやがったな」と突き返し、義澄が川の中に転んでしまう。「その時、辺りの水辺で休んでいた無数の水鳥たちが、一斉に羽ばたいた。数万羽の羽音が夜空に響き渡る」（語り・長澤まさみ）「富士川の戦い」を制したが、追討しようと主張する頼朝に、北条義時（小栗）は坂東武者たちの兵糧が尽きていると、いったん鎌倉に戻ることを進言する。そして坂東武者たちが大事なのは所領と一族だと直言する。「お前はわしと坂東とどちらが大事か？」の問いに、答えられず無言。「とどのつまりは、わしは1人ということじゃ。流人の時も、今も」。そのときに義経が出現する。義経「兄上ー！九郎でございます。兄上が兵を挙げたと聞いて、奥州より馳せ参じました。ずっとこの日を、待ち焦がれておりました。兄上！兄上がいる。あー、兄上だー！兄上だなぁ！（声を上げて泣く）」　義時「（怪訝そうに）水を差して申し訳ないが、何かご兄弟であるという証しのようなものは」　義経「顔、顔！顔そっくり！」　頼朝「（安達盛長に）そうかな？」　義経「そうだ。御館（藤原秀衡）から兄上への文でございます」　頼朝「御館（文を読む）」　義経「父上を殺し、母上を奪った清盛への恨みを、忘れたことは片時もございませぬ。兄上とともに必ずや、必ずや、父上の仇を討ちとうございます！」　頼朝「九郎…。九郎…」　義経「兄上のために、この命捧げます」　頼朝「（義経を抱き締め）よう来てくれた！」　義経「兄上！」「わしは1人」の悲嘆から、本心からの『よう来てくれた』へ。

2022年03月08日

“菅田将暉”義経　大変そう　判官びいき　に着地するのだろうか？

“菅田将暉”義経▼源義経を演じて「天才軍略家、悲劇のヒーロー、大人気のアイドル、義経なわけですけど、今回の三谷さんの本では、それだけじゃない人間味あふれる部分がいっぱいあって、決してただのいい奴じゃないし、割と残忍だし、ズルいし、セコいし。そういう必死さ、義経なりの戦い方、そうやって戦わざるを得なかったんだろうな、というような感じになればいいなと思うし。あと、僕が心掛けなきゃいけないなと思うのは、彼はこの後、英雄になるんですよね。まだ英雄じゃないから。ちゃんと一人の人間として、家族、親を殺されていて、平家に。『お兄ちゃんが戦いに出る』『そこに俺も一緒に行くんだ』っていう、ただお兄ちゃんのために、家族のために、と真っすぐな。ただ、その真っすぐさが時に違う方向に向く、という感じでやれればなと思っていますね」　▼心掛けていること「台本上にもあるけど、人の意表を突くとか、人にない発想を展開するとか、異常性みたいなところが出せればな、という感じですけど。それが自然にできたらな。いろんなものを見ると、どう考えても超人なので、超人然とやれてしまう感じもできるんだけど。見ている人も『義経だから、それくらいできるよね』と絶対なるとは思うんですけど。人間味ですかね、やっぱり。ただトリッキーなことをやっているだけじゃなく、結構エンターテイナーだと思うんだけど。義経のその様というのは、人を魅了するカリスマ性が絶対あると思うから、そこは意識してやらなきゃなとは思うけど、それをトコトン純粋に、その場の最適解をやっていくというのが、斬新に見えればなという感じですかね」

