『血の川へここまで踏み込んだからには、先に行くしかない』マクベスのセリフが思い浮かびました」
【麒麟がくる】秀吉役の佐々木蔵之介「マクベスのセリフが思い浮かびました」1/17(日) NHKで放送中の大河ドラマ『麒麟がくる』(毎週日曜 後8:00 総合ほか)。17日に放送された第41回「月にのぼる者」では、羽柴秀吉(佐々木蔵之介)の“貧乏”というトラウマと心に潜む闇が浮き彫りされた回でもあった。放送後、番組公式ツイッターでは「物乞いする子どもたちを見て“昔のわしじゃ”と言います。一方で、“今のわしはもう違う…”と思っています。『血の川へここまで踏み込んだからには、先に行くしかない』(*)マクベスのセリフが思い浮かびました」という佐々木のコメントを紹介している。 別のインタビューで佐々木は「大河ドラマで豊臣秀吉役というと身構えそうですが、実はプレッシャーはまったくなかったです(笑)。僕なりの秀吉というより、“『麒麟がくる』の秀吉”を演じようと思っていました。キャスト・スタッフ・池端(俊策)先生の脚本で、この作品の秀吉を育めたのかなと思っています」と、手応えを語っていた。 藤吉郎時代については「天性の明るさと人懐っこさ、信義の厚さを、主体に据えて演じていました。それが礎になければ、例えば、“才気ある調略の名人”とはならず、ただのペテン師になってしまうからです。この『麒麟がくる』での藤吉郎は、大仰でふだんから芝居がかっていて、“この世は長い狂言”みたいな振舞いです。猿芝居や悪知恵を働かせているように見える時もあったかもしれません。ただそれは、彼が生き抜くための、ひとつの手段だったと思うのです」と述懐。 「秀吉」を名乗るようになってからは、「演じていて変化の予兆を感じたのは、織田(信長/染谷将太)の家臣になってからです。それまでのただただ立身出世を目指す快活で無邪気なサルから、明らかにステージが上がりました。池端先生の脚本にも、そのあたりから “ふと真顔になり”とか“ニッと笑い”というト書きが出てくるようになりました。それは役を造形していく中で、とてもヒントになりました。また、髭、も僕の中で大きいです。周りの武将はみんな早くに出世をして髭(ヒゲ)を生やしはじめていたので、序盤からスタッフの方に『僕はいつからヒゲを付けられるんだ』と聞いてました(笑)」。 そんな秀吉も立派なヒゲを生やすようになり、第41回では播磨攻めで初めて総大将を任されるまでに。その出陣を前に、秀吉は明智光秀(長谷川博己)の館へあいさつに出向く。迎えた光秀は、自分に密偵をはべらせ、行方不明の名茶器「平蜘蛛(ひらぐも)」を隠し持っていることを信長に報告し、さも裏切ったかのように仕向けた調略について、問いただす。 ところが秀吉は悪びれる様子もなく、「乱世を平らかにしたあとで謝れば許してもらえると思った」と返答。さらに光秀が「平らかな世」とはどういう世か、と尋ねる、2人の緊張感あふれるやりとりが見応えあった。 佐々木は「第41回も物語のキーになるシーンと思っています。光秀と『平らかな世とは』という問答をするのですが、その問いに秀吉は『昔のわしのような貧乏人がおらぬ世だ』と返します。底辺から這い上がって来た秀吉に、光秀が何も言い返せないような返答でした。ただ、武士となった秀吉は後年、『刀狩り』をするなど、“昔のわし”などは上がって来れない体制にしようとしました」と、コメント。そういう千変万化の力こそ、秀吉がうまくやっていくことができた秘けつだったのかもしれない。*What does, “I am in blood stepped in so far that should I wade no more, Returning were as tedious as go o’er,” (Macbeth:Act 3) 第3幕 第4シーン舞台上には、ごちそうが盛られたテーブルが立っています。マクベスとマクベス夫人が王と王妃の姿で入場し、宮廷人たちが歓迎の挨拶をしています。マクベスが一行の間を歩いていると、最初の殺人者が出入り口に現れます。マクベスは、バンクオが死んだことと、フランスが逃げたことを知り、しばらく彼に話しかける。フランスの逃亡のニュースはマクベスを怒らせる。フランスさえ死んでいれば、彼の王座は安全だっただろうと彼は思う。その代わりに、「逃げ出した虫は、やがて毒を持って繁殖する性質を持っている」the worm that’s fled / Hath nature that in time will venom breed(3.4.28-29)。客人の元に戻ったマクベスは、王室のテーブルの頭に座ろうとしますが、彼の椅子にバンクオの幽霊が座っているのを発見します。恐怖に怯えたマクベスは、他の客からは見えない幽霊に話しかけます。レディーマクベスは、彼は時々そのような "ビジョン "を持っているとゲストは単に彼の行動を無視する必要があることを言って、彼女の夫のために言い訳をします。その後、彼女は彼の男らしさを疑問視し、彼のトランス状態から抜け出すために彼を促し、マクベスに話しかけます。幽霊は消え、マクベスは回復し、彼の仲間に伝えます。"私は何でもない/私を知っている人には何でもない奇妙な病気を持っている」I have a strange infirmity which is nothing / To those that know me(3.4.85-86)。しかし、彼が仲間に乾杯の音頭をとっていると、バンコの妖怪が現れ、マクベスをさらに無謀な暴走に陥れてしまいます。夫への言い訳を続けるマクベス夫人は、幽霊が再び姿を消すのを見計らって、警戒した客たちを部屋から追い出します。マクベスは「血には血がある」と呟き、マクダフが法廷に近づかないようにしようとしていることを使用人のスパイから聞いたことをマクベス夫人に伝えます(3.4.121)。マクダフは、将来のことや自分に対して陰謀を企てているかもしれない人物のことをもっと知りたいと思って、明日また魔女を訪ねると言う。彼は王座を維持するために必要なことは何でもすると決意し、宣言します。"血の川へここまで踏み込んだからには、先に行くしかない"I am in blood / Stepped in so far that, should I wade no more, / Returning were as tedious as go o’er(3.4.135-137)のように遠くまで踏み込んだ。マクベス夫人は、彼には睡眠が必要だと言い、二人はベッドに引きこもる。