Youth is not a time of life ; it is a state of mind
「報徳記を読む会」で「森町見学会」を実行したとき、Mさんのはからいで、森町の老舗の割烹料理屋さんの2階の座敷で素敵な昼食をいただいた。三段重ねの漆器の器に美しく料理が盛られていた。その座敷の隣りの部屋は椅子席の洋間で、そこにサミュエル・ウルマン氏の「青春」の詩が飾られていた。青 春サミエル・ウルマン青春とは人生のある期間を言うのではなく心の様相を言うのだ。(Youth is not a time of life ; it is a state of mind)優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、怯懦を却ける勇猛心、安易を振り捨てる冒険心,こう言う様相を青春と言うのだ。年を重ねただけで人は老いない。理想を失う時に初めて老いがくる。歳月は皮膚のしわを増すが情熱を失う時に精神はしぼむ。苦悶や、狐疑、不安、恐怖、失望、こう言うものこそ恰も長年月の如く人を老いさせ、精気ある魂をも芥に帰せしめてしまう。年は七十であろうと十六であろうと、その胸中に抱き得るものは何か。曰く「驚異への愛慕心」空にひらめく星晨、その輝きにも似たる事物や思想の対する欽迎、事に處する剛毅な挑戦、小児の如く求めて止まぬ探求心、人生への歓喜と興味。人は信念と共に若く人は自信と共に若く希望ある限り若く 疑惑と共に老ゆる恐怖と共に老ゆる失望と共に老い朽ちる大地より、神より、人より、美と喜悦、勇気と壮大、偉力と霊感を受ける限り人の若さは失われない。これらの霊感が絶え、悲歎の白雪が人の心の奥までも蔽いつくし、皮肉の厚氷がこれを固くとざすに至ればこの時にこそ人は全くに老いて神の憐れみを乞う他はなくなる。☆これを元の英文の詩と比較すると異なる点がいくつかある。・原文の「バラ色の頬、赤い唇、しなやかな膝の問題ではない」が省かれている。・原文での60歳を高齢化を受けて70歳に引き上げている。・「空にひらめく星晨、その輝きにも似たる事物や思想の対する欽迎、事に處する剛毅な挑戦」など訳詞者が言葉を多く補っている。・サミュエル・ウルマンは、人の心には無線局(アンテナ)があり、それはつながっている。そしてそのアンテナが人や無限(神)から楽観主義を感受し続ける限り、人の精神は老いることはなく、若いまま80歳(高齢化の現代では100歳であろうか)で死ぬことができる。・まことに日野原先生は「die young at a hundred」若くして亡くなられたというべきか。サミュエル・ウルマンの詩「青春」(原文) A. Original 版 Youth Samuel UllmanYouth is not a time of life ; it is a state of mind ;(青春とは、人生の一時期ではなく、心の状態である。) it is not a matter of rosy cheeks, red lips and supple knees ;(バラ色の頬、赤い唇、しなやかな膝の問題ではない。) it is a matter of the will, a quality of the imagination, a vigor of the emotions ;(意志の問題であり、想像力の質であり、感情の活力である。)it is the freshness of the deep springs of life.(人生の深い泉の新鮮さである。)Youth means a temperamental predominance of courage over timidity of the appetite, foradventure over the love of ease. (若さとは、気質的に、勇気が臆病を上回っていることを意味し、冒険が安楽を愛する心に勝ることを意味する。)This often exists in a man of sixty more than a boy of twenty. (これはしばしば20歳の少年よりも60歳の男性の方が多い。)Nobody grows old merely by a number of years. (誰もが単に何年かで年をとるわけではない。)We grow old by deserting our ideals.(私たちは理想を捨てて老いるのだ。)Years may wrinkle the skin, but to give up enthusiasm wrinkles the soul. (年月は皮膚にしわを寄せるが、熱意を捨てると魂にしわができる。)Worry, fear,self‐distrust bows the heart and turns the spirit back to dust.(心配、恐れ、自己不信は、心を曲げ、精神を塵に戻す。)Whether sixty or sixteen, there is in every human being's heart the lure of wonder, theunfailing child‐like appetite of what's next, and the joy of the game of living.(60歳でも16歳でも、すべての人間の心の中には不思議な魅力がある。子供のように次のことが気になり、生きるためのゲームを楽しむことができる。)In the center of your heart and my heart there is a wireless station;(あなたの心と私の心の中心には、無線局がある。)so long as it receives messages of beauty, hope, cheer, courage and power from men and from the Infinite, so long are you young.(美しさ、希望、元気、勇気、そしてパワーのメッセージを人や無限から受け取っている限り、あなたは若い。)When the aerials are down, and your spirit is covered with snows of cynicism and the iceof pessimism, then you are grown old, even at twenty,(アンテナの感受性が下がり、精神が皮肉の雪と悲観主義の氷で覆われているときは、20歳でも老いている。) but as long as your aerials are up, to catch the waves of optimism, there is hope you may die young at eighty.(しかし、楽観主義の波を受け止めるためにアンテナを立てている限り、80歳でも、若いまま死ぬことができるという希望がある)