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[散歩の日々] カテゴリの記事

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• 買い物ついでにワンコの散歩。

  加湿器が壊れて、慌てて買いに走る。と書けば、いかにも俊敏そうだけれど、そこは何かとワンコの散歩に引っ掛けて出かける我が家、お出かけ前のひと騒動を経て、のろのろとお出かけ。私一人でワンコの散歩に出かけるときは、とってもおとなしく支度が出来るのに、夫や娘が相手だと、ついはしゃいでしまってリード一つつなげるのにかなり手間取る。どうしてなんだろうねえ。ご近所の大型電気店は抱いていればペットも入店可。たまにラブラドールや柴犬が外でご主人が現れるのを待っている姿を見かけるけれど、店内では、かなりの率で小型犬を見かける。道中は歩き慣れたいつもの道。川沿いにゆるゆると歩くのがパターン。桜の頃は花見も楽しめる。電気店の加湿器コーナーにさしかかるや「ご案内致しましょうか？　」とにこやかなお姉さんに声をかけられ、「ご案内いただけますか？　」と反射的に答えてしまう夫。ええ、こういうときの彼はかなりのお調子者。で、結局お勧め品を買わされてしまう。今日は壊れた加湿器と同じ気化式を購入。「スチーム式なら、もっと安かったのに」とぼやくことしきり。あはは。夕方には、あらかじめ料理の本で献立を考え、材料の買い出し。今度は別方面へとワンコ連れで出かける。家を出るときには、早くも駐車場のイルミネーションが灯り始めた。もっと暗くなれば、様々なところでイルミネーションが輝きだすはず。「このお家のイルミネーションはこんな感じ」と夫に説明しながら歩く。地元のあるエリアでは、イブを前にして夜のイルミネーションツアーを企画、「いつも楽しませてくださってありがとう」と、家々のポストに感謝状を届けるんだって。なかなか面白そうだよね。家にたどり着いたとたん「あ、キャベツを買うの忘れた」夫があわてて自転車で買いに走る。これだよ。いつもの休日なら、もっと遠くへ、ただ散歩するためだけに出かけるのに、今日は買い物ばかり。ワンコはちょっと物足りなさそうだね。ただ、夫と一緒だと、ひたすら歩くのを楽しんでいるようで、そこのところは感心してしまう。さて、明日はどこへ出かけようか。

  2007.12.22

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• イルミネーションを訪ねる夜の散歩。

  冷たい雨が降り続いた日。夜になってようやく路面が乾いたので、久しぶりに夜の散歩を決行。吐く息が白い。半日待って、ようやく表に出ることが出来たワンコは、寒さも気にせず、どんどん走る。今年のイルミネーションは、ちょっと違うね。カラフルだし、発色も違うみたい。どの家も、やたらと凝った点滅。ウエーブのようだったりするよ。これまでは線状だったのが、面状になったみたい。電球の数が多いんだね。サンタクロースやスノーマン、天使までいて、小物もかなりの懲りよう。ツリー状のものも多いね。もともとカラフルすぎるのは好きじゃない。だから、違和感というか、ちょっと違うんだよなあ、って思ってしまう。ブルー系が多いのが、多分ダメなんだ、私。クリスマスカラーか、白熱灯の色がいいな。人様が楽しんでいらっしゃるところ、非常に心苦しいのだけれど。そんなことを話しながら、歩く。ワンコの息が弾んでいる。体が温まって来たんだろう、舌が伸びてるよ。帰り着くと、駐車場のイルミネーション。今年はかなり派手。ああ、もう充分堪能させていただきましたわ。家の中にも、クリスマスコーナーを作ってあるけど、こっちは小物を並べて飾ってあるだけで、光り物はゼロ。晩ご飯はお雑煮。「クリスマスを通り越して　お正月が来ちゃったよ」娘のひと言に、思わず受けてしまった。