2022年03月06日

梶原景時

「鎌倉殿の十三人」梶原景時は、頼朝が千葉市や上総氏を加えた大軍勢で押し寄せるということにうろたえる大庭景親に見切りをつけた。景親をまっすぐに見据え「それがしは大庭殿の家人ではござらぬ」と言い切って、たもとを別つ。　北条義時が女人の装束を借りに、景時の館へやってきたとき、景時は盆栽を嗜みながら「それが、大庭殿とは袂を分かったところ」と伝える。「粗暴な男は苦手でな」　後に梶原景時が、義経と対立する伏線がはられている。　一方、義経の奇人ぶり、残忍ぶりは目立つ。奥州をたった義経は、その道中で野武士と野兎を奪い合うことになる。野武士は義経に矢を向けるが、義経は矢の飛距離を争う勝負を持ち掛ける。野武士が弓を引いた後、義経は野武士に向かって矢を放つ。義経は「今夜は兎汁だ」と話す。その後「まずは富士山だ～！」と進んでいく。矢の勝負では勝てないからだまし討ちにすることに天真爛漫。義経の純粋さは狂気と紙一重である。＊梶原景時（かじわらかげとき）は、石橋山の戦いで源頼朝を救ったことから重用され、侍所所司、厩別当となる。当時の東国武士には珍しく教養があり、和歌を好み、「武家百人一首」にも選出されている。梶原氏は坂東八平氏の流れをくむ鎌倉氏の一族であり、大庭氏とは同族である。曾祖父、または従曾祖父に後三年の役で源義家のもとで戦い武勇を謳われた鎌倉景正がいる（梶原氏の祖・景久の従兄弟）。梶原氏は大庭氏らとともに源氏の家人であったが、平治の乱で源義朝が敗死した後は平家に従っていた。『源平盛衰記』では、敗軍の頼朝は土肥実平、岡崎義実、安達盛長ら6騎としとどの岩屋の臥木の洞窟へ隠れた。大庭景親が捜索に来てこの臥木が怪しいと言うと、景時がこれに応じて洞窟の中に入り、頼朝と顔を合わせた。頼朝は今はこれまでと自害しようとするが、景時はこれをおし止め「お助けしましょう。戦に勝ったときは、公（きみ）お忘れ給わぬよう」と言うと、洞窟を出て蝙蝠ばかりで誰もいない、向こうの山が怪しいと叫んだ。大庭景親はなおも怪しみ自ら洞窟に入ろうとするが、景時は立ちふさがり「わたしを疑うか。男の意地が立たぬ。入ればただではおかぬ」と詰め寄った。大庭景親は諦めて立ち去り、頼朝は九死に一生を得た。頼朝は安房国へ逃れて再挙し、千葉常胤、上総広常ら東国武士が続々とこれに参じて大軍に膨れ上がり、10月に鎌倉に入った。頼朝は平維盛率いる平氏軍を撃破し、大庭景親は捕えられ斬られた。12月に景時は土肥実平を通じて頼朝に降伏。翌養和元年（1181年）正月に頼朝と対面し御家人に列した。弁舌が立ち、教養のある景時は頼朝に信任され鶴岡若宮の造営、囚人の監視、御台所・北条政子の出産の奉行など諸事に用いられ侍所所司（次官）に任じられている。

2022年03月06日

武衛

武衛（ぶえい）兵衛府 (ひょうえふ) の唐名。兵衛府【ひょうえふ】衛府の一つで，左右がある。皇居・行幸(ぎょうこう)などの警備を担当。他の衛府の衛士(えじ)は庶民の出身だが，兵衛は郡司(ぐんじ)の子弟で舎人(とねり)の系譜を引く。督(かみ)・佐(すけ)などの下に兵衛の定員は左右の兵衛府で各400人。兵衛府（ひょうえふ）とは、律令制における官司。左兵衛府と右兵衛府の二つが存在する。長は兵衛督（左兵衛督・右兵衛督）である。左右近衛府、左右衛門府とあわせて「六衛府」と呼ばれる。和訓では「つはもののとねりのつかさ」という。唐名は武衛（ぶえい）。督ー左右に各1名。四等官のうちの長官「カミ」に相当。権官はない。唐名は武衛大将軍。佐ー左右に各1名。四等官のうちの次官「スケ」に相当するが、権官あり（権佐）。唐名は武衛将軍。この官職でもっとも著名なのは右兵衛権佐に任じられた源頼朝である。平治の乱の際にこの職に任じられた頼朝は僅か十五日で解官され、20年に及ぶ流人生活を経て平家を倒し、建久元年（1190年）に権大納言に任じられるまでの30年間「前右兵衛権佐」であった。このため、頼朝に仕えた御家人達は頼朝に敬意を払って「佐殿（すけどの）」と呼んだのである。「唐の国では武衛と呼ぶらしいです。親しい人のことを武衛と呼ぶらしいです」全生「親子の縁に薄く、主は不慮の死をとげる」すけ殿「暦などに振り回されるのもどうかと思うぞ」ここで三谷さんのシナリオは伏線をはっている。政子「これからはいいことしか起きないように思います」義時「そうなるように努めます」

