黒い華 第一章 。。。
にほんブログ村 現役単身赴任時代、夜はありまるほどの時間があり、妄想を膨らませブログ 短編小説を、よく書いていました。今は、創造力も想像力も枯渇し、可愛い 法螺を吹くぐらい・・・ その中でも、松本清張賞最終選考に残った作品があります。しかし、その 内容があまりにも過激、そして性的であることから、保守的な選考委員の 反感をかい、惜しくも漏れてしまいました。 5年前にこのブログで公開し大反響を呼び、幾多のブロトモさんが興奮の あまり、病院へ緊急搬送されたものです。いま読み直しても面白く、再掲載 しますので、当時からのブロトモさんは応援ポチだけして、スルーして 下さいな。 火曜サスペンス劇場などめでない、東京エロチカ・ショート・サスペンス 劇場。官能的な表現が多く含まれており、楽天ブログスタッフからは R15指定。また、60歳以上の方は 興奮のあまり脳溢血となる怖れが あるので、目をつぶって読まれることを日本医師会では、勧めております。 それでは、ぼちぼち始めるよ。。。。 === 第一章 === 仙台は< 杜の都 >と称され、緑豊かな情調溢れる街である。 鬱蒼と茂る欅の大木の街路樹が、並行して走る通りに整然と並んでいる。 他の地方都市が、郊外型大型量販店の進出の前に、さびれてしまっているのとは 違い、東北では仙台が一人勝ちの様相を呈していた。 定禅寺通りと広瀬通りに挟まれた一角に、国分町という歓楽街があり、ビルの テナント総てが、居酒屋・和食料理店・スナック・バーといった飲食店や キャバクラなどの風俗店。その数は 2,700店とも言われ東北一。 仙台は大学や専門学校が集積していることもあり、地方都市としてはめずらしく、 若者達で街が溢れかえっている。特に、金・土曜の夜になると、一晩で6~7万人 を 数えることもある。 明美は、小さいながらジョルジュというクラブを、国分町の一角で開いていた。 秋田生まれの明美は、三十路の成熟した肢体の女性で、その美貌を目当てに 多くの男性が、ジョルジュには夜ごと集ってきた。 幾度となく客から誘われたことはあるが、明美がそれに応じることは 一切 なかった。 特定の客と関係を持つ事は、店の経営者としてのプライドが、どう しても許さなかった。 それよりも、酔客と毎日接している中で醸成されてきた、むしろ男性に対する 不信感からもしれなかった。 勿論若い時には、多くの男達と修羅場を幾度となく経験してきた。 しかしママとして店を持ち、三十を越えてからは性に対する欲望も、次第に希薄に なっていた。 そんな明美が、一見の客となぜ濃密な夜を、過ごす事になったのか、今でも理由が わからなかった。 その男は、ふらりとジョルジュに入ってくると、カウンターに坐り一人でグラスを 傾け、何か想いに浸っているように見えた。 明美は、常連客の間を回遊し応対しながら、その男の存在がなぜか気になって、 しかたなかった。 隣のビルのネオンの光と共に、窓ガラスに映るその横顔から、これまでの男の 人生が読み取れるような気がした。 暗黒の淵から必死に這い上がってきた、明美と同じ過去を背負った人間の。 その男と視線があった途端、なぜか明美はこれまで感じたことのない、異常な 胸の高鳴りを覚えたのであった。 == 続く == ブログ村ランキング、参加しています。 下の画像を応援クリックしてね。 ↓ にほんブログ村