Fortbildung
今週の火曜日にFortbildungがあった。ドイツでは単純労働以外はどんな職業に就くにもAusbildung(職業訓練)が必要になる。Ausbildungを修了して資格をとってもそこで終わりではない。どんな職業でも「Fortbildung」といって、新しい知識を増やす研修を受けることが一般的。教師も例外ではなく、年に1回ほど「今日はFortbildungがあり、殆どの教師が参加するので、授業は11時まで」とか、ひどい時になると平日1日休校になることもある。教師のためのFortbildungなら学校の授業がない時にすればいいのにと思うが、教師からしてみれば「Fortbildung」も労働時間にカウントされてしかるべきで、わざわざ休日を潰してすることではないと考えているのだろう。日本では考えられないことだ。火曜日と水曜日に同じテーマでセミナーがあり、私とKさんは火曜日、Nさんは水曜日に参加した。今回のテーマは「売上税」についてだった。売上税というのは消費税と同義語。ドイツの消費税は19%で、本や食品などは7%の軽減税率が適用される。食品といっても飲み物は19%課税される。しかし牛乳は7%。コーヒー豆は7%だが、コーヒー飲料は19%。しかしミルクが75%以上入っている場合は7%が適用される・・・という具合にかなり複雑。私が担当している企業では、週に1回従業員に朝食を振る舞っている。ソーセージを挟んだパンのほか、小袋入りのケチャップも買っていて、何故かケチャップだけは19%。税率が違うものは別々に記帳しなくてはいけないので、ケチャップは15セントぐらいで毎回売上税にして1セントぐらいの違いしかないのに、すごく面倒くさい。ガスや電気料金、電話料金にも19%の税率が適用されるが、上水道は7%、下水には課税されない。セミナーで、講師が「オクトーバーフェストの会場内で売られているプレッツェルにはいくらの税率が適応されると思いますか?」と質問した。食べ物はテイクアウトする場合は7%だが、イートインの場合は19%。例えばマクドナルドでハンバーガーセットが5ユーロだったとする。お客さんがドライブスルーで買った場合、店の売上は4.67ユーロで0.33ユーロを税務署に払わなければならない。お客さんが中で食べた場合は、店の売上は4.20ユーロで0.88ユーロを税務署に払う必要が出てくる。たくさん売れば売るほどその差は大きくなる。普通プレッツェルは7%の税率だが、オクトーバーフェストで買うということは、家に帰って食べるのでなく、会場内で食べると想定される。故にレストランで食べるのと同じとみなされ19%の税率が適用されるのだそうだ。フードコートで食べるのも同じ理屈で19%。しかしサッカースタジアムでプレッツェルを買って観戦しながら食べても、スタジアムは飲食するのを目的とした場所ではないので7%なのだそうだ。クリスマスマーケットで食べ物を買った場合は、7%の税率。外で座って食べるには寒すぎるので、普通は歩きながら食べると想定されるからだそうだ。ドイツでは消費税がかからない売上は、例えば医者の報酬。医者からの請求書には消費税は加算されていない。故に医者も売上税を払う必要がない。教育にかかわる仕事も課税対象外。例えば子供のピアノ教室や水泳教室、算数や英語を教える塾も無税。しかしベイビースイミング教室は課税対象。なぜなら赤ちゃんに水泳を教えることを目的としていないからだそうだ。つまり「Ausbildung」の概念からはずれるからだ。そのほか、YouTuberにはどうやって課税するのか、YouTubeに映像をあげて報酬を得た場合、どのように計算するのか・・・など、興味深い話があった。しかし全部を理解してわけではなく、家に帰ってレジメをよく読もう。。といつも思うが、なかなかそうはできない。水曜日に出勤したらKさんが「昨日のセミナーでスイスで売上のある企業の課税の仕方が話題になりました。まさしく私が担当している件で、自分は正しく記帳しているということがわかってよかった。」というような話をNさんにしていた。「たくさんためになる話があったから、Nさんも今日、しっかり聞いてきてくださいね。」と言った。Kさんなんてセミナー中ずっとスマホをいじっていたのに、ちゃんと聞いていたんだなーと驚いたとともに、自分は参加しても何にも理解できていなくて、本当に自分のドイツ語能力が低いことを実感させられる。木曜日に出勤したらNさんから「セミナーでガン検診のキックバックの話がでたよね?」と言われた。Nさんは「これはあなたが担当しているDr,XXにも関わる話だから、セミナー資料を参考として添付して、もし該当する売上がある場合はそれを知らせてくれってメールして。」と言われた。私は全然その話に覚えがなくあわててしまった。とりあえず該当箇所をスキャンしてPDFファイルにし、一応メールの草案を書いて、Nさんに「添削してください」とメールした。Nさんからは私の下書きがひとかけらも残っていないようなメール原稿が返送されてきた。それをコピー&ペーストしてDr.XXにメールを送った。ドイツ語ができないから言われたこと書いてあることが理解できない。簡単なメールすら書けない。でもNさんもKさんも優しくて、私が顧客に書かなければいけないメモやメールを必ず添削してくれる。ありがたい環境にいるのだから、毎日少しづつでもいいから前進したい。