2022年02月27日

源義経　は自分本位の欠陥人間？

鎌倉殿の十三人で２月２６日放送で　源義経　が登場する。地元の猟師が射たウサギを、矢を遠くに飛ばしたほうが獲物を得ることにしようと誘い、先に弓矢を放った猟師に弓矢を射かけて殺し、ウサギをわがものにすると、悪びれもせずに去っていくという　味方でなければ殺戮をいとわない　極悪の人物像　として三谷脚本では提示されている。「判官びいき」に異議を唱える、「自分本位・自尊の義経」を描こうとしているのかもしれない。　源義経　は実はそうした欠陥人間であったのか？義経の性格は最悪だった中野信子さん（脳機能学者）「戦術の天才であった義経は兄・頼朝をバカにしていたと思う」・「命がけで平家を滅ぼしたのだから関東は当然私のものだ。西国ももらえるものと思っていた」（平家物語）磯田道史「私も義経は頼朝をバカにしていたと思う。まったく頼朝への報告・連絡・相談がない。」〇源義経の不義を訴える梶原景時の書状『吾妻鏡』によると・・・　壇ノ浦の戦い後の４月２１日、鎌倉の源頼朝のもとに梶原景時からの伝令が到着。　景時の書状には、合戦の次第と源義経の不義が書かれていた。　義経の不義についての内容は、　「義経殿の勝利は、頼朝様が御家人を貸し与えたからこそ成しえたもの。　義経殿は自分一人の手柄だと思い込んでいますが、大勢が力を合わせたから勝てたのです。　多くの者は、義経殿のために戦ったのではなく、ただ頼朝様への忠義を尽くすために、勲功を上げようと励んできました。　にもかかわらず、平家を滅ぼした後の義経殿は、態度が大きくなりました。　義経殿に従っている者も本心からではありません。　景時が、頼朝様の意に反した行動を諌めると、それが仇となって処刑されそうになります。　戦いが終わった今、そばに仕える意味もないので、早く許可をいただき関東へ戻りたいと思っております。　侍所の別当（長官）の和田義盛と、所司（次官）の梶原景時は、それぞれ範頼殿と義経殿に付けられました。　範頼殿は千葉常胤や和田義盛と相談して事に当たりましたが、義経殿は自分一人の考えで行動し、頼朝様のお考えを無視します。　景時に限らず多くの者が恨みに思っています」頼朝は、５月４日、景時の使者が九州へ帰る時に書状を持たせている。　「義経を勘当したので、もう命令に従ってはならない。　ただし、京都に送られた捕虜たちの罪名が決まるまで景時をはじめとする御家人が警護をするように。　勝手に鎌倉へ帰って来ることのないように」

