敗者の文化 勝者の文化
ラグビー日本代表のジョン・カーワン(ヘッドコーチ)は、言う。「トヨタは世界一の企業だし、ソニーもNECも世界に進出し、ワールドマーケットで快進撃を続けている。日本には本来、そういう《勝者の文化》があるのに、ラグビーはこの40年間、《敗者の文化》にどっぷりつかってしまっている。これを何とかしたい」敗者の文化の特徴は、1.過去にとらわれて現在や未来が見えなくなる。 あのときああすれば良かった、あれが間違っていたと、後ろばかりを見ているのである。 ひとつのトライが試合を決めることもあるけど、そのトライに引きずられるのではなくて、とられたトライを次への糧にしていく精神力だろうと思う。2.言い訳ばかりをする。 体が小さいから。プロ化が遅れたから。世界の進歩がはやい。日本経済も、資源がないからと言い訳ばかりをしていたら、こんなに発展しなかっただろう。ないものねだりをするのではなく、今の状況の中でベストを尽くすように取り組む、あるいは劣っている点ではなくすぐれた点をさがし、そこを伸ばして行く。 これは、個人の生き方を考える上でも参考になる。 カーワンは、いかにしたら《敗者の文化》から脱却するか、具体的な言葉と行動で指導しているのだと思う。そのキーワードになっているのが武士道。 彼の言う武士道って何だろう? ラグビーで、日本の伝統的な生き方、価値観である武士道を身に付ける。柔道や相撲、剣道、空手というはあるけど、チームスポーツというのが日本にはなかった。ラグビーと武士道が合体すれば、柔道や相撲が見せるスポーツ化する中、逆に、スポーツが自己鍛錬の場になるという現象が起こってくるのでは。 ラグビーで日本人の精神をよみがえらせる。 がんばってくれ、カーワン殿。