『異邦人(いりびと)』原田 マハ
原発事故の放射能汚染から逃れるため、京都に滞在することになった妊婦の菜穂は銀座の画廊の専務の妻で実家の美術館の副館長でもある。菜穂はそこで出会った新人画家の作品に魅せられる。前半は葵祭や祇園祭など古都の様子が描かれるが、後半はサスペンスのような展開になる。よそ者を受け入れない京都だが、逆に菜穂を受け入れる懐の深さを感じる。祖父が芸妓に産ませた子を息子に認知させ息子夫婦に育てさせたのが菜穂。出産後、育ててもらった母に向かって「あなたの孫じゃない」と言い切るのは、ビックリした。父と思っていた人が実は兄だった訳です。祖父の浮気の方がショックだと思うけど。異邦人(いりびと)/原田マハ【3000円以上送料無料】