  2007.12.13

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• 散歩で紅葉を楽しみ、昼寝と手料理の休日。

  このところ休みの日と言えばワンコの散歩。でもって、行き先は森に囲まれた池のそばのドッグ・カフェが定番となりつつある。そのカフェ、大通り沿いのビルの一階にも関わらず、庭があって、オープンカフェにもなってる。天気がよいので、庭でコーヒータイム。半月ほど前に、池の周りを歩いたときには、木に巣箱がかけてあるのを発見した。この近所の児童館で管理しているもの。ちゃんと鳥が営巣していて、たまに卵も生んでたりするんだよ。今年の紅葉はいつもより半月ほどずれていて、今頃になってあちこちで銀杏が見頃になってる。先週、打ち合わせで出かけた大学では見事なほどに色づいた銀杏並木に驚嘆してしまった。池のほとりも、木々が色づいて見頃。紅葉した木々が、夜にはイルミネーションで輝いていたりして、ほんと、おかしな感じだなあ。朝晩の冷え込みのおかげで、見頃になった紅葉。でも、そのおかげで夜の散歩がちょっと億劫。散歩に行く時間が作れないというのが現実なんだけれどね。休みの日ぐらい休もう、というので、夕方油断して昼寝していたら、いつの間にか夫が出かけていた。ワンコは娘とベッドの中でくつろいでた。三者三様の休日の過ごし方。たった一日なのに、24時間っていろんな過ごし方が出来るんだなあ。散歩、昼寝、手作り料理。全部こなせる“優雅”な一日。

  2007.12.09

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• 

  いよいよ、クリスマス・イルミネーション巡り本格化。

  今年も、我がマンションのエントランスにクリスマス・イルミネーションがともった。管理組合の役員さんたちを中心に住民の有志たちが手作りで毎年行っているもの。特に今年は9月あたりから、構想を練り、新しいライトを購入して準備して来たらしいよ。型落ちのライトだと、もの凄く安くなってるんだって。「つい、たくさん買い込んじゃったよ」とは、仕掛人のIさんの弁。おっきな木を中心に、実は足下にもたくさんのライトが光ってる。ロビーからじゃないと見えない部分もあって、今年はいっそう賑やかだ。表通り沿いだけじゃなく、裏の駐車場でもかなり派手なデザインが展開されてる。こういう建物ぐるみのお楽しみがあると、集合住宅でしっかりとコミュニティが出来ていってるってほんと、実感するなあ。子どもたちも楽しみにしてると思う。最近じゃあ、ご近所でも楽しみにしてくださっているみたい。夜になっていっそう冷えて来たけど、思い切ってワンコの散歩に出かけてみたら、ご近所のイルミネーションも、またまたバージョンアップしていた。ということは……。クリスマス・イルミネーションが楽しめる散歩スポットは、このほかにもいろいろ。いよいよ夜の散歩が楽しみになってくるなあ。私の頭の中には、ご近所のお花見スポット、おもしろ物件スポット、クリスマス・イルミネーション・スポットなどなど、ご近所の散歩マップがいくつも出来上がっているんだ。

  2007.12.03

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• クリスマス支度の店先を七五三の親子が通る。

  今年は9月からハロウィンで盛り上がっていたから、もしや？と様子をうかがっていたら、案の定、クリスマスへの盛り上がりも早そうだ。わが地元でも、ワンコの散歩のついでに商店街まで足を伸ばしてみれば、100円均一、いわゆる“ひゃっきん”の店先にツリーのオーナメントが登場。10月の時点で、時節ものを扱っていそうなあの店、この店でも、ハロウイン・コーナーの横には既にクリスマス・コーナーが出来上がっていた。クリスマス支度の店先の前を七五三で着飾った親子が通っていく。うう、なんというミスマッチ。繁華街でのイルミネーションには様々な思惑が見え隠れして、楽しい反面ちょっとうんざりすることもあるけれど、便乗して楽しむ私たち一般人のほうにも華やかそうな見た目に意外なものが隠されているらしい……。（「普通の家族」岩村暢子・著／新潮社・刊）つい先達て、20年ぶりに歩いた街は、表通りを一本入れば閑静な住宅街。早くも家の前面をクリスマス仕様に飾り立てている家があり、その地域性の一端を改めて思った。何かにつけて、敢えて一番乗りを避けようとするわがまち。今年も家々にイルミネーションが施され、夕方の散歩が楽しみになるのはいつぐらいからなんだろう？

