今度はテレビが・・・
なかなか雑用時間が減りません。毎日の如く、いろんな問題が出てきます。今回はテレビです。モンゴルでは多くの場合、ケーブルテレビと契約しているのだそうです。私のアパートもケーブルテレビで、60チャンネル以上もあります。60チャンネル以上って、どんなにか楽しいかと思っていました。が、日本語はNHK国際1本だけで、あとはモンゴルや韓国、中国の番組が多いです。もちろん、ナショジオ(ナショナルジオグラフィック)やディスカバリー、BBCなどはありますが、英語のは少ないです。更には、ケーブルなのに映りが悪く、ぼやけたり、音声に雑音が入っているなどは当然です。ですので、もともと日本でもあまりテレビは見ない方でしたが、こちらでは見る回数は一層少ないです。DVDで見る方が多いくらいです。そうは言っても、テレビはテレビです。やはりいつでも簡単に見れるのが魅力です。そのテレビで、2つの異変が同時に起こったので、話がやや複雑になってしまいます。11月29日に私の家のドアにとある1枚の紙切れが投げ込まれていました。モンゴルでは、郵便配達がないので、どの家にも郵便受けがありません。ですので、紙をドアに挟んでおくという原始的な方法でしか通知できないのです。モンゴル語で書いてるので、早速日本語の先生のDさんに読んでもらいました。それによると、11月29日までにお金を払うように書いてあるそうです。今日の今日と言われても、土曜日だしどうしようもありません。そこで、その紙に書かれている電話番号にDさんに電話してもらいました。すると、翌日日曜日にお金を取りに来ると言います。ただ、私が聞いている質問、すなわち「その請求金額は、過去の不払い分なのか、今後の前払いなのか?」には答えてくれなかったそうです。とにかく、書類を持って翌朝行くとだけ言われました。私はそれを了解して、翌日の朝待っていました。で、やってきたのは中年の女性で、一言も英語はわかりません。とにかく彼女は「お金を払え」と言います。過去の支給か前払いかはわからずじまいでしたが、拒否してもしようがないので、素直に払いました。彼女は、モンゴル語だらけの請求書と領収書らしきものをくれましたが、見ても何が書いてあるかさっぱりわかりません。ですが、同時にその日からテレビに変調が起きたのです。テレビをつけて10分ほどすると突然映らなくなるのです。おかしいと思って、一旦消してまたつけると、また映りますが、やはり10分かそこらで画面が消えてしまいます。私は、日本のビジネスホテルにあるような有料テレビを思い出しました。少しだけ見せて、後は消えます。またつけると、また映りますが、また消えます。なんだか、そんな感じに見えました。どう考えても、これは人工的に誰かがやっているに違いないと思いました。つまり、私はお金は払ったけど、それは日曜日に集金に来た人に払っただけです。その人がちゃんと会社にそのお金を納めないと、この仕業は消えないのではないかと、疑念を持ちました。翌日もやってみましたが、全く同じで、10分ほど映ってそのあと消えました。まあ、見るのはほとんどDVDだからいいかとも思いましたが、お金を払った直後にこれではちょっと頭に来てしまいます。友人のBさんにこのことを話すと「何言ってるんですか?ちゃんと払ってますよ。ほら、10月分まで私が立て替えて全部払ってます。部屋番号も書いてあるでしょ?」と領収書を見せながら言うのです。確かに、私の部屋番号で10月分までの領収書があります。じゃあ、一体、私が払ったのは何だったのか??その後、私がもらった領収書をBさんに見せると「これ、完全にだまされてますね。だってこれ、知らない人の名前で、部屋番号だって違いますよ!だまされたか、他人のために払ったか、どちらかでしょう。」だって。何やら話が複雑になってきました。テレビが映らないという技術上の問題と、お金を二重取り?間違い払いさせた?のお金の問題が同時に出てきました。私もケーブル会社に電話はするのですが、なかなか電話は通じません。出てきても、英語はわからないか、わからないふりをします。英語が通じない相手に、こういう二つの問題を同時に話しても絶対に理解されないので、まずは技術の問題だけを話しました。では明日エンジニアを派遣します、というメッセージが携帯に届きました。私が「私の家の場所はわかっているのですか?」と聞いてもなしのつぶて。もちろん、結局は来ません。モンゴルでは、こういう約束がすぐに実施されることの方が少ないです。とりあえずその場限りで「はい、行きます」というだけです。もちろん、顔を知っている友人はそんなことはないですが、今回のケーブルテレビや前回の水道屋さんは、来るといって来ないことの方が多いくらいです。結局、またDさんの助けを借りて、両方の解決を手伝ってもらうことになりました。まずはお金のほうです。Dさんに領収書など一式を渡して、先方と交渉してもらった結果、先方の間違いが明確になり、私の支払ったお金は来年の4月までの前金としてもらうことで決着しました。こういう交渉をちゃんとしないと、危ないんだなと思いました。電話までして集金に来る人がまさかインチキだなんて思いませんからね。