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[歴史は繰り返される。] カテゴリの記事

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• ただ、静かに怒りがこみ上げて来るだけ。

  ツイッターで見つけたイベントに参加、終了後に夫と待ち合わせてナイト？トラッピング。汐留、銀座、有楽町、丸の内のイルミネーション・サーチ。静かな知的興奮状態を冷ますにはちょうどいい。お気に入りの中華料理店でおいしい料理をお腹いっぱい食べて幸せなひととき。再び徒歩で新橋駅方面へ。東電本店前には機動隊の装甲車と警備の警官が数名。まあ、致し方ないよねえ。酔っぱらった夫が、警備員に声をかけないよう牽制。第一ホテル前のJR高架に、通路を発見。「これ、ブラタモリで見たよ」と夫がいそいそと向かう。シャッター通り高架版ってところかな？新橋方面の左側は構造から見て新しい構造物で、右側は恐らく建築当時のまま。左側の柱に鉄板で補強が施してある。多分、阪神淡路大震災後に強度を測定して補強したんだろう。表通りは平らに見えたのに、高架下は一気に上り坂。ふーん、このあたりは低くなっていたのね。やっぱり物事は裏側からも見てみないと解らないことが多い。3.11で科学者たちは何をして来たのか。一般人は、科学に何を感じて来たのか。私は科学を信じているし、科学は敗北に至っていないと思う。何故なら、科学も人間が拓いて来たことだからだ。失敗もあれば、成功もある。忸怩たる思いを抱えながら、ひたすら研鑽を積み重ね、いつになったら結論が出せるのかわからない予想をひたすら実験によって解明しようとする。その真摯な姿勢には、頭が下がる。医学者という科学の分野に属する“人種”たちと暮らしをともにして育って来たから、彼らの思考の方向性や表現の仕方には身に染み付いている。そういう意味で、私は科学と科学者の理解者だ。即時性のない、いつになったら実効に至るのかわからないけれど、必要な研究というものがあるのだ。昼間参加したイベントでは「正確な測定、淡々とした公開、　それらに基づく議論」という常日頃から積み重ねて来たトレーニングを3.11以降も淡々と実行して来た、と重鎮が静かに語っていた。彼らは、曖昧さを許さない。ただし、それは正確さを追求しつづけ、持てる知識を総動員して、出来る限りのことを行い、公開するときにはより正確なデータとして公開するという、彼らにとっては至極当たり前のことなのだ。納得出来るまで、徹底的に追及する。緻密であるのは当たり前すぎる。科学者と暮らして来たから、自分があまりに適当で曖昧であることを常に突きつけられ、それがゆえに、未だに自信が持てないこともある。文系の研究は、理系から見れば曖昧だからね。だからと言って、徹底した緻密さを追求しようとすれば、私自身だけでなく、周囲の人々みんなを息苦しくさせる。そうしたことに、常に苦しんで来た、かもしれない、私は。イベントで、4名のパネリストのうちのお一人は災害時に役立つ情報収集および情報発信システムが構築できていたにもかかわらず、縦割りのシステム、法律に阻まれ、本領発揮させんがために、民間の力を借りざるを得なかったことに怒りを露にしていた。その怒りに共感する。さらに、もうお一人は地球環境の第一人者のお一人で、3.11にまつわる諸々、特に原発事故に関して、事前にまともな対応が出来なかったこと、直後に役立つ情報発信が出来なかったことについて「若い方々にお詫びをしなくてならない」と何度もおっしゃっていた。そして重鎮は、多くの人々の協力を得て、計測データを可視化し、公開することに努めて来たが、原子力の専門家が動こうとしなかったことを「餅は餅屋」と暗に批判していた。すでに、その都度ブログに書いて来たことと同じだ。非常時には現場に最大限の力を集中させられるようにすべきだし、現場からの発信が出来ないのは自明の理なのだから、外から現地の状況を把握するよう最大限の努力を行い、現地に必要なことを配慮して、最大限の支援を行うこと。急場に法的な壁が立ちはだかるようでは、ダメだ。そんなこと、直近でも1995年に痛感したはずでしょ。今、何が起きているのか。それを淡々と、正直に伝えることの大切さ。理解し難いことが起きているとしても、それならば尚一層のこと、解説を伴いながら、国民に周知し、理解を求める最大の努力をすべきだった。保身は禁物。敢えて厳しい批判にさらされることを躊躇してはいけない。情報公開と周知。これが、あのとき、最も危険な状態にあった人々を救っただろうに、ね。地震と津波に関しては、過去の知恵が活かせたはず。原発事故に関しても、だけれど、完璧なものなどないのだから、過去の事故から真摯に学び、最悪の事態を想定しながら、常に備えを徹底、発展させていくことができたはず。こうしたことをパネリストの科学者たちはその発言全体から伝えていた。改めて同調圧力の強い国民性を痛感する。そこから脱しようと勇気を振り絞って来たのが科学者だけだったというのは、お粗末すぎるだろう。勇気を振り絞った人々は、さらにさらにたくさんいらしたであろうことも想像に難くない。何が“シビリアンコントロール”だ。緩い一般人によるコントロールのことじゃないんだよ。第二次世界大戦でしでかした過ち、再び。どうして過去から学び、それを活かそうとしないんだ。こんなシステムを、何十年もかけて構築して来たの？科学者たちの怒りはもっともだと思う。それは、科学の分野に限らず、すべてのことに言える。もう、誰かのせいにしている場合じゃないよ。（検索ワードのあまりの適当さを今回は利用させていただきました。　甘い話は、当分耳にしたくありません。　わんこの散歩と子育てひろばでのベビーちゃんたちとの　ふれあいだけで充分です）

  2011.12.17

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• 人々の意識を変えることのあまりの困難さ。

  少し前の日記で、「原発でも作らないとやっていけなかった」というような話を書いた。『「フクシマ」論　原子力ムラはなぜ生まれたのか』（開沼博・著／青土社・刊）を読みながら、著者である開沼さんの思いは、「原発でも作らないとやっていけなかった」という言葉に込めた私の思いととても近いなあと思った。中学1年の夏休み自由研究がもとで、公害に関する書物を渉猟していた時期がある。1970年は、公害元年とも呼べるような年だった。大気・水質・土壌汚染の元となる汚水や排ガスを工場から絶え間なく排出し、環境が汚染されるばかりか周辺地域に住む人々の健康に甚大な被害を及ぼしていたことに対し、ようやく企業の責任を問うことが出来るようになり、改善策にも着手するようになった時期。水俣病、イタイイタイ病、四日市ぜんそく……。汚染源の企業による損害賠償と平行して、大気汚染が原因の喘息患者に対し公害によるものと認定、治療費を補助する制度が出来た。新聞紙上では連日、そんな公害関係の記事が掲載されていた。皮肉なことに、大阪万博が開かれ、日本が第二次世界大戦から完全に復興を遂げたことを世界に向けて高らかにアナウンスした年でもある。そう、その復興を支えて来たことのツケが、まさに公害による人々への健康被害、環境汚染だったのだ。しかし、そうしたことを企業や国、自治体側に認めさせることがいかに困難であったか。何十年にも渡る“闘争”があり、世界的な潮流もあって、ようやく救済への道が開かれた。国策として工業大国への道を進むこととなった日本。それは明治維新以降続く路線。敗戦後も、復興の主要施策はやはり殖産、鉱工業の推進。資源は乏しいが、技術を持つ日本は原材料を輸入して製品に加工し、それを輸出することで大きな利益を得る。社会科の教科書に必ず書いてあること。日本の教科書で教育を受けた人なら、誰でも知っている。しかし、その裏で、国策の元に推進された工業化が元で環境汚染は進み、周辺住民への健康被害は深刻化していったことは、1970年当時の教科書には、まだ記されていなかったと思う。国の繁栄のために企業が国によって支援される一方で、国民の健康被害に対しては、なかったことにしてしまう風土があった。漁業だけの貧しい地域に工場が出来る。それによって新たな雇用が生まれるが、海は汚染され、住民には深刻な健康被害が及ぶ。健康被害が及んだ人たちであるにも関わらず、原因不明の奇病として、差別されてしまう。工場で働く人々も含め、その町には工場関係者がたくさんいる。同じ地域に住む人々の間に決定的な利害関係が生まれる。（ここまで書いてみて、工場関係者で　健康被害を受けた人だっていたはずだと、思い至るけど）大企業や国＝中央が行うことに逆らえないという風潮があった。1960年代までは、そんな意識がまだまだ色濃く残っていた。そうね、江戸時代に小作が理不尽さを感じても身分制度によって正しく反論、改善に向けた意見表明や行動を起こすことが厳しく禁じられていたと同時に、そのような気持ちになることさえ、許されない無言の圧力があった頃とほとんど変わってなかったかも。民草は、いつも何かの犠牲になる運命だった？海外からの資源調達と、製品後の出荷に便利な地域からまずは工場が建設されていった。工場にはたくさんの人手が必要。周辺地域、あるいは農業だけ、漁業だけの貧しい地域から人材を調達していく。いつも周辺、辺縁地域は、人材を食料を中央に向けて供出してきた。そこのところは平城京の時代から変わらない。都市の華やかさ、物流の豊かさに比べて、ムラはいつも地味で貧しかった。（決してそのように断言出来ないことは充分承知）中央の豊かさのために、地方は常に物資や人材を供出して来た。お国のため、社会のために役立てる。それこそが大義。自分たちに出来ることで世の中のお役に立つ。次代につなげるべきは、若い人材、命。子どもは社会の宝。その一念で、親は、おとなたちは子どもを育む。わが子に、子どもに未来を託し、必要とあらば我が身を削ってでも、教育を施し、都市に送り出し、仕送りを続ける。すべては“お国のため”、ひとり一人が虐げられて来た歴史がある。原発でも作らないとやってられない地域にだって、我がふるさとに対する誇りがある。その誇りを持続させるために原発を受け入れる。なぜなら、原発で作られる電力が中央を潤し、より多くの人々の役に立つから。そこに、わがまちの存在意義をも、見出す。中央で暮らす、我が同胞もいる。わが子も中央で暮らしている。彼らに電力を送り、支えることが出来る。身を削って仕送りを続ける親と、どこか似ていないか？「フクシマ論」を読みながら、仕送り文化と言う言葉が思い浮かんだ。仕送りを続ける人々を誰が責められる？それは、ふるさとから遠く離れて暮らした経験のある人なら誰もが共感するところなんじゃないだろうか。しかし、仕送りが役に立つと信じて続けていても何故だか、裏切られる。親が子に施す仕送りであれば、もとより犠牲なんてふうには考えない。が、確信犯による誘導で仕送りさせられていたとすれば、どうだろうか。ツイッター上で、福島原発事故と水俣のことを重ね合わせる人が少なからずいることは、当然だろう。未だに解決出来ているとは言い難い水俣の現実。そのような体制を作って来たのは誰なのか。人心を巧みに利用して、公害をまき散らして来たのは誰なのか。原発に関しては、別な要素も大きく関与して来たとは言え、原発推進の構造としてはさほど大きく変わらないように思う。仕送り文化のような意識もまた、この国の精神的な構造を捉える視点ではある。開沼さんが「文化」を重要な要素として捉えていたのにはまさに、以上のようなことをも意識なさっていたからだろうと思う。精神構造としての「文化」。人々の意識を変えることのあまりの困難さ。

  2011.08.23

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• 子どもの受難は、未来の受難。

  子育てひろばを始めてみると、改めて今現在の親御さんたちの気持ちを直に知ることが出来て、そのあまりの変わりなさにむっとしてしまう。特に、子どもを預けることに対する罪悪感は相変わらずのようだ。地元に理由を問わない一時預かり制度が出来て9年にもなるというのに、自分が病気になった時の駆け込み場所というとらえ方で、美容院に行ったり、バーゲンセールに行く、はたまた勉強をするなど、自分自身がリフレッシュするための利用というのはまだまだ許せない感じだ。許せない、のか、許されないと思っているのか、そこのところはちょっとリサーチ不足ではあるが。一応利用できる権利＝登録はやっておく。しかし、お試しで利用してみるというのが出来ない。このお試し利用をしておかないと、緊急時の対応が出来ないというのが現実。昨日もＹさんにハードルの高さを指摘され、その理由を訊ねてみるとこんな答えが返って来た。「どういう方が預かってくださるか、気がかりなんです」なるほど。でも、預かる側も、どういう考え方の親御さんで、どのようなお子さんをお預かりすることになるのか、非常に気がかりなんですよ。一度直接会ったくらいで、わかり合えるとは思えない。暗にそう言われているように思い、そう言ってみた。つまりはお互いさま。Ｙさんは、はっとして、「確かに、そうですね」と。登録業務などで、コーディネートする人々は双方の人となりを勘案して、引き合わせる。そこのところも、案外預かってもらいたい人は気づかないようだ。元々知っている人に預かってもらえるなら、それが一番安心できる。それは、預かるほうも同じではあるな。預かって欲しい方と、預かる側との交流会を行っているのはそうした理由もある。それに加えて、かつては情報誌で顔写真入りの紹介記事も特集した。これも継続しておくべき記事だったかも。保育付き講座で、自分の学習のために子どもを預ける経験をしておくことも、もちろん役立つだろう。子どもとの暮らしを始めたばかりの人々が、少しでも気を楽にできるようにと、メニューだけはたくさん生まれて来たけれど、実際に使ってもらえるようになるまでには、まだ、何か足りない。例えば、「自分のためにお金を払って子どもを預けるのに　抵抗を感じたるのも事実です」「えっ？　子どもを預かってもらうのに、お金を払うの？」こういった声は、過去から現在に至るまで、何度も訊いている。であるならば、子ども手当の何％かは一時預かりなどの公的サービス利用にというような縛りをつけての支給にしてみると、どのようなことになるだろうか？もちろん使い道を問わない、しかし子どものためにという名目で支給される子ども手当ではあるが。震災復興支援費増大の事態で、子ども手当縮小の気運が高まっているけれど、震災で露呈したのは、子どもとその家族への支援策の薄さ。「子どものため」という名目があれば、誰も異を唱えず、多大な支援が押し寄せる一方で、何かときめ細かさに欠ける公的支援や義援金が実効的に使われていない現実がある。実効的な支援活動の多くが、ＮＰＯなどの自主的な活動であったりする。しかし、そのＮＰＯの活動資金は誰が持つんだ？ＮＰＯ独自に募金を集めながらの活動がほとんど。だったら、子ども手当を満額支給してそこから利用料を支払ってもらうようにすれば、提供する側も利用する側もwinwinかもしれないよ。というようなことを思う一方で、やはりこの国は油断ならないと思う。地元自治体が先頃発表した区政に関する住民意識調査で「次の施策のうち、一番必要だと思われる施策は何ですか？」というまとめの設問があった。その設問でトップだったのは「高齢者対策」。ただし、すべてに目を通してみるとわかるのは、高齢者対策はひとつの項目として出されているが、そのほかの施策は細かな項目に分けられていて、結果として分散されてしまうように誘導されていた。ちなみに、我が地元は首長も区議会の主流派も自民党＋公明党だ。ま、こんなことやってる自治体が多ければ、地方分権になっても、高齢者には金を出すが、子どもには出さないという流れになるのかもしれないけどね。目先のことばかり考えていて、先々のことに目を向けられなければ、数100年先、確かにこの国は滅びていてもおかしくない。

