amazing baby

[おお、思春期か！] カテゴリの記事

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• わが家のインターネット事情。

  SNSの話をしていたら、「そういえば、私、一つだけ入ってるんだ」と娘。「よく行く掲示板のなんだけど、招待メールが届いたの」えっ？　アメリカじゃあ、18歳未満は参加させてはいけないという法律が出来ようとしているというのに、日本じゃ環境未整備なのか？まったく、足元をきちんと整備しようとしないで、子どもにあれこれ押し付けることばかり。ぷんぷん。と怒っていたら、「でも、使い方がわからなくて、結局そのままにしてある」そう。そのまま18になるまで凍結しておけば。それよりも退会したほうがいいか。もちろん、日本にも、18歳未満は登録出来ないと明記しているSNSはある。そういう観点で説明を読んだところは1カ所くらいだから、ほかの有名どころがどうかは知らないけれどね。（眼の調子が悪いので、　改めて確認しようという気力がわかないのだ）わが家はMacユーザー。周辺機器の問題などもあって、これまではOSを敢えてクラシック環境で使用してきた。しかし、インターネット環境のほうで、新しいバージョンから出現したMac専用のブラウザ対応の機能が増えてきている。この楽天のブログだって、クラシック環境では壁紙を変更することが出来ない。（現在のは気に入っているので、変えていないだけ）既に夫は、クラシックと新バージョンとを行ったり来たりで、目的に合わせて使い分けている。私のPCも、使い分けを始めようかな。そう決めて入浴したら、なんと、その間に勝手に夫が最新バージョンのインストールを始めていた！これ、重いのよ、まだまだ時間がかかるのよ。もう、12時回ってるのに……。「いやあ、悪いことしちゃったかな？　　ごめんごめん」と私の肩をポンと叩いて、自分は寝てしまう。久しぶりに夜更かしをしてしまったじゃないか。この顛末を知らない娘。起動ディスクを新バージョンのままにして出かけたら、どうするかな？クラシックでブックマークしたお気に入りへは登録し直さないとアクセス出来ない。面白いから、そのまま出かけてやろうっと。

  2006.09.27

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• わが家限定用語。

  娘が学校から帰ってきて口を尖らせて言う。「耳かなづちって言ったら、先生に笑われた。　普通に通用する言葉だと思ってたのに、　違うんだね」いやあ、それは申し訳ないことをしましたね。すみません。どこの家にも、その家独特の言葉がある。高校時代の友人宅で家族麻雀をしていたときにも、彼女の家族にしか判らない言葉が連発されて？？？だった。例えば、「パキン」。ハコテンのこと。それを知って、夫が「なるほど、その感じ、よくわかる。　気持ちがね、パキンって折れちゃう感じだよね」としきりに感心していた。で、冒頭の耳かなづちなんだけれど、「ちゃんと聞いていない奴」という意味で使っている。そもそもは、学生時代の先輩に泳げない人がいて、カナヅチと言われると激怒するので、後輩たちが敢えてトンカチと言って先輩の怒りを避けたところから来ている。もともと人が言ってることをちゃんと聞けないやつのことを耳トンカチっていうことがあるのを、当時の思い出をもとに、かなづちと言い換えてみたのだ。そこまでひねる必要なんて、まったくないけれどね。どこの家にも、同じように「わが家限定用語」がある。親戚の家をその家がある地名で呼んでいたりとかね。もちろん、よそさまに話すときには、そういう呼び方では通じないからどなたにもちゃんと通じる言葉を使う。内向きの言葉の使い方と、外に向けた使い方。ちゃんと伝わるように、言葉の使い方を変える。方言では伝わりにくいからと、標準語で話そうとするのと同じだ。自分の体験だけを基準にものを考える人がたまにいらっしゃる。それって、「わが家限定用語」がどこでも通用する言葉と勘違いして使ってしまうこととどこか似ているなあ。そういう勘違いをしないように、気を付けようっと。

  2006.09.26

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• 何のために出かけたんだっけ？

  受験本命校の文化祭を見に行く。昔からの問屋街の端っこ。そのせいか休日に出かけると街は閑散としている。ただし、目的地近辺では学生風のグループなどの姿がちらほら。今年開校したばかりなので在校生は1学年のみ。それでも多彩な展示にこの学校のポテンシャルを感じる。お目当ての演劇部の上演もよかった。「あれで3学年揃ったら、　かなりパワフルな文化祭になるよね」そうおっしゃる、そこのお嬢さん。無事に入学した曉には、その原動力になるのがあなたなのだよ。JRの高架沿いにひと駅分歩く。そこは秋葉原。ひと駅手前の閑散とした雰囲気とは別世界のにぎわい。とあるビルの壁面のガラス越しに、ずらりと並んだコスプレ用の衣装を発見。娘が思わず携帯電話のカメラを向ける。「もっと寄って撮らないと、　何が写っているのか、よくわからないよ」つい、注文をつけてしまう。「いいの～。私はわかるもん」メモ代わりか。そのまま神田駅から銀座線に乗る。電車に乗り込んでから娘に告げた。「このまま表参道へ行って、　明日の模擬試験の会場の場所を教えてあげるからね」「嫌だ、行きたくない。　秋葉原を歩きたかったのに、いじわる」下見は常識。嫌がるあんたのほうがおかしい。表参道駅で降り、気分転換にわが家御用達のお店をいくつか回る。御用達と言っても、年に数回しか行かない。でも、娘が生まれる前から通っていたり、娘のために通うようになったお店ばかり。「何だか懐かしいなあ」だんだん娘のご機嫌がなおっていく。ちょうど渋谷のお祭りで、青山の裏通りをお神輿が通っていた。この辺りは学生時代の友人とよく子連れデートをしたルート。「あそこで買い物をして、　それからここで食事をしたんだよね」娘もちゃんと覚えている。で、目的地に到着。「なんだ、ここなの？」はい青学はここです。「高等部もここ？」お友だちが中等部にいたよね。裏の方だと思ったけど。お向かいは国連大学、そして子どもの城。子ども向けオペラなどを見に、よく円形劇場に出かけたから、すっかりお馴染みのはず。「そうか、ここだったんだ」宮益坂を下って渋谷駅前へ。「これで帰っちゃうの？　つまんない」じゃあ、私の買い物に付き合ってもらおうかな。「いろんなお店を見て歩くの、楽しいよね。　でも、何のために出かけて来たんだっけ？　そうだ、文化祭を見るためだった」おいおい。明日もここに来るけど、お勉強モード満載。今日は気楽に歩こう。私の買い物だけじゃなく、娘のお菓子づくりの材料まで買い込んで、最後はmix'n mixreamを食べるために並んだ。出来上がったmix'n mixreamをしっかり携帯電話のカメラで撮影した娘。たまにはいいよね、こんな気分転換。

  2006.09.17

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• 丸々１日ＰＴＡの日。

  学校公開日が、娘の通う学校で初めて土曜日に行なわれた。（それも、3連休の初日）おまけに、夜はクラス懇談会。1日丸ごと、ＰＴＡ活動ってこと？あらかじめ全校の時間割りを渡されていたので、どの授業を参観するかは決めておいた。折しも久々の洗濯日和。布団だって干しちゃうもんね。そうそう、犬の散歩は欠かせない。ついでに洗濯機の洗浄もしておこうっと。平日出来ないことを、まとめて実行出来る貴重な週末だ。丸ごと１日娘の学校に捧げている暇はない。で、あれこれ家事を済ませた後にまずは犬の散歩。いきなりＰＴＡでの相棒親子に出くわす。行かないって言ってなかったっけ？何だかしらないけれど、四方八方から学校目指していろんな親子が歩いてる。あとで知らされるんだが、この日参観に訪れたのべ人数は1000人以上だったんだって！なんて教育熱心な地域なんだ。犬の散歩終了後に、お目当ての授業を参観すべく外出。「来ちゃダメ！」と娘から釘を刺されていたので、授業開始数分後に到着する。こっそりと教室に入って、顔見知りの保護者に眼で挨拶。新聞の社説を段落に分けて生徒に読ませながら、必要なコメントを先生が添えていく。「論説文の要約」がテーマの国語選択授業。ベテランの国語教師が一癖もふた癖もある生徒を上手くあしらいながら、スムーズに授業を進めていく。「これから10分間で要約しなさい」教師が作業を命じてしばらく後に教室を出る。午前中の予定終了。午後は、学校公開の本命である道徳の授業と講演会。娘のクラスの道徳の授業がつまらないのを知っているので、それはパスをして講演会出席のため再び“登校”。講演会では居眠り頻発。これじゃあ、子どものことを叱れない。でも、講演内容がつまらないので仕方ないよね。参観した授業の国語教師とはかなり突っ込んだ話が出来る関係。参観した授業で気になることがあったので声をかけ、講演後にあれこれ話しながら玄関まで歩く。娘のことを癒し系だと評価してくださる方なのだ。「授業終了後、私のところに来てくれて。　私にとっての癒しでしたよ」とおっしゃってくださる。「お母さまが教室をお出になられたあと、　我慢が出来なくなって、自分のことをあれこれ話だし、　騒然としてしまいました。　お子さんに『あなたのお母さまに一喝していただければよかったかしら』　と言ったら、　『お母さんの一喝は効くよ。　でも、お母さんは仕事上、絶対に　子どもを殴って悪事を止めさせることはしないの』　とおしゃっていました」子どもってさ、気配で察しているから、うしろのギャラリーの気配を感じて、「いなくなったな」とわかったとたんに豹変するんだよね。やっぱり、うるさそうなあの子は猫をかぶっていたんだ。最近の私の仕事を、ときに子どもの立場からサポートしてくれている娘。「子どものことを守るために」あれこれ動いていることを、ちゃんと見ていてくれているんだね。心から信頼している教師にその辺りのことを、それとなく伝えてくれたことにこそばゆいうれしさを感じる。私が帰宅する前に娘は塾へ。懇親会のあと、数名でお茶をのみに行き、帰宅したのは午後10時過ぎ。久しぶりのすれ違いスケジュール。仕事を離れて、親として過ごした１日は、使い慣れた神経とは別なところによい刺激を与えてくれた１日だった。明日は、高校受験本命校の文化祭だ。3連休プラスワンは、ほとんど娘関連の行事に費やされる。

  2006.09.16

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• 現在トンネル通過中。

  相変わらず眼の具合が悪い。あれから詳しい検査をしてみたのだが、積極的治療を行えないことが判明しただけ。結局出された結論は、「消極的治療を試してみるほかない　＝セオリー通り経過観察で自然治癒を待つ」。右目と左目の見え方が違うので、文字を読むのはもちろん、外を歩くときだって、階段を降りるときなどかなり不自由さを感じる。せめて、同じ病名と診断された同じような症状の人に会ってどのようにして毎日をしのいでいるのか尋ねてみたいのだけれど、こういうとき、どうやって探せばいいの？というわけで、半ばやけになって仕事に励んでいたら、ＰＴＡの役員と各委員会の正副委員長が集う実行委員会に遅刻してしまった。相棒も遅刻すると聞いていたので、大変バツの悪い状況。もっとも、今年度は大変フレンドリーな雰囲気なので、参加者に叱られることもなく終了する。学校全体が落ち着いているからだよね。小さな問題が頻発していた一昨年度はなんとなくぴりぴりしていて、欠席はもとより、わずかな遅刻も許されない雰囲気だった。くじ引きでとある委員会の長になってしまった知人と会議の終了後に雑談。お互いの娘が幼稚園の頃からの知り合いで、別々の小学校に上がったのち、中学で同じになった。娘たちの近況を話すと、しばらく会わないうちに、それぞれが紆余曲折を経てきたことを知る。飛行機一人旅で一期一会の出会いをした相手からさえも電話番号などを聞き出して、その後も親しく付き合おうとしてきたフレンドリー路線一筋のわが娘。小学校高学年あたりから、勇気を出して発言したことに陰で揶揄するクラスメートなどが出現し、中学入学後は、貝のようになってしまった。本人いわく、給食の時などは、会話にも入らず、にこりともしないのだとか。そんな話をすると、「え？　あの明るい子が？」と驚かれてしまった。正義感が強く、リーダー的行動をとって来た知人の娘も、中学入学後にいくつかぶつかり合いに遭遇し、「正義感をふりかざすだけではダメ」と、かなりへこんでいるらしい。さなぎの季節、か。いずれの娘も、本質は変わらないけれど人付き合いに苦労を重ねた分現在の状況で苦戦をしていることがわかる。本人たちにとっては、まだ経験が浅くて、出口の見えないトンネルの中にいるようなものなんだろうな。これから、もっと苦しく辛くなるかもしれない。親たちにとってはかつて通った道。だから、自分の経験と重ね合わせて内心気を揉みながら子どものことを見守っている。そうかあ、私も現在の眼の状況については出口の見えないトンネルの中にいるのと同じだね。トンネルというよりは、平衡感覚を乱されるミステリーゾーンにいるような感覚だけれど。出口の見えないトンネル＝疾風怒濤の時期を抜けたという感覚は確かにあったよな。ということはこのミステリーゾーンからもいつかは抜けだせる、のかな？