  2007.11.11

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• 散歩の効用。

  知ってる？十五夜を見たら、十三夜も見ないと災いが降り掛かるって。ワンコとの散歩が日課になって、今年は十五夜も十三夜も堪能出来た。どっちもきれいだったよね～。って、本来なら10月23日の日記に書くべきことだけど。今日は、夕方の散歩は買い物兼用。スーパーマーケットの店先にワンコをつないでおく。ワンコも慣れたもので、おとなしく待ってるんだ。最寄り駅そばのこのスーパー、地元だけに、レジ係をやってる友人はいるし、ほかにもいろんな人に会う。面白いのは、レジ係以外と出会うのはお店に入るときか出たあとで、店内で遭遇することはない。今日は買い物を済ませてワンコのところに戻ったとたんに声をかけられた。中学最後のPTAへのご奉公を一緒に行った委員仲間のひとり。卒業後、春休みの間に他の同じ学年の委員さんとは一緒にお茶を飲んだんだけれど、彼女だけ都合がつかずに来られなかったんだ。「絶対にまた会おうね」って、次は欠席した彼女が幹事になって招集かけてよなんて約束してた。お互いもの凄く近所に住んでいるのに普段はなかなか出会えないもの。仕事もしてるし忙しいのかな、なんて、こっちもその後は気に留めてなかったりして。彼女の家の前まで、お互いの近況を話しつつ歩く。それぞれの子どもの高校生活についても、あれこれ情報交換。どっちも結構頑張ってるねって、なんだか嬉しくなった。「私が幹事になって、みんなに招集かけてみる」っておっしゃったので、「よろしくね」とお願いして別れた。ワンコの散歩のおかげで、いろいろな人に会える。もちろん、十五夜や一三夜を楽しんだり、ね。娘が赤ん坊だった頃に、散歩のたびに季節の移ろいを感じられる幸せを感じてたけれど、今だって、同じだね。

  2007.10.25

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• 祭の夜。

  先日書いた、大本山の祭の日。ご近所のお寺を通りがかると、大本山からの帰りか、萬灯を境内に掲げ、本堂に向かってお坊さんがお経を上げている。もちろん、鐘と太鼓の伴奏つき。この太鼓と鐘の音を聞くだけで、気分だけはお祭りの雑踏の中。例によって体調が優れず、ふらふらしていたら、「わかった、私が夕飯作る」とやおら娘は台所へ。「ワンコの散歩は？　」「いかない！　」やれやれ、散歩のほうをこそお願いしたいのに。そんな訳で、ご近所をワンコとゆるゆると歩く羽目に。お経と鐘、太鼓が聞こえてきたお寺は、娘が通った幼稚園の隣にある。幼稚園はカトリック系の教団が経営。向かい側にはその教団の教会もあるが、その隣には神社もある。いかにも日本らしいなあ。通るたびに感心する。お祭りのせいか、いつもより人通りが多い。お祭りは、これからがクライマックス。萬灯行列を眺めて、屋台で食べ物を買ってそぞろ歩きを楽しむのかな。公園でボール遊びに興じる子どもまでいた。暗くなってもまだ遊んでいるなんて、久しぶりだよ、そういう子どもの姿を見るのは。お祭りの屋台に群がってるよりは、よっぽど子どもらしい、かも。体調が悪くなければ、ワンコを連れて私も大本山方面へ行くところなんだけど。家に近づくと、今度は別な方面からかけ声と鐘、太鼓の音が聞こえてきた。帰宅後、娘の作ってくれたカレーを頬張りながらヴィクトル・フランクルの「それでも人生にイエスという」（春秋社）という父が倒れた直後、その姿に衝撃を受けながら読んだ本の話をする。話すことも動くことも出来なくなった父のことをずっとずっと考え続けていた頃。全く同じ状態の人がしたためた本に出会った。ヴィクトル・フランクルが選んだ選択は彼自身が望んだことではあるけれど、彼の友人・知人は誰も望まない選択だった。それは、日本では叶わないこと。父が同じことを考えていたであろうことは、入院直後にそばについていた私には痛いほど伝わってきた。そんなことを突如思い出し、娘に話してしまったのは何故だろう。大本山のお祭りが日蓮上人の入滅、つまり命日にちなんだ儀式だったせいだろうか。

