チェコの鉄道料金は安かった、でも・・・
9.24の11:10PMからの「世界の車窓から」では、列車はプラハを北上し、カルロヴィ・ヴァリに着いていた。ところで同番組では、カルロヴィ・ヴァリはドイツ語で「カールスバード」と言っていたが、これは間違い。ドイツ語では語尾のdは濁らないから、Badはバートとなる。「カールスバート」が正しいドイツ語読みだ。「マリエンバート」もマリエンバードではない。往年の名作「去年マリエンバートで」はDVDにもなっているが、決してこれも「バード」ではない。さて、Mizumizuはプラハから南下する。途中チェスケー・ブディヨヴィツェで2泊して、うち1日はチェスケー・ブディヨヴィツェからバスでチェスキー・クルムロフの日帰り観光をした。そのあとオーストリアのグムンデンに行ったのだが、プラハで鉄道の切符を買うとき、「2等車両で、グムンデンへ。途中でブディヨヴィツェで降りて2泊するんだけど」と英語で伝えたら、プラハ―グムンデン行きの切符でいいと言われた。2等で938コルナ(当時)。たったの4232円! これでオーストリアまで行けるの? うそぉ。途中下車で2泊もOKなの? うそぉ。と、どうにも信じられず、インフォメーション(つまり別の人間に)で買った切符を見せて、「これでブディヨヴィツェでいったん降りて、2泊して、そのあとオーストリアのグムンデンまで行けるの?」と確認した(誰かが何か言っても、ほとんどそのまま信じないのがMizumizu流ヨーロッパ個人旅行だ)ら、「あったりまえだよ」みたいな顔で「問題ない」と言われた。チェコの公共交通機関ってホント安いな~と思いつつ、ブディヨヴィツェへ。それからクルムロフへ。ブディヨヴィツェ―クルムロフ間のバスもメチャ安だった(往復で470円!)が、バスは目をむくほどボロかった。「こ、これで走るの?」と思ったくらい。日本だったら間違いなく廃車になっている。これはクルムロフで買った鉄製の燭台。シンプルながら力強い造形が気に入って買った。チェコの工芸品のレベルは、その値段に対して、かなり高い。お値段は445チェココルナ(2000円ちょっと)。そのあと、ブディヨヴィツェを出発し、オーストリアのグムンデンまで行ったのだが、その列車がまたメチャクチャぼろい。「世界の車窓から」でも映っていたが、車内の窓は、上下2つに分かれていて、上のガラスを下げて窓を半分開ける仕組みになっている。ところが、その「下げた窓」が列車が揺れるたびに「がっちゃん」といって跳ね上がるのだ。下にさがったまま止まっているということをしてくれない。仕方なくもっていた紐で窓を車内の出っ張りにくくりつけた。列車の揺れもひどく、酔いそうになった。つら~い旅だった(おそらく日本も昔はこんなものだったんだろうと思う。今の日本の快適な鉄道やバスに慣れてしまった身の堕落ぶりをつくづく感じた)。ところが、オーストリアに入ったとたん、すべてが変わった。列車は滑るように(と、チェコから来ると感じた)スムーズに動き、とても車内は静か(と、チェコから来ると感じた)で、窓の向こうの景色はよく手入れされた田園になった。グムンデンで一泊したあと、「世界で一番美しい湖畔の村」というのが謳い文句のハルシュタットへ向かった。