2022年02月27日

『もし炎上したら新納さんのせいってことで』

7回「敵か、あるいは」では、仁田忠常（高岸宏行）が伊豆山権現にいる政子（小池栄子）、りく（宮沢りえ）、実衣（宮澤エマ）を尋ね頼朝の無事を知らせる書状を渡した時,仁田は一人の僧侶を伴っており、それが全成（新納慎也）＊１だった。彼は頼朝の異母弟、義経の同母兄にあたり、修行を積んだ陰陽を駆使して頼朝を補佐する。数人の僧兵がなだれ込み、政子たちを敵方に差し出そうとしたそのとき、全成が「待たれよ、わたしが風を起こす。その隙に逃げられよ」とさっそうと登場。「そんなことができるんですか!?」と驚く実衣に「醍醐寺で修行を20年……」とつぶやき、おもむろに陰陽の文句を唱え出した。臨兵闘者皆陣列在前（りん・ぴょう・とう・しゃ・かい・じん・れつ・ざい・ぜん）＊２しかし風は吹かず、何も起こらず、敵の僧兵たちも顔を見合わせ困惑。しばしの沈黙の後、全成は「今日は難しいようです」と一言放ちスタコラ逃げることとなり、実衣から「何なのよ！」とクレームを入れられる。新納慎也「できる日とできない日があるんでしょうね。曜日かな？　できる感じはしたんですけどね。残念でした。やりながら『こんなシーン見たことがある？　大河で』みたいな、最初台本をみた時にひっくり返りましたからね。『うそでしょ!?』と思って。三谷さんに『台本見ましたけどいいんですか？　この登場の仕方』と言ったら『もし炎上したら新納さんのせいってことで』とか言われて（笑）」　今後の全成の展開について「陰陽をやるなんで大河ドラマで見たことないですけど、そういう登場の仕方をしましたが、たぶんこれからどんどん占いとか易とかをやって源氏をいろいろ進めていくんですが、たぶんただおもしろいだけの人じゃなくて結構キーパーソンになってくるのではなかろうかと思っております」＊１　阿野全成（あのぜんじょう / - ぜんせい）は、平安時代末期から鎌倉時代初期の僧侶で、源義朝の七男。源義経の同母兄、源頼朝の異母弟。阿野氏の祖。通称醍醐禅師、もしくはその荒くれ者ぶりから悪禅師とも呼ばれた（『平治物語』）。7歳の時の平治元年（1159年）、平治の乱で父義朝が敗死したため幼くして醍醐寺にて出家させられ、隆超（または隆起）と名乗り、ほどなく全成と改名する。治承4年（1180年）、以仁王の令旨が出されたことを知ると密かに寺を抜け出し、修行僧に扮して東国に下った（『吾妻鏡』治承4年10月1日条）。石橋山の戦いで異母兄の頼朝が敗北した直後の8月26日、佐々木定綱兄弟らと行き会い、相模国高座郡渋谷荘に匿われる。10月1日、下総国鷺沼の宿所で頼朝と対面を果たした。兄弟の中で最初の合流であり、頼朝は泣いてその志を喜んだ。頼朝の信任を得た全成は武蔵国長尾寺（現在の川崎市多摩区の妙楽寺）を与えられ（『吾妻鏡』治承4年11月19日条）、頼朝の妻・北条政子の妹である阿波局と結婚する。阿波局は建久3年（1192年）に頼朝の次男千幡（後の実朝）の乳母となった（『吾妻鏡』建久3年8月9日条）。正治元年（1199年）に頼朝が死去し、甥の頼家が将軍職を継ぐと、全成は実朝を擁する舅の北条時政と結び、頼家一派と対立するようになる。建仁3年（1203年）5月19日の子の刻（深夜0時頃）、先手を打った頼家は武田信光を派遣し、全成を謀反人として捕縛し御所に押し込めた。全成は5月25日に常陸国に配流され、6月23日、頼家の命を受けた八田知家によって誅殺された。享年51。7月16日には三男の播磨公頼全が京都の東山延年寺で源仲章によって殺害された。＊２　九字護身法（くじごしんぼう）とは、「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前」の九字の呪文と九種類の印によって除災戦勝等を祈る作法である。