  2006.09.15

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• 消費者教育？

  娘と買い物に出かける。こいつは出無精なので、いつも「着るものがな～い！」というほんと、ぎりぎりの状態になってようやく腰を上げる。今日は通学用のソックスが買い物リストの筆頭だ。おかしな話だけれど、学校指定の真っ白なソックスはなかなかお目にかかれない代物。市販されているソックスのほとんどが色物か白くてもワンポイント付き。中学入学時には、白い糸でワンポイント刺繍された某有名ブランドのソックスを発見し、狂喜乱舞（大袈裟）して購入した。入学後に、ワンポイント付きでもＯＫということを知り、ちょっとだけ、ほっとした。でも、ワンポイント付きということはブランドマークに金を払うということでもあるので、傷みの激しい中学生用としては割高であることは否めない。わざわざ、ものものしく表現するほどのことでもないけれど、あるところにはちゃんとあるもので、ワンポイントもなく、真っ白で安価なソックスを、東北のとある場所で発見した。なんてこたあない、業界第１位の某スーパーマーケット。わが家の近所にはないんだけれどね。数あるはずの、そのスーパーマーケットの支店、わが家から最も近い場所へ行くためにはバスで20分、それから徒歩10分かかる。同じ所要時間で、銀座や原宿に着いちゃうよ。何かの序でに買うことができないなんて、なんと不便な都会生活。前置きが長過ぎるけど、そのスーパーマーケットへわざわざ通学用のソックス欲しさに出かけた。2足で680円のそのソックスの隣に、4足840円というのがあった。「ね、これにしようよ。　どうせいつかは破れちゃうんだから、　どっちが長もちするか比べてみるよ」娘の申し出で、よりお得なほうを購入する。こいつ、案外賢い消費者になれるかもしれないと思うのは親バカだね、きっと。テレビＣＭを真っ向から信じ込んでいた幼稚園児の頃。某コンビニの情報端末を夢の機械のように語るので、ちょっとだけいじわるをしたことがある。その情報端末を利用して得られるあるキャラクター商品には購入期限があったのを、敢えて教えなかった。期限が切れてから、娘に誘われてそのコンビニへ行き、情報端末を操作してみたところ、もちろんお目当ての商品を購入出来るはずもなく、娘は半泣きになった。あれから10年。批判精神旺盛なお年頃となり、ＣＭ批評までするようになった。暮らしそのものが消費者教育プログラム。子どもは決してバカじゃない。

  2006.09.10

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• チャルメラ。

  夫から風邪をうつされ、ここのところ夕方になると微熱。あんまりだるいので、娘にお願いしてみた。夕御飯作ってくれませんか？なんと満面笑顔という感じで「わ～い！　じゃあ、チャルメラね」と、いそいそと買い物に出かける。しまった、敵にインスタントラーメンを食べる願ってもない口実を与えてしまったじゃないか！おまけに、一時帰国した友人からもらったばかりのカフェ・エプロンをちゃっかり着用しているし……。諦めて、横になる。夫からの帰るコール（古っ！）にも「今日の夕飯、チャルメラだからね」と応えている様子。キャベツにもやし、豚肉に人参、舞茸……。作る本人が嫌いだからネギは入っていない。とはいえ、野菜たっぷりでそれなりに栄養バランスを考慮した出来上がり。これは夫仕込み。あとで、夫が言うには「いきなり夕飯がチャルメラって聞いて　なんだか寂しかったよ」ごめんね、すまなかったよ。「いや、いいんだけど、嫌いじゃないから」インスタントラーメンが苦手なのは、私。私が作ると、まずリストにも上がらない献立。まあ、私が20代の頃から、家にどんなに料理上手がいてもお子さまがたの人気メニューはラーメンと決まっていたらしいから、仕方ないかも。あと、カップ麺もおやつにと望まれているらしいよ。たまに食べるから美味しいんだよね、きっと。ああ、早く風邪を治したい。

  2006.09.08

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• 捜索中だった本の行方は……。

  いけない、ついセンチメンタルな気分のまま書き終えてしまった。9月3日の日記の追記。私の本棚の山に埋もれてしまっていたとされていた「包帯クラブ」（天童荒太・著／ちくまプリマー新書）が、私が娘に貸出中のポシェットの中から発見された。……。誰だ？人のせいにして、さんざん探させたのは？同じようなこと、あったなあ。自分が子どもの頃とわが子の受けている教育との彼我の違いを手っ取り早く知るためにととある人々に紹介しようと思っていた本「日本の教育改革」（尾崎ムゲン・著／中公新書）を紹介しようとして、にわかに発見出来なかった。この本は、全く別の本のストックボックスから発見された。ものが見つからないときは、もう本棚の雑然さのせいにするのは止めよう。そこへ再び娘がやって来た。「ねえ、お母さん、○○高校の資料知らない？」はいはい、それなら先日私めが整理した資料の山の中に……。ほら、あった。ね、自分の記憶のほうが確実だよ。ないときは、絶対にない。よそをあたってくれ。

  2006.09.03

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• 子どもがひとり成人するまでには。

  今のままでは、落ち着いて勉強が出来ない……。かねてからの娘の要望通り、部屋の模様替えを敢行。新しいレイアウトを考えるために、ちゃんと家具のサイズを測って見取り図まで用意。しかも、たまったビデオテープやコミックスは、カテゴリーごとに予め袋詰めをしておくという周到さ。本人の模様替えに対する熱意が伺えようというもの。ベッドの下には、親たちの思い出の品々が仕舞われている。その中には小学校入学以来のプリントや連絡帳なんていうものも。この際、捨ててしまおうとチェック。連絡帳をぱらぱらめくると、懐かしい出来事がどんどん蘇ってくる。親としての未熟さの履歴。恥ずかしいけれど、これはとっておこう。小学2年の時の生活科で娘が作成した「私が小さかったとき」という手作りリーフレットも要保存だ。しかし、ほかのものは盛大に捨てた。きれいさっぱり、すっきり。まだまだ娘が一人立ちするまで、道半ばというところではあるけれど、ものすごくたくさんの方々に支えられてきたんだなあと、改めて思う。誰かが言ってたっけな。「子どもが１人成人するまでには、　家族はもとより地域や社会の　何百名ものおとなが関わっている」かつては子どもだった私も、そうやっておとなになり、おとなになってからもいろいろな方々に関わっていただきながら暮らしている。そういういこと、娘にも伝わっているといいな。

  2006.09.03

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• それぞれの「ゲド戦記」。

  ようやく「ゲド戦記」を観ることが出来た。これでようやく夏休みの予定終了というところか。毎年、夏休みに「ハリーポッター」既刊分をすべて読み返し“復習”に努めている娘。それに習って？私も大好きな「ゲド戦記」を読み返し、きっちり“復習”を終えての鑑賞。もちろん、ベースに「ゲド戦記」はあるものの、新しい物語として観ようと決めていたんだけれど。（ほら、事前リサーチは万全というタイプなので）映画館を出て直ぐに、娘が「パンフレットを読まないと　物語りの背景や登場人物の来歴が解らない　というのは、どうなんだ？」と不満に頬を膨らませた。「まあ、そういうところは確かに否めないけど、　テーマはちゃんと伝わってきたよ。　それにしても、これ、子ども向けと言うには　難しすぎる内容なんじゃないの？」これは夫の意見。死ぬことがわかっているから、命は大切なんだ。このテーマに、共感したのは私の母だ。彼女は、娘や夫と同様、「ゲド戦記」を読んだことがないけれど、違和感を感じずに、素直に「いいと思ったわ」と受け止めていた。生きて次の誰かに命を引く継ぐんだ。そうして命はずっと続いていくんだよ。私は、テルーのこの台詞に強い共感を覚えた。いつも感じていることだから。娘の意見と同じようなことも感じたけれど、だからダメだとは思わない。このところ、娘は妹にますます似てきたようだ。ともかく批判するんだ。足りないところ、よくないところを真っ先に指摘する。それでなくとも、その言動が似ていて、面白いくらいなんだ。批判的になるのって、そろそろ思春期から青年期への移行？本当の反抗期が始まるのかしら。これは心してかからないとね。ところで、映画を観ている間はいいんだけれど、街を歩いているだけで、見えづらさのせいか疲労感が激しい。PCを開くのも、1日1回に抑えているんだけれどな。本や新聞など、文字が読みづらいのが、一番こたえる。

  2006.08.27

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• 娘の天敵転じて……？

  仕事を通じて親しくなった方と、プライベートなことで電話。受験生の母であると知って、「まあ、いらいらするでしょうけれど、　しっかりご飯を食べさせて、　休養をとらせる後方援護にまわって、　いざというときは全面に出るという構えが大切かなあ」と人生の先輩としてアドバイスしてくださる。「それにしても、なかなかしんどい時期よね」そうなんだ。こっちが受験する訳じゃないから、出来ることは、あまりないような。精神的に追い詰められないようにと気を揉むだけということのほうが多いかもしれない。ところで、娘の天敵は私の妹。勉強が好きで好きで、研究者になったくらいだから、筋金入りというか、なんというか。だから、のほほんと過ごす娘のことが気になって仕方がないらしい。昨年の夏休みは、なんとか娘に勉強をさせようと、かなりしつこくアプローチを行なっていた。極め付けは、英語の辞書探し。辞書さえあれば、英語の勉強が出来ると、車であちこち走り回ってようやく大型書店を発見し、まともな英語の辞書を探し出した。旅行先でこんなことをされるのだから、娘のおばちゃま嫌いがさらに強化されてしまった。だから、先日の家族旅行の際には事前に「本人にとっては休養みたいなものなんだから、　お勉強の話はしないでよね」と強く懇願しておき、妹も承諾したはずだったのに、いざ顔をあわせると、勉強の進み具合をリサーチ。ウイークポイントを発見するや、出先で書店を見つけ、参考書と問題集を購入して娘を学習に誘い込む。で、夫も参画してPCで歴史年表作成を行なうことになった。それが、現在に至るまで、ちゃんと続いていてかなりのボリュームになってきた。しかも食事時などの会話に、歴史的な出来事についての話題が頻繁に出されるようになった。これが昨年の出来事だったら、テストでこちらが卒倒するような成績を取らずに済んでいたとか？いや、違うな。こりゃあ、タイミングだね。いつの間にか専修学校の話が出なくなった。もしかしたら、星空を眺めながら、妹と何か話したのかな？志望校は内定したものの、ちょっとだけハードルが高い。2学期、いかに頑張るかが第一の関門。そして、当日の試験の出来不出来がすべてを決する。崖っぷち状態を本人が自覚しているからこそ、妹の介入が効を奏したと言えるだろう。

  2006.08.23

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• 絶対に書きたくない体験。

  懐かしい場所でしばらく滞在すると、いろんなことを思い出す。もちろん、その土地にまつわることが多いのだけれど、連想ゲームのように、ほかのことにも思いが及んでいく。例えば、ようやく終わりの見えてきた娘の成長ホルモン治療について。改めて振り返ると、なんだか胸が痛くなってくる。どんな気持ちで、受け入れたんだろうかなんて。わが子の低身長を思い煩う親御さんは多い。身近にも結構いらっしゃる。「医療券の更新はしないことになった」と伝えたら、これまでのいきさつについて、改めてあれこれ聞かれる。もともと低身長で推移していたのを、ぎりぎりまで経過観察して11歳の頃に専門医の元で検査をしたという話をしたら、「そんなに遅いんですか？」と驚かれた。あまり早くから始めても、治療を中断すれば身長の伸びがゆるやかになって、痛い思いをした割には、はかばかしい結果に至らなかったりするからというNICUの医師の話をしてみる。世間的には、小学校入学時に105センチ以上ないと云々という話も流布されているので、小学校入学前後の小柄な子どもの親には結構気になる話題であることは確かだ。ただ、「え？　薬を飲むんじゃなくて、　毎日注射をするんですか？」という反応をされてしまうと、なんだ、肝心なことを知らないじゃないかと、今度はこちらのほうが驚いてしまう。気がかりが解消される望みの綱。輝かしいものに感じられるかもしれない。確かにそれはそうなんだけれど、解消法の実際は、そんな夢のような話ではない。11歳という年齢だったからこそ、可能だったんじゃないかという思いがあるし、そういう微妙な年齢で、よくぞ受け入れ、痛みや煩わしさに耐えてきたと改めて娘の頑張りを讃えたくもなってくる。大変高価な薬なので、行政から補助金を受ける制度がある。税金を払ってきて良かったと思える反面、ありがたく、申し訳ない気持ちにもなる。娘の夏休みの宿題に、「税についての作文」というものが出されている。すべての宿題を終えたはずなのに、これだけはどうしても書けないと悩んでいる。「自分のことだけは、どうしても書きたくない」のだそうだ。「人にくらべれば、書ける材料があるんだから　って言われそうだけど、絶対に書きたくない」おそらく、ストック分が無くなって、注射から解放された後であっても、「絶対に書きたくない」んだろうな。そういう体験、だったんだ。だから、なおさら親として改めて振り返る。どんな気持ちで受け入れたんだろうなって。

