愛媛大学図書館が「ボーイズ・ビー・アンビシャス第3集」を蔵書としていただいた、感謝!
愛媛大学図書館は今は亡き友人木谷文弘の母校である。木谷さんの文体とユーモア・ペーソスは今でも鑑(カガミ)である。1 「二宮尊徳の会」鈴木藤三郎氏顕彰.二宮尊徳の会.2 二宮金次郎の対話と手紙 : 中学生からお年寄りまでよくわかる ; 第1.2刷. -- 二宮尊徳の会, 2015.巻号 所蔵館 配置場所 請求記号 状態 第1 中央館 書庫-和 157.2/NI/1 通常 ---3 補注鈴木藤三郎の『米欧旅行日記』 : 明治29年(1896)7月24日-同30年(1897)5月8日鈴木藤三郎[著]. -- 二宮尊徳の会, 2015.巻号 所蔵館 配置場所 請求記号 状態 中央館 書庫-和 588.1/SU 通常 ---4 新渡戸稲造 (にとべいなぞう) の留学談・帰雁 (きがん) の蘆 (あし)新渡戸稲造 [談] ; -- 2刷. -- 二宮尊徳の会, 2014. -- (ボーイズ・ビー・アンビシャス ; 第3集).巻号 所蔵館 配置場所 請求記号 状態 中央館 書庫-和 281/BO/3 通常 ---5 内村鑑三神と共なる闘い : 不敬事件とカーライルの「クロムウェル伝」-- 2刷. -- 二宮尊徳の会, 2014. -- (ボーイズ・ビー・アンビシャス ; 第5集).巻号 所蔵館 配置場所 請求記号 状態 中央館 書庫-和 281/BO/5 通常 ---6 砂糖王鈴木藤三郎 : 氷砂糖製造法の発明.二宮尊徳の会, 2013.巻号 所蔵館 配置場所 請求記号 状態 中央館 書庫-和 588.1/SA 通常 ---7 ボーイズ・ビー・アンビシャス.二宮尊徳の会, 2013.8 《クラーク精神》&札幌農学校の三人組 (宮部金吾・内村鑑三・新渡戸稲造) と広井勇 : boys be ambitiousはいかにして現実化されたのか日本の近代化・合理化の一源流「札幌農学校精神」.二宮尊徳の会, 2013. -- (ボーイズ・ビー・アンビシャス).巻号 所蔵館 配置場所 請求記号 状態 中央館 書庫-和 281/BO/1 通常 ---9 報徳産業革命の人 : 報徳社徒鈴木藤三郎の一生 -- 二宮尊徳の会, 2011. -- (「二宮尊徳の会」鈴木藤三郎氏顕彰 ; 第1集).巻号 所蔵館 配置場所 請求記号 状態 中央館 書庫-和 289.1/HO/1 通常6 座布団の前後 「木谷くん、それって座布団の前後が逆よ」 学生時代、道後温泉の旅館で働いていた時、ひとりの品のよい仲居さんから怒られた。 「座布団の前後が逆?」 座布団の裏表は縫い目を見ればわかる。前後が逆と言われた。 「あの人は料亭で働いたことがあるの。気にしなくてもいいから」 他の品のない仲居さんからそっと耳打ちされた。でも、品の良い仲居さんが並べた座布団の後を見るときちんとしている。 仲居さんに座布団の前後を尋ねる機会がないままアルバイトを終えた。 座布団に前後があるのか。どうして見極めるのか。卒業して三十数年間、頭の隅にそのことがひっかかっていた。 先日、松下幸之助さんの本を読んでいた座布団の話があった。松下さんが座布団を勧めてくれた若者に言ったらしい。 「君、この座布団、前と後ろが反対と違うか?」 「前でも後ろでも一緒じゃないですか。 座れたらどっちでもいいじゃないですか」 若者は簡単に言った。松下さんは強く叱ったらしい。 「そういう考え方をしている間は、絶対に一流になれん!君なあ、百人のうち一人かもしれん。あるいは、千人のうちの一人かもしれん。世間には本物を見抜く人がおるんや。その本物を見抜く人の目を畏れて仕事をせなあかん!」 松下さんの言葉にも感動したけれど、私は道後温泉の品の良い仲居さんを思い浮かべた。 座布団の前後の見分け方をみなさんは知っているだろうか。座布団は四方のうち一箇所だけ縫い目のないところがあるらしい。 その縫い目のないところが前となるらしい。 人が座布団に座った時に、膝の下になる部分に縫い目が来てはいけないらしい。 ふむふむ、私は、また、道後温泉の仲居さんを思い浮かべぽつりと言った。 「ありがとうございました。やっとわかりました」 家に帰って、早速、座布団をしげしげと眺めた。四方共に縫い目が入っていた。これではどこが前かわからない。仲居さんよ~い、私は空に呼んでみた。 母に尋ねてみた。「座布団は縫い目がない方が前と思うのだが、四方に縫い目がある。わからん」 母はいとも簡単に言い放った。 「それは高級な座布団よ。うちのような座布団は高級な作りをしていないのさ」 そりゃそうだ。素直に納得した。 母の話はまだ続いた。 「縫い目の中に、内縫いでなく外から縫っているところがある。 綿を入れた口の方さ。そこが後ろと考えてもいいさ。 また座布団カバーの場合は、チャックのついているところが後ろだろうね」 なるほど、これまた私は素直に納得していた。これは薀蓄(うんちく)のひとつになるわい、と私は満足していた。 母が新聞を見ながらぽつりとこちた。 「それって常識だわさ。おまえは、そんなことをわからないでいたのかい」 満足が反省の念に変わっていった。ああ。