  2011.07.09

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• あれから100日。（一部修正）

  原発ジプシーという言葉、ずっとこころの片隅にあった。で、その言葉の元になった「原発ジプシー」（堀江邦夫・著／講談社文庫）をベースに3.11以降に内容を一部削除、さらに加筆されて刊行されたのが「原発労働記」（堀江邦夫・著／講談社文庫）。昨晩から読み始めた。堀江さんは、元々フリーライター。原発の＜素顔＞に身を以て触れたいと思い、1978年に、関西電力美浜原子力発電所で働き始める。その後、東京電力福島第一原子力発電所、さらに日本原電敦賀原子力発電所に移る。で、3.11の翌日に予定していた妹とのディズニーシーでのデートを本日敢行、ディズニーリゾートラインは東京ディズニーシー・リゾート駅で降り立つまでずっと読み続けていた。相も変わらず、ディズニーリゾートは、夢の国。ゲートをくぐるや否や、妹から電話。キャラバン・カルーセルに乗ろうと並んでいたら、安全装置が作動して、アトラクションは中止になってしまったとか。ディズニーシー・プラザの地球儀の前で落ち合う。子育てひろば土曜日バージョンを終えてからのディズニーリゾート到着故、早速、夕食を食べる。ランドは8年前に行ったけど、シーは10年ぶり。そう、オープン初年度に行ったきり。で、そのときには絶叫系アトラクションが苦手だった娘の手前、乗りたくても乗れなかった「Center of the Earth」に今回はぜひ、と妹と並ぶ。待ち時間は80分。事前に電話で妹にファストパスゲットを依頼しておけばよかった。でも、私たち、1970年万博以来、並ぶの平気な世代じゃない。地の利を生かして8回出かけて、ようやく全部のパビリオン制覇出来たのは、人気パビリオンが軒並み2時間待ちだったせいでしょ？なーんてことを言いながら、並ぶ。待つこと40分時点で、アナウンス。地震のため、アトラクションの操業を一時ストップとのこと。突然、場内の照明が異様に明るくなったと思ったら、さらに場内アナウンス。安全装置が作動したため、操業できなくなったので、大変申し訳ないけれど、みなさまには退出していただく……！お詫びに、優先乗車券をお渡しするとのこと。ねえ、妹よ。あなた、さっきも並んでいて安全装置作動したのよね？気を取り直して、妹が気に入ったと言うアラビアン・コーストに移動する。フランス留学時代に旅行したモロッコを彷彿させる佇まいで、ともかく好印象らしい。10年前も体験した「マジックランプシアター」へ。ほとんど待たずに入れた。ディズニーリゾートと言えば、もろもろ味付けを変えたポップコーンが楽しみのひとつ。このたび「ミルクティー」フレーバーのポップコーンが誕生、その甘い香りに妹はひどく心動かされたらしい。で、「ミルクティー」フレーバー探訪の道行き。ついでに、どうしても今日中に優先乗車券を使いたくてたまらない妹。絶叫系ではタワー・オブ・テラーに次ぐレイジングスピリッツをチョイス。最早、乗り物に乗り込み、無事に動き出すまでは絶対に安心できない心理状況。そんなことを切々を訴えながらも、あっという間に乗り込み、あっという間に終了。やれやれ。続けて乗り込みたい気分を抑えつつ、さらに先を行く。安全装置が作動しなくてよかった！すでにレストラン系のお店は終了。これじゃポップコーン屋台も終わっているのでは？不安に駆られつつも、さらに歩いて行くと、アーント・ベグズ・ビレッジ・ストアのそばに、それはあった。ディズニーテイストのテディーベア、ダッフィーをあしらったバスケットに「ミルクティー」フレーバーのポップコーンを詰めてもらう。食べてみると、娘が大好きなアールグレイ使用。早速おみやげ用にお裾分けしてもらう。新木場で妹と別れて、りんかい線に乗り換え。またしても「原発労働日記」を読み始める。実は、シーを歩きながら、ずっと、こんな夢の国とは遥かにかけ離れてしまっている原発で働く人々のことを考えていた。で、帰宅後に地震のことを調べてみたら、Center of the Earthを止めさせるきっかけになったと思われる地震の震度は1。その後に、福島および宮城で震度4の地震が。なんだかな。10年に一度しか行ってないシーで、またしてもCenter of the Earthに振られた。それは、とても個人的なことなので誰にも迷惑はかからないけど。「原発労働日記」を読みつつ、“ふくいち”の現場でツイートを続けている方々のことを思う。30年前と比べて、少しは、改善されてるかもしれない現場だけれど、現況を思えば、労働環境の改善がなんぼのもんじゃいっ！というくらいの過酷さのはず。そして今日、あのばかでかい地震と津波が襲って100日目。

  2011.06.18

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• むにゃむにゃラプソディー。

  地元自治体でも、放射線に関する講演会というか説明会のようなものが行われることになった。管内の工業系大学にある原子炉関係の研究所から教授と准教授をお迎えして、計3回、行われる。で、今日はその第1回目。友人が早速出かけたらしい。ツイート、リツイートで、実況を伝えて来た。「洗脳大会！」「（今の放射線量では）発がん率を心配する必要なし。　むしろ（いたずらに不安がる）ストレスのほうが、がんを発生させやすい、　がん予防には生活習慣病予防とがん検診受診をお勧めする、と言う。　子どものことなんて、少しも考えてない」こりゃあ、講演を依頼した側の問題だね。「この地域での状況から、今は問題ありません。　安心してください」とおっしゃっていただいて、聴衆の不安を払拭してください。てな感じで依頼したんだろう。あほか、君たちは＞地元自治体担当者。手の内さらすようだけれど、頭ごなしに安心ですと言われて、安心する人はいない。逆に、自分たちの不安を否定されたと感じて反発されるだけだ。福島で何が行われ、どういう反応が起こっているのか、ちょっと気にかけていれば、「安心してください。がんの心配はありません」という言葉が禁句であること、これまでの経緯で判るだろうに。そんなことでさえ、まるでリサーチできていない。私たちは、これまで放射線のこと何も教えられてこなかった。だから訳が判らなくて、疑心暗鬼にさえ陥っているんだ。この不安な気持ちを、きちんと受け止めてくれ。受け止めることもせずに、頭ごなしに「安心です」と言われて、安心なんて出来るもんですか。折しも、昨日の事務局打ち合わせでは、ついつい話が放射線被曝に流れてしまい、打ち合わせ時間の7割ほどが、そうした巷の出来事に関する情報交換のようになってしまった。Bq、Sv、α線、β線、γ線、ガイガーカウンター、ヨウ素はしってるけど、セシウム、ストロンチウム、え？　プルトニウム？、といきなり聞き慣れないもしくは恐ろしげな単語が原発事故、それも水素爆発という衝撃的な事故とともにシャワーのように降り注ぐ毎日になってしまったんだ。言葉の意味を理解するだけでも大変なんだ。おまけに、空間放射線量がどうした、土壌汚染がどうだ、と意味もよくわからない数字が飛び交う。そのうえ、母乳に放射性物質が検出、なんて。さんざん脅され、煽られて、の3カ月。政府の情報公開もいい加減だったみたいだし、電力会社も隠蔽しているようで、信用できない。でも、自分たちで放射線量とやらを測るのは難しそうだし、出来れば、地元自治体に計測してもらって、確かな状況を把握したい。で、計測された数値の意味するところも知りたい。「安心です」という言葉ではなく、今暮らしているところが、どのような状況で、この先、どうすれば安全を確保できるのかについてのより具体的なサジェスチョンを求めたい。信頼できる情報と、判断材料を提供してもらえてようやく安心が得られるというか、自分自身でも判断できるようになれる（に違いないと思う）。それなのに、この3カ月間と言うもの、地元自治体はもとより、国も都も、なにも情報をくれなかったしぃ。ま、地元の幼子の親御さんの気持ちは、こんな感じだろうね。で、昨日の打ち合わせで私が提案したのは、小児科医院の隣に、心療内科クリニックを、ってなこと。鼻血、下痢などで、わが子に放射線障害？と慌てて小児科医を受診する親御さんが増えているが、小児科医は、内心うんざりしている。この季節特有の患者さんもあり、それでなくても患者さんが殺到しているのに、放射線に対する諸々あって、さらに患者さんが増えている状況。後者の親御さんたちは、ともかく今の不安な状況を打開したくて悶々となさっている。「ともかく私の話を、ちゃんと聞いてくださいね」というところで、心療内科の出番。親身になってお話を訊き、不安に応えられる検査も行う。（妹みたいなリエゾン医が地域にいると、いいのに）でも、本日の地元での本当のニュースは、そうした不安を全く解消してくれない自治体主催の説明会開催ではなく、いきなり公立保育所、小学校、中学校、公園、プールでの空間放射線量計測開始だった。（ついでに、土壌も調べてもらえると、もっと静かになりますよ）計測して数字が出たところで、その数字が指し示す意味が判らなくては計測した意味がない。だから、説明会では、数字の意味を伝えてよね。区内100カ所以上で計測した数値がすべて公表されたあとに、どういう反応が起こるんだろう？申し訳ないけど、その反応如何で、わが地元での“ムーブメント”の正体が露呈すると思っている。

  2011.06.17

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• 世の中素敵なことばかりじゃないけどさ。

  たまには文句を言っておこう。このところ届けられる新聞一面の見出しにはうんざり。朝から、こんな呆れる言動に触れたくない。もっとほかにも伝えるべきことがたくさんあるだろうに。「犬が人間を咬んでもニュースにはならないが、　人間が犬を噛めばニュースになる」と俗に言われる。その意味するところは理解するけれど、あまりに具体例が悪すぎるよ。確かに人間が犬を噛むくらいに“あり得ない”出来事。悪を暴き、追いつめるべき立場の人々が推測だけでストーリーを作り、そのストーリーに沿った証拠をでっち上げようとするなんて。ただ、もう随分前から、取材を行う側だって、あらかじめストーリーを想定、それに沿った材料を集めて記事を作るという傾向が顕著にあって、どれほど呆れたことか。嫌なら、そういうやり方に加担しなければいい。受け手であれば、シャットアウトすればいいだけだ。実際に取材に出かけて、事前に調べたことと実態がかけ離れているということは案外あるもので、そこから新たな視点が開けたりもする。想像以上に素晴らしい出会いもあったりしてね。好みもあるとは思うけれど、どちらかと言えば、私は、思いがけず素敵なことに出会ったことのほうを伝えたいなあ。世の中、素敵なことばっかりじゃないってことは充分判ってる。一面トップになる素敵な事件は、そうそう起こらない。人間が犬を噛むよりも、悪を正す立場の人が証拠をでっちあげることよりも確率が低いのか？と言えば、そうでもないような気がするけれど。でも、そういう記事を読みたいなあ。

  2010.10.02

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• 眠れない、らしい。

  久しぶりに、のんびりとした朝。とは言え、やることが全くない訳ではないので、午前中はさくさくと作業。お昼頃、出かけようと思うのだが、まだ娘が起きてこない。いったい何時まで起きているんだろう？夜、打ち合わせを終えて帰宅すると、返事が必要なメールが束になっている。やれやれと返信に勤しんでいたら、娘の得意分野の知識が必要な事案にぶつかる。ところが、さほど得意でもなかったらしく、結局自力で解決。ばたばたしていたら、夫がワンコと散歩に出かけてしまった……！まあ、某所から電話がかかってきたので、居て正解だったのだけど。ぶつぶつ言いながら、なおもPCに向かっていると今に娘が登場。いい加減、生活を立て直したら？大事なときに、実力発揮できないぞ。などと、ついつい忠告してしまう。「なんだかやり残したことがあるんじゃないかって、　常にそういう思いがつきまとってるから眠れないんだ」はああ、不眠気味ですか。そりゃまずい。いっそワンコの散歩に出かけてからだを疲れさせてでも寝たほうがいいよ。あ、同じようなアドバイスを前回夫がしたんだっけ？不機嫌なのも困るけど、不眠気味なのも困るなあ。受験生って、これほどまでにナーバス。出先で友人がくれた「ひな祭り記念のおみやげ」を渡し、少し和んでくれたかと思ったけど、なかなか難しそうだなあ。明日は、ずっと家に居て、見守ることにしてみようかな。

  2010.03.03

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• 背中で観戦。ちゃんと観たいよう、オリンピック。

  TVなんて観る暇ないから、バンクーバーオリンピックもじっくり観ることができない。女子フィギュアのSP。ずっとTVをつけておいたのに、作業に夢中になってるうちに終了。確か、北京オリンピックで北島くんが世界新記録で100メートルを制したときも同じ状況だった……。で、誰がトップ？夜、ニュースで障りだけ観る。真央ちゃん、ピョウンピョン跳ねて、かわいい。キム・ヨナ選手、キュート！で、今日は、いよいよこれから安藤美姫が滑走、という時間になったというのにタイムアウト。出がけに打ったメールのラストにこっそり、その心情をしたためてみる。地下鉄に乗ったら、お隣に座った男性二人組の内ひとりが携帯片手にオリンピック・テキスト中継でフィギュア観戦（と言えるのか？）。「キム・ヨナすげー。ものが違う。　なんなの？　安藤美姫が126点なのに150点？」いきなり叫ぶももだから、車中全員、耳がダンボ。で、真央ちゃんは？残念、乗換駅に着いちゃった。後ろ髪を引かれる思いで電車を降りる。と、乗り換えホームを歩いていると、別の若い男性が、ぼそっとつぶやく。「あー、これでオリンピックは終わった」ふーむ。そうか、そうなのね？帰り道、キヨスクの前をキヨスクを見ないようにして通り過ぎる。敢えて山手線には乗らない。だって、ニュースやってたらフィギュアの結果分かっちゃうもん。足早に家に戻ると、玄関に夕刊が届いてた。ああ、やっぱり届かなかったんだ。「浅田　銀」の見出し。さっき、ニュースで、ようやくじっくり観た。なんてレベルの高い戦いだったんだろう。ソチオリンピックでも、同じカードの争いになるのかな？さあ、これからBSでじっくり観よう。まだまだ終わってないぞ！ばん・くー・ばー！

  2010.02.26

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• 残り物には福がある（はず）。

  先週、高校生活最後の定期考査が終わり、4日ぶりに登校日を迎えた娘。土曜日、家庭科の先生から留守電に「週明けの登校日にスカートを提出してください」とメッセージが入っていて、昨日は一日中家にこもって仕上げることに。提出物はきちんと提出は決まりでしょ。幸い、故障していたと思っていたミシンが復活、その後のトラブルも自力で解決できるようになった。当たり前のことだが、ちゃんとはけるスカートが完成。「どうせはかないもん」とぶうたれていたけど、多分はくだろうな。スカート、ズボンの順に作るはずが、ズボンが先に完成し、スカートが未完成だったのは先月のセレモニーのせい。今朝は寝坊をしてべそをかきながら出かけて行ったが、滑り込みセーフで遅刻にはならなかったらしい。やれやれ、よかった……。昨日スカートが早めに完成したらCD付き単語集と手帳を買いに行く約束をしていたが、結局夜になってしまったので、買い物は今日に延期。2週間に一度のヒアルロン酸注射を受けに病院から戻ってみると、娘はもう帰宅していた。昼食を食べて早速出かける。原宿キディランドで手帳とカレンダーを購入、東急プラザの三省堂で単語集をと思ったら、塾の先生ご推薦のものがない。仕方がないので新宿・紀伊国屋書店へ。なんだかこのパターンが多いよね。娘との買い物を渋谷・原宿・青山界隈で済ませようとすると必ず新宿まで足を伸ばさないと完了しない羽目に陥る。果たして、最後の1冊があった……。お薦めの単語集とは、昔なつかし「試験に出る英単語」のCD版。今さら買うなよ！という突っ込みが入りそうな代物だけれど、乗り物に弱くて電車の中で文字が読めない娘に苦肉の策で薦められた最後の一手がこれ。本人至ってやる気ですので、散歩をしながら、電車に乗りながら頑張ることでしょう。痛い思いをした日には楽しみを用意する私の習わしは、原宿でお茶を飲むまではよかったんだけど、肝心の単語集が見つからず、足は痛くなるは、くたびれるはでさんざん。「あのとき、くたびれたけど、　おかげで良い結果になったね」と笑える日が来るよ、絶対。そりゃあもう、痛い足をひきずって探し出したんだからさ。意地でも、実現させてくれ。（祈り）

  2009.12.14

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• Mac miniへのお引っ越し中。

  夫と娘に引き続き、私のMacもようやく最新バージョンに代替わり進行中。目下のところは、データの移行作業の真っ最中だ。便利なデータ移行機能があるというのに、つい、こつこつとメモリースティックに入れては入れ替えという面倒くさいがやり慣れた方法で始めてしまう。もっとも、面倒がってフォルダごとメモリースティックに入れようとしたため、入れるだけで所要時間40分。データバックアップ用の外付けハードディスクを利用すれば、あっという間だっただろうに。やり始めてから気がつくお粗末さ。（苦笑）こんなところでブログなんて書いてないで、さっさと新しいソフトを入れる作業に移るべきところ、つい、油を売りたくなってしまった。インターネット上の作業もさすが最新マシン、大変速い。まあ、動作確認ということにしておこうかな。ここ二日ほど更新が途絶えていたのは、別にMacのお引っ越しとは無関係。ただ単にばたばたしていてくたびれていただけ。そろそろ、ソフトのインストゥールを始めよう。

  2009.11.29

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• そんなことの繰り返しを経て、私たちは今、生きている。

