昔の面白いブログシリーズ(第33回)「さすがに信じられない・・・絶句です!」
「昔の面白いブログシリーズ」の第33回目です。2008年10月27日付けの「さすがに信じられない・・・絶句です!」を載せます。モンゴルで住んでいる間にたくさんの問題や出来事がありましたが、最大の衝撃は「出国禁止」でした。当時、世界中でこのおかしな問題を抱えていたのは200か国中モンゴルとエチオピアだったと後から知りました。その悪名高き制度はもう廃止されたそうなので、私と同じ経験をする人はもう出てこないでしょう。ある意味、貴重な体験と言えます。以下、掲載します。今、このブログをウランバートルの自宅で書いています。ですが、本来であれば今のこの時間は私は空の上にいるはずでした。今週どうしても出なくてはならない総会がある関係で、短期間の一時帰国を予定していました。多くの仲間と会いたいとは思っていましたが、そんな時間も取れないほどの短期滞在になってしまうほどですが、それでも久しぶりの帰国を楽しみにしていました。なぜその私が、今ウランバートルにいるのか?それは空港で足止めを食ってしまい、フライトをキャンセルさせられたからです。理由は、私のビザの関係です。本当に今でもまだ信じられないのですが・・・私のビザは、長期(1年間)のビザでしかも就労ビザも問題ありません。航空会社のチェックインカウンターでも全然問題ありませんでした。次の出国カウンターに行ったら、何やら担当の人が誰かを呼んでいます。すると入国管理の人がやってきて、私を別室に連れて行くのです。もちろん、私は従いましたが、まだ何が問題なのかは知らされてませんでした。私は何が問題なのかを聞きました。私のビザでは出国できないというのです。あまり英語でちゃんと話してくれないので、私は友人のBさんに電話して代わりに話を聞いてもらいました。その説明によると、この国では「出国ビザ」が必要なのだそうです。「入国ビザ」はよく聞きますが、「出国ビザ」は聞いたことありません。しかもそれを取得するには、市内の法務局かどこかで申請しなければならないということです。私は、そうはいってもあと1時間で出発する飛行機には最後には乗れるだろうと思っていました。ビザということは、結局はお金ですから。ところが、全くそういうことではなく、市内へ行けの一点張りです。更に悪いことに、私の1年間のビザは1回限りのビザだというのです。私は、日本にあるモンゴル大使館には「数次ビザ」と明確に頼んだし、申請書類にもそう書いてあります。ですが、現実にはこれは1回だけだというのです。ですから、万が一出国できたとしても、今度は入国できないというわけです。ビザ取得にどのくらいの時間がかかるかは、このブログの8月、9月を読んでいただいた方はわかると思います。さすがに数日では無理でしょう。段々時間が迫って来ました。空港から、何人か知人に携帯電話で聞きましたが、この国のビザは複雑で誰もわかりませんでした。最終的にイミグレーションから追い出されて、チェックインカウンターで預けた荷物を戻されて、出国したいなら申請して来いと言われました。それまで、ビザのことで大学関係者、切符を買うときの旅行代理店、今日の空港チェックインカウンターで毎回パスポートを見せてきましたが、一度もそんなことを言われたことはありませんでした。ですので、頭に来るやらがっくりやらでちょっとショック状態です。いずれにしろ、私が予定通りに行けなくなってしまったのは事実です。だからどうする?はまだ混乱中です。今はひたすら、仕事関係者や知人に謝りのメールを書いているところです。ですが、これから友人とともにビザがどうなっているのか?本当に再入国は不可能なのか?などを聞きに行くつもりです。今週の帰国の確率はほぼゼロですが、まあやってみます。それにしても、この国は底なしで恐ろしい国なんじゃないかと思えてきました。今まで数十の国に行きましたが、こんなことで足止め、キャンセルされたのは初めてです。連れて行かれたその部屋には、大学生くらいと思われる女性もいました。聞けばハンガリーからだそうです。その子は泣いてました。そりゃそうでしょう、いきなり出国できないとなれば、すべての予定が狂うでしょうし、お金の問題もあるでしょうし。不安でしょうし。一体、どこまでこの国はおかしいのか。自由に出国できないということは、軟禁状態と同じ気分になってしまいます。親に万が一の時・・・一体どうするのでしょうか?本当に住んでいい国なのかどうかも、ちょっと考えさせられました。ですがとにかく、諦めないで調べてみます。