『ポーラースター [4] フィデル出陣』海堂 尊
ポーラースター・シリーズ第4弾。フィデル・カストロがキューバ大学へ入学した所から始まり、ゲバラに出会うところで終わる。いよいよキューバ革命へ!ゲバラを語るうえで避けて通れないのがカストロだ、ということで、3巻と4巻でカストロの生い立ちから政治活動を始めるきっかけが分かってきた。「カリスマ的な指導者で多くの人に信頼される人格者」というイメージだったが、実際はそうでもなく、正義感だけは強く真っすぐに突き進むが自分勝手で計画性がなく、必ずしも人望が厚いというわけでもない。学生結婚するときも親に相談せずに事後報告。しかも生活費は卒業しても今まで通り出してくれと頼む。大学を卒業して弁護士になるが、収入は少ない。そして、家庭を顧みず政治活動に没頭し、クーデターを起こし、仲間を亡くし、失敗。投獄されるが、家族の心配をする訳でもない。結局、裕福な農家に生まれて、学費の心配もせずに大学まで卒業し、子供が生まれようが、お金を稼いで家族を養うという意識が全くない。人間的にちょっとどうかなと言う人だ。逆に家庭的な優しい人だったら革命は起こしていなかったかもしれない。ゲバラと出会った次回が楽しみだ。フィデル出陣 ポーラースター [ 海堂 尊 ]