こんなはずじゃなかったけど、これで良かった
こんなはずじゃなかった。よくあることだ。山梨へ移住して、もっとゆっくりと過ごすつもりだった。ところが、桃もヤギさんも放っておけない。6本中の1本の桃にアブラムシが発生。農薬をまきたくないので、まわりの人に聞いて、牛乳や酢を散布している。なかなか消えていかないので、葉を一枚一枚、手でこすってアブラムシを落した。もっと早く対処しておけば良かったが、ちょっと甘く見過ぎた。摘果をし、袋掛け。いわゆる普通の桃栽培に加えて、毎日の声掛けがある。微生物液の散布。たった6本だけど、手間がかかる。今日は袋掛けをした。胸がジーンとしてきた。ここまでよくやったという思いが湧き上がってきたのだ。それに、ゴールが見えてきた気もしてきた。油断はできないが、1か月後、この木に桃の実がなっていると想像すると、喜びが込み上げてくる。こんなはずじゃなかったけど、これで良かったんだと思う。ヤギも同じ。小屋を掃除したり、餌を集めたり、散歩に出かけたり。妻や娘と一緒だからまだいいが、一日があっという間に過ぎてしまう。これも、こんなはずじゃなかった。でも、かわいくて仕方ない。これで良かった。