  「天地人」を見ながら、いつものように夫が問う。「もし関ヶ原の戦いで、光成側が勝っていたとしたら、　その後の日本はどうなっていたと思う？」娘がすかさず突っ込む。「過去の出来事を変えたら現在は変わってしまうのだから、　まず言えることは、私は存在しないってこと」わはは。いきなり話の腰を折られてまったね。わが家はいつもこんな風だ。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それは何度目かの心理学ブームというか。いやいや、メンタルヘルスという言葉が生まれたのは、その当時だったから、心理学ブームという表現は当てはまらないかもしれない。「バーで使えるにわか心理学」という意味での心理学ブームではなかった。それに、私が関わっていたのは、本当に治療を必要とするケースを専門家にお願いして、一般向けにわかりやすく説いていく医療記事だったから、にわか心理学とはまったくの別物だった。ともかく、もつれあい絡み合った人と人との関係性が病理を生み出しているというのが提示したい内容のひとつで、それを解きほぐしていくには、専門家の助けが必要だと読者にご納得いただくことも目的のひとつだった。今よりも、精神科がずっとずっと遠い存在だった頃の話。客観的な事実を積み重ねて、それは解かれていく。関係性の世界での話だから、それぞれの力関係も重要だ。時系列で並べていくと、その力関係すらも微妙に変わっていくことが分かる。外界の環境変化で、さらなる変化が訪れる。家族あるいは職場という、ある切り取られた（と仮定された）世界で起こるさまざまな葛藤。確かに、それは起こるべくして起きてしまったことなんだ。そうか、ここが大きな転換点のひとつ？すると、これが防げれば起きなかったのか。いやいや、あちらはこうだったから、ここで防いでも結果は同じだった……。もつれた糸を解きほぐそうと努力しても、時には、切らざるを得ないこともある。ただし、世界は切り取ることなんて出来ないから、しばしの間視界から消えることはあっても関係性が変わることがあっても、つながりが完全に切れてしまうことはあり得ない。一度断ち切っても、修復される。目指しているのは、関係性の修復かもしれない。かなりの痛みを伴って始まる関係性の修復。あの当時も、そう受け止めていた。戦争や紛争も、そこに至るまでの経緯や、そこで起きたこと、その後の展開、一連の出来事は、同じようにいくつもの重なり合い、いくつもの積み重ねの重複した網の目のような中で必然的に起こってしまっている。「文明が行き詰まったとき、人口減少が起こる」何が原因で人口減少が起こるのかは、起きていることが違うのだから、そのときどきによって違う。ある一部だけを切り取ってこんなことを言う人もいる。「戦争によって技術や産業は革新的に向上してきた」同時に一時的人口減少も起きていて、新しい技術や産業の出現によって、再び人口が増加に転じる。これの繰り返し。戦争が起こらなくたって、同じような現象は繰り返されて来た。ただし、非常に長い時間を経て変化が訪れる。いずれにせよ、現状のままでは、いずれ衰退に向かう、あるいは人と人との関係が上手く行かなくなっていずれ何がしかの事件が起こる、誰かが破綻する、そんなどん詰まり状態に置かれたとき、修復あるいは回復に向けた何かが始まる。そんなことの繰り返しを経て、私たちは今、生きている。

  2009.09.28

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• またやっちまった歯医者の予約すっぽかし未遂。

  ちっ、またやっちまったぜ！またまた歯医者の予約をすっぽかすところだった。歯科クリニックの予約を取ったのが昨日。今週はマイペースに仕事を進められるという有り難ーい状況なので、早速電話をしたのだった。で、期末考査中の娘の帰りを待ちながら、さくさくと在宅仕事に勤しむ。まあ午前中は余裕だね。娘が帰ってきたところで、一旦休憩。15：40のクリニック予約を念頭に、時計をちらちらと横目にしながら、仕事再開。はっと気がつくと、16：00！（大汗）慌ててクリニックに電話をかける。平謝り。（汗）で、16：30ならご来院くださいと言われ、仕事は中断、今度は歯磨きしながらネットサーフィン。あたふたと家を出て、16：30ぴったりにクリニックに到着。ふうう……。次の予約を入れるとき、受付の方が不安そうに候補時間を挙げて行くのよ。そりゃ、そうだろうなあ。信用ないはずだ。（がっくり）歯科クリニックの予約をすっぽかすこと過去に3回、あわてて駆け込むこと2回。ほかの約束に遅れたことなんてほとんどないのに、なぜに歯科だけ？一番お世話になってるのが歯医者さんなのにね。お次は目覚まし時計かタイマーでも仕掛けておこうかしら？

  2009.07.07

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• 探し物のありかを夢で教えられる。

  モノが行方不明になっても必ず戻ってくる記録をまたまた更新。この度の遺失物は腕時計。2日前から、こつ然と姿を消し、昨日は終日腕時計なしで、なんとも心もとない一日だった。心当たりはすべて探し尽くし、もしかすると、家具の間に落っこちてるかもと思ったけれども、どこに落っこちたのかはまったく心当たりなし。こうなったら、腕時計やーい！と強く念じるのみ。で、ハードな1週間を過ごした直後の週末故、睡魔に誘われ、しばし午睡タイム。ZZZZZZZ…………。電話台の下の古新聞ストッカーが持ち上がり、おっっと、愛しの腕時計が、そんなところに？ふっと目が覚める。半信半疑で古新聞ストッカーを持ち上げてみると、おお、確かに見つかった！娘が小学校時代に工作で作った椅子と電話台の間に落っこちていたのを発見。思わず、きゃっ♪と歓声を上げてしまう。ねえねえ、お昼寝のときに夢の中で腕時計が自ら教えてくれたんだよ、私はここに居ますって！うきうきしながら娘に報告したのに、すげない反応。「人間の記憶って必ずどこかに残ってるもんだから、　それが夢の中で蘇っただけなんじゃないの」え～ん、違うもん。でもでも、よかった！無事に見つかって。完全防水で少し重いんだけど、最近では、その重さに慣れちゃって、外出時に腕時計をしていないと腕が軽くてなんだか心もとない感じなんだ。この重さが安心の印なのかもね。

  2009.07.04

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• “BOSS”であることの重責と孤独。（一部加筆）

  先週この日記で、「木曜日の夜はフジテレビの『BOSS』と　FOXの『NUMBERS』を観る」と書いたからって、表題の“BOSS”は、番組名ではないよ。組織のトップ、リーダーという意味での“BOSS”だ。FOXの『NUMBERS』は、サブタイトルが「天才数学者の事件ファイル」となっているように、事件解決のために天才数学者が捜査協力するドラマ。兄・ドンがFBI捜査官であることから、幼い頃から数学の天才と言われてきた若き大学教授・チャーリーが数学の理論を駆使して捜査協力、事件を解決に導く。ドンは捜査チームのリーダーでやり手。FBIに入る前はマイナーリーガーでもあった。前シリーズの終わり頃に、兄弟の父親から「お前があまりにモデルガンに興味を示すので、　先行きが心配になりバットを渡したところ、　野球に夢中になって行った」と打ち明けられている。両親が抱いたのは犯罪者になるのでは？という不安。しかしおとなとなった今では、犯罪を取り締まるFBI捜査官という職業に就いている。ガンを操る今の職業はまさに彼の天職だと家族でうなずきあうシーンが印象的だった。犯人逮捕のために踏み込んだ現場で、誤って同僚を射殺してしまったドンは、上からの指示に従って、精神分析医のセラピーを受けることになる。いくら犯罪捜査が職務だからと言って、人を殺してしまった場合に、動揺しない人間なんていない。二度と現場に立てなくなることだってあるだろう。セラピーを受けて、精神的な動揺にケアを施すよう指示命令を出すこと、またその指示に従うことは、とても重要だと思う。ところが。「セラピーを受けている暇なんてない、　俺は忙しいんだ」日々捜査に追われる彼は、初めて精神分析医のクリニックを訪れたときに「捜査官の置かれた状況や、緊迫した精神状態が　医者であるあなたにわかるのか？」と毒づく。ところが、この精神分析医の前職はドンと同じ捜査官だった。「見かけや思い込みだけで判断してはいけませんよ」おだやかに、でもきっぱりと精神分析医はドンに言い放つ。こうした前触れが数回前にあり、2度目のセラピーに訪れたドン。クリニックに入るなり携帯電話にメールが届き、操作を始めるドンに、分析医が電源を切るよう促す。同時並行的に、市内では暴力団のボスの息子が誘拐され、護衛のひとりが射殺、もうひとりもひん死の重傷を負う。事件発生。でもボスであるドンは不在。ドンの行方がわからないまま、残された捜査官たちは粛々と捜査を進め、途中からチャーリーとGFに捜査協力を依頼。事件解決に向けて、全力で取り組む。捜査とセラピーの様子が交互に進行して行く。部下たちの能力をどのように見ているのか、ひとりひとりとうまくコミュニケーションが取れているのか、ドン自身を彼らはどのように受け止めているのか。分析医の質問に答えて行くドン。弟チャーリーに引け目を感じていたのが、自分の捜査チームへの協力を仰ぐことで、配下に引き入れられてよかったのではないか？との分析医の質問を、即座に否定する。しかし、分析医はその答えに納得しない。誘拐事件は、犯人が特定出来、犯行に至った動機なども解明されて行く。ぎりぎりのところで、子どもも身代金も無事なまま、犯人が逮捕され、終了。このとき、ドンは分析医に追い詰められていた。「あなたは本当にチームのメンバーのことを　信用しているのか？　信用しているなら、なぜスナイパーとして最高の腕を持っていた　同僚の腕を信じずに発砲したのだ」「俺はボスだ！　彼らを信用する必要はない」思わず飛び出したこころの奥の本音に、狼狽するドン。「（セラピーを受けて）気が楽になるどころか、　大変気が重くなるようなことを知ってしまった」うなだれるドンに、分析医が優しく声をかける。「（自分のそういう部分を）あるがままに受け入れることだ。　そして自然に振る舞うこと」事件解決で盛り上がるチャーリーや捜査官たち。口々にお互いの健闘を称え合うその場にようやくドンが戻ってくる。「何かあったか？」「いや、特に」「大丈夫だよ」「ドン、後で報告書を届けるわ」このやりとりで、事件が発生したものの、無事に解決したことを知るドン。苦笑いしながら、デスクへ戻って行く。ボスが不在であっても、回って行く現場。だからボスがいなくてもいいということじゃない。普段からボスに従い、各々の能力を最大限発揮する努力が積み重ねられているからこそ、いきなりボスが不在になっても回して行けるんだ。お互いがお互いを支え合ってこそのチーム。命がけの現場だからこそ、チームメンバーがお互いを信頼出来る関係であること。自分を信じ、メンバーを信じる。兄なのに、より優れた才能あふれる弟の存在。ドンは数学の天才である弟の存在に、ずっと自分の存在を脅かされているような不安を抱いてきた。現在の仕事に就き、捜査班のボスとして現場を仕切る今でも、いつか今の場を失うのではないかという不安を抱いている。全く自分とは違う才能を発揮する部下たち。部下ひとり一人の能力を認めつつも、捜査組織という軍にも似た規律を持つ組織の中では、彼のボスという立場は守られている。が、それでもいつか誰かに今の座を奪われるのではないかという不安が常に心の底にはあった。そして、仲間を信じ切れず、重大なミス、同僚を射殺するという事故が起きた。さあ、次回、ドンはどのようなボスとなっているだろうか？

  2009.06.18

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• 「どうしちゃったの？　私の母校」（訂正あり）

  目の前の中学校は娘の母校。今日は運動会ですって。諸々の用事がてらワンコの散歩に出かける。用事を済ませつつ、いつもの絵本屋さんに寄って、注文してあった絵本の新刊を購入。まるでホテルのコンシェルジュみたいな素敵なジェントルマンの帽子屋さんが出て来る「ミリーのすてきなぼうし」（きたむらさとし・作／BL出版・刊）。帰宅してきた娘が不機嫌そうだったから、声に出して読んでみたら、ぶうたれつつもなんとなく絵本のほうをちらちらと見てる。「もう！　私そんなメルヘンな人じゃないもん」あら、そう？　でも素敵でしょ。ちょっと押し付けがましいかしら（苦笑）。お昼を仕入れにプレーロットを通って表に出て行くと、ミドルティーンが数名たむろっていた。しかもそのうちのひとりは中学校のジャージを着てる。ちょっと気になって娘に尋ねる。「今、○中のジャージ着てる子いたよね？」「卒業しても着てるだけじゃないの？　ともかく、ああやってたむろしてるのキラーイ」ものすごく嫌そうに応える。3年生になってから選択授業の関係で、週に2日は午前中のみの授業で帰宅するようになり、目の前の母校の異変に気付いたらしい。「どうしちゃったの？　私の母校」なんて、ときどき嘆いている。「校門の前で寝そべってる女子生徒がいて、　通行人の邪魔」「この間中学に遊びに行ったら、　PTAのお母さんたちが見回りしていて、　嫌ーな感じで質問して来るの。　Ｏ先生が通りがかって　卒業生だってわかってくれたみたいだけど」そんなこと言われなくても異変というか、子どもたちの“質”が変わってきていることに随分前から気がついてはいるんだけれど、だからって、それが“荒れ”と言えるのかどうかは外部の人間になっちゃったからわからない。あまりに中学校事情に詳しくなりすぎて、多少のことでは驚かなくなってるからかもしれないけど。これまで何人かの知り合いの校長先生に「“荒れ”た状態とは、どういう状態のことを言うんでしょう？」とお訊ねしてみたら、「それは、外部に向けて問題が起きている状態でしょうね」と、どの先生もお応えになった。内部の問題で収まっている間は、“荒れ”とは言わない。混乱に巻き込むタイプの生徒が入学してきて“荒れ”、卒業したとたんに安定したという実例もよその中学で見てきたから、“荒れ”の原因もさまざまだなあとは感じている。昼食の買い出しから戻って来たら、あれあれ、先ほどのミドルティーン集団ったらおまわりさん3人に事情聴取されてるじゃないの。さほど深刻そうな表情じゃなかったから、「何してるの？　きみたち」くらいだろうな。「さっきのジャージの子、○中バッグ持ってたから、　やっぱり○中生だよ。　運動会さぼっちゃったんだ」娘が、凄く嫌そうに言う。かなり真面目なので、素行の悪い人には非常に厳しい。あとから元同級生の男子から携帯に電話があったらしい。「荒れてるっていうから運動会見に行ったら、　普通だった。つまらない。　ところで、君んちのマンションに　自転車止めさせてもらったから」「自転車止めてるって、私は管理人じゃないのに」笑いながら報告して来る娘。今年度から、問題が発生した中学校には教育委員会から緊急対策チームが派遣されることになっていて、件の同級生情報によると、目の前の中学に派遣のための視察団がくるらしい。本当なら切迫した状態ってことだよね。娘が入学した頃も、深刻な事件がいくつか起きていたけど、一応は平穏な状態だった。困ったのは、外部でいろんな噂が飛び交っていて、すっかり荒れた中学と決めつけられてしまったこと。ずっと平和な学園だったのだ。よその中学が軒並み荒れていた頃も平和だった。だから、おとなたちが凄く慌てたんだろう。地域の目は、ほとんど監視状態になってしまった。それでも、今よりはずっと平穏だったよ。白い目で見られ続けて、やけになっちゃったのかしら？＊）きたむらさとしさんのお名前を間違っていました。ごめんなさい。さらにタイトルを一部変えました。

  2009.06.13

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• わが子に引かれて母校を訪ねる。

  娘の志望大学の進路説明会の付き添い。と言っても、私と夫の母校なんだよ。新しいキャンパスが遠いところに出来、元のキャンパスも現在フル改築中。おまけに、キャンパスのある街そのものもすっかり変わってしまっていて、あの頃を思い起こさせるものなんて私たちの記憶の中にしか留まっていない。学科別説明会で話を聞いて、ご自慢の設備を見学。最後に見学した施設では、初老の教官自ら、ガイドを務めてくださる。締めの挨拶が振るっていた。「40年前にここへ来て以来、　ずっと胸に描いていた夢を　今回の改築にすべて実現させました。　私はそろそろ引退しますが、次は　あなたたちがこの場所で、　夢を実現させることになる」ああ、これこそが伝承そのもの。いかにも教育の場にふさわしい言葉。建て直された学食で懐かしのカツカレーを食す。娘は塩ラーメンにバターをトッピング。そんなしゃれたもん、30年前にはなかったぞ。ひとくち食べてみて、「げっ、しょっぱい！」と驚く。でもでも、このカツは昔と変わんないね。個別相談を受ける娘と別れて、元中庭に出されたパラソル付きのテーブルと椅子にちょんと腰を下ろす。ひたすら心の中で頷きながら聞いていた学科別説明会での「本学が求める人物像」を頭の中で反芻し、しみじみと感慨に耽る。だって……！卒業以来、ずっとずっと大切にしてきたことが、明快に言語化されていたのだもの。まさにそれを求めてきました、私。おかげで仕事がとてもやりやすかった。そもそものところは、ここで培われたことだったんだ。このところ、落ち込んだり戸惑ったり、立ちすくむような出来事が続いていて、なんとなく霧に巻かれたような気分だったのだ。でも、今日、ここで綺麗に晴れた。それも、久しぶりに訪れた母校で聞いた「本学が求める人物像」のおかげ。再び原点に戻る。母がそうやって、ひたすら母校の有り難さを噛み締めている一方で、ここをわが母校にと願う娘は、俄然やる気をかき立てられたらしい。「絶対にここの学生になるんだ！」うん、先輩として、心からお薦めするよ。ここで学んだことは、何十年経ってもちゃんと私自身の道標になってくれている。ちょっと不思議な気分。不本意な気持ちで入学し、この大学のユニークさに惹かれながらも、どこかで物足りなさを感じていたのに。今の私の原点がここにあることを感じる。卒業して30年近く経ち、再び母校に引き戻してくれたのは娘。この子の親で本当によかった、ありがとう。今、こころからそう思っている。