  2006.08.20

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• どうせ中年ですよ。

  思春期の娘と、更年期の母親の組み合わせは最悪とよく言われる。そういうのよくわかるなあ。どっちも、精神的なことや肉体的な変化から、なんとなくいらいらした状態にあるもんね。とは言え、いまだ更年期症状が出現していない私。まずは、地雷を踏むこともなく過ぎている。でも、老眼は出現しているし、たまに膝や腰が痛むし、肩こりはひどいし、着実に加齢現象は起きている。そんな中途半端な年代に、またまた新たな現象が加わったらしい。どうも左右の見え方が違って気持ち悪いなあと思っていたら、なんと左目の真ん中でものが歪んで見えるようになっていた。おまけに、真ん中に丸い残像が……。これって網膜、それも黄斑だよなあ。何だかやな予感。眼科を受診。予想通りに瞳孔を開く目薬を指し、エコーで眼底を撮影。網膜の中心にある黄斑のところに水がたまっていて、そのためにものが歪んで見える。漿水性網膜炎と医師は言った。特にこれといった治療法はなく、水が吸収されたら治ります。視力が低下するなどの後遺症はありません。ストレスが原因と言う人もいますが、特にこれといった原因はわかっていません。経過を見て、場合によってはレーザーで血管を焼くなどの処置を施すこともあります。目を使うのを控えろという指示は出さないというので、まずはひと安心だけれど、左右の目のものの見え方が違うので、とても気持ちが悪く、細かい字がさらに見えづらいのがとっても不快で辛い。家に帰ってからインターネットで検索してみたら「ストレスにさらされる30代、40代の中年男性に多い」だって。夫と娘には「男性に多いの？」と笑われた。“男性に多い”という部分にではなく、“ストレスにさらされている”という部分に反応して欲しかったなあ。母は中年男性に多いとされる眼病を患い、娘は生理痛で臥せっている今日のわが家。まめだけが、涼しい部屋でのんびりと過ごしている。

  2006.08.18

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• もう夏休みも終わりだねえ？

  「夏休みももう終わりだねえ」ふと娘が呟く。えっ？　あとまだ20日あるけど？「いんや、もう終わりなのよ」そうか。あさってから家族旅行で、帰ってきたら法事やら何やらあって……。気分的に終わりだなっていう雰囲気？旅行の間は、勉強のこと、忘れてていいからと言っておいたのだけれど、結局、単語帳や参考書を持参して移動の時などには目を通すつもりでいるらしい。海辺だけれど、全然涼しくないところ。暑くて勉強どころじゃないと思うんだけれど、本人がそう言うものだから、ご本人の意志にお任せするとして……。夕暮れのまめの散歩の時にひぐらしの声を聞いた。そんな話をしたからかしら。猛暑の中で、ふと感じる季節の移り変わり。と、聞いた私のほうが秋を感じてどうするんだ。ははっ。

  2006.08.10

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• 二代目緊急用ご飯当番。

  理由は決まってるんだけれど、月に2日ぐらいは寝込む。スケジュールによっては寝込んでいられないときもあるが、帰宅と同時に倒れ込むので、緊急用のご飯当番が始動することになっている。得意料理は中華料理だ。この緊急用のご飯当番は、結構留守がち。最近は緊急時ではないときに始動することのほうが多いかも。で、この度二代目が登場した。二代目の得意料理はお菓子とイタリア料理。欠点は持久力に欠けること。前回は、凝り過ぎて1品作ってリタイア。なんだか中途半端な献立に終わった。今回は、冷蔵庫を覗いて、料理の本を見て、出先で買い物をしてくるからと資金を要求。何が出来上がるのか？というよりも、無事に予定通り出来上がるのか……。先にサラダを作って冷蔵庫で冷やす。さらに煮込み料理らしきものの下準備。サラダのソース（ドレッシングじゃないらしい）に手間をかけ過ぎて、早くも息切れ状態。「疲れた～」と肩を揉んでいる。大丈夫か？こちらはからだがだるいので、ごろごろしていると、「出来たよ～」と明るい声がした。ミネストローネ・スープとトマトサラダ。そういえば、いかにも美味しそうなトマトが数個、先日届いたばかりだったっけ。ミネストローネ・スープには押し麦が入っていて、なかなか美味しい。トマトサラダはバゲット無しのカプレーゼといったところ。こちらも美味。お腹が空いたときに冷蔵庫の余り物で作ってる中華風や洋風の雑炊でも、こちらとしてはＯＫなんだけれど、頑張って作ろうと献立を立てたのだから、野暮なことは言わないよ。どうなることかと思ったけれど、ちゃんと出来たね。勢いづいたのか、翌日の朝食用に紅茶のスコーンを作ると言い出し、早速ネタづくり。これで早起きしてくれれば言うこと無しだったのだけれど、まめが起こしてくれて私が出かけるまで、夫も娘も起きて来なかった……。

  2006.08.08

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• 休みの終わりに。

  野暮用を片付けながらの夏休み。別にゲームをしてばかりいた訳じゃないけれど、終わりましたわ。本も何冊か読了して、山が少し大きくなった。読書もゲームも、ともかくゴールを目指して暇があったら、そちら最優先で一心不乱に取り組んじゃうあたり、仕事のやり方とも関係がありそうな。ともかく気がかりはさっさと片付けたい。だから、そのために策を練る。単なるのめり込みタイプの言い訳？月刊誌体質が元で、妊娠中いらいらしてた。でも、わが子と暮らしてきた体験から随分物事に対するスタンスが変わってきたようにも感じる。雑誌の仕事は大好きだけれど、その一方で長い時間じっくりと取り組まなきゃならない年史のような仕事も苦にならなくなった。深く掘り下げていく仕事のやり方、好きだよ。ひとつテーマを持って、仕事に携わっていくと、そこに自分なりの視点が定まっていって、情報感度も高まるし、目は肥えるし。これは雑誌であろうが年史であろうが同じことだ。一度自分の中に立てられたアンテナは、四六時中情報収集に余念がない。そんなアンテナがどんどん増えていく。増えたアンテナ同士が横につながっていくこともある。常にいろいろなものが、アンテナに感知されていく。神経細胞が次々とつながり機能していく、あのイメージそのまま。駆け出しの頃は、普段の生活にまで仕事が入り込んでいく感じで、ちょっと嫌だったこともあったけれど、気がついたら苦にならなくなっているというよりも、それが当たり前になっている。世の中全体から見れば、かなり偏りはあるかもしれないアンテナ群だけれど……。なぜ、この仕事を選んだのかと振り返れば、子どもの頃から本や雑誌がともかく好きで、編集後記や奥付、隅から隅まで熟読していたことかな。編集部が何をしているところか、おぼろげながらも頭に描くことが出来ていた。具体的な諸々については、実際に携わるようになって身を持って知ることになるんだけれど、それが決して苦ではなかったことは確かだ。そんな自分を振り返りながら娘を思う。娘の育ってきたこれまでの環境を振り返ると、なるほど表現系に育つ訳だなあと改めて思う。今だから腑に落ちるんだけれどね。しかし、性分や嗜好は別物で、環境ばかりが関与している訳じゃないなあ。持って生まれたものは確かにある。普段漠然と感じていることを、こうやって意識的に整理し始めたら、そろそろリフレッシュ期間もお仕舞い。週末にさしかかるけれど、次の準備に入らねば。

  2006.08.03

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• 母の夏休み。

  今週は、私自身の夏休み。そうは言っても、どこかへ出かける訳でもなく、日々、家でのんびり過ごすだけ。ル＝グウィンの新作「ギフト」を読了し、GW初日に封印していた「MOTHER3」を久しぶりに再開。ついでに、台所の大掃除でもしようかな。でも、それじゃあ、休みにならないわね。映画も見に行きたいし、展覧会だって行きたい。ただし、外出に関しては、毎日塾通いで頑張っている娘を横目に、ちと気が引ける。だから、まめの散歩は引き受けるということで。あ、これもいつもと変わらないか。私が受験する訳ではないので、ひたすら気を揉んでいるだけの毎日。自分の母親を見ていると、「親って、ひたすら気を揉むだけ揉んで、　はらはらしながら生きてる。　非常に精神衛生上よくないなあ」と感じるけれど、今現在の私自身も似たようなものだ。親としての先輩でもある母は、相変わらず妹のことで気を揉む毎日。気分転換には長けていて、映画を観たり、コンサートや展覧会に出かけたり。映画の新作は、たいてい真っ先に観に行っている。「ゲド戦記」も先を越されてしまった。悔しいけれど、お返しに「ブレーブストーリー」でもどう？と勧めておいた。父が亡くなり、残務整理でばたばたしていた頃、レイトショーで一緒に「ハウルの動く城」を観たっけ。母には生まれて初めてのレイトショー体験だった。「夜遊び出来るようになるなんて！」と解放感を味わっていたっけね。私もそのうち、同じようなことを思うのだろうか。家族で過ごす夏休みまであと10日。娘には悪いけど、ひと足お先に、少しだけのんびりさせてもらおう。

  2006.08.02

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• 早起き宣言。

  「決めた！　明日から朝6時に起きる」娘の叫び声に、一瞬耳を疑った。7時起床で、まめの散歩というスケジュールを、三日坊主で修正に入ったはずなのに、なぜ？なんてことはない、大好きだった「デジモン」シリーズ1作目がケーブルテレビで、その時間に放映されているからというのが、突然の早起き宣言の理由。テレビを見るためならなんでもするのね。って、同じような台詞をかつても書いた記憶が。なんだったけ？

  2006.08.01

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• 学校の宿題は早めに。

  学校の宿題を7月中にやり終えると宣言した娘のために、結局「包帯クラブ」を新たに購入した。翌日、早速塾の合間を縫って読了、感想文執筆に取りかかる。翌朝、「ものすごく時間がかかっちゃった」と言いながらも、なんとか読書感想文は書き上げられた様子。「なんだか自分が本当に表現したい言葉が　うまく浮かばなくて、ものすごく苦労した。　本当は（書き上げた文章に）納得出来てないんだ」作文に対して、こんな前向きな発言を娘の口から聞こうとは！書き上げて納得出来ないものでも、しばらく時間をおいて見直せば、案外納得出来る到達点に引き上げられることがあるよ。「多分無理」あら、そう？夏休みはまだひと月あるけど。「次のことをやらなきゃ」ほお、やる気あるんだ。7月中にひとつでも宿題をやり終えただけでも、これまでの娘とはひと味違う。だから、応援したい。それなのに、夫ったら、「ええ？　あと一日で7月も終わりだろ。　無理無理」と娘のやる気をそぐような発言。本人がやる気になって計画立ててるんだから、そんなこと言わないでよ。ま、それまでの本人の不徳の致すところではありますがね。シュークリームの出来？もちろん大成功！私の秘蔵の本のおかげよ。受験勉強にも、同じようなのあったらいいのにね。でも、料理と勉強と、どっちが好きなことかと言えば、もちろん料理なので、そこんところの違いは大きいよねえ。

