『夢より短い旅の果て』柴田よしき
鉄道ファンでなくても楽しめる内容です。作者自身が「鉄子」さんだったんですね私も列車の旅は景色や駅弁を楽しみながら目的地に連れて行ってくれるので、よく利用します作者は3.11以前に、この本の取材のために常磐線で上野から仙台まで日帰りで乗車したそうです。時間がなかったので特急でしたが、次は各駅停車に乗ろうと思っていたところに、地震による津波で線路が流されてしまい、まだ復旧していない「駅はどこへもいきはしない、いつでも待っていてくれるから、また来ればいい」この小説の最後にある言葉です。でも、震災によって思いは簡単に砕かれてしまったんですね確かに震災後は価値観というか人生観が変わりましたよね。「またあとで」という気持ちから「今が大事」という感じに。【内容情報】(「BOOK」データベースより)四十九院香澄は"その道では有名な"鉄道旅同好会に入会した。鉄道に興味はなかったが、彼女には同好会に絶対に入らなければいけない理由があった。急行能登、飯田線、沖縄都市モノレールゆいレールに、こどもの国、越後湯沢、雨晴、日光...。一つの線路、一つの駅に集う多くの人々、様々な人生と交錯する中、彼女自身も自分のレールを敷きはじめていく。ありふれた日常をちょっぴり変える、珠玉の鉄道ロマン。