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• この切れ目のなさ、ゆとりのなさ。（追記あり）

  仙台の古刹からはがきが届いた。夫が面倒を見ている大伯母たちのお墓が先の震災で被災したらしい。妹に大型連休の予定を訊ねるメールを送ったら、相も変わらず続く余震で、予定を立てるどころではないと言う。大きな揺れがくるたびに、茶碗、花瓶と、何かが壊れる。倒れた本棚も、また大きな揺れが来るかもしれないからと、そのまま放置状態。何だか泣けてくる。思い切って、芦屋の実家まで帰っちゃえば？そして神戸で美味しいものでもたらふく食べなさい。しばし、仕事と余震と放射線のことは忘れなきゃ、この先、とてもじゃないけど、保たないよ。こういうやりとり、今もそこかしこで、やってるんだろうなあ。だんだん気持ちが塞いでくる。塗装工事で一日缶詰の日。入稿データを完成。いよいよ明日入稿だ。規約の改定案をひねり出し、年度事業報告書案も作成。大型連休での被災地訪問調整に進展があり、印刷物増刷用のデータ作成とWEB入稿も終了。仕事のほうは、ようやく一息つけそうな感じ。お次がもちろん控えているし、夕方、別の申請書の手直し要請まで届く。結局、やってもやっても終わらない。仕事が終わらないのは当たり前だけれど、その終わらない感じが、これまでとは違う。なんだろう、この切れ目のなさ、ゆとりのなさは？JMM通信として送られて来た非常勤産業医として福島第二原子力発電所で働く医師の現地レポートを読み、本格的に泣いてしまう。と同時に、何とも言えない怒りもこみ上げて来る。そうか、この切れ目のなさ、ゆとりのなさは、そういうことなのか。悪いけど、センチメンタルになったり、論評したり、むやみにヒステリックになってる余裕はない。私も戦っている最中なんだ。

  2011.04.19

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• うつらないもの、うつったほうがいいもの。

  いまどき、こういうひとがいるのか？と風評被害のひどさに驚く。旅館・ホテル業界のみならずタクシーまでもが。もっとひどいのは、転入生への振る舞い。平時だって、転校生はびくびくしてるんだからね。転入生に「ご迷惑をおかけするかもしれませんが、　よろしくお願いします」という挨拶を指導したおとなも、逃げるような振る舞いをわが子にさせたおとなも、いったい、何を勘違いしているんだ？「子どもたちがそういう振る舞いをするってことは、　親や教師が無知だから。　己の無知さ加減をさらしているようなもんだ」電話の向こうで、母が激怒している。こういうことに、母は容赦ない。早速、東大病院放射線医療チームがブログに記事をアップした。「放射線はうつるのか？」カイワレのときと同じアピールをした首相もいたね。もっとまともなブレーンで周囲を固めるべきかな。だめだだめだと非難ばっかりするんじゃなくて、正しい知識と振る舞いを教え込むことのできるブレーンを早急に配置すべきでしょ。振る舞いは“うつる”。望ましい振る舞いは“うつった”ほうがいい。

  2011.04.15

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• どうか無理しないで。

  まるでダメ押しするみたいに再び大地が揺れた。言葉を失う。大丈夫なのか？大丈夫なはずないよね。それでも立ち上がらなくてはならないのか……。なんとか持ちこたえて来たはず、それなのに、あまりの過酷さに、ただただ呆然としてしまう。それでも明けない夜はないから、朝を待とうと思う。どうか無理しないで。ひたすら現地の人々のことを思うだけだ。あまりに無力だなあ。

  2011.04.07

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• 季節は巡る。

  仕事の合間に、近所の公園へ。おおお、ソメイヨシノが咲いている。まだまだほとんどは膨らみきったつぼみのまま。でも、ひとつ、ふたつ……、ほら、あそこにも、ひとつ。来週はお花見散歩が楽しめるかも。機が熟すれば、花が咲く。季節が巡るって素晴らしい。

  2011.03.31

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• 気持ちの切り替えどき。

  打ち合わせに出かけても、どこのオフィスも暗い。大きな建物ほど、廊下の暗さが目立つが、元々そういうものだと思えば、気にならない。もちろん、以前来たときにはロビー回りにはこうこうと明かりがついていたんだよなあなんて思うのだけれど、官公庁は以前から節電モードだったので、一般のビルは元々明る過ぎたんだと思う。オイルショックのあと、街の火が消えたこと、その後も、何度かそういう時代が巡っては消え。今後はどうでしょうか？原子力発電所の建設を見直すとともに、クリーンエネルギーによる電力開発を検討するなど、エネルギー計画を根本から見直すという政府要人のコメントを目にしておお！と思うとともに、本気でちゃんとやってよと思う。これでしばらく反原発派のみなさまは静かになるだろうか。WHOの水質基準報告書改定最新版を読みながら、放射性物質に割かれた頁の少なさと、化学物質や細菌による汚染の脅威の大きさに改めて気づき、そうだ、家屋が倒壊した被災地のアスベストなどによる大気汚染はどうなっているんだろう？と思う。もともと臆病なものだから、ガソリン輸送のために全国から集まったタンクローリーがガソリンを満載にして被災地を目指すことを想像しただけで、もし転倒したりしたらどうなるんだろう？事故が起こりませんように！と縁起でもないことまで考える。避難所では感染症が心配だ。阪神大震災では避難所を中心にインフルエンザが流行した。東北のみなさまは大丈夫なのか。そうそう、農薬に寄る土壌汚染とか作物汚染と現状の放射線汚染と、どっちが怖いのか？人の命を脅かすものは、山のようにある。そう考えれば、節電くらいなんでもないさ。暖房をやせ我慢して風邪を引いたくせに、思う。年度末が明日に迫り、ようやく諸々にめどが立つ。地元の仲間は、設置が決定した避難所の準備のために早くも連日打ち合わせを行い、動き出している。行政ができることとＮＰＯが果たすべき役割と、よい連携を目指しているところが頼もしい。桜の開花も始まったことだし、これで少しずつ気持ちが切り替わって行くのかなあ。

  2011.03.30

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• あれから半月経って。

  仕事で数年ぶりに関西から東京に戻って来た知人が「街は暗く、コンビニが品薄なのに驚いています」とメールを送って来た。まあ、これは至極真っ当な感想だろうなあ。でも、今日出かけた銀座では、久々に大勢の人々が買い物を楽しむ風景が見られた。東京は徐々に落ち着きを取り戻しつつあると思う。ところで、4月から娘が通う大学では、例年、新一年生に宿題を出すのだそうだが、何故だか今年は届かなかった。で、明らかになったのは、震災との関連で、講義を本格的にスタートするのが連休中からということ。在京の大学のほとんどが同じ対応をするらしい。在学生や合格した学生の中には被災した方々もいらっしゃるだろうしね。早くもインターネットで同じ大学に通うことになる仲間と出会い、Skypeで話しているようだ。遠く四国から入学する友もいて、驚いたのは、彼の地でもミネラルウォーターが品切れということ。同じ話を、余震を避けて九州に避難中の友人からも訊いた。若者たちは、特に東京の様子を気にすることもなく、むしろ講義の始まりが遅れることを気にしているようだが、九州の友人から、もっと気がかりなことを訊く。余震と水道水の放射能汚染を今、東京で暮らす私たちよりも何十倍も深刻に受け止めて、どちらかというと疑心暗鬼に陥っている様子。「情報が少ないということもあるけれど」とは言うものの、諸々の不安から、東京に戻りたくないとさえ思っているみたいだ。自ら、より安全なところに移った後に「妊産婦や乳幼児は危険だから避難せよ」と呼びかける反原発派の方々もいらっしゃる。何だか不思議だ、というかおかしい。最も困難な事態に直面している方々が、あんなに踏ん張っていらっしゃるというのにね。

  2011.03.27

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• 桜はまだか？

  何だか息苦しいなあと思っていたら、風邪を引いてしまった。仕方がないので外出の予定をすべてキャンセル。今日は一日家の中で過ごす。妹からメールで近況を知らせて来た。物資不足に関してはかなり改善されて来ており、医薬品も充足して来た。病院と医師会とで患者さんのニーズに応えるべく、派遣されて来た「こころのケアチーム」とともに、頑張っているらしい。ただし、ガソリン不足。もちろん放射線問題も片付いてはいない。強い余震が続く時はさすがに怖いらしいが、病院のスタッフと一緒だとしのげるようだ。そう言えば、今日の東京はあまり揺れてないわね。夜、FOXのアメリカン・アイドル・シーズン10を見始めたら、冒頭のところで、東日本大震災発生に触れ、番組のサイトから音楽をダウンロード購入することで現地への義援金に充てるからよろしく、とのこと。いきなり今回の審査員、スティーブン・タイラー、ジェニファー・ロペス、ランディー・ジャクソンが入れ替わりに現れて、口々にそのことを伝えたので、驚いた。日本でのオンエアは1週か2週遅れなので、震災を知ってすぐに彼らが動いたことが判る。「涙が出て来ちゃったよ」夫が本当に涙ぐんでいた。夫は最近ひどく涙もろくなった自分のことを密かに危ぶんでいるらしい。涙もろいのは、別に今始まったことではないと思うけれど（苦笑）、気持ちが塞ぎがちのようで気がかり。震災から日が経つにつれて、患者さんが増えて来たと妹もメールに書いていたっけ。私も結構キツい時期があったけど、風邪を引いてしまったら、何だか吹っ切れた。からだの症状としてはっきり出てしまったから、かしら？靖国神社の桜、まだ咲かないのかしらね。

  2011.03.26

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• 妊娠中・授乳中の女性に向けた放射線被曝に関する情報。

  いろいろあるけど、放射線に関して妊娠中あるいは授乳中の女性に向けて日本産婦人科学会は、事態が急変する都度、情報を流してくださっている。【日本産婦人科学会】水道水について心配しておられる妊娠・授乳中女性へのご案内。http://www.jsog.or.jp/news/pdf/announce_20110324.pdf福島原発事故による放射線被曝について心配しておられる妊娠中あるいは授乳中女性へのご案内（特に母乳とヨウ化カリウムについて）http://www.jsog.or.jp/news/pdf/announce_20110316.pdf【東大病院放射線治療チームのツィート】放射線と健康に関する知っておきたい専門知識をわかりやすくツィート。グhttp://twitter.com/#!/team_nakagawa

  2011.03.24

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• そういや、センバツはどうなった？

  夕べ、ふと気がついた。この1週間、自分の家族と仕事上で関わりのある人々のことだけでへとへとになっていたけれど、学生時代の友人たちの安否はどうなんだろう？関西で生まれ育ったので、大学に入るまで、伯母一家以外に、東北方面に知り合いはいなかった。急に心配になってNちゃんに電話をかけてみる。後輩のKくんは無事。ただし津波で家財一式流された。同級生のFくんとは、連絡が取れない状況。そうか……。ほかにも、人口の半数が行方不明という自治体には別の友人の実家があるんだ。夫は、お世話になった二人の方の安否をずっと気にかけている。でも、恐ろしくて、Googleなどの安否情報サービスにアクセスできないと、うなだれている。昼間は事務所で、かなり悪戦苦闘していた。感情に蓋をしたままで何年か過ごしているので、やるべきことは予定通りに完了したけれど、反動がかなりキツかった。今日、友人からのメールへの返信で、最後に「早く桜が咲くといいですね」と記す。今の重苦しい状況を打破するには、桜が咲いてくれるしかないっ！5月の初旬まで続く桜前線の北上。それに伴い、現下の状況が好転して行くこと。改めて祈るよ。そういや、センバツはどうなった？いつから始まるんだっけ。

  2011.03.22

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• 生きるもの優先。

  このたびの震災は金曜日の午後だったので、そのまま週末に突入、初動3日の間に我が家では大きなドラマがあり、へとへとになって週明けを迎えた。非常事態下で事務所に向かうと、近くの小学校では、子どもたちがサッカーに興じていた。普段と全く変わらない屈託のない笑顔に安堵。うん、東京は元気だ。いつもと変わらない。そう思ったのだけれど、実はそうでもなかった。初動3日の間に、それには気づいていたね。だから、初動1週間は非日常であることを受け入れなければならない、三連休明けまでは、すべてはまともに動かないと覚悟を決めていた。で。今日、納豆以外は豊富に商品が並ぶスーパーマーケットで、ようやく牛乳を手に入れた。ガソリンスタンドは稼働しているけれど、まだまだ車列ができている。東日本の状況は概ね判った。西日本は、どうなんだろう？スーパーマーケットでは影響が見られるという報道があるけれど。夜、いわきにいる妹に電話をかける。相変わらす、水道が復旧していない。でも、給水所に行けば入手できるらしい。足りないのは医薬品とガソリン。常磐道がいわきまで開通した。これで物流も蘇るといいね。13日の朝、マンションの駐車場に娘と妹の姿を見つけ、駆け寄って娘を抱きしめたときのことは忘れられない。そばで微笑む妹の姿も。お彼岸の中日なのに、お墓参りできなかった。大丈夫、許してくれるさと、夫。今は生きる者たちを優先させてもらうよ。