  2006.07.30

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• シュークリーム初挑戦前夜。

  幼稚園の時からの友人で、小学校入学以来、中学1年生までの7年間、ずっと同じクラスだった娘の一番の仲良しＮちゃん。本当は6月生まれなんだけれど、いろいろ事情があって、ようやくバースデープレゼントのシュークリームに初挑戦の日は、いよいよ明日。もちろん材料はおこづかいで購入。（買い物のついでに牛乳は私が買わされたけれど）いつぞやのランチのお誘い同様に、わが家にお招きしてのティータイム。前日出来ることはクリームづくり、という訳で、カスタードクリームを作り、生クリームを混ぜて……。「ねえ、うちにラム酒ないの？」本当は流し台の下にあるんだけれど、「さあねえ、どこだったかしら？」と、ちょっとだけいじわる。「ラム酒はなかったけれど、　栓のあいてないお菓子用のブランデー見つけたから　使ってみた」と味見のお願い。ブランデー？　そんなもの、すっかり忘れてたわ。普通の瓶のブランデーなら、買って10日以内に飲み干してるし。ひとなめしてみたら、入れる前よりもずっと美味。「美味しくなったかどうか、全然、わからないの」あなたはお酒嫌いだからねえ。匂いを嗅ぐのも嫌でしょ？でも、美味しくなったわよ。ラップをかけて冷蔵庫に格納。「食べてみたい？」もちろん。「じゃあ、100円」相変わらずのがめつさ。「あの、さ。　光熱費は親持ちだし、使う道具もお母さんのでしょ？　それでお金取るの？　きみは」夫が呆れている。まあねえ、ほとんどの台所用品は、お母さんが買ったものだし。一人暮し時代からのものもあるわよ。「えっ？　どれ？　何年くらい使ってるの？」驚く娘。ま、いろいろとね。お鍋とか、中華鍋とか……。でも、あなたが小さい頃、結構一緒に買い物に行ったのよ。で、あなたも鍋用のブラシとか、カゴとか買ってもらったでしょう？肝心なことは忘れている。あなたが使ってるお菓子の本、ちょっと自慢の、絶対に失敗しないプロのコツが載っている本、それも私のなんだけど。結局、“家主”の特権で、タダでごちそうしていただけることになった。思わず、考えた。昨日、買わされたTシャツとワンピース、返しに行こうかなあ。あんまりけちだと、家族の愛も遠のいちゃうぞ。うそだけど。

  2006.07.29

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• 「たまには私の体験談に耳を傾けて」

  週末のパネル展の打ち合わせに、学校見学会から直行。当然、猫の手の１人として娘もつれていく。打ち合わせと言っても、展示物の準備作業や、別件でも打ち合わせを兼ねている。同時進行で、常時3つくらいは当たり前だ。段取り上手なパートナーあってこそ実現可能なこと。時間は有効に使わないとね。「ところで先日の保護者会で、こんな話が出たんですけれど」今日のパートナーは小学生の母でもあるのだった。「3、4年生くらいになると、急に言葉遣いが悪くなるでしょう？　しつけの面で見逃せないし、　だからといって、悪ぶりたいだけかもしれないし、　無理に止めさせてもいいものかとか、　非行の前兆だったらどうしようとか、　結構あれこれ悩むんですよねえ」思春期の始まりでもあるからなあ。悪ぶりたいだけというのは、当たっているかも。こういうとき、いつも思うのは、その親御さん自身が、その年代の頃、何を考え、どんな行動をしてたのか、振り返ってみて、わが子と同じ頃の気持ちを思い出して欲しいなあということ。独身時代なら、当たり前のように出来ていたことが、子どもを産んだとたんに、一時的に忘れていて出来なくなっていた。育児や教育関連の資料あさりをしていた頃、急に思い出したのが、思春期って、もともと本人にもどうしようも出来ないところはあるし、だからこそ、おとなにはどうしようも出来ない時期だったよなあということ。「疾風怒濤の時期」という言葉を久しぶりに思い出していたっけ。娘が思春期に突入する前に思い出せてよかったと思っている。「あなたのように、　いろんな知識があれば悩まないかもしれないけれど」よく言われるけれど、そんなの、何の役にも立たないよ。私自身のことならともかく、自分の子どもに関しては、私だっていつも初心者だもの。でも、同じような質問を母にしたことがあったなあ。「児童心理学を学んでいたことが、　実際の育児に役に立ったんじゃないの？」笑いながら、母はこう答えたのだった。「とんでもない、そんな余裕なんてなかったわ。　まあ、たまには“おお、やってるやってる”って　笑いながら見てたことはあったけど」わが子は客観的に見られない。これって、医療関係者が家族のけがや病気に素人以上に慌てふためき、まったく役に立たない存在に成り下がることが多いのと似てるかも。娘の活躍もあって、打ち合わせも作業も予定よりも早く終了。結構な作業量だったけれど、やっぱり人海作戦に限るわ。夕食を食べながら、娘が言った。「今日話してた、言葉遣いのことだけど、　私に聞いて欲しかったなあ」あら、ま、そうなの。「小学2年の頃、クラスで男子とばかり遊んでて、　男言葉になったことがあったけど、　あれって、男言葉を使うのが新鮮で、嬉しかったからなの。　子どもがおかしな言葉を使うときって、　案外そういうところあるんだよ」ほお、体験談という訳だ。「うん、体験談、話したかったなあ。　せっかく私がそこにいたんだもの、　直接当事者＝子どもに聞いて欲しかった」うう、やられた！！それは、いつも私が言ってること、実行してることだ。直接本人に聞け。中学生は、当然小学生体験者だからね。数十年前の体験者に比べて記憶も新しいし、いろいろと興味深い展開になったかも。それは惜しいことをしたなあ。

  2006.07.27

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• 本の山から本探し。

  夏休みの宿題の定番、読書感想文。今年は候補が3つもあって、どれにしようかな状態。娘のチョイスには絶対に推薦図書というカテゴリーはない。昨年は「ネグレクト」などというハードなルポルタージュを選んでいた。なんで、わざわざそういうものを選ぶんだろうね。まさか「凍りついた瞳」シリーズを選ぶ訳にはいかないから（だってコミックだし）という理由で選んだのではないだろう。で、今年は宮部みゆきさんの「ブレーブストーリー」、「龍は眠る」、天童荒太さんの「包帯クラブ」からどれを選ぼうか悩んでいる。読んでいないのは「龍は眠る」。ちょうど期末考査直前に購入したので、お預けを食らっていた本。受験であれこれと忙しくなって来たので、これから読むよりはすでに読んだものをと考えているらしい。最有力候補は「包帯クラブ」だ。ところが、肝心の本が見つからない。私の本棚周辺は、そりゃあもう、おびただしい本の山で、持ち主自身が近づかずに済ませたいと思っているくらい。デスク周りに積んでおいたはずの、同時に購入した、同じ「ちくまプリマー新書」の一冊が行方不明で、この本と一緒に雲隠れしてたらラッキーなんて思いながら探索したものの、こっちのほうは、ほどなく発見。娘が大変お気に入りの本の場合、大抵は娘の部屋に置いておくのだが、「Mちゃんに返してもらった日に、お母さんに渡した」と、あくまでも私の管轄下にあると主張。でも、「ブレーブストーリー」もハリ・ポタも、みんなあなたの部屋にあるんだけれど……。いつも休みの終了直前に宿題に着手する要領の悪さを、今年は一気に返上して7月中に宿題を済ませ、8月は受験勉強に邁進するんだと。それは、いい心がけだと思うけど。肝心の本が行方不明じゃねえ。「包帯クラブ」は、私にとってもお薦めできる一冊。実家の母にも貸し出し、宅配便で返って来た。「永遠の仔」や「家族狩り」のような救い難さはなく、若く瑞々しい感性が、悲しみからはいあがる術を教えてくれる物語。とっても優しい気持ちになれるんだ。見つからなかったら、もう一冊買ってもいいくらいお薦め。それにしても、あと2つは大型本棚が必要だな。娘のベッドの下にだって、たくさん私の本が隠れてるし。そうなると3つか。困ったなあと思いながらも、AMAZONで物色、渋谷のbook 1stでも物色。最近は娘も一緒になって本屋へ出かけようとするから、この先、わが家は大変なことになりそう。住んでいるのが、マンションの1階でよかった？

  2006.07.25

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• 切ないのは苦手。

  どうもうちの娘は、はらはらどきどきするシーンが苦手。例えば、ターミネーターのような映画は、ともかくダメ。執拗に追い掛けるターミネーターの怖さに堪えられず、「とても見てらんない」状態になってしまうようだ。（つい先日、ケーブルテレビで1を見たけど、　続編に比べて素朴な感じがある分、　続編よりも怖さが際立っていた。　あんまり洗練され過ぎても、いけないんだね。　難しいわ）同じような理由で、かつてはホラーものが全くダメだった。学童保育時代、夏休みの定番として、昼寝の前には必ず「学校の怪談」を読んでもらっていたのだが、その内容に堪えられず、隣の部屋でひとり、別の本を読んでいたらしい。そんなある意味堪え性のない傾向のみられる娘に、新たな苦手分野を発見した。それは切なさ。ちょうど今、NHKのBSで、チャールズ・チャプリン特集をオンエア中。「黄金狂時代」を、お腹を抱えてみたあと、「犬の生活」を見始めるや、「だめ、切な過ぎて、見てらんない」と消してしまった。宿無しの男が職業安定所で職にあぶれてしまうシーン。切なさと情けなさで、はらはらしてしまう。大の犬好きだから、後半の主人公を助ける犬の活躍シーンには、快哉をあげるのだけれど、そこに至るまで、しばしテレビを消して待つ。その切なさがあるから、その後の展開が生きるということは本人も充分にわかっている。でも、見届けることが出来ないんだなあ。でも、アニメだと大抵の表現に堪えられるらしい。チャプリンを見ていて、無声映画からトーキーへと時代が移り、現在のアニメに至っては人間の肉声のみで演じていることに気づく。もちろん映像あってのアテレコだけれど。肉体による表現から、とうとう声だけになってしまった。どれが一番リアルを感じさせてくれるのかな。「切な過ぎてダメ」と無声映画を見るのを中断させた様子から、自ずと答えが導かれているようだ。本を読んでもらう＝本当に声だけの場合はどうだろう？こちらは、もっとリアルなのか？それとも……。

  2006.07.24

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• “泣かない”と決めて臨んだ日。

  夫の母のセレモニー終了後、遺骨や祭壇などをそれぞれが分担して実家へ運んだ。夫の兄と義姉の姉、私たち夫婦、そして遺骨は夫の車、遺影や仮の位牌は、夫の姉一家とその車に分乗。なぜか、義兄の妻＝義姉だけは自転車で、ひとり向かう。実家に戻ると、義父がひとりで留守を守っていた。セレモニー参列には耐えられないだろうとの判断。時間をかけて、何が起きているかを説明し、告別式の朝に、ようやく本人も事態を理解したという。記憶力がかなり低下しているため、理解した端から忘れてしまう。亡くなった当日も、ご遺体が運ばれてしまったら、自分の妻に起きたことを忘れてしまい、来客が多いことに気を取られ、久しぶりに会えた兄弟を確認して喜んでしまった。3歳の子どもだったら、誰もがそんなものだろうと受け止めるのだろうけれど、ご本人が84歳のおとななので、誰もが面喰らう。2カ月ほど前に脳梗塞で10日入院した後、リハビリを受けたけれど、歩行にかなりの困難を来すようになった。徐々に、徐々に、心身が衰えている。それは生まれて来た赤ちゃんが次々にいろんなことが出来るようになるプロセスを逆回しにしているかのようだ。祭壇を作って、遺骨や遺影を並べる。そこに義父を連れていき、「あなたの妻ですよ」とお伝えすると、「ああ……」とひどく悲しそうな表情で遺影を見つめる。どこへ出かけるにも、いつも二人一緒に連れ立って、いたわりながら暮らして来た、自他ともに認める仲のよい夫婦。お互いが認知症になり、病状が進行していっても、特に義父の義母へのいたわりは変わらず、デイサービスでも有名だった。死が、二人を訣ってしまった。先月渡米した初孫を除き、この日は4名の孫すべてが集まって義父を取り囲んだ。ひとり１人名前を確認するたびに顔がほころぶ。子どもが生まれるたびに愛情が倍増していく。孫が生まれるたびに、さらに愛情が何倍にも膨らんでいく。それが義父と義母の愛情のかけ方だった。どの子ども、どの孫に対しても、同じように慈しんでくださった。義父を囲んで写真を撮る。家の遠い義姉家族が帰ったあと、義兄夫婦と義姉の姉、そして私たち家族とで、しばしの休憩。「何だか賑やかだね」義父がとても嬉しそうに2度も言った。そして、楽しくなると必ず口ずさむ歌を、この日も口ずさんだ。義母が亡くなった日は、この歌はなかったなあ。今日のほうがハイになっていらっしゃったかもしれない。「お上手ですね、何という歌ですか？」義姉の姉が尋ねると「何だったかなあ」と、いつもと同じ返答。そしてすぐにまた歌い始める。孫の最年少はうちの娘で、あとは大学生1名と社会人。離れて暮らしているのと、年齢が離れているのとで、娘はあまりなじみがない。けれども2番目の孫にあたる姪が何かと話しかけてくれたようで「お姉ちゃんにやさしくしてもらっちゃった」と嬉しそうに報告してくれた。認知症が進行してからは、だんだんと義父母に会うことが辛くなっていったようで、特に義父が症候性てんかんで緊急入院したときには、一過性の意識障害のために、自分のことをわかってくれなかったと娘はかなり傷ついていた。夫や義兄たちは、おとななので、娘ほどに激しく傷ついたり悲しんだりした様子は見せなかったけれど、うちひしがれた背中が、何よりも能弁に語っていた。自ら名乗って、「そうか」と受け入れてくださった瞬間をよしとする。そうやって私は受け流して来たけれど、それはあくまでもおとなだったからかな。セレモニーの間は泣かない。娘はそう決めて臨んだのだと言う。ひとりアメリカにいて、義母の死をまだ知らずにいる甥。もし甥がこの悲報を聞いたら、同じことを思うだろうと甥の母である義姉が代わりに送った電報が、斎場で読み上げられたとたんに、参列者のほとんどが泣いた。「でも、泣かなかったよ」と娘。「僕なんて、（涙を止める）栓があれで抜けちゃったよ」私の横でひたすら泣いていた夫が打ち明ける。泣かないというスタンスで臨む。いかにも思春期だよね。そういうことを、同じ時期の私もやっていたなあ。やりすぎて、一時はどんな映画を見ても泣かなかった。斜に構えるというか、冷めていた。でも、泣かないと決めるには、そう決めるに至る内面でのプロセスがあるので、泣かなかった娘の内なる悲しみは伝わってくる。それぞれが、それぞれに別れを悼んだ日。私は、結婚式の直前に、義母に仕事でモデルを頼んだ日のことを思い出していた。なぜだかお昼ご飯をごちそうになってしまった。ご飯代を払うのは、こちらのほうだったのに。この話を夫にしたら、「おふくろもいい奴だったってことだな」と嬉しそうに笑った。

