実の母と、ふがいない伴侶との板ばさみは キツいよ。
慌ただしかった7月もようやく終わる。これまでの慌ただしさのおかげで、今年度の事業概要もおおかた固まり、最後の仕上げの段階に差し掛かっている。珍しいことに、秋には関西でのイベントもある。かつて父の診療所があったところからほど近く、とても懐かしい場所での開催だ。周辺地域のあれこれを調べていたら、これまで思いもかけなかった視点が開けた。夫の実家ではなく、妻の実家と同居の子育て。こりゃあ、随分気楽だろうなあと勝手に思っていたのだけれど、もしかしなくても、かなりやっかいなことになっていたかもしれないぞ。非日常という状況でしか、実家を捉えていなかったからね>わたし。「バラの檻」という言葉をご存知だろうか?贅を尽くして娘を育てることを言う。最上級の衣食住環境で育てる。するとどういうことになるかと言えば、たとえば学生食堂の食事では我慢出来なくなるのだ。「値段の割に美味しい」なんて思わない。値段と味が正比例していると知るや、大学の学食には近づかなくなる。学生向けの定食屋にも多分入れない。ほかのことについても同じこと。学生の分際には見合わない暮らしを維持したくなる。親掛かりなら、すべてが可能、というところが、ミソ。それがね、結婚したあともずっと続くのだよ。良家のエリート、もしくは将来を嘱望されるエリートと結婚。親掛かりで瀟洒な家に住む場合もあるけど、男性の側を立てて社宅からスタートの場合もある。生活の質を維持出来ない安月給で狭い社宅住まいでも、実家の絶大なるバックアップがある。目利きの親が射止めた伴侶。まず間違いはない。ので、ほどなくして海外勤務になったりする。というようなことを経て、生活の質は落とすこと無く妊娠・出産・育児においても全面的なバックアップがなされる。もちろん、孫のためならますます財布の紐を緩める実家。いや、ご本人がそれを当たり前のこととして受け入れているなら何ら問題はない。でも、そういう方々ばかりじゃないでしょ?「バラの檻」で育てられても、やんちゃの人は居る。親に服従した振りをしつつ、いつか親の檻から飛び立とうと狙う。(そこで親の側も試されるのだけれど)鎌倉武士の質実剛健をモットー育てられたおかげで「バラの檻」とは無縁だったクァタ氏だけれど、「バラの檻」で育てられた友人は多かった。なんだ、私自身が楽しければ、それでいいじゃんと吹っ切れた友人もいる。でも、そういう人ばかりじゃないのよね>彼の地。「バラの檻」という子育てが存在する彼の地での育児はさぞや大変だろうなと、思うのにはその土地で育った者でなければ解らないことがある。嫁姑問題も深刻だが、婿をためつすがめつするという文化キツいよね。関西のはそれがある。子どもへの愛、と敢えて行っておこう。実の母とふがいない伴侶との板ばさみはキツいよ。実の母に殺意を抱きそうになるくらいに。というのが、阪神南地域の実態だと、実感を持って言える。