  2007.10.12

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• お祭り前夜の街を歩く。

  ワンコの散歩がてらレンタルDVDなどを返却に。途中、明日から年に一度の大きなお祭りを控えた大本山の脇を通る。祭の準備はすっかり整い、本番を待っている。地元では行列の練習に余念がない様子。川沿いに煌煌と行列の明かりがともり、お囃子まで聞こえてくる。用事を済ませて再び大本山の山門前にさしかかると、目の前で、いきなり行列の練習が始まった。「な～む」というかけ声とともに、笛に太鼓、鐘の音も賑やかに踊りながらの行進。近くを通りがかる人も、思わず山門に近寄り見物。そのまま行列は石段を上がって行く。大本山一帯に、お囃子とかけ声が響き渡る。さすが生の音、かなり遠ざかっても迫力十分。どこまでもどこまでも、音が追いかけてくる感じ。直前まで練習に余念がないなんて、本当に熱心な信者が多いんだなあ。隣の県からも行列が参加する一大イベント。この一帯の道路はほとんど通行止めとなり屋台が何百と立ち並ぶ。数年前から、屋台の内容もかなりインターナショナル。チヂミはもちろん、タコスやケバブも売られている。人出も相当なもので、地元小中のPTAも巡回に繰り出す。昨年から娘の卒業した中学では校名を印刷した提灯を手に参加するようになった。この提灯、「恥ずかしいから近寄りたくない」と生徒達にはともて評判が悪かったけど……。この祭の頃は急に冷えると言われている。確かに、ここ数日急に気温が下がってきた。祭直前の、わくわくするような期待に満ちた空間をあとに、ワンコは我が家目指してまっしぐら。ほら、ワンコって帰り道の方が足取りも軽くというか、いきなりダッシュで帰ろうとするでしょ？家にたどり着いたら、こちらも汗だくになってたよ。

  2007.10.10

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• もうクリスマスの準備？

  夜の散歩から戻ってくると、エントランスに何やら人影。植え込みの一部がきらきらとイルミネーションで輝いている。「こんばんは」お、管理人さんご夫妻とマンション理事会の副理事長さん。「もしかして、もうクリスマスの準備ですか？　」「もちろん！　今のうちにやっておかないとね」副理事長さんが笑顔で応えてくださる。ここ数年、マンションのイルミネーションにもかなり熱がこもっている感じがしていたけれど、こんなに前から準備が始まっていたとは……。どうやら今年は、エントランスの大木だけじゃなく、植え込み部分にも工夫が凝らされるらしい。みなさんとってもいい笑顔。うん、やっぱり愉快に取り組まなきゃ、楽しい演出は出来ないよね。我が家のカレンダーも気分だけハロウィン。もうちょっと大々的に演出してみようかな。ハロウィン用のデコレーションも少しだけ用意してあるし。そうだ、今年は年賀状も出さねばならないのだった！そろそろ絵柄を考えなきゃね。

