『警視庁特捜班ドットジェイピー』 我孫子武丸
警察のイメージアップを図るため、日本のお偉方たちは、安易にも戦隊ヒーローブームにあやかり「警視庁戦隊」を作り、広報活動をさせることにした。部隊名は「警視庁特捜班ドットジェイピー」。ジェイピーはジャパニーズポリスの略。ドットが付くのは、なんか今風だから。集められたのは、性格に大きな難があるものの、格闘、射撃、コンピュータなどの達人にして美男美女の五人の警官。しかし、彼らを逆恨みする犯罪者が現れた! 戦え! ドットジェイピー!世間の眼に負けるな! ドットジェイピー! 浅はかで投げやりな平成ニッポンを照射し笑いのめす怪作、誕生! (「BOOK」データベースより)「へ~。我孫子武丸さんの警察小説かー」と、興味津々で読んだんですけど、これ、『警察小説』って言っていいのか?アホすぎです!我孫子さん、やりたい放題です!(爆)漫画家の喜国雅彦さんのイラストがかなり挿入されているため、小説というよりギャグ漫画を読んでいるような感じでした。童顔で巨乳。内気な性格ながら、柔道四段・空手四段・剣道四段・合気道は師範級の早峰綾巡査(24)コードネーム:バージンホワイトクレー・ライフル・ピストルなどの競技会で優秀な成績を収めてきた銃器マニアの三枝博信巡査部長(30) コードネーム:ソルジャーブルー母親がフランス人で、瞳は明るいブラウン。抜けるような白い肌に天然の栗毛のカール。天使のような外見とは裏腹にとんでもない女たらしの窪寺類巡査(21)コードネーム:キューティーイエローコンピューターに精通している、ということ以外謎の多い一ノ瀬瑛次巡査部長(27)コードネーム:デジタルブラック直感像記憶と呼ばれる特殊能力を持ち、モデル並の外見をしているが実は『桜田門外子』というペンネームの同人誌の売れっ子作家でありイケメンを見つけると、ホモ系のエロい妄想に走ってしまうという隠れ腐女子の沢渡香蓮(26)コードネーム:ビューティーパープル70年代の伝説的刑事ドラマの全話タイトルを最初から最後まで2分35秒で言えるという特技を持ち、ブラインドを指で押し下げ下界を見下ろしてしまうクセがある高崎邦夫警部補(50)通称:ボスどのキャラクターもぶっ飛んでいて、かなり笑えます。ちなみに、彼らを逆恨みする、連続レイプ犯の樺島。こいつも、とんでもなくアホです・・・(^_^;)警察小説の要素:5%未満、ミステリ小説の要素:0%バカバカしさ全開のストーリーが展開されていきます。個人的にはかなりツボにはまる部分があって、所々大笑いでした。な~んにも考えずに読める作品です。今回イマイチ活躍してなかったメンバーもいるし、「まだまだこれから続くよん」って感じの終わり方なので、たぶんこれ、シリーズ化されるんじゃないかなーと・・・。それはそれで楽しみなんだけど、我孫子さんといえば、やっぱり『人形シリーズ』。こっちの続きは出ないのかなぁ。