  2011.03.21

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• 月が綺麗だった。

  今夜は14％増のフルムーン。きれいだった。見える星座にも変化が。夜のワンコの散歩が日課となって久しい。満月見るぞ！と決めて、朝一番に急ぎの仕事をメールで送信、「今日、明日は休みます」と添える。長い昼寝のあと、パソコンを立ち上げたら、返事が必要なメールが届いていた。ここで休んでしまったら、多分立ち直れなくなるだろう。その自覚もあるから、ペースダウンでいいや。メールに返信しながら、明日の予定を決める。妹は、車のガソリン残量が気がかりなのでと、この連休はいわきに留まるそう。自宅にこもって、娘が入力したデータの整理作業に勤しむつもりらしい。水は出ないし、食料調達もままならないが、そこは、こちらを発つときにそれなりの量を持って出たのだし。今日の福島原発での東京消防庁の活躍。テレビでのインタビューを見ていて、部下たちのことを気遣い、無事に任務を全うできたことへの安堵で言葉に詰まる隊長の姿に万感迫る思い。隊員は全員大変士気が高い。しかし家族の気持ちを思うと、ここで間違いがあってはならない。その通りだ、本当に。夫は、妹がいわきに向かったと訊いて、思わず涙がこぼれたと言っていた。本人が任務全うできることを祈り、送り出すのが務め、とわかっていても、頭の中では様々な思いが錯綜する。妹に指摘されてわかったことは、母も私も、父や祖父たちが何につけても命がけで仕事に邁進して来たことから、使命を帯びた家族を、ともかく送り出すのが当たり前だと思っていること。そして、それはあまり一般的なスタンスではなさそうだということ。今日の放射線量測定値は、福島よりもいわきの方がずっとずっと低かった。物資が宮城県に集中するのは、恐らく日本海側からのルートがあるからだ。福島の場合は、そうもいかない。広範な被災地故、それぞれの地域でさまざまな条件が重なっている。桜前線の北上とともに、状況が好転していきますように！

  2011.03.19

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• 一日一日がとてつもなく長く感じられる1週間だった。

  昨日送り出した妹からは、現地到着直後に、そして今夜も電話がかかってきた。まだまだ元気みたい。週末は福島に移動して、大学の研究室の片付けをするんだって。今日は事務所での作業を進めるにあたって、どうしても娘か私のパソコンに入っているソフトが必要になり、娘を呼び出した。必要最低限の作業で終わらせようとあらかじめ準備しておいたから、作業そのものは10分もかからず終了。が、その後の作業に手間取り、事務所を出たら月が出ていた。14番目の月。おお、妹が唯一持ってる松任谷由実のアルバムタイトルじゃないの。娘への労いも兼ねて、フランス料理を食べに行く。こんな時期になんて贅沢。でも、本来なら、福島のとびきり素敵なレストランで妹と一緒に夕食を食べるはずが、地震でカップラーメンに変わってしまったと訊いて、つい。名古屋でのお通夜に赴いた夫は、無事に帰って来た。西のほうは変わりないもんね。阪神大震災の時は、淀川を渡ったとたんに日常がどど～んとあって。その落差に、母と二人で圧倒された。今回、確かに東京と、かの地との落差は激しいだろうなあ。それなのに、東京の人々もあの揺れでひどく動揺したままだ。社会見学で震度7を体験する車に乗った娘は、福島で経験した揺れは、そのときとそっくりだったと言っていた。関西生まれの関西育ちだけれど、東京の揺れにはぎりぎりのところで命の危険は感じなかった。でも、東京生まれの東京育ちとおぼしき方々が軒並み、体験したことのない激しい揺れだとおっしゃる。こっちの方が地震に慣れてしまったのか？スーパーマーケットから食料品やトイレットペーパーが消え、ガソリンスタンドに行列ができる。地震だけじゃなく、原発の事故もあるからなあ。西日本に一時退避を決めた人もいらっしゃる。我が家でも、母が娘は来ないのか？と訊ねてくる。地下鉄を降りて、天上の月を見上げたら、うす雲がかかっていた。で、もう一度見上げたら、月を囲むようにまあるい雲の輪のようなものが見えて、なんとも不思議な感じだった。一日一日がとてつもなく長く感じられた1週間。しばらくは、金曜日の14：26になると黙祷を捧げたくなるんだろうね。明日は、休もう。

  2011.03.18

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• 放射能被ばくに関する基礎知識。

  妹の勤務先は福島県浜通りの中核病院。で、病院から呼び出しがあり、出発した。はい、原発の事故で何かと問題の多い地方ですわ。それが、何か？で、放射能被ばくに関する基礎知識などなどを得られるサイトを紹介。【放射線医学総合研究所サイトより】東北地方太平洋沖地震に伴い発生した原子力発電所被害に関する放射能分野の基礎知識http://www.nirs.go.jp/information/info.php?i3放射線被ばくに関する基礎知識　その2http://www.nirs.go.jp/information/info.php?i4一般的な除染の方法（水が利用できる方へ→水が利用できない方へにもリンク）http://www.nirs.go.jp/information/info.php?129インターネットなどに流れている根拠のない情報に注意http://www.nirs.go.jp/data/pdf/youso-2.pdf【日本産婦人科学会サイトより】福島原発事故による放射線被曝について心配しておられる妊娠・授乳中女性へのご案内（特に母乳とヨウ化カリウムについて）（平成23年3月16日付で日本産婦人科学会が発表した資料）http://www.jsog.or.jp/news/pdf/announce_20110316.pdf入院中の友人を見舞いたいと妹が外出。午後の会議に向けて、あたふたと作業中。電話が鳴る。「病院から呼び出しが来たので」妹からの電話。そうか、君は行くんだね。午後の会議に出向く前に、妹が大好きなフランス焼き菓子店のパンと焼き菓子を大量に買っておく。会議後は、もちろん買い出し。ただし、トイレットペーパーは全くないし、牛乳が、ない！（日持ちしないので、妹向けじゃないけど）現地で出来ることがあり、オファーが来てしまったのだから、当然、行くよね。会議のあとは、手に持てる限りの食料品を購入、山積みの食料品その他を車に積み込み、いってらっしゃい！夜、「今、宿舎につきました」と妹から電話が。ともかく、頑張れ！

  2011.03.17

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• 災害時の子どものこころのケアをまとめた冊子

  【災害時における家族支援の手引き　乳幼児をもつ家族をささえるために】日本小児科学会がまとめた冊子。http://pedata.med.kobe-u.ac.jp/chosho/earth_report/report_2.html【もしものときに　子どもの心のケアのために】日本小児科医会がまとめた冊子。http://jpa.umin.jp/download/kokoro/PTSD.pdf【日本自閉症協会作成の防災ハンドブック】・支援者向けhttp://www.autism.or.jp/bousai/bousai-hb-siensyayou.pdf・本人・家族向けhttp://www.autism.or.jp/bousai/bousai-hb-honninkazoku.pdf・助けてカードhttp://www.autism.or.jp/bousai/help-card.pdf小さな子どもたちは被災地でどのように過ごしているだろう。その親御さんたちの不安にも思いを馳せたい。しょうがいのあるお子さんが避難所から追い出されそうになっているという話が、ツィッターでもつぶやかれていた。落ち着かず、奇声を発したりするのは強い不安の現れ。どうしても理解してもらえないという。被災して行き場がなく、ようやくそこにたどり着いたというのに、あまりに悲しいじゃないか、と思う。確かに、誰もが余裕なんてないのだけれど。現地で、どれだけの人がインターネットにアクセスできるのか、はなはだ心もとない。ここにアップして、どれほどの方のお目に留まるかのはわからないけれど、理解の助けになればと願う。

  2011.03.16

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• 東北関東大震災義援金受付サイト

  支援のためには膨大なお金が必要。ということで、義援金受付サイトを以下貼り付けておきます。【子育てひろば連絡協議会　緊急災害支援・義援金活動】被災地の子育て支援拠点を中心とした子ども・子育て家庭支援団体へ限定した義援金http://kosodatehiroba.com/82gienkin.html【Fathering Japan東日本大震災特別支援活動　パパエイド募金】被災した家族を応援することを目的とした「パパによるパパのための災害緊急支援活動～パパエイド募金」http://www.fathering.jp/papa-aid/【日本赤十字社　東北関東大震災義援金受付窓口】http://www.jrc.or.jp/contribution/l3/Vcms3_00002069.html【ジャストギビング　緊急災害支援募金】http://justgiving.jp/【特定非営利活動法人ジェン　緊急募金】http://www.jen-npo.org/【ADRA Japan　緊急募金】http://blog.canpan.info/adrajapan/archive/394【日本財団　東北地方太平洋沖地震支援基金】CANPANプロジェクトによる「民による民のための災害緊急支援基金」http://www.nippon-foundation.or.jp/org/news/2011031202.html【Yahoo!JAPAN　Yahoo基金】「東北地方太平洋沖地震」などの被害に対して、Yahoo!基金は義援金による支援を実施いたしますhttp://volunteer.yahoo.co.jp/donation/detail/1630001/index.html【Give One　東北関東大震災　被災者緊急支援】被災地支援に向かった5団体の活動を支援http://www.giveone.net/cp/pg/TopPage.aspx【ハロードリーム　東北地方太平洋沖地震　義援金】被災地にいるハロードリームの講師・幹事へのライフライン確保を目的この先の状況に応じて【夢や笑顔のきっかけを届けること】http://hello-dream.com/message/page-3059.html【GMOとくとくポイント　東北地方太平洋沖地震　被災支援の募金】とくとくポイント等、ネットからの募金http://point.gmo.jp/consumer/kikin/いよいよ明日から、支援物資の補給大作戦が始まるようだ。節電と、寄附でバックヤードを支えることも被災した方々への支援につながると思う。

  2011.03.15

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• ツィッターから拾った災害関連サイト。

  ツイッターで拾ってみた、災害関連サイト第二弾。【被災地での給水・炊き出し・物資情報共有】http://okguide.okwave.jp/touch/guides/40782各地域ごとの情報一覧 http://www.nhk.or.jp/saigai/jishin/現地情報を地域別に取りまとめhttp://savejapan.simone-inc.com/北海道・東北・関東で透析可能な病院一覧 http://www.saigai-touseki.net/sendsdata/total.php中越地震を経験したママたちの視点から生まれた冊子「あんしんの種」からの抜粋PＤFファイルhttp://ninani-na.com/doc/anshin_no_tane.shtmlGoogle Crisis Response避難所情報http://www.google.co.jp/intl/ja/crisisresponse/japanquake2011_shelter.html内閣官房国民保護ポータルサイト・避難所一覧http://www.kokuminhogo.go.jp/hinan/娘は妹と車で東京に向かっている。先ほど東京に入った。道路はガラガラだが、ガソリンはどこも売り切れ、燃料補給が困難な状況だと言う。都内のスーパーマーケットでは、菓子パン、レトルトのカレーなどが軒並み売り切れ。仙台に向かう予定の夫はカセットコンロなどを買い出しに出かけた。

  2011.03.13

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• 祈ろう。

  今この時も、救出作業や福島第一原発の炉心冷却作業に命がけで取り組む人々がいる。新幹線がいつ動くのかわからず、娘が自宅に戻れるのはいつになるのかもわからないけど、取り敢えずは無事。福島空港のサイトにアクセスしてみたら、大阪便は欠航で、札幌経由になっていた！それなら札幌経由羽田行きってことにするしかないね。（何故だか上海便が普通に運行している不思議）でも、空港までたどり着くのが大変なのだ。ともかく、Skypeでいつでも話が出来るようにしたから、帰れるようになるまで、励まし続けよう。で、気を取り直して、災害などに関する情報源と安否情報の掲示板情報を、以下に記しておくことにする。各地の詳細な情報を地域別にシェア災害情報サイト　 http://savejapan.simone-inc.com/ Google災害まとめサイト　http://www.google.co.jp/intl/ja/crisisresponse/japanquake2011.html「私の友人の安否が解らない！」「ここに救助を！」という安否確認情報Person Finder（消息情報）：2011日本地震　　http://japan.person-finder.appspot.com/　通信各社の災害用伝言板　 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1103/11/news057.html 被災地にいる外国人に！ Earthquake information for Foreign People in Japan by Multi-language Support Center, NPO. 　 http://iphweb.com/宮城県警察本部：地震と津波で行方不明者についての相談電話。　　　　　　　　　警察が安否を把握している場合は情報を提供。　　　　　　　　　番号は022-221-2000（当面は24時間対応）【血液透析の必要な方】 透析可能病院とベッドの数を記載。　 http://www.saigai-touseki.netrescuenow@niftyトップ 災害チェックリスト > 原子力災害に備える　http://rescuenow.nifty.com/cs/checklist/detail/080131000740/1.htm物資の送り方について役立つ某ブログ最新記事　http://d.hatena.ne.jp/k_ma_calon/岩手県のサイトでは、日本語以外に、英語、中国語、ひらがな表記で災害情報をトップに掲載していた。ともかく、祈ります。

  2011.03.12

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• 声が聴けて、ようやくほっとする。

  朝、電話で起こされる。誰だ？と思ったら娘だ。「もしもし」の声を聴いたとたん、「やっと声が聞けた！」と異口同音に。無事とわかっていても、声を聴いてようやくほっとする。最初の大きな揺れの時、硝子が割れて飛び散る中、たまたま同じ部屋に妹と一緒にいて心強かったらしい。大学から妹の自宅まで普段は車で15分のところを4時間半かけてたどり着けたという。停電していたので、ロビーで待機していた管理人さんからろうそくをもらい、ろうそくの火を頼りに階段をのぼり、部屋に入った。深夜、電気が復旧、ガスも水道も使えるが、給湯器が壊れたのかお湯が出ない。「お風呂に入れないよお」お年頃ですから、そりゃ辛いかも。でも、事態が事態ですから、我慢だよ。妹からは、何故だか一方的に怒られる。こいつは、いつも心配のあまり怒り出すやつだから、まあ仕方がないか。そんなことより、新幹線が動くまで、娘は帰れない。妹だって週明けまでに、病院のあるいわきへ戻らなきゃならない。だから頻繁に連絡を取りたいのに、電話もメールも思うようにつながらないという状況。「Skypeなら全然平気だよ。　昨日もMちゃんとおしゃべりしたし」娘があっけらかんと言う。ネットでそう言う噂だったけど、本当だったんだ。お昼前に夫から電話。流石に関西からだとつながるらしい。伊丹空港のカウンターも混雑の様子。Skypeのことを話す。夫が家に着いてすぐ、試しに娘に電話をしたらつながった。その場でSkypeのアドレスを訊き、夫のMacbookからアクセス。一家三人、ようやく会話が出来た。