  2006.07.20

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• 友達思い。

  祖母が亡くなって、セレモニーのスケジュールが気になる娘。「（告別式が）18日だったら困るなあ。　係の仕事があるのに、Nに迷惑かけちゃうよ」クラスで引き受けている特別な係の仕事があるのに、忌引きで欠席したら、ペアを組んでいるクラスメートに迷惑がかかると気を揉んでいるのだ。普段は同い年くらいの男の子が苦手で、どちらかというと避けている。それが、同じ係の男子生徒に気を使っている。偉いじゃん。果たして、告別式は19日に決定。「よかったね、友達に迷惑がかからなくて」と声をかけると、「うん。　でも、部活動を休まなきゃいけないよ。　今学期最後なのに」一難去って、また一難？なかなか思い通りにいかないねえ。

  2006.07.18

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• おじいちゃんもおばあちゃんも、同じくらいに大好きだった。

  夫の母が亡くなった。甥が一人立ちしたので、義父母と義兄夫婦との4人暮し。型の違う認知症が徐々に進行している老夫婦はデイサービスを利用しながらも、仕事に出かける義兄夫婦の留守を二人で守る日々だった。夕方義兄が帰宅してみると、老夫婦の部屋の入り口に義父が少々狼狽した感じで立っていた。部屋には介護用ベッドと布団が敷かれ、布団に頭を預けるような感じで義母が横たわっていた、が不自然さを感じた義兄が慌てて駆け寄るとすでに死後硬直が始まっていたという。今の時代、自宅で亡くなっているのが発見されるとひとまずは警察署で検死を受ける。そのため、ご遺体に会えたのは亡くなった翌日の午後だった。死因は脳内出血で、死亡推定時刻は亡くなった日のお昼前。左側を下にして亡くなっていたため鬱血によりお顔の半分が赤銅色になってしまっていたが、とても穏やかな表情だった。娘は私の父が亡くなったときから、ご遺体に触れなくなってしまった。「だって、冷たくなってしまってるから、　ああ、もう（ここには）いないんだって思って」ご遺体に触るのが恐ろしくなってしまったのだそうだ。逆に私は、父が亡くなって初めて、ご遺体に触るのが怖くなくなった。それまでは触れてはいけないのだと思っていたのだ。「おじいちゃんも、おばあちゃんも、　同じくらいに大好きだったよ。　そりゃあ、おじいちゃんとは、よく一緒に出かけたけれど、　どっちも大好きだった」娘は、義母のご遺体を見ようともしない自分の態度を夫に誤解されていると感じたようだ。父が大発作を起こして動くことも話すことも出来なくなったときに私たち家族が大きな衝撃を受けて覚悟を決めたのと同じように、夫も、自分の両親が徐々に変わっていく様子を見守りながら、覚悟を決めていったようだ。認知症と診断されてからは、いろんなことがあった。誰よりも疲れていったのは、共に暮らし介護にあたっていた義兄夫婦。事が起こるたびに、老夫婦への対応が少しずつ変化していった。ご遺体に会ったとき、夫は義母の頭を撫でながら「これで、やっと楽になったなあ」と声をかけた。そうだね、何よりご本人が辛かっただろう。どうぞ安らかに……。

  2006.07.17

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• ブレーブストーリー。

  この週末には絶対に見に行こうと決めていた映画。それが、急な出来事でだめになったと思い込み、すっかり不機嫌になってしまった娘。ともかくセレモニーのスケジュールさえ決まれば、喪主ではないのだから、取り敢えず普通に過ごすのみ。ということで、スケジュールが決まった時点で、予定を敢行することにした。気になっていたのは連休だってこと。いつも行く映画館はインターネットで予約ができるけれど、それは上映の2時間前までの話。行こうと決めたときには上演2時間前を切っていた。仕方なく映画館に向かったのだけれど、不安適中で、希望時間は満席になってしまっていた。で、その次の上映時間のチケットを購入し、夫に報告。待ち時間の間に、買い物と大事な用件を済ます。早めの夕食を済ませば、ぎりぎり。原作を先に読んでいたので、あの壮大なストーリーがどう料理されるのか気になっていた。なるほど、このように料理したのか。ディズニー映画のような料理のされ方で、結末には不満も残る。でも、映画だし、より多くの層に見てもらうんだから、こういう料理の仕方もありかもしれない。「DVD出たら、絶対に買うんだ。　おこづかいためておかないとね」娘は映画のほうも気に入ったらしい。何度も繰り返し見ようと思ったんだろう。ま、それは本人の自由だ。パンフレットを見ると、原作者の宮部みゆきさんが声で出演しているようだ。どこの部分かなあ。「きっとがや（群集の声）だよ」どうして、こんなところで業界用語が……。わが家では、かなり業界用語が飛び交う。それも、いろんな業界の用語。とうとう娘まで発するようになってしまったよ。

  2006.07.16

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• 乳児さんから熟年女性まで。

  数年前から関わっているイベントの日。土曜日で学校が休みの日は、娘にも手伝わせる。乳児さんとその親御さんのために開催しているムーブメントを主体としたイベントだ。小さな人たちのために、風船をたくさん膨らませて準備。イベントが始まったら、一緒になって過ごす。スキンシップ遊びだったり、かつては娘自身が大好きだったバスタオルを利用したブランコで遊んだり。ラストのパラシュートでは、参加者全員が盛り上がる。小さな人たちを中心に、おとなたちが満面の笑顔で終了するとてもハッピーなイベント。昨年から、娘以外にもボランティア参加してくれるお子さまが増えた。初対面から意気投合して、お互いに名前で呼び合う仲になった。未熟児さん親子のフォローアップの会も同様に、小さな人たちと過ごすことを娘は何より楽しみにしてくれている。風船の中に、ひとつもしくはふたつ、小さく膨らました風船を入れて入れ子状態の風船を作成することを思いついたのは娘。昨年はおみやげに大好評だった。今年も第一回目のイベントでプレゼント。第二回目の今日は、風船不足を案じて敢えて作らなかった。「前回、風船入りの風船を持って帰った人から、　全然萎まないんだけれど、なぜ？と聞かれたの」と娘からの報告。（そうそう、この日は、午後に予定があったので、　私はひと足先に会場をあとにしたのだった）不思議なことがあるものだねえ。入れ子状態の風船は、なかなか萎まないんだ。娘がいるからこそ、新たに発見がある。この風船事件もそのひとつ。この日、娘は仲良しのメンバー（大学生と高校生の母）と、一緒に昼食を食べたらしい。こちらとも通称で呼び合う仲。交際対象年齢に大変幅があるのが娘のいいところか。こういう人懐っこさは、いくつになっても変わらない。

  2006.07.15

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• 何だかビミョー。

  娘たちの言葉遣いが気になる。よさげ、○○っぽい、ビミョー……。よいと思うなら、「よい」とはっきり言えばいい。きちんと説明しようとせずに何にでも“っぽい”ってつけるな、かえって話がわかりにくくなる。よくないと感じているなら、「ビミョー」と濁すな。ちゃんと相手に伝わるように、わかりやすく文章にして説明しなさい！意見表明しなさい！いかんなあ、おばさんになってしまったのかなあ。今でも、重要なことを発言するにあたって、頭の中で文章を反芻し、推敲する私。20代の頃は、駆け出しだったから、そりゃあもう、必死で伝わりやすい表現を組み立てていた。だから、いい加減な表現をされると、食事時の雑談であっても容赦しない。そんなことを続けていたら、「かかってきた電話にきちんとした言葉遣いで対応したら、　声がお母さんに似てるのか、　相手が確認もせずにとうとうと話すの。　『すいません、今親が留守なので』って言って切るんだけど、　もう、面倒だから電話に出たくなくなる」と娘が言い出した。ほお、きちんとしゃべれるんじゃないか。でも、電話に出てくれないと、困るよね。緊急の連絡だったらどうするのさ。それに、おとなだと思われてたほうが、相手も丁寧に対応してくれるので気分がいいでしょ？（子どもだからって、バカにした対応する奴、　大っ嫌いだ！！）もう少し経たないと、おとなっぽく見られたいと思うようにはならないのかもしれないね。それとも、最近のお子さまたちはいつまでも子どもでいたいと思うものなのかな。中学生って中途半端。まさにビミョーな時期なんだ。

  2006.07.14

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• ぐうたらでも、多少はまともに……。

  朝、メールチェックをして後悔。げげっ、またやらなくちゃいけないことが増えた。しばらく読まなかったことにしよう……。自分のことだけなら、こうやってなんとかやりくりできるんだけれどねえ、お子さまのことや、飼ってるペットについては、そうもいかない。日々の生活まで、見ないふりは出来ないよね。お姑さんと同居している友人が言っていたっけ。「お義母さまと一緒に暮らしているから、私、　きちんと暮らしていかなきゃって　家事もなんとかこなしていけるんだと思うの」「何か目標がないとさ、何事も頑張れないのよ。　だから、思い切ってマンションを買うとか、　リフォームするとかして、　借金を背負い込んで、頑張る目標を作ったりするの」これは、一人暮し歴○○年の先輩の言葉。ときどきくたびれ果てて、投げ出しそうになるときは、いろんな人の言葉を思い出す。娘がいてくれるから、ぐうたらな私でも、洗濯して朝ご飯作って、掃除をする。無駄な夜更かしを慎む。もちろん仕事も、ぐうたらな私の背中を押してくれるけど……。娘は、私にとって背筋をぴっと伸ばしてくれるような存在であり、一緒にいてくれるだけで、私自身も励まされる。同じようなことを夫も思っているんだろうな。すでに暑さに辟易している状態なので、そんなことを思いながら、自分自身を叱咤激励してみる。

  2006.07.13

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• 夏祭りのパトロール。

  ＰＴＡの校外パトロール用にと、娘の学校のＰＴＡで校名入りの提灯を作った。時代劇で「御用だ！」と悪いやつを取り囲むときに町方衆が手に持っているようなやつのミニ版。校長先生はいたくお気に入りの様子。委員会でも自分の席の前に置いて、ライトをつけてにこにこと眺めていらっしゃる。これから夏祭りのシーズン。校外パトロール用に、ひと目で判るようにとの親心でもある。パトロールの目的は決して監視ではない。もし、自校の生徒が誰かに因縁をつけられるなど、危険なめに遭いそうになったとき、この提灯目指して逃げて来てくれれば、おとなたちがガード出来る。しかし、提灯の話を娘にしたとたん、「何だか嫌だ。うざい！」と不機嫌になった。「監視されてるんじゃないってわかってても、　何だか嫌だ」もっと目立たない見守りをして欲しいらしい。ま、その気持ちもわからないでもないけれどね。昨年から浴衣の着付けを習得して、お祭りには浴衣に下駄で出かけるようになった娘。お祭り好きな友人から、早くも「今年もよろしく」とメールも届いている。受験勉強の合間の息抜きとして、時間が許すなら、今年も送り出してやろうかなと考えている。浴衣に、提灯の見守り。いやあ、日本の夏らしく風情があっていいじゃないですか、と、喜んでるのはおとなだけってことかな。