  2007.10.04

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• 散歩をしながら考えた。

  銀行の統廃合が進んだせいで、住んでる地域でも支店だったところがATM店舗に変わったり、ATM店舗ですらなくなったりと、何かと不便。複数の銀行の窓口に用事があるときは、結局ターミナル駅まで出向くほうが便利だったりする。郵便局も民営化されると、そんな風になっていくのかなあ。最寄り駅には二つの都銀と郵便局のATMが並んでいる。便利なようでいて、取引のある銀行のATMが揃っている訳ではないので、我が家としては便利だとは言い難い。東京都内にしてこれだから、県によっては、支店のない都銀があるのも時代の流れなのかなあ。毎月のように東北方面へ出張する夫によると、ATMが置かれていないコンビニがほとんどで、これもまた困ることの一つなのだとか。24時間、どこでもお金が引き出せたり、コピーが出来るほうが、便利すぎておかしいんだよ、きっと。ワンコの散歩のルートによってはそんなことを考える。だって、徒歩5分圏内にコンビニが3軒もある。郵便局と銀行のATMは10分圏内。でも、窓口に到達するには、もっと歩かないとだめ。別にいいんだけど。休日にお金を引き出すことは簡単に出来るのに、預けることが出来なかったり、手数料がより高くなったりするのも不思議。残高が増えるより、減るほうがいいっていうのかね？昔、ボーナスを現金で渡す会社に務めていた頃、金融機関が休みの前日の夕方に渡されて、まとまった現金とともに過ごす週末が落ち着かなかった。お金を持っているように見えなかったから、盗られたりすることはなかったんだけれど、大金を持つのに慣れていなかったからね。あ、それは今も同じか。現金を持ち運ぶのに、ワンコと一緒なら、番犬つきで安心だったかもしれないなあ。見かけだけだけれどね。

  2007.09.18

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• 祭で知る地域の高齢化。

  ごろ寝を決め込んでいる娘に声をかけてみる。「散歩がてら、お祭り見に行くけど、どう？　」「美味しいもの食べられるなら、行く」秋祭りのシーズン。今日もご近所の神社で祭が行われている。とはいっても、お隣の地区の祭で、住んでいる地区の祭は先週執り行われた。久しぶりに、娘と私とワンコの夜の散歩。閑静な住宅街の路地を入ると、その先に明かり。路地に入るまで、祭の気配すら感じられない。「いきなりお祭り、なんて、なんだか不思議だねえ」娘が笑う。確かに、不思議だね。神社への石段を上ると、思ったよりも人の出が少ない。折しも奉納を兼ねた地元の人による演芸大会が始まるところ。「近頃は若い人の間に祭への思いが薄れているようで」とのっけから、こんな挨拶。伝統ある祭の後継者の存在が危ぶまれているんだな。この地区には東西二カ所にある神社が、1年交代で祭を取り仕切る。今年の担当地区では担い手が減っているということか。土地を掘り返せば、縄文式土器が出て来るというくらいに、有史以前から人が住み着いている地域だ。今でこそ閑静な住宅街だったけれど、かつては農業を中心とした土地柄だったことは明白。だから、何代にもわたって住んでいる人も少なくない。高齢化が進んでいるのかな。第一種住宅地域が多くを占め、高さ制限もあって、集合住宅が建てられない＝新しい人の流入が少ないという背景もある。先週のお祭りのにぎわいは、どうだったんだろうか。地元の神社へは出向かなかったので、わからない。ただ、子ども神輿は相変わらずのにぎわいだったし、その他の神輿もそこら中練り歩いていたから、まあ、例年通りだったんじゃないかな、と勝手に推測する。小さな川一筋隔てて、状況が違うんだね。美味しいものを所望して出て来た娘の期待に反し、焼きそばの屋台は出ていなかった。仕方がないので、遠回りをして近所のコンビニに寄ってみる。途中で、娘の元クラスメートと遭遇。同じくワンコの散歩の帰りらしく、ジャックラッセルテリアが尻尾を盛大に振って挨拶してくれる。及び腰の我が家のワンコとは対照的。祭の様子で、地域の高齢化を感じるなんて、住宅街ならではのことかもしれない。人はたくさん住んでいるけれど、気配だけで、その実どんな家族構成、年齢構成なのかは街を歩くだけでは伺い知れないからね。だんだん街に住む人の顔が見えなくなっていく。こんなところでも、地域コミュニティの質の変化を感じることが出来るんだね。

