痛々しい男の姿。老いていくことを考える。本を読んで感じたこと
仕事が忙しいときは、ついつい違うことがやりたくなる。先週から今週にかけて、本を2冊読んだ。資料として使うものではなく。まずは、元プロ野球選手で覚せい剤で逮捕された清原和博の「告白」。ボールをいかに遠くに飛ばすかにこだわり、あのドラフトを引きずり続けてきた男。かっこいい男だったが、今は痛々しい。さまざまな外圧によって、彼は人生を歪めてしまう。自分を認められない。あれほどの才能を与えられ、プロの世界であんなにも立派な成績を残したのに、納得できず、自分を責めて、人を憎んで、転落していく。厳しい人であり、甘い人。まだまだ彼の心は大きく揺れ動いており、いつ崩れ落ちても仕方のない中でもがき苦しんでいる。西武時代は応援していたし、巨人時代は憎らしかった。存在感のあるスターだった。こんな苦しみの中で生きなければならないとは、だれも想像しなかった。本人もそうだっただろう。もう一冊が内館牧子さんの「すぐ死ぬんだから」。62歳という老いを考えないといけない年になった。肉体は確実に老いている。ときどき、ふっと「どうせ」と厭世的になることもある。年をとって、何となく物わかりがよくなってきた。若いころの後さきを考えずに行動する無謀さは消えてしまった。これからが大事なのにと、頭ではわかっている。すぐに死ぬんだから・・・。どうするの?というところだ。