「逃亡者」・・・「外科医」「夫」という任務を全うすること
深読みすればキリがないと思いつつも、映像の世界にどっぷりはまってしまう。妻が刺され、外科医の夫がみつけたとき、瀕死の妻は警察に電話しているところだった。まだ息のある妻をそのままにして、夫は犯人を追いかける。妻は電話を手にしたまま「やめて。」と叫ぶ。外科医の夫は、患者とみたら放ってはおけないという、教え子が尊敬する医者だ。前編を見終えたとき、私の中に疑問が残った。妻の最後に寄り添いたいと思うのが夫じゃないのか・・・後編を見終えても疑問は解消されなかった。あえて解消するならこのドラマは、愛憎とは無関係に任務を全うするという男達の物語であり、男達の愛憎に翻弄される女達の物語でもあるからだと結論付けることに至った。逃走犯を逮捕するためなら殺してしまってもいいという刑事。自分の地位を守るためなら冤罪などおかまいなしに犯人と決める上司。出世のためなら友達を殺してもいいと思う親友。不倫相手の犯罪の片棒を担がされていると疑うこともしない女医。万引き犯として誤認逮捕され、謝罪さえされなかったことで真っ当に生きることに嫌気がさしたという窃盗犯の女。瀕死の状態にありながら、夫の身の案じて叫ぶ妻。脳の違いと片付けることもできるかもしれない。けれども、それだけでは哀しすぎはしないだろうか・・・ にほんブログ村別窓で開きます日常の小さなできごとを愛する生活