飲酒運転
1週間ほど前に賢浩が飲酒運転で捕まった。友達とバーに繰り出し、かなりの量を飲んだ後、友達の車で賢浩の寮に戻る途中で警察の検問にあった。運転していたのは賢浩。その場で免許を没収されたそうだ。この話を同僚にしたところ、「僕の友人がStaatsanwalt(検察官?)だからその手の話はよく聞くけど、呼吸テストだけではアルコールの量ははかれないんだよ。だからその場合はかならず血液検査もするはず。でも血液を採ることは「傷害」にあたるから、警察といえでも勝手にはできない。だからStaatsanwaltに電話をして採決の許可を取らないといけないんだよ。」と言っていた。賢浩に確認したところ、確かに血液検査をされたとのこと。私の職場は事務員が15人程度の規模だが「知り合いが飲酒運転でつかまったことがある」という同僚が2人もいた。「私の知り合いは罰金を5000ユーロ支払った。その後も定期的に尿検査を義務付けられた。」「飲酒運転の罰則は重いよ。Idiotentest(馬鹿発見テスト?)に受からないと再び運転することはできないのだけど、そのテストは1回受けるのに600ユーロかかるし、1回では受からない。私の知り合いは4回目でようやく受かった。そのほかにもいろいろな検査を自費で受けなければならなかったので、トータルすると車1台分の費用がかかった。」Idiotentestというのは、正解がなんだか誰にもわからないテストらしい。だから試験対策をしようがない。「なぜあなたはそんなに飲んだのか?」「飲んだのになぜ運転したのか?」「現在はどの程度の頻度で飲んでいるのか?」「飲むのは好きか?」「今後も飲酒運転をすると思うか?」ということを聞かれるらしい。「今は飲んでいません」」「もう二度としません」と言っても。試験官に「こいつはうそを言っている」「こいつは再犯するだろう」と判断されれば受からないのだそうだ。賢浩はもちろんすごく反省している。たぶんもう二度としないだろう。でも試験官はどう判断するかわからない。ドイツは16歳からビール、ワイン等の飲酒はOKで、ウォッカなどの強い酒は18歳からOK。18歳で飲酒をすること自体はドイツでは全く合法で何の問題もない。ただ飲酒運転というのは大問題。ドイツでは年々罰則が厳しくなっているそうだ。また23歳以下の若者の車の事故は多いので、特に厳しく罰せられると同僚は言っていた。ドイツでは免許を取ってから2年間は試用期間だそうでその間に問題を起こした場合は免停ではなく、取り上げられるのではないかというのが大方の意見。罰金については所得によるとネットには書いてある。賢浩の所得はゼロ。彼の所得で判断されるのか親の所得で判断されるのかはわからない。そもそもどんな罰則になるのかも今の時点ではまだわからない。大学の所属弁護士に相談したところ、「警察からの手紙を待って、専門の弁護士に相談したほうがいいだろう。そのほうが刑が軽くなるはずだ。」とアドバイスをもらったらしい。弁護士を雇っても一体どこに議論の余地があるのかわからない。今のところ私の予想では、免許没収、9か月から12か月次の運転免許試験受験禁止。罰金1000ユーロ程度。その後Idiotentest,心理テスト、健康診断などを受けることを義務付けられる・・・こんなところに落ち着くのではないかと思う。いずれにしても日本円に換算して80ー100万円程度のの支出は覚悟するべきだと思っている。一体だれが払うのかという問題がある。当然賢浩にはそんな資産はないから親が払ってくれると思っているだろう。実際そうするしかないが、腑に落ちない。今回飲酒運転で捕まったのはショッキングなニュースではあったが、私も夫も義姉たちも「塞翁が馬」かもしれない、と思っている。賢浩の飲酒量が前々から気になっていた。若いうちからこんなに飲んでいてはいつか肝臓を壊すのではないかとみんなが心配していた。何度も注意したけど、本人は「こんなの今どきの標準」と飲酒をやめなかった。今回の事件は酒量を減らすいい機会になったと思う。だから長い目で見れば本人のためになる事件かもしれない。再犯するほど馬鹿ではないだろう。