やっぱり本が好き。
なじみの絵本屋さんで、酒井駒子さんの原画展をやっている。しかも今回は版画の販売も行うと言うので、わくわくしながら行ってみた。今回の原画は、「ぼく、おかあさんのこと」。あの愛らしいうさぎくん親子のほのぼのとしたお話。原画は素晴らしいけれど、この世にたったひとつ。それは最早文化財なのだから、個人宅でひっそりとお蔵入りは、おこがましい、というか申し訳ない、というか。で、「ラムちゃん」の版画を一点、購入することに。これは、未年生まれの娘にちなんで、我が家の廊下に永久展示するつもり。サイズもちょうどいい。恐がりやの娘だから、「ビロードのうさぎ」の表紙絵のように、バックが黒くて、少し怖い雰囲気を醸す絵は断念せざるを得ない。届くのが楽しみ!お金を払い、お店のベンチでぼおおっとしていたら、なんと美しい造本の分厚い本が持ち込まれる。「諸国物語」(ポプラ社・刊)。ツルゲーネフや、チエーホフ、魯迅にツバイクなど、世界の文豪たちの短編21編を集めた一冊。ポプラ社創業60周年特別企画、なんですって。ちょうどポプラ社の営業の方が来店中で、ちょっとだけ裏話も。昨今の出版不況は、こうした本の初版部数にも現れていて、単価が高いだけに、さもありなん。元出版社社員だから、そうよね、と頷く話。で、版画を購入したばかりだというのに、結局、この本もお買い上げ。一段落した週末の楽しみって奴だよ。児童文学などをお勉強する会を始めるという大変意欲的な企画もお聞きして、第一回目は、もちろん石井桃子さんというので、これもまた、たのしみなのだった。先日101歳で亡くなった石井桃子さんには、絵本屋さんも私も思い入れはひとしお。そういう方は多いと思うけど、悲しみに浸りつつも、遺業を偲ぶ企画に、もちろん、私も混ぜて!と石井桃子暦を語る。原画を見て、版画と本を買い、文学を語るひととき。ようやく人心地ついた感じだ。精神的なごちそうも大事だね。という訳で、帰宅後は「諸国物語」を紐解く。久しぶりに文学にどっぷり。全部読むのが勿体ない。けど、早く読みたい!