  2007.09.15

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• たまにはいいこと言うじゃん。

  帰って来るなり、「おい、後で散歩行こうな」と夫がワンコに声をかける。「明日の午前中は雨らしいから」夜の散歩は10日ぶりぐらいかな。期末考査が始まった娘は独自の時間帯で暮らしている。いつもより1時限分遅く始まる日程なのだが、いつもどおりに家を出て、テスト開始前に勉強するんだとか。で、今日やるべき分が済んだら、さっさとお風呂に入って、さっさと寝る。散歩組は戸締まりをしっかり怠りなく、そそくさと家を出る。夫と一緒だと、ワンコのしっぽの上がり具合が違う。犬って、気持ちがしっぽに表れるから非常にわかりやすいね。久しぶりに小学生以下のお子様連れでないと入れないレストランの前を通る。「もう閉まってる？　まさか、つぶれてたりしないよね」「10時回ってるんだぜ、　子連れレストランが開いてる時間じゃないだろう」「でも、ワインやビールも出すんだよ」「ふ～ん」でもまあ、乳幼児連れのお店がそんなに遅くまで開いてたら、やっぱりいかんだろう、という結論に達する。赤ちゃんを連れた方から「居酒屋にも子連れで行きたいんです。　子どもを預かってくれる居酒屋があるといいのに」という話を聞かされ、随分感覚が違って来ているんだなあと驚いたのは何年前のことだっただろう。「きっと、子どもが産まれる前の生活を　どこまでも変えたくないんだよ」「恐らく。　それがいいとか悪いとかっていう話じゃないね、　それは」「子連れの外出でお酒を飲むかどうかは、　個人の選択だからね、どっちでもいいけど　私はごめんだな。疲れちゃう」「まあね、お風呂上がりにのんびり飲むほうが　くつろげるね」どんなに夜遅くまで仕事をしていても、仕事帰りに仲間と飲むことがあっても子連れで居酒屋に行こうとは思わなかった。「そりゃあ、ぼくらとしては当然でしょ」夫も同意する。夫婦交代で子どもをみながら、お互いの時間を割り振ってたからね。「三世代同居なら、子どもはじじばばが預かって、　『たまには、夫婦二人で行っておいて』　てなことにもなるんだろうけどね」三世代同居で育った夫が言う。娘が小さかった頃、実家に帰るたびに“夫婦で夜出かける日”を設定、たまのデートを楽しんでいたこともあったね。でも、預かってくれる人がいないと、どうしても子連れという選択になるよ。それにしても、夫婦で歩いている人たちが随分増えたね。トレーニングウエア姿だから、夫婦でウォーキングということか。ま、こちらもワンコの散歩にかこつけて、同じようなことをやってるんだけれど。テレビで見た「ポスドクの就職難」についても話題になる。博士ひとり育てるのに1億円かかってるんだって？「ということは、あの不機嫌な妹一人育てるのに　1億6000万も費やされたってこと？　」医師免許も持つ医学博士なので、医師ひとりにつき6000万円という数字も足す。「そういうことだよ」「不機嫌さで家族に迷惑をかけてるけど、　ちゃんと世の中の役に立つ仕事をしてもらわないとね」「うん、割が合わないよね。　でも、彼女なら、ちゃんと頑張ってるんじゃないかな」妹よ、こんなところに味方がいたよ。ある研究では第一人者なのに、新しい家族のために研究をやめ営業職に就職したケースに話が及び、「こういう人たちの研究を後押しするために、　IT企業が研究所を立ち上げればいいんだよ。　金が余ってるから球団でも買おうかって考えるんじゃなくてさ」「おお、社会貢献！　たまにはいいこと言うね」自家用ジェットなんか買ってないで、貧しい研究者に救いの手を差し伸べる。「そういうことを続けて行けば、　球団のほうから『買ってください』って　言って来るようになるよ」ノブレス・オブリージュだっけ？ま、これは恵まれた階層に生まれた人たちが教育や資産面で恵まれているからこそ、社会の底辺層に手を差し伸べよっていう意味だけど。日本にだって、かつてはそういう風土があった。いつの間に失われてしまったんだろう。レストランから居酒屋、子育て支援、最後には真のスポンサーの話にまで展開。その間も、ワンコはひたすら前を向いて小走り。家に帰ると、娘はすっかり熟睡していた。