  2011.03.12

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• 無事で幸い。

  個人的にも波瀾万丈の半日。まだ、ときどき地面が揺れるから、これは夢じゃないことだけは確かだ。所属団体が協力しているシンポジウムに参加。いよいよ基調講演が始まるそのとき、揺れが本格的に始まった。実は、遅れて入場したので一番後に立っていたのだけれど、なんとなく立っていられない感じになって来たので、会場スタッフが「客席にどうぞ」と声をかけてくれたのに素直に従い、座ったとたんだった。立っていた時から、多分揺れが始まっていたのだ。揺れはどんどん強くなり、一向に収まる気配がない。高い天井からつり下げられた照明やスピーカーの揺れがどんどん大きくなり、人々が徐々に立ち上がり始める。「ホールの外に出てください！」主催者側から誘導が始まる。立ち上がり、ホールの外に出てもまだ揺れは続き、立っているとき分が悪くなりそう。1階ロビーでお待ちくださいという声に促され、階段を下りる。もちろんエレベーターは止まっている。が、エスカレーターは何事もなかったように動いているし、人が避難しようとしているのに階上に上がって行く人がいる。シンポジウムは中止となり、主催者や知人にご挨拶をして表に出る。携帯電話もインターネットもつながらない。地下鉄はどうだろうと階段を下り始めたら、まっすぐに下りられない。またしても揺れている。地下鉄もJRも運行中止。改札口そばの公衆電話から実家に電話を入れるが留守。このときは夫がてっきり仙台にいると思い込んでいたので、仙台のオフィスに電話してみるが、こちらも留守。ちゃんと通信音がしているから、電話は生きている。ということは建物は無事なんだなと、思う。コーヒーショップで一息ついて、バスが動いているのに気づき、バス停まで歩こうと店を出る。が、乗りたい方向のバスがない。仕方なく、確実に自宅方向に向かうバスの始発となる三つ先の駅まで歩くことにする。歩道にはたくさんの人が行き交う。さらには、避難のためにオフィスから出て来たたくさんの人々。ビルによってはヘルメットをかぶり、非常持ち出し袋を手にした集団もある。いつもなら、ほとんど人通りのないところでも、たくさんの人々が行き交う。タクシーをつかまえようと、車道に出て行く人もいる。いざとなれば、家まで歩けない訳じゃない。が、留守番しているワンコのことが気がかり。レコードの下敷きになっていないといいけど。山手線の線路伝いに歩くと遠回りになるので、途中で右に折れ、住宅街を抜けることにする。大通り手前のところで、乗客が降りてくるタクシーを発見。思わず駆け寄ると、下りて来た女性が「やっぱり、そうよね！」と頷くように微笑みかけてくる。みんな同じ気持ちなんだ。逆方向だけれど、と断り、タクシーに乗り込む。Uターンして乗り込み大通りに出ると、第一目的地であるターミナル駅は目の前。でも、バス停には長い列が出来ている。しばらく走ると夫から携帯にショートメール。「どうですか？」おおお、無事でしたか！返事を返そうとするが、電波のタイミングが悪いのか、なかなか送信できない。やっと返信。自宅に戻ると、予想どおりに本が散乱。大事な絵も床に落ちている。でも、ワンコは無事。大喜びで飛びつき、離れない。怖かったんだろう。実家に電話してみると、夫は伊丹空港から実家に向かっているという。仙台空港は津波で水浸しになり、飛行機は欠航。福島の妹と娘は、家に向かう途中で渋滞に巻き込まれているらしい。何はともあれ、一家離散状態の割にはみんな無事。阪神大震災のときには東京の我が家が情報の中継基地だったが、今回は、芦屋の実家が中継基地になったね。今さっき、実家でくつろぐ夫と電話で話したばかり。ほっとしたら、疲れがどっと出て来たみたいだ。電話もつながらず、情報を得たくても得られない状態で、土地勘があったことだけが幸いだったな。早めに中止決定を下した主催者判断も功を奏したと思うよ。明日のディズニーシーでの母と妹、娘と私4人のランチは中止になっちゃったけど。無事でありさえすれば、いつかまた行けるよ。まだ被害状況は定かではないけれど、亡くなられた方のご冥福と行方不明の方々のご無事を心から祈ります。

  2011.03.11

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• ERよ、永遠に。

  だーいすきなアメリカ医療ドラマERの最終回オンエア日。このところNHKBS2ではER15を毎日のように固めてオンエア。昨日は、泣いた。心臓手術を受けた子どもたちのキャンプ。ひとりひねくれ者の男の子がいて、ことごとくプログラムをけなして行く。そこに、いろいろあってくさくさした気分のERのスタッフドクターが現れ、男の子を煽るんだ。そんなにくさくさするなら、一緒にやらかそうぜ！でも、男の子は乗ってこない。だって、彼はただけなしている訳じゃないんだ。このキャンプに参加するのを心から楽しみにしていた。入院していた病院で、全く同じ症状の子と親しくなり、その子もキャンプに参加するって言うのでキャンプに参加したら、どうやって楽しもうかという話題で盛り上がる日々だった。先の見えない状態だってことは、二人ともよおく理解している。キャンプに参加できるかどうかだってわからない。この先にキャンプの予定があって、そこに参加できる可能性こそが、二人の希望だったんだ。しかし、友達は手術中に亡くなった。友達が楽しむはずだったプログラムに、友の姿はない。悔しいよね。スタッフドクターは、彼の思いを引き出して行く。そこで、ドクターの携帯電話が鳴る。心臓移植手術を受けICUに入院中の患者の容態が思わしくないのだ。「実は大切な友人が心臓移植を受けたんだけど、　拒絶反応で意識不明なんだ」男の子に、そう伝える。「僕は、術後に麻酔から回復せず、何日も過ごしたけど、　その間も、回りの声は全部聞こえていたよ。　誰が来たのかも全部わかった。　だから、友達のところへ言って、声をかけ続けてあげて」そう、男の子は言うんだ。この子、本当に人の痛みがわかる実に優しい気持ちの持ち主なんだ。相変わらず、気持ちは号泣してるのに泣けない私。これを観て、心から泣いた。ただし、涙はほとんど出ない。で、最終回。グリーン先生の忘れ形見のレイチェルがカウンティーに医学部の受験生の一人として現れる。そして、カーター先生が心血注いだセンターの落成式。懐かしい顔が次々に現れる。でも、ラストのカーター先生の台詞にしびれた。大規模産業事故で少なくとも8名の重症患者が搬送される。次々に救急車がやって来て、カーター先生も助っ人として一人の患者を受け持つ。それを見ていたレイチェルにカーター先生が、こう声をかけるんだ。「Dr.グリーン、おいで」こうやって志は引き継がれて行く。ERよ永遠に、ってことだよね。ありがとう。

  2011.03.10

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• 根っこにあるのは自らの経験、かな。

  ニュージーランドの地震、第一報から気がかりで仕方がないのだけれど、報道される画像を見ただけで気が塞いでしまい、見る気になれない。遠く離れたところで、ふるさとを襲った大災害にひたすら気をもむだけだった私ですらそうなんだから、彼の地で暮らす人々はさぞやと思っていたら、実際、当時の様子がありありと思い浮かび、気が気ではない様子。彼らも、ニュージーランドの被災地に思いを馳せながらこのところの日々を過ごしているみたい。国内外で、大きな地震が起こるたび、同じように思い出し、気が塞ぐ思いをしているんだろう。しかも、このたびは雨が降っている。阪神大震災当時は、なかなか雨が降らなかった。空気が乾燥し、インフルエンザが猛威を振るった。「そろそろ雨が降るといいのに」と私が言うと、「えっ？　私は降らないほうがいいと思うな」と母が答えた。それでなくても暖をとることすら叶わないテント暮らしや避難所暮らしの人々。がれきの片付けやガス、水道の工事。現地で暮らす母には、「この上雨なんて降ったら、たまらない」という思いがあったんだろう。遠く離れたところでぬくぬく平和に暮らしている私の物言いは、とんでもなく、能天気に聞こえたかもしれない。より現場に近いひとほど、現場よりに立って物事を考えるのは当たり前だろう。目の前の現実が、そうなのだから。離れたところにいて、得られた情報からああだ、こうだと言ってみても、現地での感覚とは、ものすごくズレているかもしれず。多分、それぞれが自らの経験などに基づく感覚でモノを考え、意見を唱えている。ときには、誰かの発言に、自分の境遇を思い重ねて共感し、強い賛同の気持ちを持つこともあるだろう。あるいは、その逆も。ニュージーランドの地震報道に対するふるさとの友人の言葉を聞きながら、現地でそれを体験できなかった私は、少なからず気後れを感じる。でも、彼らの意見や心持ちには強く共感を覚える。その反面、地震報道の陰で報道されなかった諸々にも思いを馳せて、「声がかき消されてしまったな」とうなだれてしまう。共感を覚えながら見守り続けていることもあれば、強い反発を感じることがらに対して、なぜ、こんなにも反発を感じたり嫌悪してしまうのかと自問自答することもある。嫌悪も共感も関心の強さも、根っこのところには自らの経験が関わっていることが多いと思う。

  2011.02.24

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• ありがとう、いのち。

  ううう、サッカー延長戦でペナルティーキックにっぽん！という現下の状況はさておき。うっ、入ったーーーーー！すみません、これじゃ、まるでツィッターだよね。今日はようやく周産期医療の治療ガイドライン作成の総意形成会議で宿題となったトピックに関する新しい資料を読む。資料の読み込みが始まると、頭の切り替えが難しくなる。それで、今週はそのほかの仕事もあって在宅と決定。久々の在宅での仕事は快適。移動のために時間を無駄にせずに済むし、最もなじんだMacで作業が出来る。明後日の会議の準備をさくさくと済ませ、いよいよ心置きなく、周産期医療の世界に。このガイドラインは条件が違う環境下で、最も苦手とするところをフォロー出来るようにと構築されるもの。読みやすく、解りやすく、必要にして充分な表現も求められる。午後の時間、夫のサポートもあって、一気に通読。あまりに読みやすくなっていて、感動！総意形成会議での意見だけでなく、事務局内で議論した結果、ここのところは書き換えが必要との結論に達したであろう部分についての書き換えが随所に施されている。ここで、内なる職業的視点からのチェック機能が全開。もっとよくするために、意見提案すべきなのかな？いろいろ気になる箇所があるんだもの。せっかく解りやすくなったのだから、さらにブラッシュアップしたほうがいいんじゃないの？第一回目の通読は、そんな訳で、元原稿と新原稿の突き合わせをしながら伝えたいことを、もっと解りやすく伝えるために必要な修正＝推敲すべき箇所が気になってしまった。ご指南役から前回いただいたメールのプリントアウトを最後に読む。丁寧に回答していただいたことに、改めて深謝。ちっちゃないのちを救うために尽力、というだけでなく、いかに負担の少ない方法で救うかについても、施されている細かな配慮。ガイドラインと直接関係のない部分での配慮が、ご指南役とのやり取りから伝わってくる。読み込まなくてはならない資料に書かれていることは、どれもとても深刻かつ重大ないのちに関すること。これでもか、というほどに。現場で起きていることの諸々に思いを馳せる。これらを全く知らずにNICUを卒業出来たことは、娘は、本当に「ただ、早く生まれて来てしまっただけ」だったのだな。改めて確認出来たのさ、と娘に伝えたら、「へっ？」という返答。いいさ。受験がすべて終わったら、膝詰め談判で話す、絶対！で、にっぽん勝利！

  2011.01.25

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• 忘れられるもんか。

  あの日から16年。やっぱりどうしても厳粛な気持ちになる。テレビニュースで「忘れないで！」と追悼の場で涙ぐむ女性の姿が映った。忘れないよ！忘れられるもんか、と思う。わが住まいのあるマンションで毎年年末に行う餅つき大会は実は非常時の炊き出し訓練を兼ねているのだ。だから、お餅だけじゃなく豚汁も振る舞う。かつて路地についての対談を行ったとき、これからの路地は建物の高層化に伴い横だけでなく縦にも伸びて行くというコメントをもらった通り、ここでは、横にも縦にも伸びた路地のような空間が生きている。隣人の気配を、そこはかとなく感じながらの暮らし。それを厭う時代もあったけれど、16年前のあの日から、少しずつ変わって来たようにも感じる。祈りと誓いの日。夏だけじゃなく、厳寒のいまの時期にもあるんだ。悲しみの記憶だけで終わらせないよ。

