パラオに中国人観光客が来なくなった
中国の観光禁止で来訪者半減のパラオ、「量より質」で対抗へ8/21(火)[コロール(パラオ) 19日 ロイター] - 中国の圧力に屈せず、台湾との外交関係を維持する数少ない国のひとつであるパラオで、観光客の半減によって国内観光部門が開店休業状態に追い込まれている。中国は昨年末、外交関係がないことを理由にパラオへの観光ツアーを事実上禁止、それまでパラオを訪れる観光客の約半分を占めていた中国人観光客が来なくなった。また、それまで殺到していた中国投資家も去った。コロールでは、ホテルやレストランが空っぽの状態、旅行代理店はシャッターを下ろし、美しい観光名所であるロックアイランドへのボートは埠頭に係留されたままとなっている。トミー・レメンゲサウ大統領は、ロイターとのインタビューで、観光規制について中国から公式な通知は受けていないと説明。また、集団での観光は環境に被害をもたらしているとし、パラオはより多くを支出する観光客に焦点を合わせることで中国人観光客の減少に適応していると述べた。2017年には、観光名所のひとつだった塩水湖ジェリーフィッシュ・レイク(クラゲ湖)がクラゲの減少から閉鎖されたが、これも大勢の観光客が原因のひとつとされる。大統領は、「現実には、パラオにとって(観光客の)数が大きな利益を意味していたわけではない。(今回の減少により)われわれは量ではなく質の政策を模索する決意をより強くした」と語った。パラオ共和国(パラオきょうわこく、パラオ語: Beluu ęr a Belau、英語: Republic of Palau)、通称パラオは、太平洋上のミクロネシア地域の島々からなる国である。首都はマルキョク。2006年10月7日に旧首都コロールから遷都した。2015年4月8日から9日にかけて、日本から今上天皇・皇后美智子が国際親善と戦没者慰霊のため訪問した。この訪問に際し、パラオ人に行われたインタビューでは、「日本との交流は素晴らしかったので年配の人たちは日本と交流したい気持ちである」との声や、「パラオ人も嬉しいが一番嬉しいのは同地での戦没者であろう」との声が寄せられた。温暖な気候と美しい海を求めた日本や台湾などの近隣諸国からの観光客が多く、それらのための大規模なリゾートホテルが数多く運営している。1990年代まで、日本航空の関連会社が経営する「ホテル・ニッコー・パラオ」が存在したが、老朽化や台風被害の影響で2002年に閉館、その後2005年に同じJALホテルズ(現・オークラ ニッコー ホテルマネジメント)運営の「パラオ・ロイヤル・リゾート」が開業した(所有は台湾企業)。また、東急不動産の関連会社パシフィック・アイランズ・デベロップメント・コーポレーションが「パラオ・パシフィック・リゾート(1984年開業)」を運営している。また、美しい海やサンゴ礁と合わせて、第二次世界大戦時に沈んだ船舶や航空機を売りにしたダイビングも盛んであり、多くのダイビングショップがあるほか、日本などからダイビングツアーも企画されている。本島の近くにも多くの離島があり、元プロレスラーのアントニオ猪木が名誉オーナーの通称「イノキ島」という、保護大型シャコガイが多数生息する離島が存在する。