2022年02月23日

兄の遺言　宗時「坂東武者の世を作る。」　と　弟の覚悟

第５回の「兄との約束」（2月６日放送）で、ここまで主要キャストとして物語を引っ張ってきた兄の北条宗時（片岡愛之助）が戦死した。闇夜にまぎれ、堤館と山木館を立て続けに襲撃した源頼朝の一党。見事に首級を上げて勝利した頼朝は、坂東での政の第一歩として土地の分配を始める。これを知った平家方が激怒。相模では、奉行を務める大庭景親が3000の兵を率いて出陣。伊豆でも、頼朝討伐に燃える伊東祐親が動き出し、石橋山で挟み撃ちにする。伊東祐親は次男・伊東祐清に、「北条を引っ張っているのは宗時だ。宗時がいなくなれば北条は崩れる。北条の陣にまぎれ込み、宗時を闇討ちにせい」と暗殺指令を出す。　頼朝は、激戦の末、敗走を余儀なくされる。敗走を強いられた源頼朝は「北条を頼ったのが間違いだったわ。時政、何とかせい。わしはここで死ぬわけにはいかんのだ。命にかえてわしを守り抜け！」と怒る。宗時は頼朝の「観音像を置き忘れた。取りに行ってくれ」という“わがまま”を聞き、北条館に残した本尊の観音像を取りに戻るが、その途中、河原で祐親の下人の善児に背後から襲われ、命を落とした。北条宗時が北条の館に旅立つ直前、弟・北条義時に「これはお前だけに言う。俺はな、実は平家とか源氏とか、そんなものどうでもいいんだ。俺はこの坂東を俺たちだけのものにしたいんだ。西から来たやつらの顔色をうかがって暮らすのはもうまっぴらだ。坂東武者の世を作る。そして、そのてっぺんに北条が立つ。そのためには源氏の力がいるんだ。頼朝の力がどうしてもな。だからそれまでは辛抱しようぜ」と言い残す。「技師青山士著述集」を作成しているが、青山士の兄、紀元次は日露戦争で名誉の戦死を遂げるが、出征の前に弟の問いに答えて助言する場面がある。『市川紀元二中尉傳』結語に明治三十三年五月、青山士は大磯にいた兄・紀元二に大学の何科を選ぶべきか意見を求めた時の返事の内容がのる。「Social Faculty（世才）とは仙人的独居に逃避せず、世人の間に立って共に楽しく語りもし話しもして世に処して行くという事であって、決して忌避すべきものではない。誤って軽薄才子となり、或いは剛腹にして権謀を図るようになるのがいけないのである。真正のSocial Facultyは神聖であって人類が互いに慰め慰められて楽しく世を渡るに欠くべからざるものである」と手紙に述べ、「職業選択については、自分の好む所であるからといって理想に走りすぎ、社会に寄与する所もなく生活も出来ないで人の厄介になるようなものは人間のすたりものである。そうかといってまるで好まない道に進むはよくないが、幾分でも興味を持ち、かつ世間も要求し自己の生活の途も立つような職を選ばなければならぬ。生活が出来た上で更に高尚なる神霊の感受指導によって人類の永遠の幸福に幾分の貢献をすべきである」とし、弟・士に土木工学に向かうべき事を勧めている。　あるいは信濃川大河津分水記念碑の「人類ノ為メ国ノ為メ」の文言には日露戦争で国の為に殉じた兄の鎮魂と「人類の永遠の幸福に幾分の貢献をすべきである」という理想をも含んでいるのかもしれない。

