選挙の影響、いろんなところで。(1)
今朝、オフィスに行く時に見た光景が昨日と違っているのにちょっとびっくりしました。昨日の本ブログで「大きなポスター」があることを書きましたが、それと同じ道を今日通ったら、そのポスターがないのです。大きなポスターの大きさですが、4階建てのビルの側面が全部覆われるほどの大きなポスターです。そんな大きなポスターを見間違えるはずありません。その道中にあった、多くの普通の大きなポスター(日本の街頭ポスターの4倍くらい)も消えてました。オフィスでモンゴル人スタッフに尋ねると、法律で投票の24時間前までにポスターはすべて撤去しなくてはならないとのことでした。ポスターの大きさといい、撤去のルールといい、ずいぶん日本とは違うんだなと思いました。昨日、仕事の帰りにハーン銀行に行きました。ちょっと外貨をおろそうと思ったのです。で、とりあえずハーン銀行の本店に行きました。ここは何度も来たことがありますが、今まで見たこともないほど混雑していました。順番待ちの紙を受け取ると、なんと現在の表示番号よりも100以上も多いのです。いくらなんでも、と思い「この数字は100人以上待っているということですか?」と案内のお姉さんに聞きました。すると例によって無表情で超やる気のない顔で「はい、100人以上ですが、何か?」って感じの対応で、こんなとこで1時間も2時間も待ってられないと思い、支店を変えることにしました。ドゥルンザム(東)の交差点付近(ゴルムトタワーの近く)にある支店なら、経験上いつも空いているので、そこへ行くことにしました。ところが、いつもはガラガラの店内がやはり混んでます。こちらの待ち数は30人ほどです。仕方なく、待つしかありません。閉店時間を過ぎても並び続け、やっと終えて出てきて「こんなに混んでいるのは初めてだよ」と若いモンゴル人スタッフのEさんに言いました。Eさんは、それはおそらく皆がお金を引き出しているからだろうとのことでした。どういうことか?彼の説明によるとこうです。数年前にすべてのモンゴル国民に対して、エルデネスタワントルゴイという国策石炭会社の株を与えました。すべてのというのは文字通り、赤ちゃんも含めてすべてということです。当時の記事を見ると、2011年3月31日以前に生まれた全モンゴル国籍の人2,796,341人(国家統計局発表による)は、一人当たり536株が無料で取得でき、これは、エルデネスタワントルゴイ社150億株のうちの10%に当たるとのことです。なので、すべての国民がこの石炭会社の株主になったというわけです。ですが、これは株券であって、お金ではありません。ところが、現政権の民主党が国民の気を惹くために突然持ち株を30万トゥグルグで買い上げる、と発表したのです。それが選挙のわずか1-2週間前というから驚きです。もちろん選挙目当てのばらまきです。モンゴルの場合、まわりくどいやりかたはやりませんから、選挙前にお金をばらまいて、「ほら民主党はこんなに皆のことを助けているんだよ」とアピールするわけです。それにしても30万トゥグルグを3百万人に払うとなると、かなり巨額になります。30万トゥグルグを3百万人分とすると9000億トゥグルグです。日本円でざっと540億円です。GDPはあ日本のざっと400分の1ですから、この金額をGDP比で計算すると、日本で言えば20兆円を超える金額です。いかにとんでもない額か想像できると思います。(続く)