  2009.06.07

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• まだまだ変化の途上。

  子どもの頃に受けた同和教育のせいか、人に出自を尋ねることや、自らの出自について打ち明けることに強い抵抗を感じる。その抵抗感は、わが子とともに公園デビューしたときには、いい意味で役に立ったと思っている。お読みになっている方は、随分ブログに自分ちのことを書き散らしているくせに、と思われるかもしれないけれど、そんなのちっとも肝心なことじゃないから、気楽に書けるんだ。10年ぐらい前だっただろうか、仕事の合間の雑談の中で、こんな持論を披露してみた。「徳川300年の重みは凄い。　いや、それだけじゃないかもしれないけど、　ともかく武家社会が綿々と人々に植え付けた諸々の意識、　価値観は、そんな簡単に消えるものじゃないね。　だって今の社会を牛耳っている人の多くが、　その系譜をたどって行けば、士族・華族・老舗の大店など、　かつての支配階級に連なっている。　だからこそなのか、いまだに　日本人男子の多くが侍になりたがってるような感じ。　これを変えるには、まだまだ時間がかかるよ」これに対して、雑談の相手は面白そうに、こう言った。「それじゃあ、明治維新や敗戦には　意味がなかったみたいじゃないか。　日本人って、ちっとも変わらへんってことか？」いやいや、ものすごく変わっていると思う。変わってきてはいるけれど、何かの拍子に、どうしても長く続いた階級制度や価値観のようなものが首をもたげてくる。実際、使っている言葉そのものが、まだまだ武家社会を象徴する言葉だったりするから、どうしても抜け切れないんだと思うんだ。「まあ、それは否定出来んな」相手が苦笑いしたところで話は終わる。「吉本隆明1968」（鹿島茂・著／平凡新書）を読んでいるうち、上記のような10年前の会話を思い出した。鹿島茂さんは、吉本隆明さんの1960年代の著書を読み返し、吉本さんの思想家としての業績を検証していく。キーワードは「転向」。共産主義者が投獄され、拷問を受けながら、その思想を捨て、体制側立場に変わることと一般的には受け止められていると思うけれど、ごく一般的な日常の中にも、「転向」と呼べそうな内的な変化、現象は溢れている。人は、そう簡単に自分の主義主張や将来に向けて抱く夢を曲げたりはしない。それも事実だけれど、意外とあっさり曲げてしまえることも事実。じゃあ、あっさり曲げてしまうときに、何がそのきっかけになるのか。読み進めていくと、当事者の出自が深く関与していることが示されている。そういう家に生まれ、どのような幼少期を過ごしたのか。主義主張が形作られていくプロセスといったもの。人格形成の基礎となるものが、場合によっては、その人を転向させ、あるいは死に追いやるほどの苦悩を与える。たとえ西洋文化を受け入れ、文明開化の名の下に新しい国づくりに邁進しようが、ひとり一人のバックボーンに、それまでに培われた日本文化や伝統、家といったものは、そう簡単に変えられるものじゃない。都会生まれで都会育ちのエリート層には、地方生まれの秀才の屈折は理解出来ない。「江戸に三代住まなきゃ江戸っ子じゃない。　（それも明治維新前の江戸じゃなきゃダメ）」という言葉は、確かに出自が人に与える影響を物語っている。なんだか、大学時代に作家とその作品とを綿密に調べて分析していったときのことを痛烈に思い出す。ここまで詳細に、かつ綿密に、丹念に、人ひとりの業績を追うことなんて、しばらくなかったものなあ。そうして私は自らのことにも思いを馳せるのだ。ふーむなるほど。人ひとりに起こる変化が、やがては大きな変化につながって行く。今はまさに過渡期。そう言われながら育ってきて、いまだに同じことを感じている。娘たちが同じようなことを感じることはあるのかな。あったとして、それはどのようなときに、どんな風に感じ、受け止めていくんだろう。冒頭の抵抗感は、今や常識のようになっているみたいだ。常識になってるだけじゃなく、娘たち世代は、すでに出自の何たるかを知らない。だから訊ねられても、恐らく答えられない。変化とは、このように長いときを経てもたらされる。でも。長いときの間に、似たような状況で似たような出来事が起こる。政治家の世襲が云々と騒がれている昨今、これも変化の兆しなのかな。「出自に縛られ、苦悩するって言っても、　今じゃほとんど意識されていないでしょ」そう言える人は、幸せなんだと思う。出自という言葉でこそ表現されたりはしないけれど、同じことで縛られ苦悩する人はたくさんいるから。縛りだったり、苦悩だったりマイナスイメージがつきまとうけれど、それは、反面こころの故郷みたいな存在でもあるんだ。なかなか変えられないという大本のところには、こころの故郷っていう要素が強く関わっているのかもしれない。

  2009.06.01

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• 自分の財布で投票する。

  相変わらず、本を読み、人と会い、PCに向かう毎日。そのなかで、最近一番強い印象を受けた言葉を備忘録代わりに記しておこう。ドキュメンタリー映画監督の森達也さんがTOKYO FMの朝の番組「森の朝ご飯」でホストを務めていらしたときの番組からの採録と、それぞれのテーマについて書き下ろしたエッセイとで構成された「マジョガリガリ」（TOKYO FM出版）から。詩人のアーサー・ビナードさんは、来日後、商店街の看板を見ながら、日本語を覚えたと言う。「看板というのはとても面白く、　ほかでは出会いない具体性がそなわっています。　言葉を実感を持って体内に入れていくには、　一番いい出会いの場だった」ところが、「この十七年間で、驚く早さで街がつまんなくなってきましたね。　ほとんど空爆に近いペースで破壊が進んでいる」。街の豊かさ、日本の豊かさが、アメリカ同様に「潰されていっている」。その流れに対し、どうやれば抗することが出来るのか？と、森達也さんが問う。森　どうやれば抗することが出来るのでしょうか？　　言い換えれば社会への影響力を持つことが出来るのか。　　一般の人にとって具体的な政治参加は、　　まずは選挙ですよね。　　でも投票ぐらいでは世の中なにも変わらないと、　　無力感を持っている人も多い。　　実際にこの国の投票率はとても低い。ビナード　ただ、選挙に行くことだけが投票じゃないですよね。　　十円玉でも百円玉でも投票が出来ます。　　（中略）　　ミネラルウォーターを買うことで　　その運搬費を消費者が払っているわけで、　　消費者が買わなければ大気汚染もゴミも減る。　　日常生活の中でちょっと意識すると、　　できることがけっこうあるんです。　　毎日何を買うか、どこに銭を落としているかで、　　街を作っているんです。　　駅前に嫌だなあと思う店が増えているなら、　　その店に営業資金を与えないことです。　　消費者はあまり気付いていないかもしれないけれど、　　実はすごい力をもっているんですよね。　　言ってみれば銭を使うたびに投票をしている。　　経済と政治とは垣根もなく密接につながっていて、　　消費者がどういう街に住みたいか、　　子どもたちにどういう環境を残したいかということを考えて、　　財布の紐を締めたり緩めたりすればいい。　　政権が何かやってくれるのを待っていても、　　いつまでも経ったって方向転換できないので、　　まず消費者が自分の財布で投票する、　　それが大事だと思います。過去には、粉ミルクにヒ素が混合するなどの重大事件などで、不買運動が起こり、それが世の中を変えることにつながったということもあった。ある企業を潤したり、その商品や企業のやり方にNOを突きつけたり。私たちの消費行動が、そのまま意思表明にもつながっている。ビナードさんは、このあとアメリカの水爆実験で死の灰を浴びた第五福竜丸のことに触れ、本当の英雄とは何を考え、どういう行動が出来るひとなのか、ということについて語る。同じ日本人に起きた出来事であり、東京都熱帯植物園のそばに保存されている第五福竜丸にも乗ったこともあるのだけれど、あのとき、実際に何が起こっていて、人々はどのように行動したのかということについては、ごく表面的なことしか知らなかったことを痛感した。移動は自転車を使い、ミネラルウォーターは買わず、出先では、使い込んだペットボトルに詰めた水道水を飲むというビナードさんだからこそ、上記のコメントには大きくうなずかされる。まだまだ知らないことがいっぱいある。うかうか暮らしてるんじゃないわよ！と、思わず自分で自分にツッコミを入れた。

  2009.04.15

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• わが家の教育大論争？

  夫とTVニュースを見ていたら、ゆとり教育の揺り戻しに基づく新学習指導要領下でのカリキュラムがスタート、小中学校でも授業時数が増えたことを伝えていた。「ゆとりって、　結局教員たちにも週休二日をってことで、　学校も週休二日になったんだろ？」夫がボソッと呟いたことに、思わず噛み付いてしまった私。だって、学校が週休二日になったのは、子どもたちを週末家庭に帰し、もっと多彩な体験をして欲しいという願いもそこに込められてたはずで、教員たちに週休二日制をなんてこと、国も教育委員会も言ってなかったもん。誰だ？　そんなこと言ったの？先に申し上げておくけれど、けんけんがくがくの議論を始めるのは、わが夫婦にとって別に珍しいことではない。“ゆとり”をモットーに、教える内容の削減に至ったとき、娘の担任がぼやいていたことをよく覚えている。おちこぼれを作らないために内容を削減せよってことだったと記憶しているけれど、現場の教師にとっては、削減すればいいってものじゃなかったらしい。「あんまり削られてしまうと、　徹底して教えろとされる内容を　逆に徹底して教え込むことが出来なくなる」ゆとりを目指して削減したら、逆にゆとりがなくなった格好だ。そんな話しをしながら、じゃあ、夫が思い込んでいたことは、どういうプロセスを経て、思い込みにつながったのか？そっちの検証をすることのほうが大事だろうという風に話しの流れが変わって行った。伝えられた内容を言葉通りに受け止めても、ご本人の腑に落ちる形に変形させられないと、本当の意味で腑に落ちない。「子どもたちのために週休二日」というところが、「おおっ、じゃあ教員も週休二日になるじゃん」「そうだ、そうだ」という感じで変化していったのかしらん？10年前、ゆとり教育の導入のために、さまざまな人たちが解説を試みていたけれど、10年経ってみれば、当時の解説、力説は影も形もない。娘たちは“ゆとり教育”にどっぷりはまったまま高校生となり、今後も“ゆとり世代”と呼ばれながら、何かと批判されたり揶揄されたりするんだろう。そんなの子どもには全く罪がないというか、本人たちの責任の与り知らないところなのにね。「結局、誰が悪かったのか？」夫のような認識の人が多くなってしまった背景と、揺り戻しを煽動していった背景に思いを馳せる。誰が悪かったのか？という問いに、誰も正解なんて持ち合わせないだろうし、そんなもの、ありっこないよね。詰め込み教育トップバッターの私たちの子どもたちが“ゆとり”で削減ってのも笑うしかないけど、その直後に揺り戻しってのは、ほんと、情けないよなあ。今起きていることの根っこは、どれも同じ。おとなとしては大いに反省する。反省しながら、「お母さん、だんだん声が大きくなると、　ゲームの邪魔だよ」と娘に言われると、反省なんてぶっ飛んで、むかつく。もうっ、誰のために議論してたと思うのよ！まあ、現実なんて、日常なんて、こんなものさ。やれやれ。

  2009.04.07

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• ジャスト30年後の偶然。

  娘は友人とデート、私は講演会に出席。夫とワンコはお留守番という午後。出がけにシャンプーして、「髪を乾かす時間がない！」と慌てふためく娘を心配してか、夫が娘と私を途中まで車で送ってくれた。その車中で、ふとわが手の甲を見ると、寄る年波に勝てず、しわしわ。「わ～ん、しわくちゃだ！」と嘆く私に娘が声をかける。「私もしわしわだよ、ほら」差し出された手を見ると……。やだっ、どこがしわしわなのよ、あなたの手は、すべすべ、つるつるじゃないの。ふと、祖母が私の手を見て呟いた言葉を思い出す。あれは、私が大学4年になる春休みのこと。ちょうど今頃だったかな。がんの再発で入院していた祖母を看病していて、私の手をとって撫でながら、言ったのだ。「まるで縮緬と羽二重ね」それを聞いた母が、「やだ、しょってる。　どっちも絹じゃないの」と呆れるように笑ったのだった。今度は私が娘の手を見て、祖母と同じことを思うなんて。夜、母と電話で話していて、昼間のことを話したら、昔と同じ台詞を言う。「もう、どっちも絹じゃない」だって、私の手は元羽二重ですから、しわしわになれば縮緬で正しいのでは？で、娘が羽二重でいいじゃない。「まあ、そうだけど」母と二人で、ふふふと笑い合ってしまった。母の手も縮緬になってるし、もちろん私の手も縮緬になっちゃった。あれから、ちょうど30年か。役割が順繰りに変わっているんだね。そして手も羽二重から縮緬に変貌。過ぎた時間を感じた瞬間。来年は、祖母が亡くなって30年かあ。忘れないでね、って思い出させてくれたのかな？

  2009.03.28

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• ブックマークデータが、全部消えちゃった。

  出来事を書こうと打ち込み始めたら、deleteキーが暴走を始めて……。あっという間に、これまでのブックマークを全部消してしまった！きゃあっ！慌てて履歴からブックマークし直し、ここ数日分は取り戻したのだけれど、すずめの涙ほどしか取り戻せず。（娘のブックマークまで消えちゃったけど、　こちらはある程度は履歴からリカバリーできそうよ）オーラソーマでも、予言されていたような。そして、某サイトでも、「データのバックアップ！」との警告があったような。なるほど、これもその一環か？でも、このくらい一気に消えちゃうと、いっそのこと清々しいてなくらいで……。負け惜しみではなく、本当にそんな気分。いや、実際、書類の山を処分する予定でもあったし、この際、思い切って全部捨てちゃうとか？いきなりハードディスクがクラッシュ！という大惨事でなくてよかったわ。と、2年前の大惨事を思い出し、取り敢えずは胸を撫で下ろす。という辺り、データに未練たらたらな感じ。まだまだ人生修行が足らんか。

  2009.03.26

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• 何かと出入りの激しい1日。

  「お湯が出ない！　給湯器が壊れた！」と夫に起こされる。あわててコントロールパネルが設置してある浴室に向かうと、ありゃりゃ、電光パネルが死んだみたいに真っ黒。こりゃ、だめだ。インターネットでメーカーのサイトを検索、修理窓口を確認、夫が電話する。このとき、携帯電話から電話をかければよかったのに、つい、固定電話からかけてしまったものだから、確認のためにブレーカーチェックをと先方に言われ、一旦電話を切る羽目に。（こういうとき、デジタル電話に変えたことを後悔。　アナログなら、切らずに済むのに）「なるべく早い時間に修理担当から連絡させます」若くて初々しい女性の声。こんな朝早くから働いているのね。9時過ぎに修理担当者から連絡があり、「お昼前後には伺える」とのこと。やれやれ、それですぐに直ってくれればいいけど。じゃあ、その前にワンコの散歩に行けるかなと思いながら本を読んでいると宅配便。確認してみたら、26日午前中着と時間指定までして注文した娘の旅行用トランクが届いたのだった。26日ってお願いしてたはずだけど？と訊ねると、「まっ、ここに書いてありました」と慌てふためき、引き取ろうとするので、せっかくだから受け取りますと引き止める。着払い、12600円也～。またしても娘のために立替払い。ま、いいけど。しかし、「ご希望の日時を指定できます」という宣伝文句は何だったのか？たまたま家に居たからよかったけど、さ。ワンコの散歩に出かけると、奥樣方に人気のスーパーマーケットが改装中。工事のおじさんが、またまたワンコに声をかける。逃げるワンコ。「つれないね～」と嘆かれてしまう。給湯器の修理代金が気がかりだったので銀行に立ち寄り、ついでに昼食と夕食の材料も勝って買える。予定より少し早めに修理の人が到着。今日はどうも、何でも前倒し気味だね。こちらも、そのほうが気が楽だけどさ。給湯器の修理は10年ぶりぐらいかなあ。いきなりお湯が出なくなって、そのときもメーカーのサイトで連絡先を確認、見に来てもらったのだった。あのときは「こんなに早くダメになるものじゃないので」と修理代は取られなかった。ちょうどマンションの外装工事が終わったばかりで、廊下などの共有部分もすべて新たにペンキを塗ったばかり。給湯器が設置してあるスペースの羽目板と周囲の金属製の枠との間にペンキが塗り込まれていて、修理担当者がはがすのに苦労していた。今回も同じような状況。外装工事の5年後ぐらいに、さらにペンキ塗装部分の工事が行われたのだった。10年ぶりに見る給湯器の外観は随分煤などで汚れている。思わずぞうきんを取りに行って、掃除。この給湯器の寿命を訊くと、「10年ぐらいですかねえ」とのこと。そろそろ寿命ってことだね。直るのか？数分して、修理担当者が電光パネルをチェック、蛇口をひねるとお湯が出て、追い炊きもOK。おお、直ったよ！部品交換の必要はなく、破損部分を修理しただけらしい。「次に動かなくなったときは、　もうダメだと思ってください」そう言って、修理報告書兼領収書を提示される。修理代は、7350円也。出張修理の割に安い。早速夫に電話で報告。「次に動かなくなったらダメ？　じゃ、パンフレットとか置いてったのか？」前回もそうだったけど、担当者は素朴な感じの人。ぜんぜん営業っけなし。「ふーん。ま、直ってよかったね」かなり嬉しそうに弾んだ声がして、電話は夫のほうから切れた。この時点で、時間は12：30。いつもならわが家の午前中はとても静かなんだけど、今日は何だか賑やかだったなあ。娘が帰って来たので、給湯器の件を話すとお湯が出ないことに娘はまったく気づいていなかった。うう、ここでもまたお気楽だ。で、あなたが注文したトランクが、もう届いたんだけど。「えー？」びっくりして、娘は慌てて部屋に戻る。あなた気づいてなかったの？このあと、夕方には、もっととんでもないひと悶着が起こるのだけれど、それは内緒にしておこう。お金も人も出入りの激しい1日。たまには、こんな日もあるな。面白がれる程度でよかったけど。

