二宮先生語録巻の5 【393】
二宮先生語録巻の5 【393】【三九三】孔(こう)子(し)門(もん)弟(で)子(し)の問(とひ)に答(こた)ふる、各々(おのおの)其(そ)の器(き)に応(おう)ず。譬(たと)へば商(しやう)賈(こ)買主(かいぬし)の嚢中(なうちう)(財布の中)を察(さつ)し以(もつ)て物品(ぶっぴん)を出(だ)す如(ごと)くなり。今(いま)夫(そ)れ五(ご)貫(くわん)束(そく)銭(せん)を小(せう)児(じ)に与(あた)へば則(すなは)ち敢(あへ)て取(と)らず。必(かなら)ず曰(い)ふ。百銭(せん)を賜(たま)へと。苟(いやし)くも国(こく)家(か)を憂(うれ)ふるの心(こゝろ)無(なく)んば、則(すなは)ち之(これ)に興(こう)国(こく)安(あん)民(みん)の道(みち)を説(と)くも、亦(また)何(なん)の益(えき)か之(こ)れ有(あら)ん。1『報徳秘稿』五七五「論語の書は、言々皆問う人の器に応ず。譬ば商人の買う人の懐を見て品物を出すが如し。」《訳》孔子がその門弟の質問に答えるのは、それぞれの人物の器に応じている。たとえば商人が買う人の財布の中身を察して品物を出すようなものじゃ。いま幼児に五貫文の束銭(銅貨をひもで貫いたもの五束)を与えても受け取らない。必ず百文ちょうだいと言う。いやしくも国家を憂える心がなければ、これに国を興し民を安んずる道を説いても、また何の益があろうか。☆ポイズって聞いたことあります?For poise, walk with the knowledge that you never walk alone