シチリア産エキストラバージンオリーブオイルの店「ダ・ノンナ」(世田谷区砧)
エキストラバージンオリーブオイルは阿佐ヶ谷のブオーノイタリアで量り売りで買っている。ここのオリーブオイルはイタリア中部のウンブリア産。ピリッとした辛さが特徴のかなり個性的なオイルで、気に入っている。が、実は、基本的にはエキストラバージンオリーブオイルはもっと南のもののほうが好き(苦笑)。イタリア旅行をして、オリーブの老大木の堂々たる姿に驚くのは、やはりプーリア州やシチリア島なのだ。南のオリーブオイルは、ざっくり言ってしまうと、もっとフルーティだというイメージがある。油というよりジュースに近くなってくる。高級スーパーには瓶詰めのものが売られているが、できれば量り売りでフレッシュなオイルを売ってくれる店で買いたい・・・と思っていたら、さすがにそこは、何でもある東京。世田谷区砧に、シチリア産のエキストラバージンオリーブオイルを量り売りしてくれる店を見つけた。その名も「ダ・ノンナ」。オリーブは11月が収穫の時期。なので、今の時期は絞りたてのオリーブオイルを買うのにはちょうどいい。そう思って行ってみたら案の定、「12月5日に届いたばかり」というフレッシュなエキストラバージンが売られていた。住宅街の一角にある、小さいけれどセンスのいい店。芸能人が大好きな世田谷の高級住宅街には、こういう店が珍しくない。エキストラバージンオリーブオイルは、鮮度が命。重宝がって台所の隅に置きっぱなしにしておくと、味がガタ落ちになる。日本の高級スーパーで売られている高級エキストラバージンオリーブオイルがどうももうひとつなのは、鮮度に問題があるのだと思う。こちらが、11月にシチリアのカルタニセッタで絞ったばかりだという、正真正銘フレッシュなエキストラバージン。これで1743円ってのは・・・ハッキリ言ってかなり高い。値段から考えれば阿佐ヶ谷の店ほうがお得感がある。何でもそうなのだが、杉並より世田谷のほうがモノの値段が一段高い。芸能人が好んで住むあたりになると、郊外――という言い方が適当かどうかわからないが、とりあえず、都心ではない――なのに港区並みの物価になる。肝心のお味は・・・うん、うん。想像したように、ウンブリア産(阿佐ヶ谷)のものよりフルーティ。最高級とは言わないが、かなり次元の高い農家から仕入れていることは間違いない。エキストラバージンオリーブオイルというのはワインと似ていて、値段が高いもののほうが基本的に美味しい。だが、日本で売っているモノは現地とは値段が逆転したり、反対に差が極端に開いたりすることがある。長持ちするものでもないし、農家によって生産量も違ってくる――つまりインポーターからすれば、仕入れの量が制限されるということ――し、このあたりは致し方ないといったところか。透明な入れ物だと、光が入って酸化しやすい。なので・・・スペインのトレドで買った、素朴な陶器の入れ物に移しかえた。普通はVマーク=バルサミコ、A=オリーブオイルだと思うのだが、我が家では両方ともエキストラオリーブオイルで、ウンブリア産とシチリア産それぞれ直輸入のフレッシュな味が楽しめることになった。贅沢な時代だ。お店情報:ダ・ノンナ世田谷区砧3-2-22 電話:03-5494-7437営業時間 平日:午前11時から午後8時、土日祝:午後1時から午後8時