秋吉台科学博物館(山口・美祢市)
秋吉台の展望台近く、カルスト台地の中に秋吉台科学博物館があります。秋芳洞を訪れることはあっても、科学博物館まで足を運ぶ人は少ないようで、中に入るとほとんど人がいませんでした。秋吉台科学博物館科学博物館の目の前にあるドリーネ秋吉台科学博物館では、カルストや鍾乳洞だけでなく、むしろ秋吉台の動植物などの生態系について数多く紹介されているようです。館内に入ると、いきなりツキノワグマの剥製やサイの骨格標本などがありました。秋吉台に熊が出る話は初めて聞きました。熊も驚きですが、サイの方はもっと驚きです。ニッポンサイの骨格標本西秋吉台の石灰採掘場で、約50万年前の地層からサイの上顎が発見され、ニッポンサイと名付けられました。他にもゾウやトラなどの骨格も発見されており、現在の秋吉台サファリパークのような感じだったのでしょうか。どちらかと言うと、秋吉台の生態系などの生物学的な話にはあまり興味がなく、カルストや鍾乳洞の地学的な話かと思っていたので、少々拍子抜けでした。秋吉台に限らず、石灰岩のカルスト台地は、サンゴ礁が隆起して出来たものだとされています。その起源は約3億5,000年前の赤道付近の太平洋にあり、プレートテクトニクスによって地中に潜り込んだサンゴ礁が隆起してカルストが形成されました。さらには雨水の浸食により、100万年の年月を経て鍾乳洞が形成されています。秋芳洞の断面図洞内二次生成物やはり洞内で光の中に浮かび上げる方が神秘的でいいかも知れません。大理石の数々プレートテクトニクスによるサンゴ礁隆起説を裏付けるかのごとく、石灰岩柱の表面には海洋生物の化石を見ることができます。フズリナ(原生動物)の化石ウミユリの化石ウミユリはナマコやウニの類だそうです。秋吉台に来るとその歴史の長さを思うのですが、秋吉台そのものは3億年の歴史があり、鍾乳洞も100万年の長い歴史を持っています。人の住む時代、石灰岩柱で作られた箱式石棺が新しく見えるほどです。約2,000年前の弥生時代のものです。関連の記事秋吉台カルストロード→こちら秋芳洞→こちら