  2006.07.10

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• 娘は「癒し系」。

  10代も半ば近くなると学校のことを全く話さなくなるお子さんも少なくないと聞くが、娘は相変わらず、結構あれこれ報告してくる。ま、本人によると、よほどのことがない限りは、何でも親に相談していきたいという意向があるらしく、そのためにも、日頃から自分の周囲についての情報をなるべく詳しく伝えておこうという意図があるようだ。自分の立場を理解してもらうには、日頃の情報開示が何より重要というのは、私も夫も同様のスタンスだ。だから、私たち家族はそれぞれの親しい人たちについてかなりの情報を共有している。昨年、校長先生が代わられたのに続き、今年は副校長先生も代わられた。いずれも前任者とはかなりかけ離れたタイプだ。特に、副校長先生に関して、娘はかなり関心が高いらしく、着任なさったその日から適度にレポートが寄せられている。第一報は、「ものすごくいい声なの。低くていい響きなの」ほお、それはそれは。楽しみだね。「でもね、すぐに間違えるの。　今日もいろいろ訂正してた」いい声なのに、それは残念。天は二物を与えずってか？ＰＴＡの用事などで実際にお会いしてみると、穏やかでのんびりした雰囲気。なんとなく信頼感が漂うのは、低いトーンで、聞き取りやすいスピードでお話なさるからか。着任したてなので、いろいろとわからないことも多く、ひとつひとつ、居合わせたほかの先生方に確認して答えてくださる。そうした態度にも、好感が持てる感じ。あせらず、神経質にならず。誰かに似ているかも……。どうやら朝礼やセレモニーのたびに、必ず何か間違えて、訂正するところは変わらないようで、「なんだか卒業式に　『これから入学式を始めます』って言われちゃいそうで　今から、ものすごく心配」と娘は気を揉んでいる。まさか、それはないでしょう。「いや、運動会の開会式でも間違えてたし、　訂正せずに済んだ試しがないもん」そうですか。カラー版の学校だよりが発行されることになり、どうやら副校長が担当なさったようだ。「暇そうだったから、張り切ってたよ」おいおい、そんな風に言うもんじゃありません。ますます誰かに似ているなあ。これまで娘本人に関わる深刻な問題はほとんど起きていない。それどころか、昨年あたりから職員室で密かに「癒し系」と言われているらしい。直に複数の先生からそう言われたことがある。深刻な話を聞かない訳でもないけれど、今のところは気楽な気持ちで、学校の話を聞いていることのほうが多い。娘自身も癒し系かもしれないけれど、副校長先生の話ひとつとってみても、先生方からもかなり癒しを受け取っているんじゃないかな。

  2006.07.06

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• おとなの思惑、子どもの思惑。

  夏休みの学校の宿題に「学校見学レポート」というものが出される。最低でも3校は回って、感想などを書きなさいということらしい。おかげで、今月の最終週は三者面談と学校見学、そしていつもの病院回り。忙しい夏休みになりそうだ……。わが家では、すでに学校見学2校目を終了。2校目は普通の高校ではなく高等専修学校。学校教育法の説明から始まって、教育改革にも触れる内容。まあ、学校の立場を考えると、その辺り必須か。入学に高卒以上の資格が要求される専門学校内にあるので、設備は本格的。8月に予定されている体験入学に、早くも心が踊っている感じの娘。いいのか？実は夫にも私にも、この業界の知り合いが多いので、裏話は山ほど知っている。だから、日常的にあれこれアドバイスが出来るのだが、いかんせん、実の親子だけに、いくら言っても、親心という色眼鏡付きで受け取られがち。こういう場合は、同じ内容の話を、ほかのおとなに話していただくのが一番。という訳で、説明会のあとで、関係者と懇談。いろいろ話してくださるのを、「ほら見ろ」ってな感じで娘の隣で拝聴する。度胸娘は、一応落ち着いた感じの受け答え。質問だって、ちゃんと出来る。「緊張したあ！」懇談終了後に、娘が一言。まあ、ね。おとなと話すのって確かに緊張するね。理解は示すが、許すかどうかは別。この私たち夫婦のスタンスは明解。それに対して、「理解のあるお母さま」だけれど、「何でもかんでもＯＫじゃない、　甘やかし系ではないお母さま」とおっしゃってくださったのは、先方のセールストークの一部か？ここまで来ると、子どもの思惑よりもおとなの思惑の方に思いが行く。無論、先方だって、モノになりそうもない生徒は取りたくないよね。ここはやはり、その道のプロでもある、私たちの友人・知人にお出まし願う時期か。親だって、おとな。ご家庭内でだって、おとなの思惑、子どもの思惑が錯綜する。

  2006.07.04

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• 進路説明会とＰＴＡ委員会のはざまで。

  公立高普通科、公立高総合学科、私立高の3校から先生をお招きして、第1回めの進路説明会。「今日は君たちにとって、とても大事な日です。　来校なさった各校の先生方は、　すでに君たちをじっと観察なさっています」との校長先生の挨拶から始まった。3校とも地元校。いずれも進学重視で運動部が強い。一番カリキュラムに特色があるのは、やっぱり総合学科かな。ただし、いらした先生方のなかで、最も親近感を覚えたのは一番初めにお話をなさった公立高普通科の教務主幹。娘も同じ印象を抱いたらしく、夕食時に「あの先生、なんだか面白かったねえ」と。私にとっては、母校の数学教師とダブって見えたのが大きかった。進路説明会のあとはＰＴＡの委員会。同じ学年の委員と役員、諸先生方が一同に会する。娘が中学に入学して以来、ずっと委員会に参加しているので、この委員会への出席も3年目になる。初めは模様眺めという感じだったのが、小さなトラブル発生で、一時はどうなることかという危なげな雰囲気もあった。それがあっという間に落ち着いて、今年は最高学年の風格さえ醸すようになってきたのだからこの時期の子どもたちって、面白い。進路説明会と委員会の間の空き時間に同じクラスの委員同士で、クラス懇親会の打ち合わせ。担任が全くお酒が飲めないので、開催時間に悩む。飲めなくとも、話し出したら止まらないタイプだというので、ここは夜に設定すべきか？これで受け持っていただくのが2回めというAさんは、なんだかとっても担任と相性がいいらしい。「でも、一応私は年下ですので」と敢えてへりくだる彼女に「わが家は夫婦とも年上です」と私。学年主任でもある担任の年齢を知ったのは今年に入ってから。やっぱりそうか、見かけよりも若い。そう思いながらも、ちょっと複雑。「ええ？　みなさん、いったいおいくつなの？」と取りまとめ役のMさん。「だから、同年代かなあと思ったら、　先生のほうが年下だったの」と私が言うと「いやあ、絶対にあなたが一番若いから」と丸め込むAさん。「そうそう」と私も追い討ちをかけ、うやむやにしてしまう。結局懇親会は隣のクラスと合同で行なうことになった。仕切り上手なKさんに幹事役をお願いしようと、本人がいないのに、ふたクラスの取りまとめ役同士で勝手に決めてしまう。ほかのメンバーも異存なし。小中と長い付き合いなので、誰がどういう役割に長けているかは先刻ご承知さ。前半がシビアな話だっただけに、自分たちのやり取りで決められる話にはつい、盛り上がってしまう。卒業まで9カ月。気心の知れた親仲間と一緒に、子どもの進路決定や受験など、さまざまな喜怒哀楽を過ごすんだなあ。何があっても大丈夫なような気がしてきた。

  2006.06.27

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• 出口の見えないトンネル。

  反抗期ってさ、おとなが困って付けたネーミングなんじゃないの？それまでは比較的平穏な日々が続いていて、あるとき急に子どもが自己主張を始めるものだから、「子どものくせに反抗しやがって！」って感じるんだよ。友人のお嬢さんが、高校3年生になったある日、「おかあさん、私、昨日で反抗期終わったから」と宣言したんだって。わが子もそうしてくれれば、ありがたいのだけれど。娘自身が言っている。「素直になりたいと思っても、なぜだか出来ないんだよねえ」子どもはバカじゃない。周囲のおとな、親が自分に何を期待しているかぐらいは痛いほどに判っている。でも、求められているものは、自分が求めているものとは違うし、それを親が受け止めていてくれるかどうかくらい、充分に知ってるよ。反抗期の子どもは、試しているんだと思う。自分の思いを周囲がどんな形で受け止めてくれるかを。2、3歳ごろに、自己主張を始めるのとは訳が違う。今度は、いろんな石を投げ付けて、確かめているんだ。確かに出口の見えないトンネルの中にいて、辛い。いらいらする。だから、周囲に当たってしまうということもあるだろう。それと同時に、変わっていくからだ、これまでのそこにいるだけで愛される愛らしい姿から変化していく自分を周囲がこれまでと同様に受け入れてくれるかどうかを確かめているんだ。そんなもの、確かめてくれなくてもいいのに、と思うおとなは、自分の思春期を思い出してみるといい。受け入れていくには、誰よりも本人が戸惑っている。その戸惑いがぶつけられたとき、おとなたちは、きちんとあるがままを受け止められるだろうか？ひとり一人が違う価値観を持っている。うちに秘める世界も違う。なのに、周囲のおとなたちが、自分達の価値観を押し付けることに、とてつもない息苦しさを感じてしまうのも思春期なのだ。悲しい事件が起こるたびに、ああ、その子を抱きしめる存在がいてくれたらと思う。

  2006.06.23

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• 学校訪問スタート。

  来年度の高校受験に向けて学校説明会や見学会のスケジュールが揃い始めた。娘の担任の先生によると、学校訪問はやればやるほどいいのだとか。なんでも10校くらい見て回れば、どこへ行きたいか自ずとわかってくるらしい。10校ねえ……。娘のわがままな願望も含めて、今のところ4、5校ぐらいはスケジュールを押さえているかな。夏休みの宿題に、学校訪問のレポートというのが出されるので、体験入学のスケジュールも調べ始めたところ。今の時点でなら、どこでもより取りみどり。というのは、なんだかプロ野球のキャンプみたいだね。で、早速1校目、行って参りました。新しい学校。校舎もピカピカだけれど、カリキュラムも新しい。先生と生徒が話している雰囲気もなんだかよさそう。吹奏楽部と演劇部のデモンストレーションに、娘はすっかり心が動かされた感じ。中学受験を考えていたことがあって、やはりいくつかの私立中学校を見学に行った。校風が娘にあっていたこともあって、初めて行ったところの印象が一番よかったかな。ということは、今回もその可能性大。それでも、娘が高校を見学するのは過去に文化祭などに誘われたりして出かけたところも含めれば、4校目になる。過去のところでは、お友だちが通っている私立がよかったらしい。私は行っていないんだけれどね。同じ公立の普通科でも、学校によって校風や得意分野に違いがあったりするし、それに総合科も加えると、どれにしようか本当に迷ってしまうくらい。選ぶのに困る、かあ。うらやましいよね、そういうのは。私の時は、成績順に輪切りという状況で、選ぶ余地なしだったから。ええ、わかっておりますよ、多過ぎて迷うという悩みも、結構深かったりするということも。選ぶのは娘自身。親の意見は参考意見でしかない。娘がいったいどの高校に心を動かされるのか。それとも初志貫徹しようと考えるのか。さらには、行きたい学校に選んでいただけるのか。今年の夏休みは、忙しくなりそうだ。

  2006.06.19

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• 自分のからだだけじゃなく、あなたのからだも大切だから。（4）

  大事なことを書き忘れたので、もう一回だけ続ける。性行為感染症を防ぐために必要なことは何だろう。ちゃんと結婚して、不特定多数の人と性行為を行なわないこと？答えはNOだ。夫婦間であっても、コンドームを使用することが正解。避妊はピルでも出来るけれど、性行為感染症の予防はコンドーム使用が原則。思春期の子どもとどう向き合うかというテーマのおとな向け講座で、同じ質問が出されたら、ほとんどの人が思い違いをしていた。このときの講師は岩室紳也さん。泌尿器科のドクターで、保健所に長く勤務、公衆衛生の現場にもいらした。思春期を迎えた男の子の相談にも、きちんと答えてくださる。年子で男の子と女の子二人の母親という友人が、「娘に対しては具体的な相談に乗れるけれど、　息子に対しては、異性なのでよくわからない。　『もし何かあったら、傷つくのは女の子の方なのよ。　だから、大事にしてあげてね』と言うのがやっとだった」と打ち明けてくれた。いいお母さんだなあと思った。相手の女の子のことを案じながら、わが子のことも案じていることがきっちり伝わってくる。性に関しては、わが子と言えどもお互いのプライバシーに関わる微妙な話題なので、微に入り細に渡って話すということなんて出来ない。それでも、基本的なことは、きちんと押さえて話すぐらいのことは出来るはずだ。娘にお薦めした本田美和子さんの著書でも、こうしたことにもきちんと触れられている。20代の女性数名と本田さんとの座談会がメインになっていて、専門家ではない私たちにも抵抗なく必要な知識が入ってくる。同じ本を読んで、その内容についてあれこれ話し合う。テレビドラマや映画を観たあとと同じように。性のように、話題にしにくいテーマについて親子で話し合いたいときは、こういう方法を使うのも手だ。親子三人しかいない家族。私たちは、いろんなテーマで話し合う。特に最近は、進路のことなど、話の内容がかなり変わってきた。親として、だけでなく人生のちょっとだけ先輩として、話が出来るようになったことは、嬉しい反面、下手な話は出来ないぞという責任も感じたりする。