  2011.01.17

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• 太平の眠りを破るコサックダンス。（改題）

  実家での滞在中、かつての子供部屋に泊まるのだけれど。このたびは、夜中にどこからか音楽がなり始め、それがために、どうしても起こされてしまう。ごそごそしている間に、音楽は消え、「まったく、もう！」と腹立たしく思いながら、再び眠りにつく。聞き覚えはあるが、曲名は判らない。コサックダンスの曲だと思うのだけれど、非常にハイテンポで緊張感のある曲調。これが、いきなり鳴り出すものだから、何かにせき立てられるように「起きなくっちゃ！」という気持ちにさせられる。これが、毎晩のように続くのだ。思い切って起き上がり、音のするほうに手を伸ばしてみたら……。電卓とアラーム付時計が組み込まれた定規が床に落ちた。窓の外の街灯の明かりに照らして目を凝らすと、アラームがオンになっており、おまけにセットされた時間が12：58。で、現在の時間は1：17なのだった。すでに音は消えているので、うんざりした気分のまま、再び床につく。翌朝、早速母に見せてみる。「えっ？　こんなのあったの？」と、“ハイテク”定規の存在すら知らなかった様子。袋に入っていて、取扱説明書も入っていたのでそちらのほうを読んでみる。どうやら音楽は選べないみたいだ。ううう、なんと言うセンス。昨年の夏は実家に帰らなかったので、おそらくは一夏中、いや、春から年始にかけて、ずっと人知れずコサックダンスの曲が夜中に流れていたんだろう。「全然気づかなかったわ」そりゃあ、母が寝ている寝室までは聴こえないだろう。一度だけ、娘が夜中にトイレに行くため廊下を通ったとき、耳にしたという。アラームをオフにセットして、居間のテーブルに置く。これでもう、誰もコサックダンスにたたき起こされる心配はない。それにしても、コサックダンス、ねえ。夢に出てこなくて、よかった。

  2011.01.03

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• 花言葉は「永遠の健康」。

  新年、あけましておめでとうございます。家族揃っておせちをいただき、娘には母と妹からお年玉。と、ここまではいつもどおりのお正月風景。今年は、というか、今年も受験生の娘は、一息ついて再び英語の問題集に向かう。夫と私はワンコをつれて初詣。昨日までとは打って変わってまぶしいくらいの陽射し。空気は冷たいけれど、何とも言えず穏やかなお正月。最寄りの天神さまで手を合わせ、今年は、裏側にずらっと連なる八百万の神々にもくまなく手を合わせてみた。天神さまならではの臥牛の像にも手を合わせ、頭をなでてみる。この冬のトピックは、アロエの花。10年来、実家で育てているアロエに朱色の花が咲いた。ご近所でも花を咲かせているアロエを見かけた。毎月、母が朗読グループの仲間と作成している視覚障害者向けの月報テープの冒頭の挨拶文に、新年らしい文案を考えてよ、といつもの依頼をもらってしまったが、アロエの花を題材に用いることに決める。読みかけの「火の鳥と魔法のじゅうたん」（ネズビット作／猪熊葉子訳／岩波少年文庫）にも、のんびりやの代表として出て来るアロエの花。「火の鳥と魔法のじゅうたん」では、「100年に一度しか咲かない」と記されているけれど、どうして、伊豆では毎年のように自生したアロエが花を咲かせ、訪れる人の目を楽しませているらしい。それでも、ご家庭で育てられているアロエが花を咲かせるのは珍しく、夫の実家で咲いているのを見たことはなかった。花言葉は「永遠の健康」という縁起の良さ。まさに新春の挨拶にふさわしく、「今年一年、健やかに過ごせますように」と、上手く締めくくることができるなんて、ちょっと驚く。元旦のお昼ご飯は、鯛茶漬け。夕方には妹が帰ってしまうので、にらみ鯛も、元旦の朝のみのお役目で、各々のお腹に収まる。何事もからだが資本ですから。海辺の家がある地方では、記録的な豪雪。何だかとてつもなく大変なことになっているようだ。先達ての会津地方の豪雪では、間一髪で妹が難を逃れたという話を聴いた。海辺の家の方面では、どうだろう？（後日、大渋滞に巻き込まれた知人がいたことを知る）さて、今年はどのような年になるのかしら。日々、頑張っている人々に何らかの恵みがもたらされるといいな。

  2011.01.01

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• 行く年、来る年。

  朝、表に出てみたら、どんよりと重たい雲が垂れ込めていた。「雪、降らせまっせー」と、天から挨拶されたような気がした。ワンコを連れて買い物に行く。風花？雪が舞っている。六甲山は雲に覆われ、見るからに雪。みるみるうちに、下界でも本格的に降り始める。ところが、家に帰るや、雪は止んでしまう。午後、再び夫とワンコと共に出掛けると、またまた雪。で、家に帰ると止んでる。こうやって、降ったり止んだり。たぶん、積もることはない。今年もいよいよ暮れる。あと数時間で、新しい年を迎える大晦日のディナーメニューは、恒例の、てっちり、てっさ。例年になく大量のてっさに、喜ぶ娘。今年は、私たちより先に実家に戻っていた妹は、明日、もう戻るんだって。一家そろって過ごせるのは二晩だけだったのね。今年は行く年来る年、ちゃんと見られるといいな。………………………………………………………………………いつもブログを読んでくださっているみなさま、どうもありがとうございます。来年も、どうぞよろしく。

  2010.12.31

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• ちゃんと思い出せるってことは……。

  福岡と東京・田園調布の交通事故。いずれも幼い子どもまで巻き込まれ、胸が痛む。娘と同じNICU卒業生のNちゃんが交通事故で亡くなったときは実際にお葬式にも参列し、Nちゃんのご両親の悲嘆にくれた姿に声をかけるのもはばかられ、涙した。子どもの頃と比べて、交通事故の犠牲者の数は随分減ったとは言え、やりきれない。そして、さらに思い出されるのが大学の同級生のこと。確かお正月休みの最終日だったと記憶する。高速道路の出口で並んでいたところを追突され、幼子と友人が即死、妻だけがひとり残された。彼は放送関係が専攻だったのだけれど、「いつかサボテン公園の園長になりたい」とクラブ合宿で熱く語ったことから、「園長」と呼ばれていた。明るくて優しくて、友だち思いの彼を誰もが「園長」と親しみを込めて呼んでいた。卒業後、サボテン公園とは全く畑違いのところに就職してもその呼び名は変わらなかった。訃報を聞いたとき、どうして、いいやつほど先に逝ってしまうんだろうと友人の誰もが思ったはずだ。あまりに陳腐な台詞だけれど、仲間内で誰よりも早く逝ってしまったし、本当にいいやつだったんだ。そして、残された妻のことを思いやった。いきなり事故でいなくなってしまうのは、家族にとってはこころの準備の暇もなく。しかも、いきなりひとりぼっちにされてしまうなんて。気持ちの持って行き場がないだろうなあ。お互い、生きてさえいれば、そのうちどこかで会えるだろうと、期待出来るけど。「今頃、どうしているかな？」と密かに思い出しては、そのたびに胸がほっこりと温かくなる。そんな人々が、ひとりずついなくなるのは寂しさもあるけれど、やはりとてつもなく悲しい。遠く離れていても、これだけ悲しいのだから、家族には、どれほどの悲しみだろうか、と思う。「ハンドルを握るってことは、　ひとつ間違えれば、　誰かを傷つけたり命を奪うことにもなるのだから」スキー旅行のために、運転技術のブラッシュアップを始めた友人夫婦が、真剣に語っていたっけ。そう語っていた彼もまた、この世にはもういない。いけないなあ、こうやって亡くなってしまった人のことばかり思い出すと、どんどん悲しくなっちゃうじゃないか。そんなこと、彼らは望んでいないと思うのだけれど。悲しくなってもいいか。彼らが生きていたこと、ちゃんと思い出せる。彼らが生きていたことの証拠みたいなものだものね。

  2010.12.27

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• 22年目のシャンペン。

  22回目の結婚記念日。「帰りにシャンペン買って来るからね」と夫が出かけて行く。数日前までは、週末（今日）はモツ鍋ということになっていたのだけれど、結婚記念日なんだけど、とつぶやいたら、献立を改めたらしい。明日は、妹が仕事で丸の内界隈にいるので、ランチを一緒にという約束になっている。珍しく夫と娘も一緒。どこのお店に行こうかな？と娘に尋ねると「和食以外なら」という答え。さらに、「今日はシャンペンを買って来るから、　晩ご飯は、それに合うお惣菜でも買おうかな」と夫が言っていたという。ふーむ。それは知らなかった。最寄り駅そばのおいしいパンとフレンチ総菜のお店で何か仕入れて来るかな。となると、明日のお昼に洋食関係じゃ重いなあ。以前、映画を観た帰りに寄った中華料理店はどうかしら？「中華料理？　いいよ、それで」一番うるさい娘の了解も取り付けた。夕方、「あと40分くらいで家に着くよ」という夫からの帰るコールを受けて、ワンコをお供に買い出しに出る。テリーヌとソーセージ、ポテト料理に、バゲットが売り切れていたので、田舎風パン。サラダ用の野菜は、ご近所の一番新しいスーパーマーケットで。もちろん、チーズも忘れずに仕入れておく。パルミジャーノ・レジャーノはあったけれど、ミモレットはなかった……。家に帰ると、ポテト料理のはずが、チキンの香草焼きとポテトの付け合わせが袋から出て来る。げっ、混んでいたから、お店の人が間違えた？「付け合わせのポテトがあるからいいよ」娘が納得しているならそれでいいか。しかし、あのおいしそうなポテト料理、食べたかったなあ。ソーセージと野菜をゆでるためにお湯を沸かし始める。「首都高があまりに混んでるから、下走ろうとしたら、　目の前で事故って、現場検証のために　車を動かさせてくれないんだよ」夫から泣きの電話が入る。そりゃあ、困りましたね。ゆで野菜を引き上げて冷まし、サラダの下ごしらえをして、ソーセージを引き上げたところでようやく夫がご帰還。娘がレンジで温め中のチキン料理を「もう充分じゃない？」と取り出す。大皿にソーセージとチーズに付け合わせのゆで野菜。サラダボウルに山盛りサラダ。これだけで食卓はかなり豪華。銘々皿にテリームを切り分け、パンを盛る。娘のためには、烏龍茶ではなく爽○美茶を用意した。全員食卓に着いたら、夫がやおら、シャンペンを開ける。最近お酒に興味津々の娘。シャンペンも飲みたいかと思えば、あまり興味がないらしい。でも、最後に一口飲んで、「酸っぱい」と。「甘みもあるでしょ？」と夫が言うと、「ともかく、アルコールの味が好きじゃないの」ですって。んま！ジュースみたいなカクテルもどきのほうがよいってこと？二十歳になったら、とびきりのバーに連れて行って、一流バーテンダーさんの極上カクテルを飲ませてあげてもよいけど、何だかもったいないような気がして来たなあ。夫が買って来たシャンペンは確かにちょっとドライだったかも。どうせ、私たちがほとんど飲むことになるんだろうけれど、二十歳のお祝いの日には、ヴーヴクリコでも買って来ましょうかね。もう少し飲みやすいかもよ。あと3年で銀婚式ですか。結婚前の11年間と足せば、もう人生の半分以上を夫とともに過ごして来たことになるわね。23年目は、どんな1年になるんだろう。お祝い続きの1年だと嬉しいなあ。

  2010.12.11

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• 大きな一区切り。

  夫の父の一周忌。あれからもう1年経っちゃったんだね。義姉のところの姪の結婚式の日程が会場とともにいよいよ決定。来春には、ふたたび親族大集合の予定。先を越された甥が、一番喜んでいたかもしれない。1週間前も、アメリカからのお客様とともに、甥や義兄たちと素敵なコンサートに足を運んだばかり。こうやってまとめて書くと、このところは、親族と交流する時間も多かったことに気づく。実家には相変わらず帰れないのだけれど。実は、きのうはあるイベントに登壇者として参加、テレビ局が取材に来ていてニュースで流れたものだから、母から電話をもらった。「なかなかあなたが帰って来なくて寂しかったけれど、　元気な顔をテレビで見られたから、楽しいわ」はあ、本人的には顔だけ映ってほっとしてるんですが。自分が映ったことよりも、イベントのテーマの時代的先駆性のほうが大事なんだけれどね。「子育てと介護の両立」を考えるシンポジウム。子育てと仕事、介護と仕事、だけじゃなくて、子育てと介護と仕事の三つを一挙にっていうのもある。かつてなら、当たり前のように三つともなんとかなっていた。今だって、なんとかしているのだけれど、一緒に登壇した方々にいろいろ事情を伺うと、今の時代だからこその課題がいくつも浮かび上がってくる。親族や親戚間で助け合いながら乗り切ることはいよいよ本当に難しくなって来ていて、社会的な課題として周知させるとともに、子育て支援、介護支援という分断された取り組みじゃなく、本格的に家族支援を考えて行くべき段階に入っているみたいだ。最近親しくなった“ジェンダー論者”のRさんだったら、どういうコメントをするんだろう？（具体性には欠けても、彼女のコメントは　いつも、一種のカタルシスをもたらしてくれる）そんな社会的な課題とがっぷり四つに組むような感じでシンポジウムの準備に明け暮れた1週間の終わりに迎えた舅の一周忌だった。今、親族間には、父や夫の両親を見送り、しばし平穏な時間が流れている。姪の結婚式を控えていることも、今の平穏な時間をさらに印象づけている感じ。久々のおめでたいニュースでもあるし。週明けからは、また別のミッションが始まる予定。「人生と仕事がリンクしているね」という尊敬する元上司の言葉どおり、絶妙なタイミングで新たなミッションがもたらされる。何だかこのまま年末まで突っ走ることになりそうだ。

