『君に光射す』小野寺史宜
圭斗は母子家庭で育ち、貧困で苦労したので、資格がある仕事に就きたくて、勉強して大学にへ行き教師になったのに、29歳で辞めて警備員になった。警備員である現在と3年前の教師時代の圭斗が交互に描かれる。小野寺さんの小説によく出てくる、困っている人を見ると放っておけない、自分を犠牲にしても助けてしまうタイプ。子供想いで理想の教師だが、校長には反発もする。でも、教師として保護者の要求には断る勇気も必要だ。人と関わらない仕事なんてないし、世間は善人ばかりではない。こんなやりがいのない学校では、教師になる人が少なくなる理由も分かる。君に光射す [ 小野寺 史宜 ]