保育の質を問う一方で、なぜ幼児教育の質は問われないのか?
取り敢えずは、直球を投げたいと思う。保育所での保育の質を問う声は多いのに、なぜ、幼稚園での幼児教育の質は問われないのか?例えば、認定こども園へ移行させるために始まった幼稚園の預かり保育=延長保育。実態は、アルバイトの職員を配置、ところによっては、ビデオを見せているだけで、お昼寝したい子どもがいてもお布団の用意さえない。こういうところ、保育所育ちの親子には文明との衝突くらいの違和感、インパクトがある。保育は生活支援、幼児教育は教育。親が子どもを託すときに、どちらを選びたいか?と言えば、当然前者だろうと思う。そりゃ、4、5歳児はかなり自分自身の身の回りのことができるようになっているし、何より3歳児未満と比べて、簡単には死なないくらいに丈夫。しかし、働く親にとって、安心を提供出来ているのはやはり保育所での保育なのだとも思う。その違いはどこにあるのか?と問えば、幼稚園児は通常保育を終えれば、あとは母親に子どもの養護責任を返すシステムでなりたっているものだから、だ。一日のうち、たった4時間の集中プログラム。それが幼稚園なのだけれど、子どもは24時間活動している。あとは保護者にお任せで成り立っている幼稚園と生活の大半を支える保育所との違いは明らかだ。子ども・子育て新システムで論争ポイントのひとつになった幼保一体化。幼稚園昨日と保育園機能のよいところを一体化させた総合こども園化を進めるというもの。真っ先に出されたのが、すでに幼稚園と保育園とがひとつの施設に併設された形の認定こども園制度があり、平成24年現在、911件が認定を受けている。すでにある制度と同じものなら、既存の制度を改良して行けば良いだけではないのか?それなのにん、なぜ総合こども園と名前を変えるのか。認定こども園と総合こども園、どこが違うの?違いは、ほとんど感じられない。幼稚園と保育園というそれぞれが文科省と厚労省という別の省の管轄下にある施設を、ひとつにまとめようとすることから生じる認定申請の手続きの煩雑さ。幼稚園は都道府県、保育園は市区町村が直接的には監督するため、設置後も、何かと言うとそれぞれにお伺いを立てなくては行けない。書いているほうも混乱してしまいそうな、煩雑な施設が、何故誕生したのか。同じ子どもが通う施設なのに、親の就労の有無で施設が違うというのはどうなの?幼稚園ってお弁当食べたらおうちに帰るけど、午後も子どもを見てくれるといざというときありがたいなあ。でも、預かり保育は、子どもの成長を充てにして、保育所のそれと比べたら、内容は明らかに貧しい。幼稚園に託しているというだけで安心している親御さんの信頼を裏切っている可能性は否めない。でも、幼稚園の実態はなかなか明らかにされていない。建学精神、理念と言えばかっこいいけど、今、幼稚園で行われている幼児教育に疑念を抱いている。保育には養護と教育。では、幼児教育は教育だけなの?多分現場で奮闘している教諭たちは否を唱えるだろう。しかし。社会的には奮闘部分は保育所でのみ認められ、幼稚園では教育が行われているからと、実態を問うことなく、何となく高尚な雰囲気のみをそこはかとなく伝えるのみで、誰もまともに検証しようとしていないように感じる。教育という言葉だけで思考停止?それ、おかしくないか?