  2010.11.07

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• 完全を目指さない。

  受容の愛と変容の愛。MLの投稿を読んで、そうだった、そうだったと振り返る。マイケル・J・サンデル教授の翻訳本最新刊「完全な人間を目指さなくてもよい理由　遺伝子操作とエンハンスメントの倫理」（林芳紀・伊吹友秀訳／ナカニシヤ出版）を読んで、ひたすらにむかむかしていたこと。なぜ、与えられたものを、そのまま受け取り、受け入れることをしないのだろう？人工授精、遺伝子操作……。この本ではデザイナー・ベビーと訳されているが、10年ほど前に、デザイナー・チャイルドという考え方が紹介され、非常に気分が悪くなったことを思い出した。親が望む理想の子どもを精子と卵子を選び、遺伝子を操作して、手に入れる。命に対する冒涜ではないか？と憤りを感じた。それは、「育て方で親の望みどおりの人物に子が育つ」といううぬぼれた考え方と何ら変わらない。いや、もっともっと傲慢な考え方だ。「私に、健康で、いいからだをした、1ダースの赤ん坊と、　彼らを育てるための私自身の特殊な世界を与えたまえ。　そうすれば、私はでたらめにそのうちの一人をとり、　その子を訓練して、私が選んだある専門家　──医者、法律家、芸術家、大実業家、そうだ、　乞食、泥棒さえも──に、　その子の祖先の才能、嗜好、傾向、能力、職業がどうだろうと、　きっとしてみせよう」（ジョン・B・ワトソン著／安田一郎訳「行動主義の心理学」河出書房新社）子育て環境論。果たして、これは成功し得なかった。クローンをつくっても、生前の彼らと同じようには育たない。全く同じ環境はあり得ない。クローンであっても、その命には、その命固有の人生があると思う。何より、そこまでして、生を全うしたはずの人を蘇らせたいと望むことに、強い違和感を覚える。（そりゃあ、悲しいし辛いけど）どんなに出来が悪かろうが、わが子は可愛い。かけがえのない存在。どんな人に育つんだろう？と、あるがままを受け入れながら、ともに育っていくこと、暮らしていくことは、面白い。いや、もちろん、面白いことばかりじゃないけれど。それでも、私自身が、そのようにして育てられて来たことに、感謝こそすれ、恨んだりはしないよ。（ときどき、ちくちくと胸の奥を刺す、　小さな痛みはあるけれど）ようこそ、ちっちゃな命。これから一緒に暮らしていきましょう。この先に何が待っているのかは判らないけれど、私たちおとな、ひとり一人が育まれて来た道だもの、そんなに大きく違ったりはしないよ、多分。何より、自分自身が見本、お手本なのだと気づかねば。それでも、と、さらに上を目指す？鳶が鷹を生むことが望ましい？先端技術をどのように使いこなしていくのか。そこに倫理観も求められる。それを本当に必要としている人々の助けとなるように。娘が毎日注射していた成長ホルモンも、遺伝子操作によって生成されていたのだっけな。

  2010.10.26

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• エールの送り方。

  誰だって、どうしても休めない日がある。以前、風邪をテーマに取材に出向いた先で、「重要な会議などでどうしても休めないこともあります。　何か良い方法はありませんか？」と訊ねたことがある。ありがたいことに、「ありますよ」というレスポンスとともに、秘策を教えていただけた。ただし、これは医師の処方が必要だし、健康保険は使えない方法。「普通は、こんな処方はしないでしょうね」秘策を教えてくださったも、一般的な方法ではないことを十分ご承知だった。高熱で状態の悪い風邪ひき患者を会議に出向ける状態に一時的に立ち直らせる方法がこの世の中には存在するのだということが判っただけでも、いざというときには泣きついてお願いできるかもしれないという希望が持てる。残念ながら、この秘策を教えてくださった方はすでにこの世にはいらっしゃらない。医学の専門家の中には、たぶんああやってこうやればと頭の中で処方を思い浮かべる方もいらっしゃるだろう。いつか妹にも尋ねてみたい。「出来る？」って。で、私の風邪。朝起きたときには微熱のみ。もちろん、鼻水、喉の痛み、たんと咳もある。ごほっ、ごほっと重い咳がたまに出る。朝ご飯を流し込み、風邪薬とお守り代わりの鎮痛解熱剤を飲み、最悪の場合は、セミナーが始まったらすぐに帰ろうと思った。イベントは始まってしまえば、ちゃんと終わるのだ。そこまで持って行くまでの準備が肝要。自分が司会者だったり講師だったりすれば、本番が始まってからが勝負だけれど、裏方は、軌道に乗せるまでが勝負。幸い、この日は時間どおりにゲストが揃い、スタッフも充分揃っていた。第二部のワークショップの前のレクチャー中に気分が悪くなり、ワークが始まると同時に一時退席したけれど、しばらく控え室の机に突っ伏していたら、回復した。ワークの発表とまとめの頃には、なんとか会場に戻ることが出来た。受付時には生真面目な表情で来場して来た参加者も、ワークが終わる頃から、すでに表情は和らぎ、終了後も、全員名残惜しそうに名刺交換などして話し込んでいる様子を見てほっとした。よかったね。片付けの後は、今後の打ち合わせ。すべてを終えて家に着いたのは22時前。昼間届いていたメールのうち、どうしても今日中に返事が必要なものに返信していたら、そのメールに返信が来て、結局寝たのは24時過ぎ。熱も平熱に戻っていた。命がけで出かけるほどの用事なのか？と問う人はもちろんいるだろう。悪いけど、そんな意地悪な質問するよりも、のど飴とか、ドリンク剤を差し出してくれたほうがよっぽどありがたい。本人が、自分の意志で休まず出かけようとしているんだ。それが元で後に起こるであろう健康的な不具合についても自分で引き受ける覚悟でいるのだから、どうか、意地悪な質問で具合の悪さに追い打ちをかけないでください。明日は、必要最低限の外出のみで、家で過ごそう。

  2010.10.07

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• お見舞い。

  夫の義姉のお見舞い。4クールの抗がん剤治療を終えて、自宅療養中。実際にお会いしてみると、案外お元気そう。抗がん剤投与直後は、たいへん具合が悪かったらしいけれど、今はそうでもないみたい。友人から拝借して来た“例のアレ”をお渡しするととても喜んでくださった。“例のアレ”とはおしゃれ用のかつら。すでに義姉は医療用のカツラをオーダー、この日も着用していらしたが、本当に自然な感じで、全然それとは気づかない感じ。“例のアレ”で、いつもとは違う髪型を楽しんでいただけると良いのだけれど。「長女の結婚式までは大丈夫よ」にっこりと微笑まれる。当のご本人たちは、目下のところ式場探しで忙しいらしい。この日は留守だった。この先に慶事が予定されていることが、一番の薬かもしれないね。小一時間ほど話し込んで、おいとまする。玄関を出たところで、義兄が「写真を撮ろうよ」とカメラを持ち出す。写真を嫌がる我が家のご長女も、このときばかりは義姉の隣に並ぶ。今、この瞬間がいとおしい。車で家に向かう途中、妹から電話。なんというタイミングだ。思いのほかお元気そうだったよ、と伝える。月に数回、義姉の家の近くまで仕事で出かける夫は、その都度立ち寄るつもりらしい。「そう。頻繁に見舞ってあげるのよ」恐らく、妹はいつも患者さんやその家族に、こんな風にマメな連絡を入れたりしてるんだろうな。にこやかで調子が良さそうに見えても、家族というものは、本当に元気なときを知っているが故に、あれこれと気がかりを見つけてしまうもの。夫もご多分に漏れず、そんな感じ。来月は舅の一周忌。すぐにまた会えるね。ともかく、今を大切に過ごそう。

  2010.10.03

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• そうやって親子をやってきた。

  朝、電話の音で起こされる。起きたとたんに切れてしまう。留守電に何も吹き込まれていないし、間違い電話だったのかな？時計を見ると、まだ5時じゃん！ううう、まだ寝ていたい……。でも、すっかり目が覚めてしまった。もし母からだったら？と思ったけれど、違っていたら、叩き起こすことになっちゃうから、怖くて確認出来ない。結局母に電話をかけたのは夜になってから。もちろん、母からの電話じゃなかった。「でも、私だって、いつ何が起きるか分からないわよ」そう言って、脅かしてくれる母。もちろん、いつも頭の片隅では、そういう不安を感じているから、こうやって電話をかけて、元気な声を聴こうって思う訳で。尖閣諸島の日本の対応に、かなりご立腹の様子。「私たちぐらいの歳だったら、そりゃあ、　戦争を仕掛けて申し訳ない気持ちがあるから、　強く出られると、弱気になっちゃうけれど、　若い人たちが、どうして弱腰になるのよっ！」「政治というものは、筋を通さなきゃいけないのよ」ううう、誰かの代わりに叱られている気分だ。あまりにご立腹なので、こちらの意見を言うのがはばかられるくらいだ。彼の地とのやり取りを報道で見ているうちに、「すっかり元気がなくなっちゃった」とおっしゃるけれど、これだけ機関銃のように言葉を連発出来るんだから、本当は元気なのでは？「大きなこと（国家的一大事）で元気がなくなっても、　小さなこと（身の回りの出来事）で元気になれるのでは？」と言ってみる。「小さなこと？　そうね、みんな元気で暮らせているし」そんなの当たり前すぎてダメ？来月娘が誕生日を迎えることに気がついたのか、お祝いは何がよいのか？という話になる。話しながら、何だかシーソーみたいだなあと思う。今日のように母が天下国家のことで激怒することもあれば、逆に私が、自分自身が関わることで腹を立てていることがある。一緒になって怒りを増幅させることは滅多になく、必ず、冷静な方がなだめ役になっている。ぴょんっと怒りが立ち上がり、それを受ける方は地に足をつける。地についた足を怒りに任せて蹴り上げれば……。そうやって親子をやってきた。

  2010.09.28

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• ランチデート。

  仕事で上京して来た妹とランチデート。大好きな丸ビルのフレンチもいいけれど、新しいところを開拓するのもいいな。先達て夫と映画を観た帰りに食事をした丸の内ブリックスクエアに行ってみる。ともかく都会のオアシスみたいなお庭があるの。「まるでヨーロッパみたいね」と、妹も気に入ってくれたようだ。その一角にはバラの花で作ったツリーがあって、思わず妹がカメラを取り出す。東京産の野菜をふんだんに使ったフレンチがうたい文句のレストランを発見。どう？Mikuniの文字に、「わっ、超有名どころだ」ということで、何となく決まる。予約が必要なところでも、妹二人で出かけると、いつもすんなり入れる。今日もそうだった。メニューを見て、どれも美味しそうなので迷ったのだけれど、二人ともすっかり小食になっているので、一番量の少ないコースを選ぶ。見目麗しく、味もとびきりの料理が運ばれてくる。が、話題はかなり暗かった。専門家から見れば、あまりに期待がなさ過ぎる夫の姉の病状について、ずっと話していたから。抗がん剤治療もなんクール目かに入っていて、随分辛いようだ。「人によっては、まったく辛くないこともあるのよ」と妹は言うのだけれど、本当にそうなの？疑わしそうな顔を私がしていたからか、精神科医としてチーム医療に関わる妹は、がん闘病中の患者さんたちのメンタル面についてあれこれと説明を始める。何人も友達を失って来たから、何となく理解して来たことだけれど、改めて専門家から説明を受けると、やはりそうなのか、と納得する。彼我の違いが鮮明というか、誰よりも彼我の違いを強烈に意識するようになってしまうのが、がんを告知された方々の精神的葛藤の始まり。メンタルの専門家ではないから、その溝を飛び越える難しさに立ちすくんで来た。専門家として関わる妹とは立場の違いは明らか。あまりに具合が悪いときにお見舞いに行って、逆に疲れさせるのも気詰まりなんだけれど。「相手が来ないでと言っても、　押し掛けるくらいでちょうどいいのよ。　いつか会えると思って、会えずに終わるのは嫌でしょ？」患者の関係者としては、そのくらいの図々しさでちょうどいいってことなのか。そりゃあ、がんでなくても同じだわね。メインの魚料理に添えられていたキタアカリのピュレが美味しくて、食欲がないと言っていた妹があっという間に平らげる。夕べの夫の不機嫌さの大本には、実は義姉の病状への不安があったんだ。それがわかっていたから、よけいなことは言わず、じっと黙っていた。今朝はもう、ご機嫌はすっかり回復、元気に出かけて行ったけど。「なるべく近いうちに、押し掛けてでも　必ずお見舞いに行くのよ。　知ってたら、今日、私も行きたいくらいなんだから」出張続きの夫のこと、気遣いすぎてたかな。東京駅前から妹はタクシーで仕事先に向かった。朝は寒いくらいだったのに、陽射しが出てみれば暑い。でも、秋らしくさわやかな青空。夜、帰宅した夫に、妹からの伝言を告げる。「ぐずぐずしてたら、本当に二度と会えなくなる　って言うんだろ？」ほおら、誰よりも本人が一番よく分かってる。散歩中に、来週末にはお見舞いに行けることが判明。友人から拝借して来たサプライズを持って、家族揃ってお見舞いに行こう。

