rules(西荻窪)で、ハンドメイドのバッグをオーダー
「rules」――西荻窪、北口。骨董品や個性的な雑貨を扱う店の多い道を抜け、善福寺方面に向かってしばらく歩いた半住宅街にその店はあった。ブリティッシュテイストのデスクに、さりげなくアクセサリーやポーチを並べた、貴族的な日常を感じさせるディスプレイに惹かれて入ってみる。すると、そこにはファブリックとレザーを上品に組み合わせた、ハンドメイドのバッグの数々。デザインは一見クラシカルだが、斬新さもさりげなく取り入れている。手作りのぬくもりを残しつつ、細部まで丁寧につくりこんだ職人技の光る逸品が並んでいる。壁に掛けられた、リズミカルな柄物のバッグ。花と鳥のハーモニーが楽しい。見ているだけで気持ちが明るくなる。ゴブラン織りの横長の小ぶりのバッグに目が留まる。裏地もしゃれていて、レザーのハンドル部分にはスエード調の人工皮革の裏張りがしてある。柄はフランスの古風な貴婦人のイメージだが、紫の1つボタンで留めたシンプルなデザインは今風だ。Mizumizuはスクエアなカタチのバッグが大好き。同じデザインでファブリックを替えて作れるということで、いろいろ見せていただく。こちらはハウンドトゥース・チェックのツイード。かなりブリティッシュな優等生的なイメージ。フローラル刺繍が上品なフェミニンなバージョンも。布の切り方、つまり花の位置を工夫してあるのが、よく分かる。生地を見せてもらうと、Mizumizuがよく着るブルーの服に合いそうなフローラルパターンを見つけた。花柄のバッグは案外持っていないので、その生地を使って作って、同じデザインで作ってもらうことにした。職人でもあるオーナーと、裏地やボタン、ボタンにかける紐なのど色を打ち合わせる。いったん全部決めたのだが、後日さらに「裏地に使う布は、こちらのほうがベター」という提案を受けた。裏見返しの部分をより厚くて強い生地にして、裏地は無地のシャグリーンカラーで爽やかさを出したいとのこと。Mizumizuが書類に書いた電話番号が間違っていて(汗)、連絡がつかなかったということで、rulesのほうで布地の見本を郵送してくれた(住所は間違って書かなくて、よかった・笑)。ちなみに、裏見返し部分の色は写真では黒に見えるが、実際はネイビー。もちろんご提案どおり。お任せする。こちらが出来上がったMizumizu注文のブルーローズ柄。写真は片面しか映っていないが、両面で柄の取り方が違い、ひっくり返すと、視覚的に楽しい。鏡に映っているので分かると思うが、サイドはネイビーでマチがしっかり取ってあるので、大きさのわりには案外入る。ハンドルはネイビーのレザーで、裏はレッドの人工スエード。持ってみるとしっとりと手になじむ。ボタンは紫で、紐が赤。円いボタンの裏は、四角の小さな半透明の貝ボタン。細部まで手がこんでいる。お出かけ用バッグのバリエーションが広がり、とても嬉しく、満足した。価格も俗に言う「西荻価格」で、特注ハンドメイドのわりに高くない。ついでにシルク製イヤリングもお買い上げ。シルクなのでとても軽い。耳につけてみると、華やいだボリューム感があり、リゾートチックな雰囲気だ。色はいくつかあったが、Mizumizuが選んだのはレモンイエローにライムグリーンのコンビ。ちょうど合う夏用の服があるので、夏に活躍してくれそうだ。さりげなく上質の、心地よいハンドメイド。西荻は全体としては、アジアンチックな、ゆる~い雰囲気の街なのだが、つぶさに歩くと、ふっとこういう旧き良きヨーロッパの伝統を受け継ぐ店にも出会える。懐の深い街だ。