Bさんに言わせると「(私は)外国人なんだから、何言ってるかわからないことには対応しなくていいんですよ。彼らも、言葉が通じなかったのを理由に切ることはできませんからね。」だそうです。そしていよいよ技術上の問題の方です。Dさんが交渉してくれた結果、エンジニアが今日9日の午後3時に来てくれることになりました。もちろん3時には来るはずはないですが、まあ今日中に来てくれるかなと待っていたら、4時に来ました。そして早速チェックしました。私は予めモンゴル語で書いた紙に「最初はちゃんと映ります。でも、10分くらいすると映らなくなる。」と書いて伝えました。彼は、チェックし始めました。ですが、やることと言ったら、私のような素人がやることと同じです。アンテナケーブルにつながっているかどうか?それは私もやりました。後は、リモコンでいろいろ操作します。最初は、プロにしかわからない使い方をするのかなと思っていたら、単にリモコンをいろいろ試しているだけです。language,color,brightnessなど、テレビが映るかどうかとは関係ないところばかり見てます。ところが、段々いじりまくっているうちに、本人も戻せなくなってしまいました。チャンネル表示の数字がおかしくなる(いくつかのチャンネルが消えた)し、音が出なくなるし、チャンネルを前後に動かす機能も動かなくなってしまいました。私が「音が出ない」「チャンネルが消えた」などと言っても、言葉がわからないのかどうか、ニヤニヤしているだけです。途中、何度もDさんに電話して、そのエンジニアにも言ってもらいましたが「テレビが壊れている」としか言わないそうです。まだ新しいのに、テレビが壊れるわけないじゃない!そもそも、さっきまで最初の10分くらいは映ったのに、それもダメになったのです。もうこの人に任せても駄目だと思いました。先日の水道工事の人(最初にきた、全く何もできなかった人)に似てると思いました。彼らは、エンジニアでも何でもない、ただ来ただけです。多分ほとんど失業者のごとくうろうろしている人が雇われてるのでしょう。ケーブルテレビに関する知識もなく、チャンネル端末を子供のように押しまくっているだけです。だから、結局、自分が何をやっているのかわからないのです。私が呆れてDさんの電話を通じて「もうケーブルテレビはつながらなくてもいいから、せめて最初の状態に戻してほしい」と伝えましたが、それもできないようです。この惨状というか行き詰まりの中、Dさんは自分の教え子のお父さんがこのケーブル会社に勤めているということを知り、連絡を取ってくれました。6時に私の家まで来てくれるそうです!結局Dさんも、6時前に駆けつけてくれました。そのDさんが、さっきからテレビの前で端末をいじっているエンジニアに、私が言いたいこと「音が出ない。チャンネルが消えている。とにかく、元に戻すだけでいいから、それだけお願いしたい。」を伝えてくれました。するとその人は「私は何も触っていないのに、テレビが勝手にこうなった。」と言ってるそうです。私は本当に呆れました。「触っていない?この2時間、ずっと触っていたのは誰?」と言いましたが、彼は何も答えないそうです。なんでこんな言い訳を口にできるのか、不思議でなりません。更には「もともとテレビが壊れているから無理」だって。こういうレベルの人でも契約を切ることができないのが、無競争状態の途上国なのです。私はよほど「もういい!契約解除だ!」と思いましたが、それで終わってしまうのが、この国の悲しさです。他にオプションもなければ、テレビ自体が受信する能力もないようなのです。そこへ、6時過ぎにDさんの教え子のお父さんのBさんがやってきました。私は一目見て「あ、この人はできそう」と思いました。全く雰囲気が異なります。症状を聞いて、即座にテレビの後ろに回り、何やらいじってます。2時間もの間、子供のように端末を触っていただけの「エンジニア」とはえらい違いです。そして、わずか5分ほどで原因を特定しました。テレビ本体には問題はないと言われました。テレビについている、外部アンテナ端子とつなぐ器具のある部分がついたり離れたりするようになっているのだそうです。なので、映るときもあれば、その後消えることもあると。修理には特殊な器具が必要だが、応急処置としてメモ用紙を丸めて棒状にし、それを外部端子とともに差し込んだら、なんとちゃんと映るようになりました。2時間かかって「テレビが壊れている」と言いながら、更におかしくしてしまった「エンジニア」とは全然違います。その場にいた「エンジニア」はどう感じたのでしょうか?全く反省というか、まずかったなー、という表情はありませんでした。結局、テレビ側の器具の修理もその人にお願いすることにして、今日はなんとか無事終えました。明日、また来てもらうことにしました。それにしても、こういう一連のやりとりは、外国人一人では絶対にできないなとつくずく思いました。今回も前回の水道工事に続いて助けてもらったDさんに感謝、感謝です。ただ、こういうことでかなりの時間を毎日取られているのも事実です。少し、モンゴルの生産性の低さの一端を見た思いがします。