  2010.09.25

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• 許容範囲を広げる。

  若い友人が予定帝王切開で出産して1週間。羊水過多で、症状が悪化し緊急入院、そのまま出産を迎えた。自分も緊急入院して覚悟を決め、緊急帝王切開でわが子を生んだのだけれど、彼女の経過報告を読みながら、改めて母という存在の凄さを感じる。まさに命がけの出産だったものだから。胎内にいたときから異常が発見され、最悪の事態まで覚悟しての出産。ご家族のしっかりした支えのもと、出産後も、はやばやとNICUに日参し、夫ともにカンガルーケアでわが子の存在を直に感じながら過ごしているようだ。小さくても産声を上げたことが、まずは最大の喜び。自発呼吸が出来たからこそのカンガルーケア。NICUでは容態が落ち着くや検査が始まる。それもわが子のときと同じ。そして、さまざまな情報がもたらされる。「歩けなかったら、私が抱いてあげる」と4歳のおねえちゃまが宣言したけれど、どうやらおねえちゃまの心配は無用だったらしい。今はまず、母体の回復と、ご本人の状態把握が優先されるけど。そうした最中に、全く偶然に、「感覚統合」という複合的なアプローチによる療育を実践していらっしゃる方の講義を聴いた。わが子がお世話になった未熟児フォローアップの会でも、運動機能や感覚機能にその子どもの成長時期にあった刺激を与える遊びを通じ、マイペースに陥りがちな未熟児さんたちの成長を促してくださっていた。お世話役として参加し続けたおかげで、そこに一人、健常なお子さんが入っただけで、違いを感じられるくらいには、目が養われている。あとは、学生時代に脳梗塞で倒れた父のリハビリにつきあいながら、主治医や物療の先生たちとあれこれ話し合ったことから、人の身体が思いどおりに動かせることの素晴らしさを知り、ホームヘルパー2級講習時に痛感した、父の生活自立度の高さが、どういうプロセスから来ていたのかということに対する洞察を続けていたことも、感覚統合という概念の理解を助けてくれるかな。専門家から見れば素人に過ぎないのに、ちょっと生意気なこと書いちゃった……。講義を聴きながら、手元の資料に目を通せば、この方が若い友人の第二子に想定されている状態への療育を実際に手がけていらっしゃることが判明。なるほど。連続講義なので、後半終了後にじっくりとお話を聞かせていただくこととし、この日の講義をじっくりと反芻しながら、会場で購入した本を読みつつ、帰路につく。はっきりと診断名のつくしょうがいであれば、友人のお子様のように、確かにプロフェッショナルとつながることができる。この日の講義は、診断名のつかないいわゆるグレーゾーンのお子様方について、彼らがどのようなことで困っているのか、また、どのようなアプローチで対応することがよいのか、日常的に接する保育関係者に向けたもの。何故にこのような子どもが増えて来たのか？という話は、ずいぶん前からなされているけれど、現場では、原因探しをしている場合ではないのだ。いつも思うことだけれど、ホワイトゾーンにいると思い込んでいる自分自身だって、どうなのかなあ？と振り返ったりして。いや、傾向として、あれかな？これかな？ってタイプ別うらないでもやっているみたいに、ね。他人に対してやらないことを、自分に対しては結構やるんだ。でも、そうやって自分理解を深めて行こうとすると、ちょっとした違いのようなものは、どんどん許容範囲になって行くもんだ。しかし、これから親になる人、幼い子どもと暮らす人々にも、多少なりともこういう知識は必要な世の中になったと言えるんだろうなあ。公園やひろばで、面白おかしく過ごすためにも。ほら、重篤な症状がどうした、という気持ちになれそうでしょ？無理？

  2010.09.21

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• 表現するからだ。

  人は何故、踊るのだろう。内面から溢れ出る言葉にならない思いをからだ全体で表現する。言葉よりも能弁。全米1の踊り手を生き残り合戦で選んで行く「So you think you can dance」。邦題は全米1の歌い手を選んで行く「American idol」と関連づけたいのか、「アメリカン・ダンス・アイドル」なのだけれど、番組を見続けて行くと、絶対に「So you think you can dance」のほうがしっくり来るように感じるんだよね。気鋭の振付師によるオリジナルの振り付けで、毎回いくつものジャンルの新作を見られるというだけで幸せ。特に今年度は非常にレベルが高くて、釘付け。でね、「乳がん患者となった女性と彼女を支えようとするボーイフレンド」というテーマのダンスが演じられて、その美しさ、精神性の高さに、感嘆してしまったんだ。支える側、支えられる側、同じような境遇にある人々は世界中にいるから、共感を得られやすいけれど、取り上げるには、かなり勇気というか覚悟が必要なテーマだね。見ているうちに、さまざまなことを思った。この先、支えられる側になることがあっても、あんな風に身を投げ出せないかもしれない、私は。でも、相手が夫だったら、娘だったら、母や妹だったら……？あんな風に支えられるようでありたい、と思った。現実には、支えて欲しいと身を投げ出されて狼狽した過去や、支えてくれとは望まれはしなかったけれど、思いがけず支える立場になってこちらの力不足で思わず足がすくんだ、さらなる過去、ま、そんな情けなーい過去しかないのだけれどさ。また見たいな、あのダンス。見るたびに泣いてしまうだろうけれど。

  2010.08.21

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• 完璧なもの、完璧なことなんて、ない。

  問題なく生きていれば、特に気にかけることなく暮らしていけるけれど、ひとたび問題の当事者、関係者となれば、否応無しに巻き込まれていくことって実にたくさんあるなあ。別に知らなくても生きていけるけれど、場合によっては知らなくてはならないこと。それも、深く理解しておかないと困難を来すことに、ぶち当たるのも人生。完璧な人生なんてものが本当にあるのかどうか。まして、完璧な人間なんて、実在するんだろうか？人のDNAの組み合わせは多様であって、染色体の並び順こそ決まっているものの、そこに異常が見られても、人体にどのような障害が及ぶのかについては、まだまだ未知の部分が多いというようなことは、確か福岡伸一さんの「できそこないの男たち」（光文社新書）に書いてあったように記憶する。それでなくても、受精卵が問題なく細胞分裂を繰り返し、器官形成がなされていくことが、どれほど奇跡的なことなのか、実は知らないよりも、知っていたほうが気を楽にして生きていけると思うことがある。いきなりややこしいことを書いたのは、出産をひかえた若い友人のお腹の中のお子様のことがあるから。例によって、いろいろ調べてみると、同じケースにぶち当たった親御さんたちの書き込みが連なるある掲示板に行き当たった。よく知られている異常もあるけれど、詳しく見てみれば、大きなカテゴリーのようなもので、ひとり一人微妙に違うようだ。さらに詳しく調べてみれば、DNAの組み合わせが無限に近いのと同じく、わが子に起きている異常と同じ異常を発現したよそのお子様に出会うことは、まず稀らしい。そうね、未熟児と一口に言っても、それぞれに及ぶ影響はさまざまだものね。それと同じなんだよね。ウイルスのように単純な構造の生物なら、遺伝子転写も間違うことなく簡単に完了？いや、それでも突然変異は起こる。ましてヒトのように複雑な構造であれば、どこかに変異が起きていても、おかしくないのかも。と思っちゃダメ？案外、誰もがどこかに変異や異常を持っていて、それが重篤な意味を持っていないというだけなのかもしれない。そう考えると、命というものは、ハンドルの遊びに当たる部分に大きく幅をもたせているんだなあ。問題は、命に関わる重大な部分に変異や異常が起こること。多くの人々に、そういう事態は起こらないけれど、稀に起こることがあるってことは、多分知らないよりも知っておいたほうがよいんだ。もし自分の大切な人に、そんな事態が訪れたとき、さて、どう対処するんだろう？ここにも正解はない。すべてを受け入れる覚悟は出来ても、完璧な答えはないんだ。病床にある父を思いながら暮らしていたとき、どんな状態であろうが、ともかく生き続けていて欲しいと願っていた。それは家族としての私の気持ちで、父の意思とは別だ。ただし、そうやってお互いを思いやることで、私たちは確かに家族だった。これから生まれ出ようとしている命だって、その存在が確認されたときからすでに家族なんだよね。

  2010.08.19

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• 平和。

  正午の時報に合わせて黙祷。今日がどういう日なのかということは、忘れたくないから。少しだけ厳粛な気持ちになる。夏休み最終日の我が家のイベントは一家でカラオケ、夫のギター演奏つき。どういうわけだか、ある晩の話の流れで、次にカラオケに行くときには、夫にはギター持参でソロなどを弾いてもらおうということになっていた。フリータイムを利用して、時間を気にせず好き勝手に歌を選ぶ。フリータイムは19時までらしいけれど、夕飯以降のこちらの予定もあるので、18時で終了したものの、パエリアの準備に手間取り、散歩に出かけられたのは20時過ぎ。ご近所の古刹の境内から、花火を鑑賞しようと思っていたのに、間に合わなかった……。第一回目は、娘を妊娠中で直に見に出かけたという地元の新しい名物でもある花火大会。お盆の最終日にはほとんど東京にいることはないので、その後は、見るチャンスが無く、昨年ようやくご近所から見ることが出来たのだった。確かこの花火大会は、平和を祈念して始まったと記憶している。同じ頃、地雷撤去活動を行うNPO支援のために、同じ日程でチャリティーコンサートも始まった。このコンサートは地元議会の議員のみなさまの主催。カンボジアの人たちへの技術の受け渡しが終了し、そのNPOが発展的に解消した後は、学校を作る活動を行うNPO支援へと、その目的が変わった。誰もが、65年前のことに思いを馳せる日。家族でカラオケに出かけるなんて、なんてのんきで平和なんだろう。

  2010.08.15

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• ラストのカタルシス─「インセプション」。

  ようやく夫も夏休みに突入。早速、観たかった映画「インセプション」を観に行く。娘も一緒なので、飲み物とポップコーン付きはお約束。（こども劇場の会員だった頃は、　自前で出かける映画鑑賞でさえ飲食は厳禁だったけれど、　解禁になって久しい……苦笑）どうしても真ん中近くの席に座りたかったので前から6列目にしてみたのだけれど、スクリーンがあまりに大きくて、直前になって少し不安。最新式の音響設備だから、重低音では振動さえ感じられる。これもまた、不安。見終わって、不安的中、娘が車酔い状態になってしまった……。そんな嫌なおまけもついて来たけれど、映画そのものは、とても面白かった！人の夢に入り込んで、潜在意識にあるアイデアを盗んでしまうという設定の奇想天外さだけでなく、映像的にも、ストーリーや心理描写などについても、大変上手く出来た映画だと思った。ディカプリオ、渡辺謙の演技もさることながら、エレン・ペイジがすっかり大人になっていて。ラストの見事な収拾の付け方！あまりにあっさりとしていて、面食らうけれど、逆に、ラストは主人公の視点で終わったんだなと合点が行く。主人公が背負って来た重荷に関して、それだけ一貫して丁寧に描かれて来たことの証なんだろう。プログラムで「カタルシス」というコメントを紹介していたけれど、確かにその通りだったなあ。夫がラストシーンで、思わず「ふっ」と息を漏らしたのも、それだけ入り込んでいたから？気分が悪くなってしまったとは言え、娘だって満足していたみたい。ポップコーン片手に観ていても、終了時刻はちょうど夕飯時で、レストランを探しながら歩くうちに3人全員がおなかぺこぺこ。限界寸前で飛び込んだ中華料理店が大当たりで、お味もさることながら、量もほどほど、サービスもかなりのもので、すっかり満足して帰った。横浜中華街に行くつもりにしていたけれど、しばらく行かなくてもいいや。今日のことで、どうやら3Dは娘に不向きらしいと予測がついたので、いよいよ完結となるハリーポッターは観に行かない予定。「次は特攻野郎Aチーム見ようね！」珍しく娘のほうからリクエストが寄せられる。先日友人と映画を観に行ったときから、予告を見て、凄く観たくなったらしい。いいよ、いいよ、観に行きましょう。そうか、アニメの次は、アクション映画なのか。夫と同じ路線を歩むのかな？ま、いいけど。＜おまけ＞終戦記念日を前に、ＢＳでは懐かしい戦争映画をやるみたい。懐かしい、と言っても、映画マニアの父に連れられて観た映画。ただ、太平洋戦争当時の人々の気持ちに感情移入しようと思うなら、1960年代の戦争映画は外せないと思うな。もっとも、60年代当時に観たから、そう思うだけかもしれない。あの時代と現在とでは、随分違ってしまっているからね。昨日はNHKの「玉砕」を観て、自分自身が太平洋戦争マニアなんじゃないかとさえ思ったよ。戦記物ばかり読んでる小学生、という時期があったからね。大本営の言葉の使い方には、怒りさえ覚える。子どもごころにも、情けなさと悲しさは十分に感じてた。自分の今の価値観や感じ方は、そうしたことなどからも確実に培われて来ている。私の潜在意識の底の底には、どんな世界が構築されているんだろうか？

  2010.08.13

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• 風。

  台風4号が発生してから、夫がずっと「もう夏も終わりだ」と言い続けている。この日には洗濯をすると、勝手に決めているので雨が降ろうが洗濯機を回す。降りそうで降らない今日のような日も、当然洗濯。ところが、台風の影響か、次第に風が強まってくる。流石に風があまりに強い日は、気弱になる。強風が吹き荒れた翌日は、庭のしだれ桜の、それもてっぺん近くによそさまの洗濯物がひっかかっていることがたまにあって、どうしたものか？と思うのだけれど、持ち主自身も諦めるのか、「取らせてください」とは言って来ない。何かの拍子に落ちて来たとき、結局捨てさせていただくことになる。あるときは、一度引っかかった洗濯物がその後も続く風に煽られ、別の枝に移動しながらひと月近くも引っかかったままだった。なかなか“強運”の持ち主だな、と思う。それにしても、お盆直前に台風がやって来るとは！進路を見ながら、今年もお墓に眠るみなさまは酷暑を押して来ることはないよ、とおっしゃっているかのよう。昨年は水害で阻まれた。今年は酷暑、もあったけれど、仮に行くことになっていたとしても、移動の日に台風では、多分ドタキャンになっていただろうね。夜、娘も加わり、一家総出で散歩に出かける。ここ2、3日は、風が何ともいい感じで吹いていて、気持ちよい。同じ風でも、こういう風は有り難い。それにしても、夏休みに突入してから、ずっと気温が低めだ。もっとも、それ以前が高すぎたような気がするけど。