  2007.07.03

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• 散歩の相手はボクじゃだめ？

  夫の母の一周忌法要の日。いつより少し寝坊をして、空模様とは関係なく洗濯機を回し、「じゃ、散歩に行ってくるから」と言う夫とワンコを送り出し、朝ご飯の支度。娘は既に用意万端整ってる。洗濯物を干すために、朝ご飯の支度を娘に任せることにする。突然玄関ドアが開いて、ワンコが飛び込んでくる。「ボクひとりで歩いてくるから」夫は再び外へ。ワンコは気にする風でもなく、うろうろ。朝食を食べる時間が気になり始める頃、夫、ようやく帰宅。「全然、こいつ歩かないんだ。　仕方がないからしばらく抱き上げて歩いて、　『さあ、ここからは一緒に歩こうぜ！　』って　下ろしたら、さっさと家に向かって走り出すんだぜ」はあ、そうでしたか。大慌てで朝食をかき込む。ワンコがケージに入らないからと、夫がワンコと追いかけっこを展開していたため、家を出たのが法要開始15分前。ワンコは人が出かけようとすると察してテーブルの下に潜り込み、「ケージに入ってなんてあげませんよ～」というデモンストレーションを始めるんだよ。だからテーブルの下から追い出して、部屋の隅に追い込まないとひとりでは捕まえられないんだ。「そんなもの、さっさと捕まえて、　ケージに入れてしまえばいいの」と娘と三人でワンコを囲み、ものの数秒で捕獲、一件落着。乗り込んだタクシーの中でワンコ談義。「犬って、家族のランク付けするって言いますけど？　」ワンコが散歩のときに、歩かないと夫がぼやいたら、すかさず運転手さんからツッコミが入る。それには応えず、「うちのはちっちゃくておバカだから」と友人の家のボーダーコリーの話題に切り替える夫。かなりの運動量を必要とするボーダーコリーの買い主はトライアスロンに挑戦し続けるアイアンマン。飛行機で出張するときにも自宅のある高井戸から羽田空港まで自転車で駆けつける。「羽田空港に駐輪場がない！　」とお怒りだそうだ。法要のあとの会食を終えて帰宅。なんだかひどくくたびれて、買い物がてら夕食を食べに車で出かける。朝同様に、ワンコの抗議がすさまじい。買い物の目的はあなたの食料調達なんだけどね。今日は十分に散歩出来なかったからかもしれない。夜、ワンコ用のタオルケットの破れめから、ワンコが鼻先をのぞかせていた。どんどん突っ込むうちに穴が大きくなって、とうとう顔が入るくらいになっちゃった。可愛い。「明日は、夜、一緒に散歩だからな」一生懸命に夫がワンコに言い聞かせている。夫の言葉、ちゃんと伝わったでしょうか？

