バベル〜自由気ままに映画日記
2006 アメリカ
ドラマ
監督
アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
Cast
ブラット・ピット
ケイト・ブランシェット
役所広司
菊地凛子
ブブケ・アイト・エル・カイド
サイード・タルカーニ
ストーリー
モロッコの山奥で山羊飼いをする親子が居た。
父アブドゥラは山羊を狙うジャッカルを退治する為にライフルを買い、それを息子のアフメッドとユセフの兄弟に渡した。
すると2人は遊び半分で射撃の腕前を競い始めた。
その時、山間部から一台のバスがやってきた。
ユセフは兄より自分の方が勝っていると示す為にそのバスに向けて、ライフルを撃った。
そのバスにはアメリカ人夫婦のリチャードとスーザンが乗っていた。
生まれて間もない3人目の子供が亡くなった事がきっかけで夫婦関係はうまくいかなくなっていた。
リチャードは夫婦の絆を取り戻そうと、残りの2人の子供達をベビーシッターに預け、夫婦水入らずの旅行にスーザンを誘ったのだ。
そんな時、どこからか放たれた一発の銃弾が運悪くスーザンの肩に当たり、負傷した。
リチャードは血まみれになった妻を抱え、医者を探す為に近くの村へと急いだ。
その頃アメリカでは、リチャードとスーザンの子ども達を見守るベビーシッターのアメリアは夫婦が旅行中のトラブルで帰国出来ずにいる事に頭を悩ませていた。
メキシコで息子の結婚式があり、帰国する予定だったからだ。
代わりに面倒を見てくれる者も、預ける親戚も思い当たらないアメリアは仕方なくリチャードとスーザンの子ども達を連れて、メキシコへ向かうことにした...。
「バベル」とはユダヤ教およびキリスト教の正典とされている「旧約聖書」の「創世記第11章」に登場する町の名前。
全ての人々は、皆同じ言語を用いていた。
そしてその地に街と天まで届くほどの高い塔を作ろうとした。
神は、人々が同じ言語を用いていれば、やがて完成するだろうと考えた。
そこで人々の言語を乱し、互いの言葉が理解出来ない様にした。
すると人々は塔を作るのをやめ、全ての地に人々が散って行った。
とされている。
ここで一般的には「人類が天にも届くほどの塔を作り、神に挑戦しようとした事に神が怒り、言葉を乱して塔を崩した」と考えられているが、実際の旧約聖書には神が怒ったとも、塔を崩したとも書かれていない。
また2006年カンヌ国際映画祭では監督賞を受賞。
同年アメリカ映画批評会議賞新人女優賞を菊地凛子が受賞した。
またゴールデングローブ賞ドラマ部門で作品賞を受賞など数々の賞を受賞した。
my評価7点(10点満点中)
群青劇はあまり得意ではありません。
登場人物達の多さや時系列が作品によっては入れ替えられていたりするからです。
この作品も時系列の入れ替えがあります。
ですが、そこまで複雑な作りではなく、登場人物達もそれほど多くないので、観れないほどではありません。
そして菊地凛子が女子高生役と知り「かなり無理があるだろ」と思いました。
実際、とても女子高生には見えませんでした。
しかしながらストーリーが進んでいくにつれ、これは実際の高校生15~18歳くらいの表現力では到底無理だ!と感じました。
まぁパンツを履かずにご開帳しますから、どちらにせよ未成年は無理ですけども。笑
ものすごい存在感で、ものすごい演技力でした!!
素晴らしかったです!!
またスーザンに言葉の通じないおばあさんがずっと寄り添い、励まし、癒してあげていたシーンがとても印象的でした。
この作品の核であるシーンのひとつなのではないか?と思います。
しかしながら、モロッコで使われた銃が日本のやすじろうの物だと言うのは少し話に無理があると思いました。
ストーリーから逆算すると、妻の自殺後に、
やすじろうはモロッコに妻が自殺に使った銃を持っていかなくてはなりません。
もし不運を呼ぶ物だから、持っているのが辛いから手放したのだとしても、なぜわざわざ単身モロッコに持っていき、現地人に渡さなくてはならなかったのか?
この辺が納得いかないポイントではありました。
また伏線でありそうで、意味のない性的描写も多かったです。
いや、もしかしたら意味はあるのかもしれませんが、そもそもユダヤ教やキリスト教において、何が罪とされていて、何が良い事なのかがわからないので、よくわかりません。
正直かなり難しい内容です。
私が感じたのは、神は試練を与えるもので、与えられた人々はそれを乗り越えられるかどうか?ということだと思います。
遊び半分で銃を撃った少年。
不衛生だと考えている土地で負傷した女。
女を助ける為に言葉の通じない場所で翻弄する男。
物事を深く考えない事によって犯罪者になる男。
妻を亡くした男。
耳が聞こえず、言葉の喋れない女。
自らに課せられた試練を乗り越え、互いを理解出来るのか。
そしてこの小さな出来事の積み重ねがやがて、世界を動かすような大きな事になっていけるのか。
そしてもう一つは良いことも悪いことも同じだけ世界のどこかに影響を与えているということだと考えています。
ちょっと軽い気持ちでゴミをポイ捨てしただけで、世界のどこかで、絶滅危惧種の最後の一匹が死んだりする。
ちょっと軽い気持ちで募金箱に10円を入れただけで、世界のどこかで、新たな命が誕生してたりする。
何も繋がってない様に見えて、全て繋がっている。
この作品ではそれが一発の銃弾だったのだと。
そう考えると「ペイ・フォワード」に似た印象もあります。
世界の人々が一人ひとつでもいいから、誰かにいい行いをし、それをされた人はまたほかの誰かにいい行いをする。
これを続けていけば全ての人々が幸せになれると!!
とにかくこの作品はかなりディープで難しい内容ですので、心して観ていただきたいです。
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バベル 【字幕・吹替え】ブラッド・ピット 役所広司 菊地凛子
スマイルBEST バベル スタンダード・エディション/ブラッド・ピット (出演), ケイト・ブランシェット (出演), アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ (監督)【中古】[☆3]