  2010.08.12

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• 夏休みに備えて準備開始？

  欲しいものは自分で作ろう、自分で出来るんだったら、なるべく自分でやっちゃおう。一応、娘との暮らしの中で生まれた我が家の「家訓」。出張がなく、珍しく家で週末を過ごす夫。午前中の仕事を終えて、近所の大型電気店に立ち寄り、温水シャワー付き便座を購入して来た。現在のところに転居してすぐに購入したものが、15年経ってさすがに老朽化。インターネットで下調べしたのちに、一旦大型電気店に出向いて直に店員さんから話を聞き、検討に検討を重ねて、夫が選んだ。価格も大事な要素ではあったけれど、何より「誰でも取り替えられる」というところが決め手。工事費もバカにならないからねえ。帰宅するや否や、頭にタオルを巻いて、早速取り替え作業に取りかかる。その間に、私は昼食の支度。朝飯前ならぬ、昼飯前のひと仕事。案外簡単だったらしいわよ。電話機が差し込み式になって、簡単に取り替えられるようになったとき、電話会社（当時は電電公社）の人が「勝手に取り替えちゃダメですよ、　法律違反になっちゃいますから」と苦笑いしてたよね。今じゃ、ファクシミリつき電話機を電器屋さんで購入、一般庶民が勝手に電話機を交換している時代。便座ぐらい代えられるのは当たり前？自動でトイレのふたが開閉出来るようになったり、水洗出来るようになるのは、一般庶民には無理みたいだけれどね。帰宅した娘がトイレに入ってひと言。「便座だけが新しいっていうのは、　なんだかひどくミスマッチ」その後、ねじり鉢巻のまんまで夫は事務処理作業を行い、（後ろから見たら、受験勉強に励むお父さんってな風情で　それこそミスマッチ）こころおきなく庭の草取りに取りかかった。DIY再びの我が家。「こころおきなく」夏休みを遊び尽くすために、こつこつと家事に勤しむ週末の始まりだった。どれだけ家事を溜め込んでるんだ？＞我が家。

  2010.07.31

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• 東京はTonjing？

  なかなか中国土産が我が家に届かなかったけれど、昨日、妹に会って、ようやく受け取った。北京と南京、2カ所からのおみやげ。まずは北京でのおみやげは、北京動物園オリジナルのパンダのパペット。一見ぬいぐるみなんだけれど、よく見たら、パペットだった。しかも、動物園の紙袋つき、ただし底が抜けている。目玉は中国産木魚石をくりぬいて作られた湯のみ。夫婦用にと、赤い花模様と緑の笹模様が入っている。なんでもがん予防などなど、健康と病気予防に効くらしい。「英語と中国語で書かれた効能書きが入ってるからね」そう妹に言われていたのだけれど、家に帰って開けてみたら、中国語の効能書きしか入っていない。英語だったら何とかなるけれど、中国語はよく分からないよお。ともかく、これでお茶を飲め、ということなのだろうか？石だけあって、かなり重い……。で、母の大好物でもある本場の天津甘栗。北京で食べたんなら、北京甘栗じゃないのか？なんて理屈をこねてみたけれど、袋には天津甘栗と明記されているので、彼の地でも甘栗と言えば、天津ということらしい。パッケージには「むき栗」と日本語の印字が。（もしかすると、甘栗の製法を指しているのかな？）南京のおみやげ・その1は、明の歴代皇帝の似顔絵が並んだ扇。ほら、南京は明時代の都だったから。日本サイズよりもかなり大きく、何だか頑丈そう。「これ持ってると、思わず友達の頭を叩いてしまいそう」と娘が物騒なことを言い出したので、門外不出の品？とする。で、ラストは、「こんなに不味いもの、食べたことない」と妹が笑いながら渡してくれたお菓子。「不味かったけど、箱のデザインがなんとなくいいでしょ？」と言われてパッケージを見ると、いわゆる美人画が描かれていた。「2010.07.01」と日付がスタンプされていたので、思わず妹に尋ねる。「この日付って、製造年月日？　それとも消費期限？」一瞬の間が空いて、「多分製造年月日だと思う」と妹。いくらなんでも、消費期限が過ぎたものは売らないよね。作った日付の欄が空欄でスタンプとなっており、どうやら食べ物として食べられる期間を意味していると思われる欄に「6カ月」と印刷されている。（天津甘栗のほうは12カ月だった）中国人留学生から中国語も習っている妹は、「むこうで、すごく大事なことに気がついたの。　自分の名前の中国語読みが判るくせに、　トイレを意味する中国語を知らなかったのよ」と、あわててそばにいる中国人に教えてもらったらしい。文字としては「厠」を用いるようだ。女性トイレは「女厠」、男性トイレは「男厠」と表記される。中国語の発音は、なかなか難解。アクセントや抑揚の付け方も独特だ。アルファベットで表記されて初めて、ああなるほど、そう発音するのか、と判る。「北京がBeijing、南京がNanjingでしょ？　東京はTonjingだと気がついて、おかしくて」一人で勝手に受けている。受けるのはいいけど、西京は？「それがShajingとは発音しないのよね」ふーん。新幹線の当日券売り場で別れるまで、妹は「Tonjing」と言いながら笑っていた。で、例のお菓子だけれど、材料の表記を見ると、羊羹かういろうのようなものだと思われるのだけれど、不味いと力説されると恐ろしくて食べられない。しばらく中国美人の絵でも眺めていようか。

  2010.07.24

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• おとうさんの休日。

  世の中的には三連休だけれど、昨日、恐ろしいほどの東北自動車道の渋滞を常磐道に抜けることでようやく帰宅した夫がいるので、我が家的には、今日一日だけが休日。こんなことをもう20年以上やっているのが我が家。例のトマト泥棒対策？として、夫が早速3つめを収穫。ほんと、まんまるな小振りのトマトで、食べるのがもったいないくらいの可愛さ。まだあと4つほど成っている。無事に収穫できるだろうか？しかし、見事に晴れて、夏ーっ！！！！だね。発売直後に購入したのに、娘がずっと抱え込んでいておとといようやく私の手元にやってきた「LIFE 2」（ほぼ日刊イトイ新聞）を夫の机の上に置いておいたら、何だか夫の創作意欲をかき立てたらしい。「よし、今日は酢豚を作ろう！」おお、「夏休み、おとうさんお疲れさまの酢豚。」ですね。この本、それぞれにその料理を作る状況設定がなされていて、それがまた、面白いの。サブタイトルが「なんでもない日、おめでとう！のごはん」。「青春の卵焼き」なんてのもあるのよ。わおっ。「まだ夏休みじゃないよ」の娘の突っ込みに、「いいや、おとうさんお疲れさまの気分なんだよ」と私。「そうそう」と頷く夫。日が傾きかけた頃、まずは夕食用食材の買い物。まだまだ道路は熱そう。お米をといで炊飯器をセット。ワンコがそろそろ落ち着かない。でも、まだ後もう少しの我慢。お寺の鐘が鳴る頃、ようやく家を出る。どこんちも同じタイミングで家を出たらしく、次々におなじみの犬連れのみなさまと出会う。今日はトイプードルの遭遇率高し。家に戻る頃、あたりにさわやかな風が吹き始める。心地よいのはこれからだ。やっぱり夏は夜の散歩がいいよね。今日は夕飯づくりに力が入っているので、早めに散歩を済ませちゃったけど。レシピ通りにきちっと作れば、極上の料理が出来る。そのはずだったのだけれど、味は良いのに、ちょっと薄味？実は腕に覚えのある夫は、ついつい自分流も入れ込んじゃったみたいだ。「どうやら水80ccのところを　目分量でいれたのがまずかったみたいだ」自己分析。「最後の煮詰めるところが甘かったとか？」「煮詰めすぎると、逆に野菜から水が出ちゃうよ」まあ、外野もそれぞれに腕に覚えはあるので……。でも、美味しいことは確かなので、大皿に山盛りだった酢豚は、あっという間になくなった。いよいよ盛夏。その手前の“おとうさんの休日”は、またしても料理づくりに費やされたって格好だ。明日は、我が家産のトマトを食べよう。

  2010.07.19

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• 旅がさらなる旅へと人を誘う。

  「無事に成田に着きました」妹から電話がかかってくる。実はすでにJALのサイトで確認して知っていた。そこのところは、便利な時代になったよね。「おみやげあるんだけど、　東京駅までとりに来ない？」いやあ、いきなりそこまでは、ちょっと。第一、旅立つ前に、無事に帰って来てくれればそれでいいって言ったじゃない。それよりも、伊丹行きの便、予定されてるものより早い時間のがあるから、交渉してみたら？「そうね、わかったわ」なんといっても、妹の強みは万国共通で交渉ごとに強いことだから、こういうときにこそ、その能力を発揮していただきましょう。が、夜、母から電話があり、結局早い便は満席だったと知る。いくら強力なネゴシエーターでも、無い袖は無理だったか。万里の長城に吹く風がさわやかで、頂上まで出向いた一行が戻るまで、ずっと吹かれていたとか、北京在住の妹の友人の紹介で足つぼマッサージの達人を二晩続けてホテルの部屋に招き、おかげで、さほど疲れずに乗り切れた、などなど、話は尽きない。ツアーの一行の中に、京都で住んでいたところのごくごくご近所にしかもほぼ同じような時期にお住まいだったという方がいらして、妹が大興奮だったらしい。「あの人、なんでもべらべらしゃべるから」しゃべっても構わないことばっかりでしょ？普段はさほどじゃないけれど、旅先ではほんとよくしゃべるよね。日頃のしがらみから開放されるからかな？で、妹、数日後には南京に行くのですって。今度は仕事で呼ばれたみたい。フランスに留学してから、人生を楽しむことを覚えた妹。普段から、ちょこちょこと温泉に出かけたりして、“転地”による気分転換を楽しんでいるみたいだよ。先達てのシンガポールから戻って来たばかりで送って来たメールには「裏磐梯によい宿があるから一緒に行かない？」というお誘いまで書かれていた。別に、妹のようにアクティブじゃなきゃ、余暇を楽しめないという訳じゃないけど、その身軽さがうらやましいかもしれない。出かける前は「もうこれで最後かもしれないから、行って来るわ」と言っていた母も、「また行きたい？」と訊ねたら、「うん、またどこかに行きたいわ」ですって。そうね、ハワイの後も次は北海道だ！って言ってたっけね。旅はさらなる旅へと人を誘う。旅心がすっかり刺激されちゃったのか。母がアクティブになるのは、いいことかもしれない。

  2010.07.04

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• 今、無事であること。

  明日からの北京行きを前にして、昨日までシンガポールに行っていた妹。「無事に帰ってきました」とメールが届く。相変わらずのハードスケジュールに、少々ご機嫌斜めな母。北京から帰国後に、さらにどこかへ行くらしい。「からだは大丈夫なのかしら？」アメリカ大陸やヨーロッパと比べれば、アジア界隈なら時差もたいしたものではない。だから、大丈夫なのでは？と対応していたら、シンガポールと日本の時差は、1時間だった。北京との時差はどうだろう？と思ったら、やはり1時間。成田から3時間のフライト。沖縄よりも近いんだ……。「おみやげのリクエストはありますか？」とご丁寧に訊ねてくれたけれど、娘が中国に対して大変失礼なことを言ってよこしたので「おみやげのリクエストはありません。　無事にお帰りになることが何よりです」と返事を送った。夜、夫がぽつりと、義姉のことを口にする。いよいよ今週末から治療が始まる。あれっ？と思ったので確認したら、やはり再発ではなく転移とのこと。いきなり具合が悪くなる訳じゃないけれど、抗がん剤の副作用がどうなるのかは未知数。先天性の病気を持って生まれ、余命数カ月と言われたわが子と共に自宅に戻ったカップルが、こんなことを言っていた。「余命数カ月と言われて、ずっと緊張していたのですが、　具合が悪くなることを期待しているような感じがして、　これじゃあいけないと、考えを改めたんです。　そうしたら、急にこの子との暮らしが楽に、　楽しくなりました」このお子様は、1歳を過ぎた今もその子なりに元気に暮らしている。というような話を夫にする。治療に専念するために、義姉は、明日で今の仕事を一旦辞めるらしい。友人にお願いして、ちょっとしたサプライズを用意した。そういえば、母にも妹にも、義姉の病気のことは伝えていない。無事に帰国してからでいいよね。

