老人ホームを見学
10月から、老人介護士の職業訓練を受けようと計画中。学校での授業と実地訓練の2本立てになっている。学校のほうからは、研修先が決まれば受け入れる、との連絡をもらった。実地訓練は自宅近くの老人ホームに12月に申し込んだ。その時は、「院長」(というのかな?)が不在だったので、受け付けの人に「書類を渡しておきます。」とだけ言われた。2週間ほどたって、「院長」から電話があり、3月に1週間実習をしてみてください、と言われた。その前にホームの中を案内したいと言われ、今日の3時を指定されていた。ドキドキしながら約束時間に伺った。電話の声の感じと肩書きから、「温厚な初老の女性」を想像していたのだが、実際にお会いしてみたら、かなり若いのでびっくりした。30代に手が届いているかないないか、見た目はそんな感じだった。しかし、若くても「院長」の肩書きにふさわしく、威厳があった。真っ先に、子供の年齢を聞かれた。「3人の小さい子供がいて、この仕事が勤まると、本気で思ってますか? 日曜も祝日も関係ない仕事です。1日3交代制で、早番、遅番、夜勤があるのです。研修生には夜勤はないですが、本当に大変な仕事です。学校に通っていることは、言い訳になりません。できますか?」とストレートの剛速球が来た。空振り三振の予感がした。「経験もないのに、何故この職業に尽きたいと思ったか?」「介護士は何をするのか知っているか?」「この老人ホームのことをどの位知っているか?」とするどく聞かれた。「当然、インターネットのホームページはみていると思うが・・」とつこっまれた。さすがにそれぐらいの下準備はしていたので、この老人ホームがカソリック系の財団によって運営されているのは知っていたが、財団そのものには興味がなったので、そこまでは調べていなかった。なんと答えていいのかわからず、またドイツ語もめちゃくちゃで、あまりいい印象を与えることができなかった。「実習生は、毎年3人までとりますが、まず2週間の研修をしてもらいます。その後、お互いに話し合い、決定します。とりあえず、3月に1週間研修してもらい、その後、また1週間してもらうことにします。」3月の研修は、遅番ではいることになった。午後1時半に来てくれと言われた。遅番は、夜9時半までだそうだ。ちなみに早番は、午前6時半から午後3時半までとのことだった。話した時間は5分ほど。その後、老人ホームの中を案内してくれた。1階には、職員用の部屋、食堂、カフェ、のほか、ミサを行うチャペルがあった。それから、居住区域の2階、3階を案内してくれた。3時過ぎだったので、お年寄り達は、ラウンジのテーブルに集まって、コーヒータイムを楽しんでいた。インターネットでみていて、この老人ホームには、一人用の部屋が24部屋、二人用が37部屋あることは知っていた。夫婦で入居する人が多いのだなーと思っていたのだが、ドアに下げてあるネームプレートを見ると、「Herr(Mr.)xxxxx Herr(Mr.)△△△」、「Frau(Ms.)xxxxx Frau(Ms,)△△△」など、男同士、女同士で、違う苗字の人たちだった。「この人たちは、友達なのでしょうか?」と聞いてみたら、「同居人です。」と言われた。浴槽も見せてもらったが、今は身体を持ち上げるなどは機械がするようだ。どこもかしこも広くて清潔だった。デイケアの区画もあった。みんなでお茶をしていた。手芸をしている人もいた。デイケアの説明を受け、「小さい子供で言えば、保育園のようなところですね?」と聞いたら、そうです、といってくれたけど、あとで考えて、失礼な表現だったかな?と気になった。一通り見せてもらい、おしまい。結局面談(?)と見学で15分だけ。「それじゃあ、3月に。さようなら。」とあっけない別れだった。なんだか、「見込みなし」という烙印を押されたような気分になった。それにしても、「子供がいて、本当にできるのか?」という一言が深く心に刺さった。家に帰って、夫にそう話したら、「そうだよ。本当にできるの?」と言われた。「夫が家にいるから大丈夫です、って答えたよ。」と返事をしたら、「僕をあてにしないで。」と冷たい一言。ニコちゃんの幼稚園生活も順調にいってないし、子供の誰かが病気で休むことだってある。ドイツ語力と年齢という大きなハンディがあるのに、その上に、子供がいるなんて、私ができることなんて、この世に何もないような気がしてきて、どっと落ち込む。今日は、真央ちゃんを応援したくて、午前3時に目が覚めてしまった。真央ちゃんの演技は、5時過ぎからだったけど、金選手が高得点をたたき出し、なんだか、しらけてしまった。でも、さすが、真央ちゃん。ミスはあったけど、真央ちゃんの演技が一番心に響いた。解説者も、「すばらしいプログラムだ」と褒めていた。日本代表の3人は本当にみんな堂々としていて素敵だった。何でドイツにいるんだろう・・とため息をつきたくなる1日であったが、真央ちゃん達にちょっぴりエネルギーをもらった日でもあった。わたしも頑張らなきゃね。