  2009.02.24

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• 「チェンジリング」から伝わるもの。

  夫の休日に、夫婦で映画を観に行くのがだんだんルーティン化している感じ。今回は夫のほうから「これが観たいんだけど」とどこで観るのかも含めてご提案があった。わが子が突然行方不明となり、数カ月後に突然発見される。が、目の前に姿を現した少年はわが子とは別人、まったく見知らぬ他人だった……。予告編を観ただけで胸が潰れそうな切ない思いになる「チェンジリング」。時は1928年、ロサンゼルス郊外。電話交換手をしながら一生懸命に愛情を注いでわが子ウォルターを育てるクリスティンはシングルマザー。夫はウォルターが生まれた日に小箱に入って届いたものを受け取ることを拒み姿を消した。小箱の中身は「責任」だった。冒頭のシーンで、学校に息子を送り届けるクリスティンがウォルターにそんなことを話す。休日出勤を懇願されてウォルターと映画を観る約束を反故にせざるを得ず、後ろ髪を引かれる思いで出勤していくクリスティン。それが悲劇の始まり。実の母親が「これはわが子じゃない！」と主張しているのに受け入れられない。まして、子どもが行方不明だと訴えているのに24時間は捜査を始めないのが決まりと冷たく言い放つ警察の態度。いずれも、現代では信じられない対応。今だって、決して女性の立場が、ましてシングルマザーの立場が強くなったとはとうてい思えないけれど、少なくとも子どもの命に関わることをおろそかにすることは社会が許さないくらいにはなっていると思う。クリスティンは警察の非情で理不尽な振る舞いに怒りをぶつけることはしない。ただ、真っ直ぐに訴え続ける。「私の本当の息子の発見に力を貸してください」警察の腐敗摘発キャンペーンを行っている長老教会のグスタブ・ブリーグレブ牧師がクリスティンの力強い協力者として登場する。警察がその権力を使って執拗にクリスティンを貶めようとする振る舞いに対し、「正しく戦えば不幸な事態に終止符が打てる」とクリスティンを励まし、さまざまな援助を差し伸べる。真実解明に向かって動き始めたクリスティンを警察は精神病院に強制入院させてしまう。入院先にはクリスティンと同じように口封じのために警察権力によって強制入院させられた女性が大勢いた。そこに身も凍るような殺人鬼による多くの子どもの連続誘拐殺人事件が露呈、ウォルターも巻き込まれていたことが分かる。電気ショックによる治療が行われる寸前でクリスティンは退院が決まり、解放される。が、表に出たとたんに目にした新聞記事によって再び打ちのめされる。そこには、ウォルターが殺人鬼によって殺害されていた疑いが濃厚との見出しが躍っていた。殺人鬼は捕らえられ、裁判が始まる。同時に警察の腐敗を糾弾すべく市議会は聴聞会開催を決定、この二つは同日開催という日程で進められることになる。裁判と聴聞会でクリスティン側の弁護を務めるのはこれまでに公権力と闘い何度も勝訴を勝ち取って来た敏腕弁護士。グスタブ・ブリーグレブ牧師が彼を伴い、クリスティンの家を訪ねるシーンが感動的だ。「彼を雇い入れる資力はありません」とグスタブ・ブリーグレブ牧師が悲しげに告げると、敏腕弁護士は、こう応えるのだ。「だから隣人として　お手伝いさせていただくことにしました」裁判はもとより、聴聞会でもその弁は冴え渡り、執拗に理不尽な振る舞いを行った担当警部は罷免、市警本部長も追放されて、クリスティンの主張の正しさが全面的に認められた結果をもたらす。しかし、殺人鬼はウォルター殺害に関しては最後まで確たる供述を行わないまま絞首刑となる。刑執行の前日、クリスティンは殺人鬼に面会する。けれども、殺人鬼は最後まで真実を語ることがなく、クリスティンの「本当に私の息子を殺したの？」という悲痛な叫びだけが何度も繰り返されるだけだった。ラストに向かって、さらにもうひとつ、感動的なエピソードが添えられるが、ウォルター発見には至らない。けれども、クリスティンは「勇気がある。誇らしい息子」ウォルターを生涯探し続けるのだった。それこそが母として負うた「責任」の証。クリスティン役のアンジェリーナ・ジョリーの抑えた演技がいい。権力を欲しいままに理不尽な振る舞いをする警部と対照的な、いかにも職人然とした現場の刑事。彼なんて、きっと娘が観ていたら一番のお気に入りになるだろう。折り目正しい映画。まったくブレがない。しかも、これが実際に起こった出来事だったなんて！題名のチェンジリングとは「取り替えられた子ども」という意味だそうだ。「さらった子どもの代わりに妖精が置いて行く醜い子ども」という伝説があるという。「醜い子ども」は、ロスに行って、スターに会いたいという動機でこの“すり替え事件”に加担した。映画を観ながら、権力が弱い人々を抑圧蹂躙して来た20世紀という時代を思う。そして、新しい世紀に突入した今でも、グスタブ・ブリーグレブ牧師のような力強い助っ人が欲しいなと思ってしまう。だって、母の愛、責任を負う力強さを支えてくれるものが、あまりにも脆弱なんだもの。それにしても1920年代、30年代のファッションには憧れてしまう。折り目正しくし立てのよいコートにスーツ、ドレス。帽子も手袋も欠かせないアイテムで、礼儀正しい。まるで、この映画みたいだ。

  2009.02.22

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• すべては螺旋状に進んでいく。

  打ち合わせ兼会議の傍聴のために日比谷公園の脇を足早で通り過ぎる。色づいた木々の葉っぱがきれいだ。オープンエアの喫茶店で、Living Willの話をしたのは、そうか、新緑の頃だったか。あれから半年以上経ったのだね。内緒の話がたくさん飛び交っている中でも、とびきりの出来事が粛々と進んでいる。内緒ではあるけれど、知るべき人はちゃんと知っていて、それも、労使交渉よろしく、経営陣の提案文書を作成する若手エリートが、実は労組の頭脳として反論文書の作成もしているのと、同じようなからくりになっていたりする。「結局、そうやって進んで行くのね」苦笑いする私たち。用件がすべて終わって表に出れば、クリスマス・イルミネーションが街を彩る。今年も趣向が凝らされているなあ。ふと、10年前に書いた編集後記の冒頭を思い出す。「○○ビルに、今年もクリスマス・イルミネーションが灯った。　編纂作業に入って3度目のクリスマス・シーズンだ」10年後の今も、やっていることはあまり変わらない。過ぎ去りし10年を振り返り、この先の10年を思う。「何ごとも10年先を見据えて考えないとダメですよ」20代半ばの私には、この言葉がとても重かった。人を育てる教育機関の幹部の言葉に、“国家百年の計”の壮大さとともに日々の積み重ねの労苦を感じたのだった。そんな日々を過ごして来た身から見れば、近視眼的なものの見方しかしなくなっているこの頃の風潮から、何となく身を引きたくなってしまう。何だか偉そうなこと書いちゃったな。（困惑）鍵束が行方不明になって、なんとなく足下が不安になった。何と言っても“鍵”だからね。次の扉まで閉じられたような閉塞感を感じてしまったのかもしれない。今、私に出来ることと、私がやりたいこと。有り難いことに、その両方が一致している。やっと、ここまで来た、のかな。ここまでの経緯を夫に話したら、「まあ、時機ってやつがあるよね。　機が熟す、というか、さ」珍しくまともなコメントが返って来た。スパイラル上に歴史は繰り返し、登って行く。で、先日読んでいて、心の奥に動揺が走った「できそこないの男たち」（福島伸一・著／光文社新書）を思い出す。この場合の動揺は、存在そのものを揺るがす感覚。やっぱりＤＮAの話は深淵すぎるかも。日常には、ひとサイズのストーリー。人間らしい泥臭さと、感情のぶつかり合いがちょうどいい塩梅にブレンドされている現実にこそ、生きているという実感が得られるのかもしれない。

  2008.12.04

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• 東京都市圏パーソントリップ調査って？

  夫が出張に旅立った日、茶封筒の郵便が1通届いた。「東京都市圏パーソントリップ調査　調査票在中」だって。何だ？　これ。デスクの上に置いておいたら、夫が出張から帰ってきて大げさな茶封筒を発見、「何だ？　これ」おお、私と同じ反応だ。ぷぷっ。調査主体は東京都都市整備局都市基盤部交通企画課調査係。文字通り「人（パーソン）の1日のすべての移動（トリップ）を　把握する調査」だそう。通勤や通学、買い物など、誰もがある目的を持って移動している。移動するときには、歩いたり、電車やバスなどのさまざまな交通手段を利用する。この「人の移動」状況を把握するのが目的の調査。「交通や防災、環境の　これからを考えるのに役立つ」んだってさ。ふむふむ。で、わが家世帯人口分の回答用紙が入っていた。が、実際に書き込もうとすると、ものすごく細かいんだな、これが。先方の指定日が11月5日ということで、家族で手分けして自分の分を書いたのだけれど、こともあろうに私だけ、いろんなところに出かけていたんだよ。で、いつもなら寄り道したりする夫や娘はごくごくシンプルに通勤、通学のみの移動。徒歩で何分、電車で何分と乗り換えのたびに記入。これが面倒くさいことこの上ない。まるで経費の精算表みたいなの。振り返ってみれば、何年かに一度はこのような公的機関からのアンケート依頼が届いている。30代半ばは、地元自治体と通信社から世論調査。その後しばらくはなかったけれど、5年前には次世代育成支援行動計画策定のための子どもとの暮らしに関するアンケート。ほかにも結構いろいろ書かされた記憶が。国勢調査だって、面倒くさいと言えば面倒くさい。こうして書かされたアンケートの結果が、統計資料となって世の中の何ごとかを決定するための基礎データとして利用されていくんだね。ま、私だってさまざまなところでアンケート調査を実施する側に回ってきた訳で、いちいち文句は言わないさ。で、すでに投函してしまったんだけど、今確認したら、このアンケート、電子回答出来るんだね。そっちのほうが楽でよかったなあ。ぶつぶつ。

  2008.11.06

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• 医療ニュース相次ぐ。

  何だか一日中医療関係のニュースが流れていたような。9年前に過労で鬱病となり投身自殺を図った小児科医・中原利郎氏の遺族が勤務していた病院の管理責任を問う訴えを起こしていた民事裁判の東京高裁での判決が下る日であったこと。そして、10月4日に東京都内で起きた脳内出血が疑われる妊娠35週の妊婦が7カ所の病院から救急搬送を断られたという事件が明らかになったこと。件の妊婦さんは、最終的には初めに断られた病院に搬送され、帝王切開で出産後に脳血腫を取り出す手術を受けたものの3日後に残念ながら亡くなってしまったという。産まれたお子さんは無事育っているのが、せめてもの幸い。亡くなられた方とご遺族に、心からお悔やみ申し上げます。中原医師の自殺などについては以前から報道などを通じて知っていた。労災認定に関する裁判で労災が認められたものの、「医療現場の労務状況のあまりの過酷さを　なんとか改善しなくてはならない」という故人の遺書も残されていたことから、病院側への労務管理責任を問うべく、遺族が民事裁判を起こしたのだった。東京高裁は過酷な勤務状況と鬱病との因果関係は認めたものの、病院の労務管理責任については、その賠償責任は認めないという判決を下した。このニュースと、妊婦救急搬送事件とを、各テレビ局のニュース番組とも相前後する形で伝えていた。印象的だったのは、かつては必ず言われていた「○らい回し」という表現が皆無だったこと。そして、日本テレビのみが「受け入れ不能」と表現、ほかのテレビ局では「受け入れ拒否」としていたこと。大都会ほど、いくら設備の整った病院が数多くあっても現場の人材不足と、周辺人口の多さなどから、無事に搬送先に辿り着くまでにとてつもなく時間がかかってしまう事態に陥っている。少し前にも、逼迫した産科事情について、このブログでも、わが地元の例を持ち出して嘆いたばかりだ。「たくさんあるから、うちが引き受けなくても　ほかが引き受けてくれるだろう」なんて理由で、受け入れを断ったりする病院はまず皆無と言っていいだろう。（誰だ？　そんな無責任なこと言ってたの。　某医大の偉い人だったっけ？）さらに、残念ながら亡くなってしまった方のご病状と経過が、どういうものであったのか、よく確認されていないうちから、いかにも搬送が遅れたがために亡くなってしまったという印象を持たせるような報道の仕方をしているのがとても気になってしまった。人が亡くなるということに対しては、感情のほうが先に動くのはどうしようもないけれど、見た人を一定の方向に誘導するかのような報道の仕方はよくないと思う。ご遺族の無念はさぞや、と思うので、丁寧なフォロー、医療側からの対応が求められる。医療メディエーターという職務を担う人たちがいる。今回のような場合にこそ、中間的な立場に立って医師と遺族との対話を進めてくれるような医療メディエーターの活動が望まれると思うのだけれど、どうかしら？そう思いながら、かかりつけ産科医と受け入れた病院関係者との発言の食い違いが、思わぬ遺恨を残さなければいいのにと案じてしまう。小児科と産科。そして救急。いずれも今最も逼迫した状況に置かれていると以前から問題視されていた分野。追いつめられて自殺、あるいは突然死。突然死については、つい先日も職場で突然亡くなった看護師への労災認定が下ったばかり。あんまりこの言葉使いたくないんだけれど、それでも、「医療崩壊」がますますもって迫ってきているなと暗くなってしまうなあ。でも、多分、ちゃんと知っておいたほうがいいんだ。

  2008.10.22

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• 鳴らない携帯電話。

  日帰り出張で張り切って出かけた夫。「口八丁、手八丁」何のことやら不明だが、ともかく「頑張って行ってくるよ」という意味なんだろうと思って見送る。洗い物やら何やらばたばたしていて、ふとリビングのテーブルに目をむけると、夫の携帯電話を発見！あ～あ、もう間に合わないよ。と、しょんぼりしていたら電話。「もしもし？」夫の声。「携帯電話ならありますよ」「そう……。おいといて」ますますしょんぼりしてしまう。さあて、今日は電話番かしら？と覚悟を決めるが、全く鳴らない。ほおお、早手回しに連絡したのか。よしよし。というか、それだけ私は当てにされてないってこと？淋しげな携帯電話は、朝からずっとリビングのテーブルの上。まあ、今日は休暇だと思ってのんびりしてなさいよ。さあて、今夜はどんな顔をして夫は帰って来るんだろう。出ばなをくじかれて、しょんぼり帰ってこないといいけれど。

