日本語のレッスン
「日本語を教えてくれませんか?」というメールを見知らぬドイツ人からもらったのは、1ヶ月ほど前の話。彼女は、市民大学講座で日本語初級のクラスを取っていたのだが、もっと「インテンシブ」で勉強したいと思い、個人教授を探していたのだそうだ。最初は、私の友人に頼んだのだが、時間がないと断られ、彼女から私を紹介された・・・というわけ。しかし、私も、子供3人を抱える身。「土曜日しか時間が取れない。ドイツ語では説明できない。ドイツ人に教えたことはない。」という返事を出した。すると、しばらくして、「土曜日でも大丈夫です。英語でもOkです。一度会いましょう。」という返事があり、それで昨日、初めて対面することになった。しかし、彼女からのメールに返事を出しても、なかなかその返事が来なくて、「この人、やる気があるのかしら?」って疑問だったし、そもそも彼女がどんな人なのかもわからず、会うまで結構不安だった。まず、家に入ってもらって、コーヒーでもいかがですか?と勧めたら、結構です。と断られた。せっかく、日本から送られてきたクッキーとともに、お茶の用意をしてたのに・・・。ちょっと気まずい雰囲気が流れてしまった。そこで、「自己紹介をしましょう。まず、あなたのことを教えて下さい。」と切り出したら、「私の何が聞きたいの?」と切り替えされた。「年齢とか、何をしている人か、とか、どこに住んでいるとか、家族構成、日本語を習いたいと思った動機とか、いろいろあるでしょ」・・・・って言いたかったけど、ガードが固そうで、「そんなプライベートなこと、関係ないでしょ?」って言われそうな雰囲気だった。それでも、彼女が学生が社会人かは聞いてもいいだろう、と思い、「何をしているんですか?」と聞いた。彼女は社会人で、外国との取引の部署にいるので、毎日、英語、フランス語、イタリア語、スペイン語を使って仕事をしていると言った。これらの言葉は、2年間プライベートスクールに通って勉強したのだそうだ。ひゃー・・・・。語学に興味があって、中国語やフィンランド語も習ったことがあるそうだが、今は、日本語に興味があり、もう少しできるようになりたいと思っている、と言った。彼女は、分厚いファイルを抱えてきて、今まで学校で習ったプリントを見せてくれた。そのほか、自分でインターネットからダウンロードしたプリントを見せてくれた。インターネットで、ドイツ語話者が日本語を独学できるようなサイトがたくさんあるのにびっくりした。でも、よく見ると、ところどころ間違っている。時間の項目では、四時「しぢ」、九時「きゅうぢ」とカナが振ってある。月の名前では、十月「ヅウガツ」、十一月「ヅウイチガツ」、十二月「ヅウニガツ」 という具合。インターネットは便利だし、お金がかからないけど、語学の学習で、それだけに頼るのは、危険なことなのだなーと思った。昨日は、彼女が今まで習った所を復習してみた。それで、来週以降、定期的に土曜日にレッスンすることになった。私も、昔勉強したファイルや本を引っ張り出し、次回の授業の計画を練っている。どうやって教えようか?どのような教材を使おうか?文字はどのように導入しようか?とそのことで昨日から頭がいっぱい。英語で解説するのも、言葉が思い浮かばなかったりで、ドイツ語も混じってしまい、なんだかめちゃくちゃだったなーって反省。彼女が上達するかしないか、日本にもっと興味を持つか持たないかは、私の教え方次第だと思うと、私もしっかり準備をしなくてはいけないと思う。来月からは、私自身のドイツ語のコースも始まり、こんなことしている時間はないなーと思いつつも、日本語に興味を持ってくれる人がいるのはうれしい。