号泣マーク
毎日一言二言ぐらい恵子とメッセージを送り合っている。週に1回ぐらいは、「どうしよう・・」というメッセージと号泣スッテカーが送られてくる。部屋の鍵をなくしたとか、学生証をなくしたとか、捻挫したとか、そんな理由。昨日は、「交換留学の時期を1年遅らせたほうがいいと教授に言われた」というメッセージにたくさんの号泣イラストがくっついていた。恵子としては、5セメスターめに行くつもりでいた。日本でいえば大学3年生の前期。TOEFLのスコアが必要なことがわかり、急遽今月受けることにした。受験料が結構高くて、日本円に換算すると3万円以上。TOEFLのスコアは証明写真と一緒で、申し込みの際に有効期限があったりする。受験料が無駄になるのも痛いのだが、いろいろな設計が狂ってしまうことにショックを受けていたようだ。教授は、「5.セメスター(3年生の前期)に留学してもそれほど専門を深く勉強していないから、あまり意味が無い。留学するなら6.セメスター(3年生の後期)か、7.セメスターになってからが良い」とアドバイスしてくれたそうだ。しかし、恵子の大学では、3年間(6セメスター)で学士課程が終了する。7セメスター目はすでに修士課程のはず。そう恵子に指摘すると、「私の専攻では科目数が多いから6セメスターで卒業するのはほぼ無理。教授は、7.セメスターに留学して日本で卒論を書いたらどうかと言っていた。」と答えた。こちらの大学のシステムがさっぱりわからない。恵子は自分が留学している間、自分の部屋を誰かに貸し出すつもりでいる。又貸しのことを「Untermiete」というのだが、これは普通に行われていることで、禁止はされていない。恵子の住んでいる地域は慢性的に部屋不足で、一度寮を出てしまうと、なかなか次を見つけるのは難しい。かといって、毎月8万円ほどを住んでもいない部屋に払い続けるのは痛い。もし、6.セメスター目に留学すると、貸し出すのは3月から7月になる。その条件では借り手を見つけるのが難しだろう、と恵子はみている。だから、できるなら9月から1月期に留学したいという思惑もある。別にわざわざ留学をしなくてもいいようにも思えてきた。本人がしたくて、教授もすすめるのなら、どうぞご自由に、というスタンスだ。金曜日にクラスメートの一人が欠席した。彼女は1月からの研修先がまだ見つかっておらず、金曜日に有休をとってくれたご主人と一緒に自宅から半径15km以内にある税理士事務所を全部訪問し、直接交渉したらしい。結果は聞いていないからわからないが、すごい行動力だと思った。学校には研修担当者がいるのだが、担当者は何にもしてくれない、担当者に任せていてはいつまでたっても決まらない、と業を煮やしての行動。私の場合は、11月末にギリギリ見つけることができたけど、私がサインした契約書をまだ向こうサイドはサインして送り返してきてないようで、ドタキャンされたらどうしよう・・・とすごい不安。クラスメートに話したら、「それは、たぶん、まだ担当者がその契約書を向こうに送ってないんだと思うよ。Aさんはあなたよりも2週間早く研修契約書にサインしたけど、2週間ほど担当者の机の上に置きっぱなしになっていた、って言ってたよ。Aさんもまだ契約書を手にしてないって言ってたよ。研修担当者は事務能力が低い、とみんな怒っているよ。」と言われた。でも、研修担当者にも少し同情する。ドイツ語がうまくない人や性格に難がある人や学習能力が低い人にもとにかく研修先を見つけ出さなくてはいけない。「おたくの学校の生徒さんは二度と受け入れません。」と断言している事務所が結構あるそうだ。学校での授業もあと2週間。1月からはクラスメートみんなが実習を始められたらいいな。