2022年02月11日

頼朝挙兵の日は“くじ引き”　時政の後妻りくという人

「鎌倉殿の13人」頼朝挙兵の日にちは“くじ引き”「真田丸」真田幸村“誕生”彷彿“りく”宮沢りえ策士1/30(日)第4話は「矢のゆくえ」。頼朝がくじを引き、挙兵の日にちは8月17日に決定。三島明神の祭りと重なった。くじ引きは、時政（坂東彌十郎）の後妻・りく（宮沢りえ）が仕掛けた。りくは「佐殿の慎重なお方。日によっては取りやめると言い出しかねない。あの方には必ず兵を挙げ、勝手いただかなければならない。そして、しい様（時政）は佐殿の舅（しゅうと）として、坂東武者を率いて都へ上る。だから…あのみくじには、どれも十七と書いておきました」。策略家ぶりを発揮した。💛第３話では「人々は夢のお告げを信じている。平安末期はそういう時代である」(ナレーション)が流れた。それからすると時政の後妻・りくは、近代的合理性があり、しかも策謀の才能があるということになる。鎌倉時代は合理性が生まれる時代であり、りくもまたそれを表象しているのかもしれない。第４話でも、神仏に大願成就を祈る政子に対して、「祈るのはやめなさい」と説諭する。「平家方も神仏に祈っています。神仏はどちらを味方すればいいの？」「じゃあお母様は何をしているのですか？」りくは邸（やしき）の見取り図を取り出して、「時政殿は成功したらやしきを建ててくださるというの。だから見取り図を描いているのよ」政子は目を見開く。今只今の心配にとらわれて神仏に祈るよりも、成功をイメージし、成功後の段取りに思いをこらす。・アファメーションとは、なりたい自分になるための言葉による思い込みづくりのこと、「肯定的な自己暗示」「肯定的な自己説得」「肯定的な自己宣言」とも言われる。なりたい自分にふさわしい文言をつくって、何度も言ったり、見たり、聞いたりすることで、自分自身に健全な「思い込み」をつくる。　「魔法の言葉」の「感謝のもう一つの使い方」もこのアファメーションにほかならない。「何の疑いも不安も心配もなく、力まずに自然にそう思い込んで「感謝します」というとそうなるのよ。」☆りく役としてオファーされたときの気持ち　りく役・宮沢りえさんインタビューりく役としてオファーされたときのお気持ちをお聞かせください。脚本が三谷さんということですし、小栗さんとは『人間失格太宰治と３人の女たち』という映画で夫婦役をさせていただいて、とても頼もしくて懐の深い、ウソのない役者さんだと思っていたので、その方が主役だと聞いて、お話をいただけたことを光栄に思いました。牧の方(りく)は、今までいろいろな方がとても個性の強い悪女として演じられているので「自分では物足りないんじゃないかな」という不安もありましたけれど、三谷さんが「ぜひ！」とおっしゃってくださっていると聞いて、「三谷さんがおっしゃるなら、やりたい」と思いましたね。三谷さんからは「今まであったような“悪女・牧の方”というふうには描きたくない」とお言葉をいただきましたので、時を経た今、どうして彼女が“悪女”といわれる生き方をしてきたのかということが、脚本の中にすごく詰まっているんじゃないかと思っています。戦のシーンとそれを待つ女性たちとのシーンには結構温度差があって、女性たちの時間は意外と穏やかです。戦の多い時代ではあっても、戦に関係のない人たちは意外と平和に生きているという部分が描かれているので、まだ“悪女”の気持ちはちっとも湧いていません。これから時代に翻弄されて、彼女自身も変わっていくんじゃないかなって。そういう彼女の変化や生き方が序盤から描かれているのは見ている方にも新鮮でしょうし、私も脚本の流れに身を任せていれば、あまり役作りをしなくても、りくという人物が浮き彫りになっていくんじゃないかなと思いながら演じています。Q　演じていて共感できる部分はありますか。　三谷さんがお書きになっているから、ホームコメディー的要素が多くて。私はコメディーが苦手なので、いつも小池栄子さんに「このセリフっておもしろいの？」「どうやったらおもしろくなるの？」って聞いて「そのままやったらおもしろくなるから」ってよく言われているんですよ。なので、共感できる部分は正直まだなくて。手探りでやっている中で、なんとか自分自身と役との鎖をつないでいる感覚はありますね。　りくには、今まで一緒にいた人間が権力を持って上がっていくことで「置いていかれないようにしないと」という焦りもあるし、もともと名誉や権力に対して憧れみたいなものを持っている人間だとは思うので、そういうものが積み重なっていくんだろうなと思います。本当に平安時代から鎌倉時代は激動の時代だなと思うんですけど、今も激動だから(笑)。時代というのは、いつも激動しているんだなっていうのを改めて感じますね。Q夫・北条時政の魅力はどのようなところにありますか。　今回の脚本に描かれている時政さんは、とてもおおらかだけど、戦に出ると打って変わってものすごく剣の達人で、息子たちが驚くような姿を見せる。そのギャップはすごく魅力だなと思いますね。あとは源頼朝の計画に対してもどこか欲のないところが当時としては珍しい感じで描かれているので、この先どうなるかはわかりませんけど、そういうところが魅力じゃないかと思います。そして無償の愛を注いでくださるので、りくはとても幸せだなと感じています。坂東彌十郎さん自身も本当に優しくて仏のような方なので、何の不安もなく、そばでお芝居をさせていただいています。一つ一つのシーンにとても誠実に取り組んでいらっしゃるので、一緒に作品を作っているという感じがします。Q北条義時はどのような人物だと感じていますか。　戦や権力に対して積極的ではない人間が、頼朝という人に出会って影響を受けたり、環境が変わっていくことでどんどん変化していったりするところがとてもおもしろいなと思います。小栗さんはすごくオーラのある方だけど、最初は一歩下がった居方をあえてされているんだと思います。頼朝を立てることに徹している感じで、第１回から「俺が主役だ」という感じが本当にないんですよね。それは小栗さんが、時間が流れて立場も状況も変わることで義時自身も変化していくということをプランとして持っていらっしゃるからだと思うんだけど、その影の薄い感じが新鮮です。脚本を読んでいても「これ誰が主役だっけ…？」と思うくらい、話によって中心になる人が変わるんです。それを義時が見つめ続けて感じたことによって変化していくという本になっているから、すごくおもしろいし、毎回脚本が届くのが楽しみです。Q大河ドラマに出演される楽しみはどんなところにありますか。「江～姫たちの戦国～」(2011年)に出演したときですが、長くその人の人生を演じていくと、後半になるにつれて「どういう演技をしよう」とか「どういうセリフの言い方をしよう」とか考えなくても役が染みついていくという不思議な感覚が何回かありましたね。それは時間を重ねた分だけ自分の中にその役の軸ができているというか。１年間関わらせていただくのは大変といえば大変ですが、そういう意味では短期間で撮影する作品にはない良さを感じます。今回演じる牧の方も１年間付き合う役になるので、誰よりも彼女に寄り添って演じていきたいと思います。Q