  2008.09.17

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• なんで去年と同じ9月にまた辞めるの？

  ねえ、去年も同じ頃に、同じようなことがあったよねえ……。テレビで「嫌われ松子の一生」見ていたら、突然画面が切り替わっての緊急番組。思わず、一緒に見ていた娘と顔を見合わせた。デジャ・ヴュ？って、どっちも本物だよ。去年は9月12日のことだった。体調が悪くて臥せってたんだよね。ＫＹ首相とか言われてたっけ。無事に臨時国会は行なわれるのかな？（また児童福祉法改正が流れたりすることは、　ないよね？）なんだか衆議院選挙を行ないたくがないために、ころころと首相が変わっているような訳のわからない動きを感じるよ。わずか11カ月。誰だっけ？　意外と長期政権って言ってたの。私たち庶民は、粛々とやるべきことをやるだけだ。

  2008.09.01

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• 日替わり豪雨。

  ほんとは、昨日の日記として、東海地方の豪雨について書こうと思ってたんだけど、今日は豪雨ごと関東に移動してきちゃったじゃないの。ついさっき、ようやく原稿を書き上げたところで、（もちろん即セーブ）夫が耳打ち。「川崎で停電だってよ。　気をつけなよ。　データは、即セーブして、バックアップね」おお、それは大変だ！と早速送るべきところへ添付ファイルで送る。どきどき。ほっ。昼間は市ヶ谷で会議だった。「豪雨が来るらしいから、　テキパキ進めて、時間内に終わらせちゃいましょう」司会者から檄が飛ぶ。が、だれた会議なんてのはまったくの杞憂に終わる。参加した実行委員のみなさまのモチベーションの高さったら、「これで入魂！だったよね」と終了後の別件打ち合わせで、事務局メンバー一同感服。しかし、豪雨なんてどこの話？というくらいに、どんどんお天気はよくなって行って。とタカをくくっていたら、夕食後に、雷鳴がいきなり轟いた！ごめん、ワンコの散歩に行けなくなっちゃった。日替わりで豪雨が日本列島を移動なんて、いったいこの国の気候はどうなっちまったんだろう？水害に遭われた方々に、心からお見舞い申し上げます。

  2008.08.29

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• おいしそうな桃3箱の行く末。

  わが家にもたらされる有り難ーい頂き物は、みんな、とても量が多い。筆頭は季節の果物で、このたびは、とうとう福島のおいしい桃が3箱も届いた。うち1箱は、住所を間違えて夫の実家に届いたので、「妻の快気祝い代わりに受け取ってください」との夫の説得により、実家で食べていただくこととなったが、残りは同じ日に届き、どうしたものかと思案中。こういうときに限って、子育てひろばはお休み。少し前のデラウエアのときと同じだ。デラウエアが1箱届いたのは、私の退院直後で、とても届けられないので、娘に「ご挨拶代わりに持って行ってね」とお願いしたものの、なんだかんだと言ってそのまま放置。冷蔵庫の中で発酵してしまった。さすがに桃はそういうことにはならないだろうけれど、とてもおいしいのがわかっているだけに、悩む。大量の頂き物で、日持ちはするけど量が多すぎて困惑しつつ、少しずつ使わせていただいているのが、お醤油とダシ醤油、そして台所用洗剤。台所用洗剤の入った箱は、存在感充分な大きさで、この硬い箱の角に足をぶつけて、未だに腫れている。（泣）自分の不注意でぶつけたのだけれど、見るたびに腹が立って来て、あまり精神的には快くない。昨日お訊ねした小児がんなどの難病のお子さんとその家族のための滞在施設を運営している団体で、日常品などの寄付を募っていると訊き、恐る恐るお訊ねしてみた。「洗剤にはこだわりを持っていらっしゃいますか？」「いいえ」「じゃあ、うちに台所要洗剤がひと箱分あるのですが、　お送りしてもよろしいでしょうか？」「まあ、よろこんで！」交渉成立！差し上げることが決まった。さすがに桃は「悪くなるので」と断られた。13日からの海辺の家滞在に向け、頑張って食べつつ、差し上げる先を探さねば。こういうことが、年に何度か繰り返されるのがわが家の習わしになっている。有り難いけれど、悩ましい。

  2008.08.10

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• ハリー・ポッターと死の秘宝。

  とうとう最終巻が出てしまったハリー・ポッター。結局今回もわが家で購入、ささっと読了する。長い物語の終わり。でも、新しい物語の始まり。こうやって命はつながり、循環していく。人と人とが綾なす人生。ラストまで読むと、さまざまな伏線が明らかとなり、いくつかの悲しいドラマの存在も明らかにされて、もう、読む前のイメージとは別の世界観にとらわれてる。まだ人生についてよくわかっていなかったもっと若い頃に読みたかったなあ。第3巻までは完璧に覚えている娘が、最終巻を読んだら、何と言うだろう？若い人の感想こそが聞きたい。「そして殺人者は野に放たれる」何ぞを手に、友人のところへ泊まりに行った娘。ちゃんと読了して帰って来るのかしら？あなたのハリーが待ってるよ～。

  2008.08.02

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• タケノコ談義。

  散歩の途中で通りがかる竹やぶに、今年はいくつものタケノコを発見。タケノコ掘りフリークである夫が見たら、悶絶しそうだなあと思いながら通っていた。3日ほど前に、知り合いから小振りなタケノコをいただき、早速下ごしらえをして、寝る前にかか煮にしておく。娘が勝手にお弁当に入れて持って行ったらしい。タケノコ掘りだけじゃなく、我が家では食べるほうもフリークだったりする。と、今後は宅配便で届く。大振りのものが三本。これは夫の取引先の地所でとれたもの。再び下ごしらえに大わらわ。この時期だけのお楽しみ、ではあるんだけれど。珍しく早めに帰宅した夫とスーパーマーケットへ行くと、これもまた今だけのお楽しみ「どろめ」が売られていた。もちろん、晩酌のお共に購入。今日届いたタケノコが食卓に上るのは明日以降。先に煮ておいたタケノコと「どろめ」が食卓を飾る。「学校に傘を忘れて来ちゃった」と娘からお迎えコールが来たときには、夫はすっかりいい気分で、ワンコとくつろいでた。やれやれ、私がお迎えかよ。「去年はタケノコご飯にしたんだよね。　今年も食べたいなあ」「いやいや、シナチク風に煮付けたいんだけど」帰宅した娘と夫とで、楽しげにタケノコ談義。3本もあるんだもの、タケノコご飯だろうが、シナチク風につけだろうが思いのままでしょ。家族が楽しみにしているから、あれこれ料理はするものの、私にとってのタケノコは、それほど夢中になる食材でもないんだ。でも、春になると必ず届く季節からの便りみたいで、ないと何となく物足りない。

  2008.04.24

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• 「モンスターペアレント」というラベル。

  再燃する「モンスターペアレント」の話題。富山県富山市発行の「保育所クレーム対応事例集」に書かれたいわゆる「モンスターペアレント」の実態がニュースとして記事になり、物議を醸し出している感じ。保育所保育指針でも、こうしたクレームに対する問題解決に丁寧に対処せよと明記されたばかり。現場で起こるトラブル対応のお手本集が出されたとしてもそこは不思議ではない。ただ、トラブルのみを記事にするんじゃなくて、対処法のほうも掲載して欲しかったな。ちょいと検索をかけただけで、モンスターペアレントに関する記事の多さに驚いてしまうご時勢だけど、例によって過去を振り返るのが好きな私は、問題の責任をなすり付ける相手が変わっただけってことに、うんざりしてしまう。1980年代後半からしばらくの間、諸悪の根源は学校だった。で、お次が重大事件を引き起こす訳のわからない子どもの出現。となると、もうお分かりのように、矛先は子どもを育てた親に向かう訳で。学校がバッシングされていた頃、横浜市で、少年たちがホームレスを襲撃、殺してしまうという事件が起きた。このとき、少年たちを結果的に焚き付けることになったのは、少年たちの父親の一人だった。（まるで、映画「American History X」のような背景）取材に走り回っていた記者のうちの一人が、それに気づいたのだけれど、父親の存在は報道されなかった。その理由は、「今は学校を非難するほうが売れるから」読者層＝件の父親という構図も、関与していたらしい。読者を敵に回したくなかったってことか？確かに、あの頃は子どもの問題と言えば何でも学校のせいにしておけばいい、ってな風潮があった。だからと言って、子どもの素行が悪くなったのは学校だけのせいというよりは、家庭や社会全体、そうね、テレビから受ける影響も大きいのだから、マスコミにだって、その責任の一端はある訳で。学校だけを攻めたことで、大事なことが見落とされてしまった罪は重い。学校バッシングがようやく収束しかけた頃、学級崩壊などの現象が衆目を浴びることとなり、再び教員と学校は窮地に立たされて行くのだけれど、その頃には、保護者の中にも、学校の立て直しには地域や親の力が必要だと解決のために立ち上がる人々の姿が見られるようになる。娘が小学校に入学した頃は、まさに学級崩壊がホットな話題で、学校関係者は過去のバッシングで非常に傷つき、とてもナーバスになっていた印象がある。ミレニアム直前から、学校教育や育児・子育てについてあれこれ取材に当たるようになって行った私は、幼稚園、保育園、そして学校と、子どもたちを迎える側に、ある質問をし続けている。「クレーマーとも言うべき親の存在は、増えているのか？　また、そのクレームの内容には、変化はあるのか？　」関係者のほとんどは、クレーマーの存在を認めつつも「それは限られた人たちだから、　数が多すぎて苦慮するということはない。　もちろん、対処するケースの中には、　時に大変苦慮するものもあるけれど、　数が増えたという印象は持っていない」と答えるのが常だった。それが、ここへ来て、少しだけニュアンスが変わって来た。「モンスターペアレント」という言葉が生まれ、一人歩きを始めた頃からだ。というのも、あまりにいろいろなところから「モンスターペアレントって、やっぱり大変なんでしょ？　」というような質問を浴びせかけられるようになったせいで、どのように答えれば、相手にきちんと伝わるのかにだんだん不安を感じるようになってきたらしいのだ。ある関係者は言う。「もちろん、全く利害のないところで、　これまでにも、ネタのひとつとして話したことはある。　でも、決して数が増えて大変とか、　呆れるほど理不尽なクレームばかりという話でもないんだ。　そこのところは以前と変わっていないと思う。　ただ、その話を聞く側の受け止め方が違って来たので、　ネタに出来なくなって来たと言うか、　非常に気を遣って話さないと、　それを聞いた人たちの手によって尾ひれがついた形で　広まってしまう状況だということに　大変な恐怖を感じるようになって来た」最もホットな話題だからね。現場の声を聞いたってことで、みんな騒いじゃうんだろうな、きっと。きっとこの先は「モンスターペアレント」を育てた時代や学校、親たちに、その矛先が向かうんだろうね。でも、そんなことをしたって、ちっとも解決にはつながらない。むしろ逆効果だと思う。犯人探しよりも、現状を何とかしようよ。問題を抱え込まずに、みんなで一緒に考えよう。少なくとも、保育所や幼稚園、学校を孤立させないように。クレームを突きつける親や子どもも孤立させないように。「モンスターペアレント」という言葉に一人歩きさせちゃダメだ。ラベリングは、例えば病名の診断のように、本当に必要なときにのみ、すればいいんだよ。

  2008.04.13

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• 最長“不倒”記録達成。

  昔は結構よくやったけど、ここ10年ばかりの間では流石に、せいぜい4、5回ぐらいかな。何って？徹夜の回数だよ。10年ほど前は、夜通し仕事をして始発電車で帰るという朝帰りを週に一度の頻度で決行出来るくらいに元気（無謀とも言う）だった。ま、それがもとで仕事をセーブすることになったのだけれど。で、この週末、とうとう大変な記録を打ち立てた。連続18時間、PCの前でひたすら仕事を続け、おまけに完全徹夜付き、というもの。10年前のハチャメチャ生活の中で、連続10時間座りっぱなしで原稿を打ち続けていたら、10時間きっかりで思考回路がフリーズ、やむなくお風呂に入って寝るという記録があるけれど。ただ、そういう記録は、家族が誰一人いないときしか達成出来ないので、記録を伸ばしたくても徹夜覚悟でないと更新は出来ないというのが現実的。という訳で、途中娘の作ってくれた夕食を摂り、BSで篤姫をラスト10分だけ観て、あとはほとんどPCに向かいっぱなしで18時間という自己最長“不倒”記録も、やはり徹夜がらみで達成とあいなった。徹夜明けで入ったお風呂の気持ちよかったことと言ったら、そりゃあもう、極楽♪しかし、10年前とは体力に雲泥の差があるので、その後の回復力に、はなはだ疑問が……。まあ、出来れば1年後ぐらいにして欲しいなあ。でないと、首に肩に背中に腰が、いつまでもボキボキ言ってるのって冴えないし。連続36時間勤務を強いられている病院勤務医のみなさまの労苦に比べりゃ、まだまだではございますが、寄る年波ってものもございますので、何卒ご容赦くださりませ。私と同い年で、連続36時間勤務という医師だってそりゃあ、いらっしゃるわね。平伏。

  2008.04.08

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• 監視社会。

  卒業アルバムに添えられたクラス文集で、「誰が将来強盗になりそうか」「サラリーマンになったら、誰がいじめられそうか」という設問コーナーを設けたと、こともあろうにテレビのワイドーショーで取り上げられる騒ぎになった中学校があるとか。例によって、母とのホットラインの中での話題。学校での出来事で、企画段階から指導に当たっていた担当教師はもとより、校長までもが原稿に目を通してチェック済みだったというところから、「はああ、何とおバカなことを……」という脱力感さえ感じる出来事。諸事を気にかける必要もなく、心置きなく「おバカだねえ」と言える珍しい出来事かも知れない。ただ、このような後ろ向きな問いを立てることについて、指導に当たったおとなたちは、何の違和感も感じなかったのだろうか？番組の司会者はこう言っていたそうだ。「将来、いじめられそうって名指しされた　クラスメートの気持ちまで考えたことがあるのか」いやあ、この場合の問題点は、そんなことじゃないっしょ。そういう設問を考え出すってことは、「この中に将来、マイナスを被る（生み出す）人がいるかも」というものの見方をしているってことだから、エスカレートして行けば異分子排除につながっていく危険性がある訳で、そっちを気に留めるべきなのでは？そういや、アメリカ映画でそんな内容の映画があったよね。タイトルは忘れたけれど、遺伝子解析などで、将来犯罪者になりうる人物を特定、排除して行く社会っていう設定。ここまで話していて、突然母が言った。「なんだか昔に戻ってるみたいよね」異分子排除ってところですね。言論弾圧とか、危険思想とか、特高とか。戦前の暗黒時代。「ただ、あの頃は上のほうから弾圧して行ったでしょ。　今は、ごく一般的な人たちから、　そういう傾向が強くなってるっていうのが……」うん、気がかりな訳だ。子どもたちは、おとなたちの意思や社会の要請を敏感に感じ取り、素直に反映させて行くからなあ。憲法は、一般国民を国家権力から守るため、国家権力という強い力に歯止めをかけるための縛り。そう教えられて久しい。その憲法で守られている言論や表現の自由が、一般国民によってまげて解釈されて暴走して行ったらどのような結果をもたらすんだろう？この話題の発端が卒業文集だっただけに、そんなことを考えてしまう。ちょっと横道にずれちゃったな。「異分子排除が、国民の総意です」なんつって、それが始まってしまったら、どうなっていくんだろ。これも飛躍し過ぎか？100年遅れて、ようやく日本にも、他者を認め、己を尊重するための痛みが始まっているのかな。そう見方を変えてみようかな。誰も彼もみんな同じだという共同幻想が崩壊し始めたのが、1980年代後半だとすれば、同じような髪の色、肌の色、言語を話す隣人が、いや、家族でさえ、個々バラバラな思いを抱いていることに気づき、うろたえ、葛藤して来た90年代。その反動が、異分子発見センサーの敏感化という形で今頃になって現れたとしてもおかしくないよね。センサーの使い方を間違ってるみたいだけど。恐ろしいのは、センサーの発達に気づかず、というかそれを認めようともせずに見逃して、逆にことを大袈裟にしてしまったおとなの鈍感さかも。「いやあ、珍しく、誰に気兼ねすることなく、　“ばか！”って非難出来る出来事だねえ」なんて、お気楽な反応をしてちゃダメじゃん。ここまで話が発展出来たのも、母と二人で、ああだこうだと語り合ったおかげ。歴史は繰り返されるように見えて、実は、単純な繰り返しではない。その繰り返しプロセスの差異をつぶさに観察すれば、大きな変化、違いに気づける。自分自身も含めて、しっかり見据えて、見誤らないようにせねば。それがたとえ、どんなに苦しく辛いことであったとしても。自分自身を失わないためにも。

