意外なところで出会った逸品――ギンザキャフェのソフトクリーム(松屋・銀座)
銀座の松屋デパートの地下で、なにげなく入ったコーヒーショップは意外にも相当のアタリだった。「ギンザキャフェ」というレトロなネーミング。場所はうっかりすると通り過ぎてしまうようなデパ地下の隅。豆を売る店の奥にあり、カウンターだけでテーブル席はない。カウンターの向こうの壁際に、なんとかスペースを見つけて置いた・・・というふうな水出しコーヒーの器具を見て、頼んでみた。苦いのにさっぱりした水出しコーヒーは、Mizumizu+Mizumizu連れ合いの好物。水出しコーヒーを売り物にしているカフェは、東京ならわりあいどこにでもあるが、水出しならすべからく一定に美味しいというわけではもちろんなく、好みに合うものと合わないものがやはり明確に分かれる。ギンザ・キャフェの水出しコーヒーはMizumizu+Mizumizu連れ合いの嗜好にピタリ。おのぼりさん相手で、高いばかりでダメダメなカフェも多い銀座だが、ここは意外にも本格派だ。さらに驚いたのは、コーヒー風味のソフトクリームが、相当の高レベルだったこと。札幌に長期滞在したことのある身からすると、東京のソフトクリームのレベルは絶望的だ。どうしてどこもここも、ああもアメっぽく、しつこい甘さのべっとりしたソフトクリームしか出さないのか。札幌近郊なら、江別の「まちむら農場」のソフトクリームが最高だった。ところが、この「まちむら」、千歳空港にも東京の新丸ビルにも店を構えてソフトクリームを出しているのに、味ときたら、江別の農場の牛舎のそばで出すソフトクリームとは雲泥の差。同じ農場が作ってるソフトクリームなのに、なんでこんなに違うのか、理由を教えてほしいくらいだ。江別の「まちむら」のソフトクリームは一言で言うと、「水っぽい」。水っぽいというのは普通は褒め言葉ではないと思うが、ソフトクリームに関しては、それだけフレッシュでみずみずしいという意味。不純な甘さが舌の上にまとわりつくことなく、さっぱりと爽やか。その味は、まさにフレッシュミルクの恵みそのものだ。その分、非常に溶けやすいのが難点。風にちょっと当たると、もうスルスルと溶けていく。あの「もち」の悪さが、まちむらのソフトクリームの美味しさを江別限定にしているのかもしれない。ギンザキャフェのコーヒー風味のソフトクリーム(店での正式名称は、ブルーマウンテンブレンドソフトというらしい)は、あの江別の「まちむら」のソフトに一番近いのではないか。新丸ビルの「まちむら」のソフト以上に(苦笑)。非常に溶けやすく、水っぽい。立って食べることを前提としたスタンドショップでは提供しにくいかもしれない。味がブルーマウンテンかどうかはよくわかないのだが、コーヒーショップの出すソフトらしく、コーヒー風味が邪魔にならず、非常によく甘さと調和している。これは、ヒットだ。ヒットと言えば、同じ松屋・銀座に入っている「タントマリー」。湯島にある小さなお菓子工房だ。こちらの記事ですでに紹介したが、ノルマンディのAOCカマンベールを贅沢に使った、「カマンベールチーズケーキ」が最大のヒット商品で、松屋でも売られている。まったく甘くないチーズケーキ。ホールで買うと、1日目は確かにチーズ臭く(チーズの香り、ではなくチーズの臭いが確かにあるのだ)、2日目には少し落ち着く。その変化もチーズ好きにはたまらない。タントマリーはやはりこれが最高だが、他のケーキも素材のよさが光る。こちらのケーキは、フランボワーズ・レッドとホワイトチョコレートの色彩のコントラストが鮮やか。販売書籍のご案内南イタリア旅行記:「イタリア・プーリア州二人旅」(1,500円、消費税・送料込み)紹介されている名所:アルベロベッロ、マテーラ、カステル・デル・モンテ、グロッテ・デ・カステラーナ、レッチェ詳しくは、こちらのエントリー参照。 修士論文・博士論文 卒業論文の書き方(800円、消費税・送料込み)詳しくは、こちらのエントリー参照。