2022年02月05日

「未だ口外せざるといえども、ひとえに汝を頼むによって話す」

『鎌倉殿の13人』小栗旬の義時がどんどん魅力的に　4年7カ月にも及ぶ源平合戦の始まり1/31(月) ・相模の豪族・土肥実平（阿南健治）の発言から、豪族を味方につけるには領地の安堵と信頼が必要だと気づいた義時が頼朝（大泉洋）に掛け合うシーン。義時から頼朝の方が直接坂東武者たちに頼み込むことを提案する。頼朝は「わしは源氏の棟梁じゃ。なぜ坂東の田舎者にそこまでせねばならんのだ」義時は黙り込む。そして腰をあげると頼朝ににじりより苦言を呈する。「確かに我らは坂東の田舎者。しかしながら、今はその坂東の田舎者の力を合わせねばならぬ時でございます。彼らあっての佐（すけ）殿。それをお忘れなきよう」・頼朝は駆け付けた坂東の武士たちの手を握ると「今まで黙っておったが、わしが一番頼りにしてるのは実はお前なのだ」と声をかけ、涙を浮かべて抱き合う。そして驚いて目を見張る義時に「嘘も誠心誠意つけば、まことになるのだ」ここは吾妻鑑の史実をふまえる。「挙兵を前に、頼朝は工藤茂光、土肥実平、岡崎義実、天野遠景、佐々木盛綱、加藤景廉らを一人ずつ私室に呼び、それぞれと密談を行い「未だ口外せざるといえども、ひとえに汝を頼むによって話す」と言い、彼らは自分だけが特に頼りにされていると喜び奮起する。」・八重は頼朝の挙兵を父・伊藤祐親に伝えたことを告げる。八重は館を去る義時に「北条も愚かな。佐殿の口車に乗せられて無謀な戦を始めるとは」義時「坂東は平家に与するやつらの思うがまま。飢饉が来れば多くの民が死にます。だから我らは立つのです！」

