音楽には縁のない生活を送ってきたが
ぼくは音楽には縁がない。まわりに音楽のシーンがあった記憶があまりない。アルバイトをして安いステレオを買ったことがあったが、数枚のレコードをかけただけで、そのままほこりをかぶっていた。みんながもっているから欲しかったのかな。歌謡曲ならテレビで聴いていたからともかく、洋楽となると、友だちの話についていけない。とんでもなく音痴だから歌いたいとも思わない。合コンのときだったか、「どんな音楽を聴くんですか?」と聴かれて、「ぼくは音楽は聴きません」と無骨に答えたら、妙に興味をもたれたことがあった。若いのに音楽に興味がないというので珍しがられたのだと思う。今でも音楽を流しながら仕事をすることはほとんどない。音楽好きの三女が札幌へ行く前に、「お父さんもたまには音楽を聴くといいよ」と、Spotifyというアプリをダウンロードしていってくれた。。せっかくだから聴いてみようと思って、何を聴くかと頭の中を探ってみる。音楽と深くかかわってこなかったので、特に思い出の曲があるわけではない。それでも、考えてみると、やっぱり記憶に残っている曲はあるわけで、かぐや姫とかユーミンとか、吉田拓郎なんかは、何となく心に残っている。「ルビーの指輪」はちょうど失恋したときに流行っていた歌だ。あのときの傷心がよみがえってくる。知らず知らずのうちに、音楽は記憶に刻み込まれるものだ。洋楽でも、オリビア・ニュートン・ジョンっていたよなと、ふっと浮かぶ。聴いてみると、「これ、好きだったよ」と、記憶がよみがえる。ラジオで流れていたのをカセットテープに録音して聴いていたのだろうか。ほかにも聴けばはっとする洋楽もあるはずだ。名前もアーティストも忘れてているけど、1970年代のヒット曲を流しておけば行き当たるだろう。不思議なのは、「ZARD」を聴きたいと思って、今、流していること。検索のところにカーソルを合わせたら突然ふってきた。なぜだろうか。コマーシャルで聴いたのかなあ。「負けないで」とか「揺れる思い」とか耳に残っている。今のぼくへのメッセージ?あまり音楽には縁がなかったが、それでも音楽がもつすごいパワーはわかっているつもりだ。世界を救えるし、変えることもできる。たまには音楽を聴きながら原稿を書いてみるか。「味はあるけど、リズム感がなあ」これが自己評価だったけど、もう少し音楽に親しめば、味があってリズム感のある文章が書けるかも。