公園仲間の同窓会。
犬公園お友だち名簿のところにも書いたように、娘が0、1、2歳の頃に通っていた公園で出会ったお友だちとは、名簿を作って交流を深めていた。子どもの名前、両親の名前、住所、電話番号が一覧表に並んでいた。数が多けりゃいいってものでもないけれど、この名簿には20世帯以上のお友だち家族のプロフィールが記載されている。最後に名簿が更新された後も仲間は増えて行って、30組近い親子が、公園で挨拶を交わし、ときには誘いあって遠出をしたりしていた。3歳を目前にして、わが家が引っ越すことになったとき、「お友だちと別れるのが寂しい」ともらしたら、「親の考え方次第よ」と母に諭された。遠くへ引っ越すならまだしも、自転車で15分かければ、転居前と同じように過ごせるのだ。名簿があるから、いくらでも連絡がとれるし。臆せず、挨拶し声がけを続けること。そうすれば、向こうから声をかけてくださるようになる。これが、娘とともに地域にデビューした公園で学んだことだ。そうやって、転居後も、公園や住んでいるマンション内で、新しい出会いを広げていけた。そのまま同じ幼稚園に入園し、長く交流が続いた人もいる。子どもたちが小学2年生になった夏休み、思い切って名簿の仲間に声をかけて同窓会を行なった。待ち合わせ場所は懐かしい公園。集まることの出来た全員で写真を撮り、そのあとは仲間のひとりが提供してくださった会場で茶話会を開いた。4世帯を除き、ほとんどの世帯に新しい家族が誕生しており、「いやあ、何だか人口が増えてるよねえ」と、さらに小さな人たちとの出会いを喜びあった。子どもたちは全員、記憶の彼方にある公園時代のことを親から聞いており、名前を確認しあうと、直に仲良く遊び始めることが出来た。親同士も、懐かしさで一気に当時に戻る。「あれからどうでしたか?」という話はそこそこに、当時の思い出話に花が咲く。子どもたちの様子を見守りながら、「次は、親だけで集まることになりそうね」と誰ともなく言う。子どもたちは、これからますます自分の世界を広げて行く時期だ。個別に付き合いが続くことがあっても、こうやってみんな揃って集まるということはこの先難しくなる一方だろう。実際、この日集まるだけでもここにスケジュールを調整するなど、かなり大変だったのだ。遠くへ転居した親子はもちろんのこと、家業や子ども本人のスケジュールの都合で来れなかった親子も何組かいた。もし、次を行なうとしたら来年かな。今年は私立中学へ進学した何名かを除いて、みんな受験に向けて大忙しのはずだから。男の子は声変わりしているだろうし、背も随分伸びて見違えてしまうかもしれない。女の子も、きっとより大人びてまぶしいくらいに輝いているかもしれない。その成長ぶりを見てみたい。でも、まあ、お次は親同士のお楽しみにしておこうかな。来年ようやく一番下のお子さんが小学校に上がる人もいたっけ。夜会うのは難しいかもしれないね。名簿に記載されていなくて、連絡が取れなかったひと組は、何と現在娘と同じ学校に通っている。顔は少し大人びているけれど、当時の面影は健在だ。同じクラスになったことはないけれど、お互い幼馴染であることだけは承知している。同じ地域に住み続けること。関係性を保つこと。可能だったから出来たことだけれど、転居とともに転校経験を持つ私にとって、いつまでも幼馴染と交流を持てる夫や娘がうらやましく感じられるときがある。