2022年01月31日

捨てられていた大量の木簡　と　僕（三谷幸喜）は理数系だから。

政子は義時に、もし戦になれば頼朝は勝てるかと尋ねる。すぐに返事しかねた義時は、いとこの三浦義村（山本耕史）に相談する。義村は、頼朝を一族の疫病神扱いと言いながらも、戦に勝つには「どれだけの兵を集められるか、それに尽きる」「大事なのは緒戦だ。300は欲しいところだな」と答える。そこで義時が思いついたのは、先に目代の山木兼隆に挨拶するため父と国衙を訪ねた折、ゴミ箱にたくさんの木簡が捨てられるのを見ていたことだった。💛テレビで義時が目代の家から父と共にさるときに、大量の木簡が捨てられる場面を見たシーンの意味がそのときわからなかった。父が夏野菜を献上したことと関係でもあるのかなと想像したのだが全然違った。義時は義村を連れて伊豆の国衙（こくが＝役所）に忍び込んで、ゴミ箱に捨てられた大量の木簡をあさる。そこに書かれた記録から頼朝の味方になりそうな豪族たちが納めるコメの量を調べ、住民の数を割り出した。民の数がわかれば、集められる兵の数もわかる。こうして義時は、挙兵しても十分に勝てるという結論に達した。💛義時は理数系（計数によって物事を観察し答えを導きだせる能力と習慣）の頭脳をもっている者としてえがかれている。それが頼朝が頼りにする腹心となるゆえんであった。「三谷幸喜　創作を語る」P.50・敵だと思ってた人物が突然味方についてくれたり、すごく弱い立場だったヤツが力をつけて、最後に強大な敵がひるがえる瞬間の高揚感だととか、本当にもうダメだと思った主人公を意外な人が助けて盛り上がる話が大好きで、それを自分なりにやっていた。　揺れ動くヤツがいたり、ひとりひとり味方につけていくプロセスがうまくいったら面白くなる。長く芝居の脚本を書いて、実はそんなふうにうまくいったと思える芝居は「１２人・・」とあと２００７年に上演した『コンフィダント・絆』しかない。『１２人・・・』の時には、１２人の小さな紙の人形を作り、陪審員が話し合う大きいテーブルを想定してその周りに人形を配置し、この瞬間にこの人は何を思うかを１２人分確認しながら書いていた。誰と誰が話が合っていて、誰が一番、心が揺れているか。１２人のそれぞれの心理グラフも作った。物語から何分か経った時点で、各自が有罪、無罪のどちらに傾いているかをグラフにする。僕は理数系だから。この発言でどう変わったかをグラフにしたり。人間が揺れ動く気持ち、「この人が５０％～２０％にダウン」というときに、何が起こったのか、どういう精神の変化があったのかをグラフを見ながら考える。それがすごく楽しい。💛義時が図面を広げて関東の源氏に心を寄せる氏族と平家に従う人の兵力を分析して3000人対2000人で勝てると目算する、頼朝が大義名分がほしい、たとえば後白河法皇の院宣とかというと家来が、実はと懐よりあずかっていた院宣を出す。そろった。つまり打倒平家へ立つ要件が２０→５０、５０→１００へとグラフ化して考えていたのかも(^^)

2022年01月29日