  2007.06.24

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• 伝えられるうちは、伝えておけ。

  このところ早朝散歩記録を更新中の夫。ワンコを連れて出かけた……と思ったら「あのさ、何度も（ワンコが）振り返るんだけど、　君も一緒に行く？　」。すぐに戻って来たのには驚いた。洗濯物を干したいと言うと、「表で待ってるから」と言いつつ出て行った。ベランダの干すものをたたんでかごに入れてから、表に出る。かなりお待たせしちゃったな。目下のところのお気に入りは、ご近所の超有名古刹ルートらしい。本山だけに、周囲にたくさんのお寺が並んでいて、なかなか風流な一角。それぞれに趣の異なったお寺の建物を眺めて歩くだけでも飽きない。それだけじゃないんだ。富士山を眺められる秘密のスポットがあるのだ。晴れた日は、そこからお山を眺めるのも楽しみ。土曜の夜は、手作りの灯籠が並んでいた石段を下りると恒例の朝市が行われていた。変わったものはないけれど、安い。「缶入りウーロン茶3本で100円だって」「焼きたてパンもあるよ」残念ながら、二人とも財布を持っていなかった。「暑いわねえ」と通りがかりの人に声をかけられる。「なんていう犬種なの？　」ミニチュアダックスです。「それ以上大きくならないんだ。　可愛いわねえ。可愛くてたまらないでしょ？　」「はい」夫が素直にうなずく。おいおい、臆面もなくそんなこと言っちゃって。恥ずかしくないのか？ワンコと歩いていると、ほんと、よく声をかけられる。（それでなくとも、よく道を聞かれるんだけど）で、大抵の場合、ワンコが引いてしまうので「すみません、人見知りなもので」と謝ることになる。今日は、ちょっと離れたところからだったからか、ワンコは我関せずって感じだったな。そういえば、今日は父の日だったね。感謝の気持ちを述べる相手は、もういない。“千の風”になってしまった父と、記憶が留まることのない義父と。そうだ、彼女の子どもたちも、もう、伝えられる相手がいないのだった。つい先達ても、そんなことを母と話したばかりだった。我が家で感謝の気持ちを伝えられるのは娘だけ。伝えられるうちは、ちゃんと伝えておいたほうがいいよ。いつ、伝えられなくなるかなんてわからないんだから。ワンコは、夫が家にいる限りは毎日が父の日。幸せなやつだ。

  2007.06.17

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• その土地の記憶。

  娘のキャンプ用品の買い物のついでに、昔よく歩いた西麻布の裏通りまで足を伸ばしてみた。根津美術館から住宅街を抜けて、西麻布に出る。この辺りはバブル前によく歩いたところ。結構古い住宅なんかが残っていて、ちょっと忘れられた空間という感じだった。アークヒルズはごちゃごちゃに立て込んだ木造長屋の一角を一気につぶして再開発して出来た。六本木ヒルズだって、テレビ朝日とその周辺の住宅を地上げして再開発したんだよね。広尾にも、そうやって高級マンション街が出来た。そんな再開発の嵐から、ちょっと外れたあたりに結構面白い町並みが残ってる。久しぶりに歩いてみたら、3階建ての家に立て替えられているところが多かった。恵比寿から渋谷に向かう渋谷区東界隈にも、そういう場所があるよ。マンションではなく、3階建ての小住宅。案外高さ制限なんかが厳しいのかもしれないな。家が新しくなってこぎれいになっても、街の雰囲気は変わらない。多分、空の広さが変わらないからなんだろう。西麻布交差点に出ると、六本木ヒルズがど～んと見える。ここはすり鉢状に低くなってるところ。思わず、中沢新一さんの「アースダイバー」（講談社・刊）で古代の地形を確かめたくなる。この辺りに、こういうお店があってね。娘に話しかける。「でも、もう今は無くなっちゃったんでしょ？　」はい、その通り。年をとるって、こういうことかな。自分が親しんだ場所がなくなっていく。あるいは変化していく。別に悲しんだりはしないけど。街の雰囲気は変わらない。そんなことよりも、保育所の存在に気づいたり、公園の遊具を吟味したり、挙げ句に、高齢者向けの“ふれあい”施設を発見したり。自分自身が街を眺める視点に、随分変化があるなあと改めて思う。結局、広尾まで歩いて地下鉄に乗った。恵比寿も駅ビルが出来て、すっかり様変わりの割に、街そのものの持ってる雰囲気は変わらないねえ。その土地には、古い歴史があって、それはそこに人間の力が及ぶ前からの磁場のようなものが働いている。磁場に合わせるように人間が手を加えていく。「その土地の文脈を読む」建築家がよく口にする言葉だけれど、確かに、「その土地」の「文脈」と呼べるものがあるなあ。建物の壁をこんこんと叩くと、その素材や分厚さなんかが確かめられる。繰り返すうちに、見ただけで判断出来るようになる。それと同じように、その土地に立っただけで「文脈」というか、その土地が背負って来た業のようなもの、土地の記憶のようなものが感じ取れるようになる。そんなことも散歩の楽しみの一つだ。

  2007.06.03

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