  2006.06.12

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• 自分のからだだけじゃなく、あなたのからだも大切だから。（3）

  表題を変えた。でも、昨日の続き。娘に本をお薦めするのはいつものこと。おとな向けの本でも、“ここのところは知っておいて欲しい”と思えば、どんどん薦める主義だ。一番最近娘にお薦めしたのは「エイズ感染爆発とSAFE SEXについて話します」（本田美和子　著／朝日出版社　刊）。性行為感染症は、その主な感染経路が性行為であるというだけで、感染した人に対していわれなき偏見をもたらす。感染症は外部から細菌やウイルスが入り込み、病に冒される。インフルエンザも、赤痢も、ペストも、ハンセン病もエイズも、みんな同じ感染症なんだよ。ただ、エイズの病原体であるHIVウイルスはとても弱い。（ハンセン病の病原体も、とても弱い）同じ屋根の下で暮らしているくらいでは、そう簡単には感染しない。抱き合っても、大丈夫。性行為に代表される極めて濃厚な接触がない限りは。それなのに、一度感染してしまったら、完全に体内に存在するウイルスを無くしてしまう術は今のところない。けれども、きちんとした治療を続ければ普通に元気な日常生活を送ることができる。すでにエイズについては、ある程度の知識をもっている娘。今回お薦めした本を読了後に、「セックス・パートナーと一緒に　検査を受けに行くことは出来ないのかな」とつぶやいた。「自分のからだも大事だけれど、パートナーのからだも大切だよね。　何より、もし子どもが出来たとして、　生まれてくる子どもがかわいそうだと思わないのかな」エイズ発病の恐ろしさのひとつは、産道感染や母乳を会する感染によってHIV感染してしまった子どもの親が、きちんとした治療を受けていなければ、親が遠からず死に至り、子どもは守ってくれる存在を失い、やがて亡くなってしまうことにある。コントロール可能な病気ではあるけれど、一度感染してしまえば、一生治療を続けなければならない。何より、愛する人を感染させてしまう。著者の本田美和子さんは、治療の現場にいて、日本でも感染者が増加していること、それも一生涯の性交渉の相手の数が男性に比べて少ない女性の感染者が増えていることをとても危惧していらっしゃる。感染症は、一定の時期を経て、あるとき爆発的に感染が増加する。エイズも同じだ。夫と一緒に検査を受ける。エイズについて、ざっくばらんに話ができる。それもまた、お互いの信頼感に基づく行為。性行為と同じだ。愛はお互いの信頼感に基づいている。自分を大切に、他者を大切に思う気持ち。他の性行為感染症も、エイズと同じ方法で感染を防ぐことができる。正しい知識をもち、それに従うことは自分自身だけでなく、あなたの大切な人の命を守ることにもつながる。決して他人事ではない。

  2006.06.11

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• 自分のからだのことだから……。（2）

  自分の子どもが娘でよかったなあと思うのは、同性同士だから、先輩から後輩へ、具体的に伝えられることがあるというところかな。思春期の子どもの親が数人集まると、そんな話になることが、たまにある。自分自身が思春期だった頃って、今ほど自分のからだについての知識はもっていなかった。今だって、案外知らないことが多いと感じている。娘に「赤ちゃんはどこから生まれてくるの？」と尋ねられて私が誤魔化さなかったのは、かつての私の経験が大きな理由。自分のからだなのに、初潮を迎えるまで、知らない場所があったのだ。ものすごく嫌だった。ちゃんと知っておきたかった。だから、娘にはきちんと伝えておこうと決めたんだ。仕事のおかげで、女性のからだの知識について専門家から直に講議を受けるチャンスがあって、よかった。ホルモン周期が、精神的なことにも影響を与えるメカニズムについても詳しく知ることが出来たし。身をもって感じていることだけに、とても腑に落ちた。生理痛の予防策として、お腹をあたためること。そんなことも知らずに、私は20数年生きていたんだよ。理由もなくネガティブな気持ちになるのは、生理が近づいているから。これは経験的に感じていたけれど、はっきりとそうだとわかってからは、自分のからだの周期について、きちんと把握出来るようになった。もちろん、娘には、初潮を迎えるクラスメートの話が出たときから、予備知識として伝えた。ちゃんとハラマキを愛用させているから、学校の養護教諭にも誉められたんだって。主治医にお願いして、痛みがひどいときのために、鎮痛剤も処方していただいている。問題はこの先だ。自分のからだを大切にね、と例によってさまざまな本を用意しておいたら、どうやら娘はほぼ読破したらしい。お年頃だから、気になる話題でもあるだろうしね。お互いに知っているということを前提としておくと、次は、病気のことなど、いよいよ本格的な健康についての話としてあれこれ話し合えるようになる。あと1回で、この話は終わります。

  2006.06.10

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• 自分のからだのことだから……。（1）

  進路の話も大切だけれど、娘には、ほかにもいろいろと伝えておきたいことがたくさん、たくさんある。自分自身を大切にしろとよく言われるけれど、具体的な方法は、なかなか提示されない。で、例えば、自分自身のからだについて、自分自身で気づかうこと方法を伝えていくのはどうだろう。自分自身の健康については、「今、私は元気！」と感じられることが大切。いつもとちょっと違うなあという感覚が、自分自身を助ける。これは、日頃から自分のからだの感覚について自分のからだに聞いてみるという姿勢から生まれる。うんちはどうだった？　排便するときは変わりなかった？ご飯は美味しく食べられた？気分良く起きられた？のどはどう？　痛くない？　……。胃が痛いと言われ、半信半疑で受診したのは娘が3歳のころ。「どこが痛いの？」と尋ねられ、しっかりと胃のある場所を指し示し、これには、医師だけでなく私も驚いた。「風邪による胃炎でしょう」という診断。からだの仕組みについて紹介された絵本が大好きで、心臓や肺、肝臓、胃、腸、腎臓など、主だった内臓の場所をきちんと覚えていたのだった。それが2歳のころか。同じ頃、「赤ちゃんはどこから生まれてくるの？」と尋ねられ、「あなたは、お母さんのお腹のこの部分を切って、　そこから生まれてきたんだけれど、　普通は違うのよ」と、誤魔化さずに答えた。すると、自分がお母さんになって、大好きなお人形を赤ちゃんに見立てて、出産ごっこを何回もやった。幼稚園の年長だったある朝、「お母さん、喉が痛いので熱を計ったら　37度5分あったの」と起こされたことがある。いつもの病院へ連れていき、ことの次第を主治医に話すと、「いつもからだのことを気づかう生活を送ってきたから、　自分のからだのことは自分でわかるようになってきたんですね」と微笑まれた。成長ホルモンの注射をするようになってからは、針を差した瞬間に「今日は痛点にあたっちゃった！」と判るようになったと言う。針を差し、カートリッジを押して1回分の注射液を注入、10秒ほどそのままにしてから針を抜く。それが、痛点に当たってしまうと、痛くて我慢出来ないのだそうだ。「だからね、さっさと針を抜いちゃうときは　痛点に当たったときなんだよ」そうですか、それは存じませんでしたわ。針を差してるところは誰にも見られたくないっておっしゃるものだから、なるべく、そちらを見ないように心がけてるもので。「今日は血管に当たらなかったよ」これは出血しなかったという意味。知らない人が聞いたら、ちょっと驚くかもしれないけれど、こんな会話がわが家では普通のことなので、さらに進んだ話もしている。ということで、この話は続きます。

  2006.06.09

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• “施政方針”発表。

  散歩から帰ってきた夫、一言、「ちょっと歩いてきたかったんだ」あ、そう。あれこれ持ち出して説得にかかる私に比べて、夫は極めてシンプル。言いたいことをズバリと、一言でまとめて伝えるだけ。きっと、その一言をまとめるために散歩に出たんだな。「おまえの夢は否定しない。　けれども、今やらなきゃいけないことがあるだろう。　だから、まず、それを一生懸命にやれ」それ以上は言わない。「お父さんの言うことって、とってもシンプル。　だけど、ものすごく（胸に）刺さるんだよねえ」あとで、しみじみと娘が言っていた。まあ、親たちの言いたいことにズレがないことが大事。で、それぞれのキャラクターを子どものほうが知り抜いているので、“施政方針”が夫から発せられれば、その具体的な計画を私が発表すればいいってことだ。娘が希望する進学先も含めて、入手出来る限りの情報収集と学校回りをしつつ、ひとつひとつ目標を立てながら（これも具体的に提案）、結果を積み上げていくこと、という私の提案は、娘に受け入れられた。あとは、具体的な成果を出しつつ、当面の目標に向かうだけ。中学生っていうのは中途半端な時期だからなあ。と本人に同情しつつも、早速、自分なりに手を打ち始めた姿に、話し合い第一ラウンドは無事に成功したことが判明した。まあ、やれることを出来る限り頑張りなさい。

  2006.06.08

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• 娘からの手紙。

  娘から手紙をもらった。お父さんとお母さんのお話は、私の考えを否定しているとしか思えない……。そうだよ、否定しているよ。だって、イージーなんだもん。現在の生活ぶりからは、「是が非でも」という覚悟や乗り越えるぞ！という意気込みがどこにも見られない。どうしても逃げてるとしか思えない。君の夢は否定していない。ただ、そこへ至るプロセスに疑問を感じているんだ。そこのところを、きちんと伝えないとね。ということで、私はちゃんと行動で示していただくつもり。ああ、情けないことに、夫は犬を連れて散歩に出かけてしまったよ……。

  2006.06.07

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• 進路指導スタート。

  いよいよ進路指導が本格的に始まる、のだそうだ。高校受験に向けて、少しずつ、腹を括る覚悟を迫られていくことになるのかな。娘には将来の職業について、具体的な夢がある。実現に向けては、いろいろなアプローチのやり方があるのだけれど、高校受験という現実と、どのようにリンクさせていくか、というところで、ともすれば、イージーな方向に流れていこうとしている。夢に向かってまっしぐらというイメージの強い専修学校や専門学校付属の高校があり、そこへの進学となれば、入学試験を受けなくとも入れる。当初考えていたように、普通に高校を受験し進学して、高校に通う傍ら、専門学校に通って学ぶという方法よりも、入るときは楽だ。まあ、親というものは、そういうイージーな方法で職業に就けるほど世の中甘くないぜ、と子どもを説得にかかるのが世の常。夫も私も同様だ。何より、今現在の自分の夢にかけるしかないと、思い込んでいる節があるのが気に入らない。おとなの多くが、中学生くらいのときには将来の生業について具体的なイメージをもっていた訳ではなく、ただ、自分の好きな分野の開拓と研鑽に励みながら、少しずつ現実的な職業選択へと進んでいったと思うのだ。娘をよく知る者としては、自分でなんとか道を切り開いていけるだろうから手をこまぬいて見ていても大丈夫とはどうしても思えないから、万が一、夢破れたときのことにまで気を回して説得に当たることになる。まあ夕べは娘を泣かしてしまったけれど、夢の実現について、彼女自身の人生全体をも見据えながら、一緒に話し合い、考えていこうと思う。

  2006.06.06

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• 悲しい昼食。

  土曜日の昼食をどうするか。私も娘も午前中に予定があり、私は出先から別の場所へ移動の予定。「じゃあ、お昼代ちょうだい」というのが、いつもの娘のパターン。それが、今回はちょっと違っていた。「チンジャオロースーと春巻きを作るから、　材料費ちょうだい」ほお、自分で作るのか。娘の春巻きは、レトルトの麻婆春雨を利用して作るもので、お手軽なのに、結構美味しい。「お母さん、一旦家に帰ってごちそうしてもらおうかなあ」と言ったら、「ダメ！」冷たいなあ。自作料理を、どうして親にもごちそうしてくれないのだ。親の留守中、お昼ご飯を作っては友人に振る舞うのが娘の趣味。カレーライスだったり、スパゲティ・トマトソースだったりいろいろ。帰宅後に「お母さんの分は？」と尋ねても、ほとんどの場合、「ない」と冷たい一言。今回も誰かにごちそうするのかと思ったら、さにあらず。「春巻きを思い切りたくさん食べたいから、　お母さんにはあげない」腹が立ったので、「材料費はおこづかいで買いなさい」とこちらも冷たい反撃。とある用件を思い出し、そのために私は午後の予定を取り止めることにした。午前中の用事を済ませて電話をすると「お母さんの分はないよ」相変わらずだ。「手間賃込みで材料費をお支払いするけど、どう？」とちょっとだけ色をつけて懐柔策。「だめ。絶対にあげない」「判った！　誰か呼ぶんでしょ」無言。絶対怪しい。しょうがないから、自分の分のおかずと、何人来るか判らないけれど、おやつ代わりにシュークリームを買って帰宅。当てにしていた残りご飯が、すべてチャーハンにされていた。「茶わん一杯分ぐらいなら、お母さんの分もあるよ」やっぱり誰か呼ぶんだな。「へへ、そうなの。　チンジャオロースー作るって言ったら、　食べたいっていうので誘ったの」同じ部活の友人だ。先に昼食を済ませると、娘の友人到着。居間を娘たちに譲って、私は自室へ。声だけ聞いていると、二人ともよく似ている。話し方も結構似てるかもしれない。食事をしながら、あれこれおしゃべり。娘の塾の時間に合わせて、二人とも家を出ていった。居間に行ってみると、春巻きが2本残されていた。食べきれずに残したらしい。ふん、そんなことなら私にくれればよかったのに。おまけにシュークリームは手付かず。おいおい、私のご好意はどうなるんだ。まあ、こんなもんさ、思春期なんて。