  2010.06.29

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• やっぱり読んでから観たほうが、いいのかも。

  中学時代の友人と映画を観るからと娘が平日とほぼ同じ時間に出かけていく。シネコンプレックスに行って、その日の遅めの時間のチケットをゲット、あとはカラオケで時間をつぶすというスケジュール。これを訊いたときに、「随分慣れてるみたいだね」と思わず言ってしまった。「そうだね」娘も同じことを思ったみたいだよ。娘たちがお目当ての映画は、「ヘタリア」最新作。もう、世界史オタクにはたまらんだろうなあというマンガ。世界史オタクの子どもが、どうして社会科嫌いなの？とずっと悲しく思っていた娘の中学時代だったけど、高校に入って素晴らしい世界史の教師と、この「ヘタリア」に出会えたことで、娘が世界史に目覚めた……！まあ、詳しくはマンガを読んでいただくとして、主だった世界の国々を擬人化して繰り広げられるアホで情けないエピソードの数々。これはもう、笑っちゃうしかない。娘を送り出した後は、のんびりと洗濯にブランチの用意。「せっかくだから、僕たちも映画観に行こうか」と昨晩夫から言われた時点で、何を観るかは決めていた。スープを煮込みつつ、仕上がった洗濯物を干しながら、夫にチケットのインターネット予約をお願いする。昨夜のうちに全てリサーチ済みだから、恐らく、今日のデートは有楽町・日比谷・丸の内。散歩コースをオマケにつけたい六本木じゃなく、なぜにこのコースになるのかは、昨夜のリサーチに基づく予想。予想通りの結果となる。ブランチを終え、まずはワンコの散歩。天気予報もさることながら、なんとなく雲が重たい感じなのだよね。なにせ現在梅雨のまっただ中ですし。汗びっしょりになって帰宅、二人ともシャワーを浴びて外出の準備。地下鉄に乗る寸前に、夫のケータイに電話。ホームで電話中の夫を見ながら、いらいら。発車寸前で電話を終わらせて乗り込んでくる。で、乗換駅のひとつ手前で、突然こんなことを。「予約番号メモした手帳を持って来るのを忘れた！　どうしよう……」目的の映画館そばには、apple storeもあるし、ビッグカメラもあるから、そこでメールチェックすればいいじゃない。乗り換え、夫はずっとケータイからメールチェックを試みる。が、いつもはPCでアクセスしているものだから、docomoケータイからは、メールは見られないみたいだ。（やっぱりiPhone4？）で、目的駅で下車。さっさとビッグカメラを目指す。パソコンコーナーでiMacからアクセス。おおおおっと、さっき言ってたのと、番号の順番が違ってたじゃん。パソコンショップがあって良かったね（苦笑）。無事にチケットゲットして、映画館にGo！読んでから観るか、観てから読むか。相変わらずの命題。で、このたびは「読んでから観る」がイチオシらしかった。でも、相変わらず「観てから読む」なので、今日は、映画のタイトルだけお知らせしておく。「告白」。過去にインフルエンザ・ウイルスをゲットしたことのある丸の内界隈に出かけることを、昨年春からずっと避けてきたのだけれど、今日は解禁！映画を観た後の重い気分を、日本工業倶楽部の立て替え地までのウオークで軽減。パティオに癒されつつ、レストランを探す。久しぶりのチャイニーズ。彼の地産の黒酢と、いつもの醤油+酢+ラー油の2種類のタレでいただく北京風餃子は、なかなかだった。なんと言っても、旬の野菜をオイスターソースで炒めたものと、土鍋に炊いたおかゆの海鮮のコラボが、よかった。娘が帰宅したのは、FOXでアメリカン・ダンシング・アイドルの今シーズン予選を観ている最中。映画もそこそこ面白かったらしいかったけど、5時間半も二人カラオケで、随分歌い込んだみたいだよ。ＡＯ入試のエントリーシートをなんとか締めきりに間に合わせて、無事に郵送できたご褒美みたいな一日だったかな？夫の大学受験での面接の質問内容と、私のとが大きく隔たりがあったことが発覚。現役合格と浪人決定の衝撃的な違い。なるほどなあ。面接官の質問からして違っていたのか……。基本は変わってないのかもね。ＡＯ入試のすべてが終わってから教えてあげよう。やっぱり就活とＡＯ入試はとても似ている。お見合いと同じだ。どこまで、その大学、会社に入りたいという熱意を示せるか。さらには、一緒に仕事をしたいと面接官に思わせること。で、これって、幼稚園入試、小学校入試でも同じなんだよ。ふふふ。もしかしたら、“お受験”塾で稼げるかも？そんなことはすでに自覚しているけど、受かるための方策は授けられず、（というのは、初めから芽がないのに無理してもダメということ）「あなたのお子様が合格できる幼稚園や学校を判明できます」というだけなんだけれどね。そんな能力でお金を稼ぎたいとは思わない。多分、行使すれば稼げると思うけど。

  2010.06.27

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• これもシンクロニシティ。

  父の日に限って、夫は出張で家にいない。そんな調子だから、父の日はもちろん、母の日も盛り上がらない我が家。夕べ娘と食事に出かけたら、結構どこも混んでいて、「そっか、父の日だからね」と気がついたのだった。そんなことのあった翌朝は、どういうわけだか寝起きから、数年前にがんで亡くなった友人のことを思い出す。命日は、義母と数日違いの7月。命日が近いからかなあ？と不思議に思っていたら、どうやら違ったみたいだ。出張から戻った夫の帰宅後の第一声。「姉貴のがんが再発した。　肺と肝臓と血管の3カ所だって」一瞬返答に詰まる。一昨年、副腎がんを無事に摘出したばかり。すっかり元気になって、来年の姪の結婚式を楽しみにしていた矢先だったのに。そうか。もしかすると、今朝のことも千の風の仕業？がんと闘う妻のために仕事を辞め、最後まで看取った後に、ホームヘルパー2級講習を受講、介護と産後のホームヘルプを主事業とするNPOを立ち上げた、受講仲間だった友人。妻と同じがんに冒され、旅立って行った。どういう訳だか意気投合して、受講のあいまに随分いろいろなことを語り合った。ある意味“同期”と言っていい。受講中からリーダー的存在だったけれど、修了後も、散り散りになった同期に声をかけては講師を招いての勉強会を主宰していた。「僕、がんになっちゃったよ」突然告げられたときには、彼なりに妻の看取りでの学習成果を発揮、治療計画がしっかりと立てられていた。そこは元ジャーナリストの面目躍如。自ら立ち上げたNPOの仲間がターミナルケアを受け持ち、看取った。彼の最後の様子は、友人が詳細にメールで知らせてくれた。彼女もまた、同期でもあり、一緒にカナダへ子育て支援の現場視察に行った仲間でもある。今でも、語り合いたいこと、相談したいことは山のようにある。大切な大切な友人だった。それなのに、このところの忙しさで、彼のことを思い出すことなく過ごしていたなあ。急に彼のことを思い出したのは、何故なんだろう？義姉のがん再発がその理由なのかどうかは判らないけれど、これまでに生きてきて、結構そういうことが起こってきているので、このブログでも千の風なんてふうに表現して書いたりするのだ。海辺の家の主でもあった祖母が亡くなる1年前、急に体調を崩して入院した。後で知らされたのだけれど、がんの再発だった。大学の春休みで自由が利いたこともあり、看病の第一陣として海辺の町に赴いたとき、祖父の墓前に手を合わせ、こうお願いをした。「寂しいかもしれないけど、　まだお迎えに来ないでくださいね」願いは聞き届けられ、祖母は一旦退院した。が、同じ年の晩秋、再び体調を崩したときには手遅れで、年明けに亡くなってしまった。今、祈るとすれば、夫の両親？夫婦で眠る墓前に手を合わせに行くべきなのかしら？義母の命日も来月だけれど、寂しがっていらっしゃるのかしら。それは違うんじゃないか？という気もする。一番不安を感じているのは、義姉自身。そして身内の家族や夫たち兄弟。恐ろしいことは考えず、今を生きることを考えよう。

  2010.06.21

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• Ｗ杯開幕と、所信表明演説。

  そっか、今日からサッカーのＷ杯かあ。あれから8年も経ってしまったのか……。日本と韓国共催で開催されたとき、ずっと父の病室で観戦していたものだから、どうもＷ杯という言葉を耳にするたび当時のことを思い出してしまう。今朝は、出がけの慌ただしい最中にまたまた母から電話がかかってきた。無事に成田行きの航空券をゲット、往路はそれでめでたし、なのに、帰国後、成田で6時間も待ち時間があるとか。そんなことなら、帰りは新幹線か羽田に移動して飛行機に乗れば？と言いかけて、重たいトランクを引き引き、母ひとりで移動は、かなり厳しい状況であることに気づく。いったい何時に成田着なんだろう？妹は、どうするのかな？気がかりではあるけれど、そそくさと電話を終える。午前中の会議が長引いて、なんだかふらふらになりながら帰宅。車で自宅まで送ってもらえて幸運だった。で、テレビを付けたら菅さんによる所信表明演説の真っ最中。無駄遣いの根絶。成長戦略。力強くおっしゃる。この力強さだけでも、鳩山さんとはかなり印象が違う。むろん言葉の使い方も内容も、全く違う。違って当たり前ではある、かな。無駄遣いの根絶。成長戦略。この二つの言葉を耳に、ちょうど立ち上がったPCに向かいながら、なんだか矛盾しているように聞こえるなあ、と思う。無駄をなくそうとすると萎縮の方向に向きがち。成長という大きく広がろうとする動きとは、逆ベクトル。「子ども手当に加え、待機児童の解消や　幼保一体化による子育てサービスの充実」って、何だか逆戻り？いやいや、幼保一体化で地域子育て拠点にも幼保に進出してもらいましょう。学法や社福、株式会社だけでは担い切れないだろうから、そこはNPO、市民団体とコラボってことで、よろしくね。（と勝手に突っ込んでみる）「パーソナルサポーター」か。湯浅誠さん、再び内閣府に舞い戻ったんだっけ。強い経済、強い財政、強い社会福祉、ねえ。組閣に当たり、男女共同参画担当＆少子化担当大臣がたらい回しでなかなか決まらなかったとはいえ、この二つのお役目も、強い社会保障の実現には重要なんじゃないかなあ？いよいよ社会保障番号制になるのかな。第3次男女共同参画基本計画でも、「社会制度・慣行を世帯単位から個人単位へ」と書き改められるようだし。そうなれば、子ども手当のような世帯単位＝親への支給ではなく、子ども本人に支給するイギリスの児童信託基金のような制度も実現しやすくなる、かも。と、例によって、勝手に思いを巡らせる。帰りの車の中で、児童養護施設で暮らす子どもたちは子ども手当を直接受け取ることができないという話をしていたから、児童信託基金のことまで思ったりするのかもしれない。8年経って、何が変わった？と言えば、ゆとり教育の揺り戻しと郵政民営化。変わらないのは保育所待機児童問題。そうそう、郵政問題は、波瀾万丈で亀井さんが大臣を辞任したんだっけ。そうだ、待機児童問題の解消は9年前に、当時首相だった小泉さんが所信表明演説で明言したことだったね。郵政改革で自民党が衆議院総選挙で大勝利したのは、そのあとのことだ。政治家は、言葉を発しつつ、それを実現させるべく行動してなんぼ？でも、不安的中しないように気をつけてね。ばあばの海外旅行は8年ぶりということになるわね。と、ふと不安が胸をよぎるけれど、この不安だけは言葉にしないでおこう。8年前、父は言葉と行動を同時に失った状態で病院に担ぎ込まれたのだった。

  2010.06.11

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• 残席1。

  まだまだ修羅場の真っ最中。同時並行的に、週末のイベントや会議など、一体私は何をやっているんだ？という感じ。で、こういうときに決まって、のんびりとした電話をかけて来るのが母。今日もお昼過ぎに、朝洗濯機から出して畳んでおいた洗濯物をようやく干し終えたところで、電話のベルが鳴る。「羽田から成田まで、どのくらいかかるの？」えっ？　成田まで飛行機で行けばいいじゃん。羽田からだとリムジンで、渋滞するだろうから2時間くらいかかるんじゃないかなあ。「成田便が見つからないのよ」そんなはずは……と、仕方がないのでネットで検索。こういうのって、本来は旅行会社が手配してくれるはず。なぜ？と訊ねたら、ツアーの申込書を書きながら（！）、思いついたらしいんだ。いかにも母らしいなあ。成田便、あるじゃん。ANAもJALも、同じような時間に飛んでるよ。ただし、JALのほうは普通席が、なんと、残席1！ですって。北京便がJALだから、絶対JALがお得。航空会社に直接直談判しないと間に合わないよ！と言って、電話を切ってしまう。母が言うように、私が予約すればよかった？と、気を取り直して、作業の続き。ああ、でも、2時半には出かけないと行けない。ややこしい図表に取りかかると絶対会議に遅刻する。結局、年表の文字だけ並べて、罫線を引く作業は帰宅後に行うことにした。会議で、母の留守中に関西方面に出張する可能性が出てきた。家一軒空いてるから、宿として提供しちゃおうかな、と冗談を言ってみる。ホテルに泊まったほうが、よっぽど楽。おいしいお酒も飲めるってもんだ。母は無事に成田便の予約が取れたんだろうか？

  2010.06.10

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• 喜寿のお祝いに北京旅行らしい。

  朝、珍しく妹から電話がかかってくる。「今月末から、ママと北京に行って来ようと思うんだけど、　その間の緊急連絡先を　お姉ちゃんちにしてもいい？」おおお、ばあば、決心したんだね。先日の電話で、脚が痛いとか腰が痛いと言いつつも、「せっかくだから行って来ようかな、どうしよう」と迷っているようだったから、「行ってくれば」と何度も繰り返し勧めておいたのだ。というようなことを妹に告げ、緊急連絡先の件を承諾する。成田発、北京行きらしい。久しぶりにお見送りで成田まで行くのもいいかな。来週は母のバースデイ。喜寿のお祝いにちょうどいいかも。何だか、久しぶりに旅に出たくなった。

  2010.06.09

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