  2008.04.06

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• 気がつけば、ひとり。（一部訂正）

  昼下がりに、ふと気がついた。娘は友人と鍋をつつく会で外食、夫は夫で、某所の年度末打ち上げに参加で外食。今夜、私は一人で夕飯を食べるってこと？思わず叫んだら、「すみませんねえ」と夫。うひゃあ、迂闊だった。こんなことなら映画でも観に行けばよかった。と後悔しても後の祭り。一昨年までは、連休に気づかず、外出の予定を立てようとして直前になって呆然とすることが多かったっけ。最近は、こういうことがとみに増えて来た気がする。またしても出遅れた訳だよ。ううっ。

  2008.03.22

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• ご家庭内価値観の変遷とPTA。

  珍しいメンバーでのランチ。世代的に言うと、団塊ジュニアがお二人と私だけれど、子どもの年齢で言うと、順不同で高校生の母、中小生の母、小学生に幼稚園児・未就園児の母。ほぼすべての年代の子どもが揃ってる。たとえ歳は若くても、親としての経験がものを言うことは過去の取材などから充分に承知している。実際、お若いお二人の親歴の差は歴然としており、一方がもう一方のアドバイザー役を一手に引き受けていた。ただし、嫁姑問題となると話は別。同居しながら苦労している人の話を一方的に訊く。「妻は家を守る役に徹しなさい」と言われながらも、家庭に二人の主婦がいるやりにくさ。そりゃあ、大変だよねえ。訊けば、お姑さんの年齢は私の母と同じくらい。専業主婦に強い憧れを抱いた人が多い世代だ。専業主婦であることに誇りを持っている。その価値観でものを言われると、ますますやりづらい。「家に女が二人いるやりにくさを　なかなか理解してもらえなくて。　ただでさえ、私の未熟さを感じてるのに、　家事がお姑さんの小見通りに出来ないからと　痛いところばかり突かれてしまって」愚痴の一つも出ようというものだ。そこではたと思い出す。長寿の双子で有名だったきんさん、ぎんさん。どちらかの方が実行なさっていたこと。「家を守る女はひとりいればいい」と、息子の嫁はすべて勤めに出して、家事は一手に引き受けていたという。この話をしたら、もう一人のお若い方が「大正時代や明治時代の人のほうが　ずっと物が分かっていましたよねえ」と感嘆する。そうそう、そうなのよ。そういえば、ランチの前の打ち合わせのときに、「社会的な制度や仕組みが変わっても、　人の意識はなかなか変わらない。　それに、人それぞれの生育環境や　受け継がれてきた価値観も絡むから、　10年、20年という長いスパンで考えないと、　なかなか意識の変化が見えて来ない」なんて話をしていたのだった。そんなことを踏まえつつも、もろもろの業界の歴史を遡り確認するのが大好きだった私は、100年くらいの変遷について思いを馳せる。「婦人運動とか、自由運動、　それに幼児教育なんかもそうだけど、　解放的になってきたかなあと思うと、　必ず古い勢力につぶされるんだよね。　それを繰り返しているんだ」ちょっと偉そうだけど、言ってみる。件のお姑さんや私の母なんかも、国民学校で育った軍国少女の時期を経て、いきなり戦後の民主主義教育のシャワーを受けて、そりゃあもう、解放的な時代も経験している。でも、もともと培われてきた価値観は古い家庭観だったりする。逆に夫の父や私の父のような戦前の教育を受けた人たちのほうがかなり進歩的。面白いというか、不思議なことだ。明治生まれの私の祖父母にしてみても、祖父はかなりモダンな考え方の持ち主だったけど、祖母は案外そうでもなかった。夫婦の年齢差を考慮してみると7、8年の違いの大きさに気づく。つまりはそのくらいのスパンで、意識や価値観の変革が順繰りに繰り返しているんだろうね。そうそう、PTAについても、子ども歴でかなり差が出る。でも、こっちは経験を経て変わるもの。毎年新人さんが入ってきて、先輩たちの薫陶を受けながらたくましく育っていくのさ。（全く関心を持たず、育たない人もいるけど）この繰り返しのほうが、普通に人の成長を見ているようで、なんとなく安心出来る感じ。

  2008.03.12

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• 辞める理由。

  どんなことでも、辞めどきは、非常に難しい。どうタイミングを計るか。物事には終わりがあるけど、人生はそう簡単には終わらないからさ、任期があるとか、あらかじめ想定していた到達点に達したとか、誰から見ても終わりどきってタイミングで上手く終止符を打ちたい。つまりは辞める理由なんだな。「また、わがままが出た」なんて言われてるあの人の、本当の辞めたい理由は何だろう？

  2007.11.04

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• しつこく言い続けることで、何かが変わって行く。

  「同じことを言い続けるのが私たちの役割です」と、ある国家公務員が言った。同じことを言い続けることで、伝えたいことが浸透して行く。これはとても大事なことで、是非浸透させたいことだから、事業計画に則って、同じことを言い続ける。ああ、私の仕事もそうだった。どこかで誰かが言い続けなくてはいけない事柄が、この社会にはあるし、何かを変えて行くために、言い続けることも必要なのだ。もっとも、毎日の暮らしは同じことの連続で、朝起きて、顔を洗い食事をし、自分の仕事に取りかかる。夜、食事の後はのんびりくつろいで、お風呂に入って就寝。おっと、歯磨き忘れちゃいけねえぞ。日々の暮らしの土台は、毎日の食事、定期的な運動、そして十分な睡眠。家族との語らいや、たまには旅行なんぞに出かけることは暮らしの中のエッセンス。それでも年月を経るごとに体は衰えていく。必ず訪れる死に向けて、時は流れて行く。できれば、死を迎えるそのときまで、過剰な衰えや病気等の苦痛とは無縁でいたいなあと願うのは自由だけれど、誰もが死を迎えることは免れない。まずはともあれ、日々の暮らしを健やかに。その積み重ねが健やかな人生へとつながる。出版社時代は健康関連の記事を多く書いていた。健康づくりは、まさに日々の積み重ね。気力・体力充実のためにも、それは欠かせない。仕事にかまけて暴飲暴食や欠食、運動不足に睡眠不足が続けば、てきめんに体から警告が発せられる。人生をトータルにとらえての健康づくりで言えば、幼少時からの日々の積み重ねが、体の基礎を作る、と言われている。旺盛な体力を誇示出来る10代、20代は残念ながら、まだ人生のひよっこ。社会的責任が重くなっていく30代後半辺りからは、体力的には下り坂で、なかなか人生思う通りにはいかないことがわかる。こういう話を、毎日毎日書き続ける。テーマが健康なのだから、それは致し方ないけれど、同じ傾向のものばかり書いていると、だんだん飽きて来てしまう。もちろん、全く同じことばかり書いている訳ではない。体の器官別、疾病別という具合にテーマを絞って企画を立て、取材をして書くのだから、大きなジャンルとしてはテーマは同一でも、旅のページあり、料理のページありと、それなりにバラエティには富んでいる。それでも、月刊誌に携わっていれば、例えば6月は「虫歯予防」と決まっているし、たまに「梅雨＝鬱陶しい＝うつ」という連想でメンタルヘルス特集に変更すると、「なぜ虫歯予防記事じゃなかったのだ？　」とスポンサー等からクレームが飛んでくる。でもね、続けて行くとわかるんだ。同じ時期に同じテーマで情報を発信し続けていかなきゃならないその意味が。何でもしつこくしつこく言い続けてこそ、受け手に浸透して行くんだよ。それに、読者はそれなりの割合で変わって行ってる。スポンサーの担当者は変わらなくても、その雑誌が届けられる先では、人事異動あり、引っ越しあり、新規入社に、退職ありと、人が常に移動しているのだ。しかも、常に読み手の記憶にしっかり残るとは限らない。だから、毎年同じ時期に同じテーマの記事を企画したり、数年間にさかのぼる目次等に目を通しては、同じテーマを違った角度から企画してみる。健康づくりにも、毎日の積み重ねだけでなく、年単位での振り返りが必要で、生活習慣病や感染症等の予防対策も重要なポイントになってくる。疾病対策には早期発見・早期治療。軽症なうちに手を打てば、かなりの病気が軽快する。それならば、定期検診以外に初期症状、あるいは疑わしい症状が現れたときの見分け方や対処の仕方も情報提供していく必要がある。もともと、創業理念の性格から言って同じことを、何度も何度もしつこく発信し、常に関心を呼びかけることが、私たちの役目。飽きてしまおうが、嫌気がさそうが、そこのところはぐっと我慢で、おのが好奇心を喚起し、ひたすら工夫を重ねる毎日。そうやって何年も過ごしてみたら、モノの見方に一つの癖が出来てしまった。世の中の事象を健康づくりや医療方面から眺める。フリーになって、社史や労働組合史に関わるようになると、またまた新しい視点が私の中に培われて行った。特に労働関係では、健康づくり＝労働衛生というわけで、生活の見直し、働き方の見直しともに、労働問題との見方が私の中では確立している。子育てと仕事の両立すなわち、子どもの育ちを保証するために、養育義務のあるおとなの生活を見直し、その生活を守るために働き方を見直すこと。働き方の見直しにより、個人の生活に時間的な余裕が生まれ、家族と過ごす時間が増える。これまでとは違うのは、労働以外は余暇という捉え方ではなく、労働も余暇も含めた個人の生活全体を見ていこうという捉え方に変わろうとしていること。さらに子どもと高齢者をも含めた個人の人生全体、人生設計の一つとしてとらえて行ける可能性も秘めている。ライフとは生活という意味だけじゃなく、人生という意味もあるからね。ライフ・ワーク・バランスという言葉のライフを人生と置き換えてみると、どう？さらに意味が深くなって来るような気がするでしょう？冒頭の国家公務員がしつこく同じことを言い続けてくださったおかげで、労働問題、経済・産業問題に、ひとりひとりの生活保障と子どもの権利保障などとが結びつきそうな予感。

  2007.11.01

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• 難を逃れるコツ。

  台風9号が近づく中、夕刻には機上の人となる予定の夫。家で仕事をして、そのまま空港へというスケジュール。で、ケーブルテレビのお天気チャンネルをつけっぱなしで、ひたすら仕事に励む。今回の台風は速度が非常に遅い。進路予想図に表示される到達予定時刻が、3時間刻みに遅くなって行く。もしかしたら、夫が乗る予定の便はぎりぎりセーフで飛び立てるかも……。それでも確実な線で、と早い便に変更するべく、予定を繰り上げて出かける予定の夫。朝からずっと気象情報を聞いていたせいか、必要以上に不安になってきたらしく、お昼が近づくとそわそわと落ち着かない。昼食もそこそこに出て行こうとする気配を察知、せめて1時過ぎてからでかけることにすれば？　と押しとどめる。完全にお尻が浮いちゃってるよ。ははっ。1時になると普段なら呼ばないタクシーを呼び、いそいそと出て行った。もともと、じっとしていられない性格だから仕方ないか。ま、気をつけてね。ほどなくして、「1便早いので行くから」と連絡が入る。いつぞやは、仕事を済ませて1泊し、早朝の便で帰って来る予定だったのを、迫り来る台風の進路を自分なりに予測、前日の最終便に変更して帰ってきた。もちろん、当初予定の便は欠航。早め早めの行動が難を逃れるコツ。得た教訓は生かさないとね。でも、今回の予定していた便はぎりぎりで出発出来たみたい。「いやあ、もの凄く揺れたんだよ。　次の便はもっと揺れたよ」ホテルに到着した頃合いに連絡してみると、そんな返事が返ってきた。“嵐を呼ぶ男”は、嵐の避け方も知ってるってこと？父親がこのような綱渡りを演じている間に、今日も授業繰り上げで早めの下校となった娘は、寄り道をしてのんびり帰ってきた。しかも持って行った傘を学校に置いてきて、この猫の目のような天気の中、傘なしでも雨に降られずに帰ってきたらしい。ま、そのお気楽なところが、案外身を助けていることもある、かな？もっとも、傍観者然としている私が、一番強運の持ち主だったりして。

  2007.09.06

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• 有機・無農薬ぶどうに、大振りの桃、到着。

  有機・無農薬栽培のぶどうが今年も岡山から届いた。なんでも梅雨が長引き、例年よりも作柄が良くないらしい。せっかくなので、0.1.2歳児親子が集うひろばへ持って行った。玄関先でちっちゃな人たちは水遊びに夢中。娘がその昔水遊びに興じた懐かしのビニールプールが未だ健在であることを通りすがりに確認。3房ほどを軽く洗って、早速供する。ものの5分ほど経って「ごちそうさまでした」と残骸が届く。こんなに喜んでいただけるのなら、来年もまた、おすそ分けに来ようと固く誓った。で、汗をかきかき帰宅すれば、ピンポーンとインタホンが鳴る。げげっ、これも恒例の福島の桃が届いたよ。開けてみると大変大きな桃が13個、甘い匂いを漂わせて鎮座していた。まさしく、これは、水蜜桃。これも、ちっちゃな人たちの水遊びのお供に差し上げたかったなあ。という訳で、ぶどうの貰い手はついたが、お次は桃、なのだった。今日から始まった高校野球。全チームのデータをテープに吹き込む作業でへろへろになっているはずの母。近くに住んでいれば、ぶどうや桃で、労うことが出来たのに。桃持参で海辺の家に行くことになるのか？

  2007.08.08

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• 再び、山は動いた。

  出張帰りの夫、日帰りなので空港へは車で出かけ、駐車場を利用したらしい。帰宅する頃には、選挙情勢の大枠は熟知していた。大勢がほぼ決まってからの各党の党首と中継で結ぶインタビューを見る。インタビュアーが、いったい誰に何を言わせたいのか、夫と二人で推測しながら、反応を伺う。見たまま、聞いたままをストレートに受け止めるほどこちらも若くないので、大敗した側、大勝した側双方の受け答えを見ながらいろいろと苦労しているなあと思う。何に対してNOが突きつけられたのか。突きつけた側にも、いろいろな思いがあるはず。前回の衆議院選挙への反省も込められているだろうし、その後の国会の動きに対する返答でもあるだろうし。“審判”を受けた側は、メッセージを読み誤らないで欲しいし、票を投じた私たち自身も、眺めているだけでは済まない。改めて今後の行く末に注視し続けていかないとね。とまあ、こういう日に、中学時代の友人と世界一有名なテーマパークへ出かけた娘。楽しかったらしい。いつまでも遊び続けているわけにはいかないだろうけれど、明日も君たちが笑顔でいられるように祈ってるよ。そのための一喝でもあったのだと思う。変えるべきところは、そういうところじゃないんだ、こっちを変えて欲しいんだよ。思いは、本当に伝わるのか。伝わらなければ、再び同じことが起きる。こうやって、ヤマは動く。

  2007.07.29

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• 1票に込める思い。

  夫が期日前投票に行くというので、一緒に投票を済ませてきた。以前と比べると、定められた投票日の前に投票を行う理由などについて、あれこれ詮索されることもなく（もちろん申請用紙には　いくつか書いてある中から理由を選んで　申告しなくてはいけないのだけれど）本当に楽になったものだ。最寄りの特別出張所は、バリアフリー仕様の建物で、アプローチにはスロープすらないフラットな造り。車椅子でお出かけの方もいらした。投票所として指定されている建物には学校が多く、ほとんどがバリアフリー時代以前にたてられたもの故、急場しのぎのスロープは用意されているものの、不安定だったり、幅が狭かったりで、何かと不便を感じることが多い。となれば、不安を感じずに済む場所を選んで投票出来る期日前投票を選んだほうが、安心して投票に臨めるというものだ。国民としての権利であり、義務。年配のひとほどそのことを大切に考えている人が多いから、そういう点から考えてみても、今の期日前投票制度は使える。で、肝心なのは、意思表示の仕方。事前に夫と、方向性について話す。「個人名を書くほうはいいんだ。　誰にするか、選択のための情報はそれなりにあるし、　自分の方向性も決まってるから。　問題は比例区のほうだよな」「うん。　比例代表者名簿に書かれた候補者の名前でも、　透明でもどちらを書いても良いっていうけど、　どの党に託そうかっていうところで、　悩むよね」「ここにお願いしたいっていう決め手がないんだ」因に、私たちは○○党ではなく、立候補者個人に1票投じたいと考えている。これまでもそうだけれど、「ぜひあなたたちに」って託せる相手がいなかったから。そのときそのときの状況で、自分なりに、選ぶ基準は明確なのだけれど、決め手に欠けるんだ。だから、こういう方法はどう？　って考えた。現状に対する思い、態度表明としての1票。各党のマニュフェストを参考に、「今の日本を任せた」という意味ではなく、「ここのところは重要なポイントなんで、　その実現のために、よろしく頼んます！　」という意味を込める。或いは、「今回は、こちらに1票投じることで」「今のまま、頑張ってくれ」もしくは「ちょっと反省してくれ」という「自分なりの態度表明」を行う。国政に地方選、もう何十回と投票に参加してきた。だからこそ選び方も、次第に工夫が生まれる。全部託してOKという政党がないが故の、ちょっとひねった投じ方ではあるかな。「どうしても、ここの名前だけは書きたくない」という場合には、そこは避けて、次善の策を選ぶ。こういう選挙人一人一人の思いは、なかなかマスコミなどの分析にはあがって来ない。当選か落選か、議席数がどれだけ伸びて、全体としての情勢はどのようになるのかという見方では、絶対に理解されない。けれども、選択肢が多い分だけ、個人としては、そういうのはあり、っていう選択の仕方であり、思いの込め方なんだと思う。今回、特にこだわりたいテーマがあったので、普段とはひと味違った選択になった。夫の選択の方向性は聞いたけれど、いつものことながら、どういう選択をしたのかは、もちろん聞いてない。開票速報番組を見ながら、情勢が固まり次第、事後報告しあうのが決まり。さあて、みんなの選択の結果は、どう出る？