  2006.06.03

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• 夏服選び。

  運動会の振り替え休日に、娘の夏物を買いに出かけた。もともと出無精なうえに、塾だの部活動だので慌ただしい平日はもちろん、週末まで塾や合唱団などで忙しい娘。ついでに、私も結構土曜日から予定が埋まる。振り替え休日だって、私の都合が悪ければ買い物どころではないけれど、今回はなんとか都合をつけることが出来た。小さな頃から、いろんな洋服屋に連れて行っていたにもかかわらず、最近の娘は「お洋服屋さんって、何だか恥ずかしい」となかなか入りたがらない。それでいて、父や母の買い物には平気で付き合う。いったい何が恥ずかしいんだ？まあ、あんまり高級そうなお店は、恥ずかしいというよりも気後れして入れないだろうから、こちらのお財布的にもありがたいんだけど。第一買えないし。それでも気になるから、原宿に出来たラルフ・ローレンの新しいお店にだけは行ってみた。ドレスやスーツは、母のほうの気持ちが揺れる。ジーンズには、娘の気持ちが揺れたみたい。揺れても、“恥ずかしい”から何も買わずに出た。恥ずかしい恥ずかしいと言いながらも、結局いつものデパートのいつものコーナーへ行って品定め。恥ずかしがりながらも3着試着して、お気に入りをゲット。ここ、お隣がジュニア下着コーナーで、数カ月単位で体型が変化していく微妙なお年頃のために、フィッテイングもやってくれる。いやあ、かなり変化していましたよ。ちゃんと成熟に向かっているもんなんですねえ。ラインが、ちゃんとおとなのラインに近づいていた。これでストラップなしのスカートがはける。ウエストにゴムなんていらないわ。同性同士としては、これから先が楽しいのかもしれないけれど、親としては、何となく寂しさを感じるよ。ご本人も、自分のからだの変化に戸惑ってる。こりゃあ、洋服選びに試着っていうのも恥ずかしいかもしれないわ。気持ちとしてはわかるなあ。内面から少しずつ変化して、徐々にからだにも変化があらわれる。この先も、いろいろと変わっていくんだろうね。いよいよ明日から6月。制服も夏服に替わる。今年はおニューの紺色ベスト着用で、薄着に抵抗を試みるらしい。

  2006.05.31

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• 雨でも敢行、運動会。

  朝7時に校門前に今日の運動会開催の有無が掲示されるというので、目の前に住むわが家では、娘が友人への連絡係を買って出た。「信じらんな～い」と憮然とした表情で戻ってきた娘。雨が降ってるのに「決行」?係があるので、7：45に登校。その時点では、かなりの降り。本当にこれで出来るのか？ちょっと遅めに出かけたら、……やってる！校門のところで顔なじみの委員さんがパトロール。個人競技は飛ばして、団体競技だけやってるんだって。元々は池だったというグラウンドはかなりぬかるんでいる。これで転んだら、目も当てられないぞ。娘たちの競技は一人ずつ手に発泡スチロールの板を持ち、バトン代わりに前走者の板を受け取って走るというもの。持って走る板の数は、だんだん増えていく。ひとクラス10数名はいるから、中盤をすぎた辺りから、受け渡しに失敗して落とすチームが続出というかなりハラハラする競技だ。娘のは6番目。学年で一番走るのが遅い娘の足取りが、今日はことのほか重い。なんだかとってもおしりが重く見えるぞ。あとで聞いたら、泥に足を取られて非常に走りにくかったのだとか。なんとかビリにならずにバトンタッチ。結局、一番初めに板を落としたのが効を奏した？のか、娘のクラスは全く落とさずに完走したチームに続く2位。一時は半周遅れで、挽回は絶望的だったのに。まったく最後までどうなるかわからない競技だ。同じ委員会の委員さんと打ち合わせを手短かに終わらせたら、いよいよ運動会の目玉、伝統競技でもある3年生男子の「むかで競走」。各チーム全員の足をロープでつなぎ、2列縦隊で100メートルを疾走するというただでさえ不自由でスリリングな競技。競技開始直前、雨足がだんだん強くなってきた。ぬかるんだグラウンドで、さらに難易度が増している。ところがあるチームがスタートからすごい勢いで走り出し、そのままゴール。これがタイムを競う競技なら、恐らく新記録なんじゃないか？残り集団がゴールした、と思ったら、なんと娘のクラスだけ、コース途中で立ち往生。かけ声もバラバラで、なんかチームワーク悪そう。思いがけずとてつもなく遅いゴールで時間が取られたこともあって、予定していた競技2つを取り止めて閉会式。整理体操もなく、校長やＰＴＡ会長の長ったらしい挨拶も一言ずつで終了。閉会式の所要時間も最短記録だったかも。お昼過ぎ、帰宅した娘がまたまた憤慨。「今日やらなかった競技は、来週の火曜日にやるんだって！」確か、万一今日開催出来なかったときのためにと予備日とされていたのが火曜日。何でも個人競技も見たかったという保護者の強い要望があったからだとか。うちは誰も見に行けないんだけど。それにしても御苦労なことだ。

  2006.05.27

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• 運動会には来ないで！

  いよいよわが家でも、娘がとうとう言った。「運動会は見に来ないでね」えつ？　どうして？　義務教育最後の運動会じゃん。「お父さんに言ったら、すぐに頷いてくれたよ」不満そうな娘。何を言ってるのだ、他の用事を蹴飛ばしてまで、楽しみにしているのにさ。もともと予定を入れていたところに年間行事が発表されて、運動会と重なっていたイベント出席は、ほぼ諦めていた。娘の姿も見たいけど、それ以上に伝統の競技の見納めという気持ちでいたんだけれどなあ。「見に来てくれても、どうせビリだから、がっかりするでしょ？　何より、もうビリを走っているところを見られたくないんだもん」親譲り足の遅さで、とうとう学年でいちばんビリを昨年“勝ち取って”しまった娘。自慢じゃないが、これまでに運動会の徒競走でビリじゃなかったことは、たったの1回しかない。もちろん、その“栄えある”瞬間はしっかりとビデオに収めてある。微妙なお年頃だから、見られたくないという気持ちはわかるけど……。学校公開日も、昨年あたりから教室の中に入ると嫌な顔をされるようになっていたので、いつかは「来ないで！」と言われる日が来るんだろうなとは覚悟していた。とうとう来たか。昨年まではＰＴＡで広報委員をやっていたから、娘としては、恐らく言い出したくても言えなかったんだろうね。今年は違う役を引き受けたからなあ。でも、なかなか娘の思うようには事態は進まない。学校行事を利用して、委員会の打ち合わせもやってしまおうと、気がつけば、私自身が運動会開催日に学校へ行かねばならない用事が出来てしまった。まだ、娘には内緒。当日、もし見つかってしまったら、「いやあＰＴＡ競技に狩り出されちゃってさ」と頭をかいて誤魔化してやろうっと。

  2006.05.25

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• いぢわる！

  娘が修学旅行に出かけた日、ハリー・ポッターの最新刊が届いた。ことのほかハリー・ポッターがお気に入りの娘は、映画を見るたびに「あのキャラクターが出てなかった」「このシーンが映画ではカットされていた」と文句を言うほど、細部に渡って覚えているいわゆるオタク。歴史のテストはさいてーなのにね。ほんとは記憶力いいんじゃないの？本を読み出したら止まらない、大事な用事も放り出す、読み終わるまでは徹夜も辞さない私。もちろん、届いたその日に読破しましたとも。どうせ、夫は呆れてる。おとなって、子どもに踏み越えられる存在なんだよね。男の子は、父親（的存在も）を精神的に殺して成長するっていう説もあるくらい。そういう意味で、今回も正統派の成長物語だった。前作で、名付け親が亡くなるシーンで大泣きした娘。今度も大泣きするんだろうな。本は読まずに映画を見るときだけ付き合う夫。家族で鑑賞するのが大事だからね（今年もコナン観ました）。だから、夫にだけあらすじを教えておいた。娘のベッドの上に最新刊を置いておく。今日、無事に帰宅した娘に、「ベッドに置いておいたからね」と言ったら、「うん」と確認済み。「ばあばが待ってるから、よろしくね」遠距離でも、本を回し読みしているわが家族。「ひと月くらいかけて読もうかな」ううっ、なんていぢわる！もう、踏んづけさせてやらない！うそっ。早く踏んづけておくれ。

  2006.05.19

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• 一日早い母の日。

  カーネーションお花の中ではカーネーション一番好きな花11月生まれの祖母は、カーネーションが大好きだった。いつか自分の庭で咲かせてみたいと、病床で呟いていたのを覚えている。小学生の頃は、妹とお小遣いを出し合って、母の日にカーネーションと何か一品添えてプレゼントしたものだ。家を出てからは、電話をかけるだけになってしまったけれど。結婚して初めての母の日には、義母にカーネーションの鉢植えを贈った。ベランダで大事に育ててくださったけれど、いつの間にかなくなっていたっけ。いつか自分が母になったら、わが子からプレゼントされるんだろうか。そう考えたことはなかったけれど、実際母親になってみると「いつ、プレゼントしてくれるのかなあ」なんて、ちょっと欲張りな願望を抱く。幼稚園では、母の日と父の日には両親に向けた贈り物を作らせる。娘が贈ってくれた何枚かの絵の中の私は、いつも笑っていた。笑顔の私の隣には、いつも赤いカーネーションが描かれていたなあ。そして今日、一日早くカーネーションの鉢植えが届いた。夫と娘からのプレゼント。母親になって初めて、本物のカーネーションをもらった。ちょっぴり恥ずかしく、とても嬉しい。なるほど、だから娘に「買い物は日曜日にしよう」と言ったら「母の日だからだめ」と断ったのか。どうもありがとう。明日は母に電話をかけて、「いつもありがとう」と言おう。

  2006.05.13

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• ばかなおとなにならない……。

  娘によると、最近は投げやりになったり、苛立ってきてもそのまま少し我慢していると、気がついたら立ち直るようになったらしい。「いらいらが知らないうちに、どっかいっちゃってるんだよねえ」ふ～ん、すごいじゃん。コントロール出来るようになったんだ。身長だけじゃなく、中身も成長しているんだねえ。じゃあ、とお勧めしたのが「ばかなおとなにならない脳」。こっそりと思春期まっただ中の娘に読ませてやろうと画策していた理論社から出版されているローティーン向けシリーズ「よりみちパン！セ」。その「よりみちパン！セ」のなかの1冊だ。著者は「バカの壁」で一躍有名になった養老孟司先生。養老先生の著作は、こんなに知られるようになるずっと前から大好きだった。エビデンス（科学的根拠）と騒がれる前から、きちんとエビデンスに基づいた話をなさっていたし、頭でっかちではない、身体感覚の伴った何と言うか、まさに腑に落ちる物言い。タイトルでウケて、早速読み始めた。娘たちにだけ読ませるのはもったいない内容。おとなは読んで我が身を振り返り、大いに反省したほうがいい。「よりみちパン！セ」のほかの著作もお勧め。いい加減本があふれていて、家族から文句が出ているのだけれど、ズラッと並べて、娘と一緒に片っ端から読んでいきたい。でも、娘はファンタジー好きで、いろいろお勧めした宮部みゆきは「ブレイブ・ストーリー」しか読まない。電撃文庫にはまっていて、まあ、たしかに「絶対少年」は面白かったかな。あとは、こちらの時間がないので手が出せない。出来れば、同じ本を読みあって、それについて語れるようになりたい。いきなり高校生で生まれて来いというのは無謀な世迷い言だったけど、ここまで来て、ようやく野望達成に近づいてきたかな？

  2006.05.11

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