Bitte!
昨日、にこちゃんがはいっているサッカークラブの開催する大会のお手伝いに行って来た。地元のスタジアムで3日間開催されている大会で、地元のサッカークラブだけではなく、いろいろな地域のサッカークラブも参加しているかなり大きな大会で、子供たちは10人用の大きなテントで寝泊り。スタジアムの中には、いくつか出店があり、私はそのうちのひとつ、カフェテリアでのお手伝いだった。にこちゃんは、試合にでないし、足手まといになるので、夫に面倒を見てくれるように頼んだ。12時から3時半までといわれていた。12時までは他の保護者が手伝っていて、12時からは3人で手伝った。そのうちの一人のお母さんは、偶然にも、ニコちゃんの幼稚園のクラスの子のお母さんだった。私は、まったく知らなかったが、相手から、「うちの息子、ニコと同じクラスですよ。」といわれてびっくりした。その人は、妊婦さんで9月が予定日だといった。おなかはかなり大きかった。そんな大きなおなかを抱えてずっと立ち仕事のお手伝いをするなんてすごいなーと思った。しかも、にこちゃんのクラスメートは、1年ほどサッカーをしているそうだが、あんまり好きではないらしく、今月でやめるそうだ。それなのに、ボランティアで手伝うなんて、人間が出来ているなーと思った。私たちの仕事は、アイスキャンディー、ケーキ、コーヒーの販売。ケーキは、保護者たちが作ってきたもので、50種類ぐらいあった。手伝いをしている人は、ここで販売しているものはすべて無料になるし、家族も無料になるといわれた。でも、私たち3人は、子供を家において一人で来ていた。結構忙しくて、休んでケーキを食べている暇はなかった。暑い日だったのでアイスキャンディーが飛ぶように売れた。コーチがチームを引き連れて買いに来るケースも多かった。子供が、僕はXXX,僕は○○。。など好きなアイスをいい、コーチがまとめてお金を払う。たとえば、60セントが7個、70セントが2個、1,10ユーロが3個、1,20ユーロが6個、1、40ユーロが13個・・・という会計で、50ユーロ払われてその場でおつりを計算、という状況がしばしばあった。早く正しく計算しないといけないので、ものすごく頭の体操になった。「XX(アイスの名前)を15個」と言われた。1個60セントのアイスだった。早く計算をしないといけないと思うとあせる。「えーと・・・」と言ったら、「9ユーロでしょ。」と即言われた。こんな計算も瞬時に出来ないのか!と軽蔑された気分になった。私の偏見なのだけど、ドイツ人は、計算が遅い、と思っていた。でも、私と一緒に手伝った二人もとても計算が速かった。私も自分が遅いほうだとは思っていないのだけど、ドイツ人に対しての偏見を捨てなくては、と思った。大概の子供は、アイスを買うとき、「XX1個」という言い方をする。すると、にこちゃんのクラスメートのお母さんは、必ず「Bitte」と言い返した。「Bitte」にはいくつか意味があって、英語のPleaseのように、「どうぞ」「おねがいします」と言うときに使うほか、「Wie bitte?」というように、「えっ、なんていっての? もう一度言ってください」というときにも使う。だから、子供たちは、聞こえなかったのかな、と思って、もう一度「XX1個」と言う。すると、また「Bitte」といわれてしまう。で、また「XX1個」といいなおす。また、「Bitte」といわれると、さすがに子供も気づき、「XX1個、Bitte」と言いなおし、ようやくアイスを売ってもらえる。でも、気づかない子もいる。「XX1個」といい続ける子には、「そのあとは?」と誘導し、必ず、Bitte を言わせていた。最初は、知っている子供に対して言っているのかと思ったら、そのお母さんはみんなに言っていた。「知らない子にもいえるのって、すごいですね。」と感心したら、「Bitteを言うのは基本でしょ。それが出来ないのは、許せないから、必ず注意するの。」と言った。小学校の先生で、2年生を受け持っているのだそうだ。いつも1,2年生を相手にしているから、子供を注意するのに慣れてしまっているのだとも言った。この大会には、フランスの姉妹都市のサッカーチームも参加していた。そういう子達は、ドイツ語が話せないから、これが欲しいと指をさす。でも、指を刺しながら、「Bitte」というし、「Danke」も言える。たぶん、「Bitte」と「Danke」しか知らないのだろうけど、ドイツの子供たちがあまりにもBitteを使わないから、フランスの子たちが、ものすごく礼儀正しく映った。4時になっても代わりの人が来ないで、私たちは何時までやらなくてはいけないのか、不安になってきた。そのうち、元締めのような人が来て、あと二人手伝いがいるから、出来れば最後まで居てほしいが、帰ってもいい、と言われた。あまっているケーキを好きなだけ持って帰ってもいい、と言ってくれた。まったく手つかずのケーキもあった。でも、私は自転車だったので、少しだけいただいて、家に帰った。家に帰ったら、賢浩のクラスメートが来ていた。今日、プレゼンテーションがあるそうで、その打ち合わせだった。賢浩とペアでプレゼンをする子も、サッカークラブにはいっていて、金曜日からテントに寝泊りしていたので、準備する時間がなかったのだ。友達は、テントでは、2時間ぐらいしか寝ていなくて、眠い、と言っていた。テントでの宿泊は、食事も含めて、31ユーロなのだそうだ。無料だと思っていたら、違った。彼らは、ビートルを音楽で習っていて、それぞれのペアが与えられた課題を発表する。賢浩たちは、「Get Back」だった。そんな曲をビートルズが出していることさえ私は知らなかった。どういう音楽的特徴があるか、ということを発表するので、インターネットを使わせたが、くだらないサイトばかり見て、一向に宿題がはかどらない。友達だって疲れているだろうに、結局8時近くまでうちにいた。私も疲れていたのに、賢浩の友達がいたので、なんとなく、くつろげなかった。サッカーの大会のお手伝いは疲れたけど、なかなか楽しかった。この次もやってもいいな、と思った。