  2007.07.28

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• 被災地で迎える投票日は……。

  夜中にふと、考えた。新潟県中越沖地震に見舞われ、避難所で過ごすことになった方々は、今回の選挙の投票に行けるのかな。もちろん、今現在、投票どうしようなんてこと、考える余裕もないだろうし、入場券なんて、もしかしたら持ち出せていないよね。それに、投票所として使われるはずの場所が避難所になってる。それでも、投票日まであと10日あまり。当然の権利であり、義務を行使するためには、どうすればいいんだろう。余計なお世話かもしれないけれど、考えたら眠れなくなった。阪神大震災のとき、実家の惨状に衝撃を受けた後、電車で梅田へ向かったら、そこでは当たり前のように変わらぬ日常があった。電車に乗ってわずか数十分で、別世界。淀川の向こうは、何も変わっちゃいなかったよ。あっけにとられると同時に、猛烈に腹が立った。腹を立てても仕方がないのにさ。今回の地震報道を見ているうちに、あのときのことを思い出していた。で、思ったんだ、選挙のことを。

  2007.07.17

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• そうだ、選挙に行こう！

  事故渋滞をくぐり抜け、出張から帰って来た夫。テレビのニュース番組を見ながら、突然語りだす。ま、いつものことなので、家族は気にしない。「絶対に、今度の選挙の問題点は税金だ。　年金は、足の引っ張り合いなんてしてる場合じゃないだろ？　超党派で、滞りなく支払われるように知恵を絞るしかない。　となると、絶対に税金がテーマ」この人は税金を払いたいのか払いたくないのか、そういう点については。妻の私もよくわからないのだけれど、払った税金の使い道には、相当関心があることは確かだ。もちろん、自分が支払うべき税金についても。日本という国が、どれほどの借金を抱えているか。これを返却しながら、いろんな事業を進めていこうっていうんでしょ？このままじゃ、早晩破綻は目に見えてる。そこんところが、私たち国民の一番の関心事。納得出来る使い方をしてくれるんだったら、頑張って払うよ。というか、そういうことなら払ってやるよ、と、私たちが税金が払いたくなるような仕組みを考えた方がもっともっと“美しい国”になるんじゃないの？十日ほど前の、母と私の電話での会話。「もう、この先のことはどうでもいい。　自分が生きている間は、楽しく暮らしていた方がいいわよね」「お言葉ですが、将来ある子どもの親としては、　今のような状態を少しでもよくすることを考えなくては、　子どもに申し訳ないと思うのですよ」「？　」「我が子につけは払わせたくない。　国の借金を背負わせるのは嫌。　綻びだらけの仕組みの後始末を後の世代に残すのも嫌」「そ～んな固いこと言ってると、　誰かにつけ込まれたりするよ」「（治安維持法の時代を生きていた世代の気持ちはわかりますが）　つけ込まれてもかまうもんか。　ともかく、ちゃんと調べて確かめて、　改善に向けてやれることはやっていかなきゃ、　子どもたちに申し訳ないもん」「おお、こわ。　ま、やれる範囲で頑張ってみれば」うん。正面切って言わないけれど、頑張りどころは、何度もあったはず。でも、それを静観して来た世代にも言い訳はある。そういうことも飲み込んで、今の時代は危ういと感じるからこそ、せめてもの意思表示のチャンスは生かしたい。このところの報道では、選挙への関心の高まりは前回の衆議院総選挙以上とか。「絶対に投票率は上がるよ」と断言出来る夫ほどに楽観はしていないから、ほとんど願いに近いのだけれど。ねえ、誰が、自分の一番望んでいることを実現してくれそう？どういう投票の仕方をすれば、現状打開に結びつく？夫や私が感じていることが、正義だとは思わないけれど、少しは変えられるのかしら？何はともあれ、7月29日は投票所へ行こう。夫は、またまた期日前投票になるけれど、我が家の投票率が100％であることだけは間違いない。

  2007.07.16

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• 今度は夏野菜とぶどうが届いた。

  さくらんぼ攻勢に見舞われた6月。今度はデラウエアがやってきた。そう、ぶ・ど・う。一昨年まで友人が住んでいたアメリカは東海岸のデラウエア州。ここが原産地のぶどうだよ。箱にもテープにも、ハナエ・モリがデザインしたとある県生産物のマークがついている。毎年、今頃届く、ありがたーい季節の贈り物さ。観劇から戻ってきて、おなかを下したと寝込んでいる娘が、幼少のみぎりは大好物だった。ちっちゃなお口にちょうどよい大きさだったんだよね。おなかこわしている子には、あげられないな。冷蔵庫の中には、つい数日前に届いた笹かまぼこセットが残り3分の1ほど入っている。近頃のかまぼこは工夫が凝らされていて、笹でくるんだもの、揚げたもの、本来の笹の葉型のものとバラエティーに富んでいる。内緒の話、我が家の練り物消費量はきわめて少ない。内緒ついでに打ち明けると、先週から野菜の頂き物が続いていて、トマトにミニトマト、なすにきゅうり、ささげと、夏野菜ラッシュ。先週の金曜日には、なすが15本くらいあった。もったいないお化けが住む我が家ですから、頑張って調理しておりますとも。（それでも、我が家の人口わずか3名）でも、こういうときに限って、娘のお弁当がいらなかったりするんだよね。（ミニトマトはお弁当の必須アイテム。　これで1週間2パックはいく）きわめてミクロな周期もミクロな我が家の「歴史は繰り返す」。果物だけじゃなくって、野菜までもが……。で、アメリカ原産のぶどう君は半分は貰い手がついて、残りの4分の1を、夫婦で食べた。願わくは、どの果物も野菜も、食べ切れますように！

  2007.07.11

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• 歴史に学べ。（訂正あり）

  なんだか一日中本ばかり読んでいた。一番面白いのに、なかなか読了しないのが「京都学ことはじめ」（編集グループ＜SURE＞）。考古学者の森浩一さんと12名の識者との対談。何が面白いって、いきなり地震考古学なるものが登場する。「発掘作業をしていると　正体不明の遺構に行き当たる」のだそうだ。この遺構を「掘り進むと、　どこまでも下へ伸びる」この遺構の正体やいかに？後年発生した地震による噴砂の跡。地震により、遺跡よりもずっと下の地層から砂が吹き出した跡。これは新潟地震による地盤の液状化が確認されたことで、新しく発見されたというか知られるようになった現象。その堆積のされ方で、地震の規模が判るという。遺跡の発掘って、遺跡そのものが作られた時代のこと以外にも、随分いろんなことを教えてくれるんだ。へえーと、感心したら、もうこの本の虜になってしまう。でも、一章が短いので、ついつい合間に人に勧められたり、どこからか届いた本に食指が伸び、まだ読み終えていない。合間に読んだ本は、例によって乱読なので、「コドモであり続けるためのスキル」（貴戸理恵・著／理論社・刊）、「たまには、時事ネタ」（斎藤美奈子・著／新潮社・刊）、「次郎と正子　娘が語る素顔の白洲家」（牧山桂子・著／新潮社・刊）といった具合に脈絡はない。ただ、このところのテーマは「温故知新」で、紀元前の歴史からここ数年を振り返るものを読むなど、いろいろな時代を行ったり来たりしている。「たまには時事ネタ」は婦人公論に連載されていた。連載第一回目を読んだ記憶は鮮明で、「歴史は60年周期でくりかえす、という説がある」という一文で始まる。「そうそう、まさに歴史は繰り返すのよね」なんて思った。ちょうど父が倒れる一年前のこと。そして9・11がやって来て……。「京都学ことはじめ」で取り上げられている時代的スケールとは、大きな隔たりがあるけれど、人のやることったら、結局は繰り返しなんだよねえというところでは一致しているよ。インターネットの普及で、世界の出来事が瞬時にわかる時代になったといわれるけれど、縄文時代から、すでに日本のあれこれについては海を隔てた諸外国からの影響を配慮せずに考古学的分析なんて出来ない状況にあった。そんなことを考えながら、先頃日本史の教科書の沖縄決戦当時の記述から「軍の指示による自決」という表現が削除されたことへの沖縄の人々の抗議署名が6万筆以上も集まったというニュースを聞く。小さいなあ。誰がって、この国を取り仕切る人たちだよ。「何が起きたのか」を実体験として語れる人たちがいるんだ。メンツにこだわらずに、あるがままを受け入れようよ。そんなことで、私たちは卑屈になんてならないよ。それが戦争なんだもの。負けたから卑屈になって戦争反対を唱えてるんじゃないもの。戦争とは、いったいどういうことが起きることなのかということを知りたいし、知ったうえで、そういう悲惨な状況に陥るのは二度とごめんだと思う。感じる。言いたい。「密約」も伯母の自分史も、私の中では、すべてが同じことを指している。男性は、その社会の中で生き抜く、勝ち抜くための知恵を授けようとする。女性は、どんな社会であろうとも生き抜くための知恵を授けようとするんだって。近頃はやりの子育て雑誌は矛盾している。教育が、人をその他自然資源を同様にとらえる「人的資源」開発政策の片棒を担ぐ方向へとシフトさせられたときに、それに対抗する子どもとの暮らしに重きを置きたいという親ごころを象徴する言葉として生まれたのが「子育て」。あれらの雑誌の、どこが「子育て」なのさ。歴史は、そんなことも教えてくれる、素敵な学問なのさ。

  2007.06.15

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• 高校生が受ける歯磨き指導。

  いよいよ本格的歯列矯正への第一歩。今日は矯正装置を装着後の歯磨き指導の日。学校帰りに直行する予定だった娘は歯ブラシを忘れて一旦帰宅。歯ブラシ一本持って出かければよいものを、「これじゃチャリに乗れないし、　制服のまんまで鞄がないと間抜け」と言い訳しつつ、重たい鞄を提げて出て行った……。絶対に、何か間違ってる。変！！犬公園仲間と約束があったので、ワンコを連れて犬公園へ立ち寄った後、あまりの涼しさに、上着を取りに帰宅。（こういうところは、今日だけ親子で同じことをしてた）気を取り直して矯正歯科へ。今日の歯磨き指導の結果を拝聴する。「こんなに磨けていないとは思いませんでした」差し出されたプリントに、見覚えのあるコメント。思わずため息が出る。sigh.初めてここを受診したときのことだ。歯磨き指導も行っていただいて、やはり同じコメントを頂戴したのだった。君はこの数年間、歯磨きに関して学習しなかったのかね？おまけに、待合室で待っている間に「もう、お母さんに歯磨きをしてもらうという年齢じゃないものね。　ちゃんと自分で磨こうね」という歯医者さんの声を聞いてしまった。君は確か、高校生になったんだよね。プライドが傷つかなければ、磨いてあげてもいいけど、どう？美しい歯並びを手に入れる代わりに虫歯だらけというのは歯医者さんならずとも、ご免被りたい。「どの歯をきちんと磨いたかを忘れないように、　一番奥の歯から1本ずつ丁寧に磨くよう、　お教えしました」はい、娘だけでなく私もそのように致します。こういう歴史の繰り返しは、やだ。

  2007.05.11

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• 同じ日に、かの国とこの国で。

  銃社会と言われるアメリカと、日常生活に銃なんて想像だにしない日本とで、銃による凶悪事件発生。朝、夫が日帰り出張に出かけるべく、ＴＶの前で準備中。相変わらず、動作のたびに溜め息をついている。そこへＴＶのニュース。アメリカの大学で発砲事件。死者が出ているようだが、情報が錯綜しているらしく、いまいち分かりにくい。数カ月前には、友人の住む州の小学校でも発砲事件があったっけな。「またかよ、　銃社会・アメリカかあ」夫は、そんなことを言いながら出かけて行く。夕刊で、32名が亡くなる大惨事となったことを知る。相変わらず、情報が錯綜しているのか、一面トップの記事自体が非常に分かりにくい文章だった。で、夜、BSニュースを見ていたら、テロップが流れた。「長崎市長が銃のようなもので撃たれ重体」アメリカのこと言えないじゃん。と同時に、先代の市長も確か現役で銃弾に倒れ、その後復帰したことを思い出す。この時点では、まだ犯人は判っていなかった。核廃絶や平和について積極的に発言することに暴力で弾圧を加えようとした者の仕業なら、先代市長と同じだ。ＴＶでは、某ジャーナリストが「言論に対するテロだ」と憤っていた。その後、言論弾圧ではないことが判明するのだけれど、理由は何であれ許される行為ではない。ニュースで、日本時間では同じ日に起きたアメリカと日本での銃による事件が報道される。娘が言ってた。「殺人事件とか、虐待とか、　嫌な事件ばかり報道される。　もう、こんな世の中嫌だ！　って感じ」ニュースを見るたび、「ひどい！　」と憤ってる。あなたの日常は平和そうだけれど、今日もどこかで誰かがいのちの危険にさらされてる事実を突き付けられるたびに胸を傷めてるんだね。村上龍の「希望の国のエクソダス」の冒頭、「何でもそろうこの国で、　希望だけがない」という下りを思い出す。日々のニュースに触れるたび、子どもたちは徐々に希望を失って行くのだろうか。いや、物事そんな簡単なことじゃない。でも、要因のひとつにはなってる。

  2007.04.17

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• 詰め込みから削減、削減から再び詰め込み？

  ここのところ静かだったけれど、教育委員会の改革論争等で、再び新聞等をにぎわせ始めた教育再生問題。「ゆとり教育」はどうなっていくんだろう。娘たちは、ちょうど「円周率は3」と教えられる第一期生になるところだった。それが、あちこちから批判が沸き起こり、あっという間に「円周率は3.14」に戻ってしまった。もっとも、私はこんなことを思っていた。「どうせ中学に入れば円周率＝πと教えられるので、　この場合の3.14問題は、　円周率がどうしたと言うよりは　小数点を用いた計算に習熟出来る　機会を逸するかどうかというのが、　本当の問題点なんだろうな」百ます計算を例に出すまでもなく、計算は訓練によって習熟出来る。だからあらゆる機会をとらえて習熟のチャンスと考えておかないといけないのではないか？とくに小数点の概念を身につけるだけでも子どもによってはかなり苦労するのに、小数点かける小数点となると、それまでに習っていたはずの整数の位取りを本当に理解していたかどうかというところにまで遡って確認し直す必要が生じるほど、それまでのとりこぼしが露になってくる。実際、娘は小数点の計算に習熟するまでにかなり苦労していた。教える内容を削るのは、教える側にとっても厳しいことらしいが、教えられる側にとっては不信感を抱くことにもつながる。学習指導要領の改定についてかいつまんで娘に説明したところ、「これまで教えていたことを　教えてくれないなんて、嫌だ」とだだをこねた。その娘の親である私は、小学校時代に行列や集合を詰め込まれるいわゆる詰め込み教育の第一期生だった。「集合論は上の学年では習いません。　あなたがたから習う内容です」いきなりそう言われて、薄い副教科書が配られた。親が詰め込み教育を受けているのに、その子どもが削減される不思議。もっとも削減までに随分時間が経っている。詰め込みを反省し、自ら課題を見い出し、自ら解を求めようと考えるコミュニケーション能力に長けた人材の育成にウエートを置く方向へ転換するまでに、随分と痛い思いをしたということでもある。それが、削減から再び詰め込みへとこんなに短期間に転換しようとしている。いいんだろうか？こんなにも簡単に逆戻りしようとするなんて。子どもたちの日々の生活に接しているこちらとしては、もっともっと深刻な問題がたくさん進行しているのを目の当たりにしているんだけれど。（そこんところは、どうするのさ。　あなたがたは、何故　そういうところを見ようともしないんだ？　あとで騒いだって知らないよ）おとなたちの現状無視のやりとりで、そのとばっちりをもろに受けるのは娘たちをはじめとする子どもたちなのだ。

  2007.02.17

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